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ホテル・カイザリン の商品レビュー

3.5

90件のお客様レビュー

  1. 5つ

    12

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/02/13

掌編、というには長すぎるのだろうけど。 誰かの人生のほんの一部分を 掌に乗せて覗き見させてもらっている様な印象。 怖かったり、ホッとさせられたり、 どっちに転ぶか分からないのが面白い。

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2024/02/09

8篇を収録した短篇集。イヤミスもあれば純文学っぽい作品もあり、ジャンルにこだわらず幅広い作品が並ぶ。 どんな作品を書いても一定の水準にある近藤さんのうまさは認めるが、初出一覧を見ると2010年から2023年まで及んでおり、他のアンソロジーのために書かれた作品が多いようだ。そのせい...

8篇を収録した短篇集。イヤミスもあれば純文学っぽい作品もあり、ジャンルにこだわらず幅広い作品が並ぶ。 どんな作品を書いても一定の水準にある近藤さんのうまさは認めるが、初出一覧を見ると2010年から2023年まで及んでおり、他のアンソロジーのために書かれた作品が多いようだ。そのせいかまとまりのなさを感じてしまった。

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2024/02/04

短編集。交霊会では自分が善意でした事って本当に正しいのか?と不安になり、ホテルカイザリンでは、自分ではどうしようもない不運な人生から逃れる事はできないのか?と思ったり。それぞれ物語の最後に考えさせられる。

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2024/10/24

 人はみな、多かれ少なかれ満たされない思いを抱えて生きている。ただ、その思いとどんな向き合い方をするかの選択で人生は違ってくる。  その「選択」がもたらしたものを描く8つの物語。           ◇  今日は学園祭当日だ。僕は久しぶりに校門を潜った。  高校2年で実行委員を務...

 人はみな、多かれ少なかれ満たされない思いを抱えて生きている。ただ、その思いとどんな向き合い方をするかの選択で人生は違ってくる。  その「選択」がもたらしたものを描く8つの物語。           ◇  今日は学園祭当日だ。僕は久しぶりに校門を潜った。  高校2年で実行委員を務める僕は学園祭の中心メンバーとして運営に当たるはずだったが、家庭の事情で昨日までの1週間を欠席したためほとんど手伝えなかった。  エントランスに来た僕は壁に貼られたポスターに気がついた。ポスターには「降霊会、行います」と書かれていて、死んだペットの降霊をしますと、小さな字で付け加えられている。責任者は宮迫砂美となっていた。  砂美は僕の幼馴染であり、家族同士顔見知りだ。優等生の砂美は教師ウケがよいため、僕が休んでいる間の急な申請にも関わらず、催しは許可されたらしい。  茶番だとは思うのだけれど、この企画を立てた砂美の意図が気になった僕は降霊会に参加することにした。  外光が遮断された理科準備室には長方形のテーブルがあり、その周りに椅子が8脚置かれている。  その1つに座るのがイタコを務めるエレナというゴスロリ風の女子で、僕を含め7人の参加者が席に着くと照明が消された。  進行役の女生徒が、手にした蝋燭で以て参加者それぞれの前に立てられた蝋燭に火を灯していく。そして最後にエレナの前にある大きめの蝋燭に火を灯すと、進行役の女生徒は最初の降霊希望者を募る呼びかけをした。  1年生らしい女生徒がおずおず手を挙げ、2ヶ月前に死んだウサギを呼び出してほしいと言う。  了解したエレナは、全員に隣の生徒と手を繋ぐよう指示した。そして手と手が繋がるのを見届ると、エレナは呪文を唱えはじめ……。        (第1話「降霊会」) 全8話。       * * * * *  ミステリーあり、サスペンスあり、ホラーあり、ヒューマンドラマありのバラエティ豊かな短編集でした。  第1話「降霊会」(28㌻)は見事などんでん返しミステリーで、攻守ところを変えていく終盤の心理戦がなんともおもしろい。でも、これはほんの序ノ口です。  個人的にはヒューマンドラマ仕立ての話が気に入りました。  特に、8話中て最も紙数を費やした第2話「金色の風」(56㌻)が希望と再生を感じさせる作りで、個人的に好みに合っていました。  もちろん、第3話「迷宮の松露」(24㌻)もよかったですし、表題作の第6話「ホテル・カイザリン」(32㌻)も意外な結末まで用意されていておもしろかった。  でも、2番目のお気に入りとしては第7話「孤独の谷」(28㌻)を挙げたいと思います。  「孤独の谷」はオカルト色の強いホラー作品で、超短編なのを感じさせないほど読ませます。  あとは、軽いサスペンスホラー仕立ての第4話「甘い生活」(28㌻) と、第5話「未事故物件」(24㌻) もうまくまとめられていたと思います。  各話はいろいろなジャンルに味つけされているのですが、満たされない思いを抱える主要人物が岐路に立ったときに何を選択したかでどんな人生を迎えることになるのか、というテーマに基づいて書かれているので、統一感のある作品集になっています。  近藤史恵さんという作家のオールマイティぶりがわかる作品でもあるので、近藤さんの作品を初めて読む方にはお勧めです。

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2024/01/29

特にまとまりはない短編集だが「私の作風は様々ですよ」と自己紹介しているようなバリエーションに富んだ内容だった。『降霊会』→ぎぇっ!陰湿ぅ!『金色の風』→海外生活の空気感が伝わる。『迷宮の松露』→近藤さん得意のお菓子ウンチク。『甘い生活』→因果応報的ざまーみろ感。『未事故物件』→こ...

特にまとまりはない短編集だが「私の作風は様々ですよ」と自己紹介しているようなバリエーションに富んだ内容だった。『降霊会』→ぎぇっ!陰湿ぅ!『金色の風』→海外生活の空気感が伝わる。『迷宮の松露』→近藤さん得意のお菓子ウンチク。『甘い生活』→因果応報的ざまーみろ感。『未事故物件』→これはリアルに怖いかも。『ホテル・カイザリン』→隠れ家ホテルでの愛憎劇。『孤独の谷』→このホラー感、長編で読みたい。『老いた犬のように』→男性の微妙な下心的心情が秀逸。総括:お気に入りは『孤独の谷』『老いた犬のように』

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2024/01/28

程よい内容の短編集。 ゾッとする話とグッとくる話の温度差が良い。 「金色の風」と「迷宮の松露」が良かった。 「孤独の谷」はなかなかミステリーチックで引き込まれたが真相が少し物足りなかった。 「未事故物件」は今どきありそうな内容でかなり怖いなと感じた。

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2024/01/25

近藤史恵という作家は、作風の多様性に驚かされる。 日常に潜むミステリ、人の心理を描く作品、自転車競技を舞台にした青春小説 等々… 作品毎に、作風が異なり、それぞれに面白く、読むものに驚きを与える。 この短編集も様々な題材を取り上げ、著者の多才ぶりを堪能できるエンターテイメント作品...

近藤史恵という作家は、作風の多様性に驚かされる。 日常に潜むミステリ、人の心理を描く作品、自転車競技を舞台にした青春小説 等々… 作品毎に、作風が異なり、それぞれに面白く、読むものに驚きを与える。 この短編集も様々な題材を取り上げ、著者の多才ぶりを堪能できるエンターテイメント作品。

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2024/01/18

クセのある短編集という印象。 人間の狂気的な部分が描かれたり、逆に優しい部分が描かれたりしている。 作者の作品は初めて読んだが、登場人物の一人一人に細かな欠点が見えて親近感が抱けた。物語には狂気的なものもあるが、人間だからそういうこともあるかぁと納得は出来るし、色々と反面教師にも...

クセのある短編集という印象。 人間の狂気的な部分が描かれたり、逆に優しい部分が描かれたりしている。 作者の作品は初めて読んだが、登場人物の一人一人に細かな欠点が見えて親近感が抱けた。物語には狂気的なものもあるが、人間だからそういうこともあるかぁと納得は出来るし、色々と反面教師にもできる部分があると思う。 なんとなく道徳の教科書をドロッドロにした感じ?というか… 感想を書くのが難しいけど、面白かった。

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2024/01/16

こわっという話とスッキリ、ホッとする話の混ざった短編集。 共感できるもののできないものがあったけれど、人の心の内は、そんなものだと思う。 自分とは違う感性がたくさんあるんだ。

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2024/01/06

 短編集。どれもこれも、ひきこまれてしまう内容だった。甘い生活、ホテルカイザリン、孤独の谷が好みだった。

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