1,800円以上の注文で送料無料

クスノキの番人 の商品レビュー

3.9

536件のお客様レビュー

  1. 5つ

    130

  2. 4つ

    235

  3. 3つ

    132

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2024/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心がほかほかと暖かくなる物語だった。 環境に恵まれず犯罪者になりかけていた主人公の玲斗が、伯母の千舟さんに導かれて知らなかった社会の中に進んでいく様子や、クスノキがもたらす繋がりのなかで大切なものを見つけて成長していく姿がとても清々しかった。 そしてなにより、時空をも超えて念を通して繋がる"かぞく"のかたちが温かかった。 新月の夜、脳の中で思いを馳せてクスノキに念を託すと、頭の中で考えたことやこれまでに感じてきた“想い”が良いも悪いもそっくりそのまま受念者に届く、なんて話、ファンタジーでしかないのに日本のどこかでは実際にあるんじゃないかと思えるくらいリアルさも感じた。 それはきっと、東野さんが丁寧に構築した人間関係がもたらしているんだろうな、と。 佐治親子の関係性も、大場親子と福田さんの関係性も、綺麗ごとだけでは片付かない複雑な事情を抱えながら最終的には確かな糸で互いを思い合う気持ちが結ばれていて素敵だった。 ------------------ー--- 読み終わってから静かに自分の両親について想いを馳せてみたりも。 ほんとうにクスノキの木が存在するなら、両親がなにを考え、どんなふうに生きてきたのか、私のことをどんなふうに思ってくれてるのか知りたい気持ちは大いにあるけれど、そんなものは存在しないからこそ、日々の生活のなかで正面から向き合って、たまには回り道もしながら言葉を交わしあって、理解し合えるような関係性を築いていきたいな、と。 伝えられるのは永遠ではないからこそ、思ってることはちゃんと言葉にして伝えていこう!と心に約束しました。 ----------------------- 最後に心に残ったフレーズをふたつ、 「お父さんは信じていたのだと思います。たとえ念が伝わらなくても、息子なら自分の意思を継いでくれるはずだって。」 「この世はピラミッドで、自分はどの位置に存在しているのかを想像するのです。すべてはそこから始まります。上を目指すも下に落ちるもあなた次第、あなたの自由なのです。」

Posted byブクログ

2024/06/21

心が温かくなる物語だった。現実には到底考えられない世界感がこの世界の話なんじゃないのかと錯覚してしまう程のもので、引き込まれた。

Posted byブクログ

2024/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

出自も経歴もあまり褒められたものではない玲斗が、ほぼ初対面の伯母から『クスノキの番人』を任され、その仕事をこなしていくうちに変化していく話。 そもそも『クスノキの番人』ってなに?から始まり、身内とはいえ犯罪〜ハラハラする〜って展開を経て少しずつ、クスノキの力を理解していく。 最初の方に祈念した人たちのエピソードも描かれていて、それがきっかけでクスノキの番人について知れていくから、純粋に面白かった。 序盤の方で、迷った時にコインを使って決めていた玲斗に対し、 「重大なことを決める時は、この次からは自分の頭で考え、しっかりとした意思の元に答えを出すことだ」 というセリフがひどく頭に残った。 しかもこのシーンでは、玲斗が表と思っていた面は実は裏側で、コイントスで決めることに何の価値も根拠もないことを示唆している。 このあと、クスノキの番人を通して人間的に成長していくけれど、最初のこの頼りないシーンがあったからこそ、ラスト千舟にかける言葉には大きな力があるのだ。 もしも本当にこのクスノキがあったとして、自分は何を預念するだろう。 人の心は少なからず良いものばかりではなくて、伝えたくなくても悪意を秘めているもの。 生きているうちから堂々と受念されてもいいように、自分の内に秘めた悪意も自分の中で昇華できた状態でありたい。

Posted byブクログ

2024/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

序盤、読みやすいけどなかなかページが進まないなと感じていましたが、中盤になりクスノキの真相が明らかになるにつれてどんどん引き込まれていきました。 最初に登場した玲斗と最後の玲斗がまるで別人のようです。玲斗の成長物語を見ているようでした。次作のクスノキの女神も読もうか検討中です。

Posted byブクログ

2024/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クスノキに新月の時念を預けると血縁者のみ満月の時に受念できるというファンタジー。 最初は全然クスノキの正体がわからず腹立たしい時もあったが、後半から詳細がわかりあっという間に読み終わった。 ラストは心が温まる。

Posted byブクログ

2024/06/17

最初は没入できず、なかなかページが進まなかったがら途中からクスノキの謎が気になって、一気に読んでしまった。

Posted byブクログ

2024/06/16

現実世界にはありえないだろうけど、あり得そうな気がしてきた「念」の力。 最後の終わり方がしんみりきた。 相手を思う気持ちが、温もりが伝わる一冊だった。 内容 クスノキの番人をすることになった主人公は、クスノキへの祈念の意味を知っていく中で、念のすごさを理解してく。預念者は、きれ...

現実世界にはありえないだろうけど、あり得そうな気がしてきた「念」の力。 最後の終わり方がしんみりきた。 相手を思う気持ちが、温もりが伝わる一冊だった。 内容 クスノキの番人をすることになった主人公は、クスノキへの祈念の意味を知っていく中で、念のすごさを理解してく。預念者は、きれいな部分だけではなく、その人すべての想いを預けることになるので、覚悟をもって預念をするということ。受念者との信頼をもって預念をすることなんだなと。甥である自分を成長させ、信頼してく、おばさんとのつながりが描かれてるのも、見所。

Posted byブクログ

2024/06/16

あるきっかけからクスノキの番人となった主人公玲斗。何も知らない玲斗が徐々に成長する姿が微笑ましくもあり頼もしくほっこりするお話でした。 東野圭吾の作品からしばらく遠ざかっていましたが、久々に読んだこの作品は自分の好みに合っていて次回作も読んでみたいと思いました。

Posted byブクログ

2024/06/14

どういう展開になるのだろうとドキドキしながら読み進めていくと、ファンタジー的な要素を含みつつ現実的なストーリー展開で謎解きもありで満足出来る1冊だった。

Posted byブクログ

2024/06/14

もう少しぐっと引き込まれるような話かと期待していた。ストーリー的にはそこまで刺さるものではなかったけど、読みやすかった。

Posted byブクログ