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木挽町のあだ討ち の商品レビュー

4.4

355件のお客様レビュー

  1. 5つ

    171

  2. 4つ

    128

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

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2024/05/20

直木賞受賞作品 江戸時代後期の江戸のまち、木挽町(こびきちょう)芝居小屋の裏で起こった仇討ち。 若侍の菊之助が父親の仇の博徒を見事に斬り、血まみれになって首級をあげて仇討ちを果たす。2年後、語り草となったその仇討ちについてに聞いて回る侍がいた。 木挽町芝居小屋の裏で起こった仇討...

直木賞受賞作品 江戸時代後期の江戸のまち、木挽町(こびきちょう)芝居小屋の裏で起こった仇討ち。 若侍の菊之助が父親の仇の博徒を見事に斬り、血まみれになって首級をあげて仇討ちを果たす。2年後、語り草となったその仇討ちについてに聞いて回る侍がいた。 木挽町芝居小屋の裏で起こった仇討ちの顛末と真相がいま明らかになる。 江戸時代の芝居小屋や様々な人達の暮らしが仇討ちの真相を明らかにする中で生き生きと表現されている。1章1章語り部が変わり、小気味よく心地良いテンポで江戸時代とミステリーの謎解きを体感できる。

Posted byブクログ

2024/05/19

新宿末廣亭や上野広小路亭など寄席で観ているような読書です。 時代小説はあまり読んだことないから江戸っ子訛りで大変でしたが、衣装部屋編辺りから時代小説初心者でも読みやすくなっていました。 約200年前くらい江戸時代の人間臭さや尊さ、うつろい、人情など、今の東京では想像できない、温...

新宿末廣亭や上野広小路亭など寄席で観ているような読書です。 時代小説はあまり読んだことないから江戸っ子訛りで大変でしたが、衣装部屋編辺りから時代小説初心者でも読みやすくなっていました。 約200年前くらい江戸時代の人間臭さや尊さ、うつろい、人情など、今の東京では想像できない、温かみのある人々だったように思いました。 菊之助はなぜ作兵衛を仇討ちしなければならなかったのか、という問いを追いかけるのですが、途中、まあ坊と木彫の雀では、涙止まりませんでした。 江戸時代は平和なイメージでしたが、御家の中はいろんな隠し事があり、それにより命を絶った人々もいたんですね。今の政治にも似ているところがあると思いました。 1.芝居茶屋、2.稽古場、3.衣装部屋、4長屋、5.枡席、そして最後に仇討ちのおさらいがきたとき、まさか、、えっ、正直想像できませんでした。 1,2,3,4,5に登場していた方たちがしっかり意味を成し遂げていることにもビックリしました。 時代小説まだ慣れていなかったので、新鮮でした。 木挽町や永代橋、吉原、浅草寺辺りの風景が頭に浮かべながら読んだので、当時のその辺りへ散歩に行こうと思います。

Posted byブクログ

2024/05/19

 なかなか読み進められなかったが、ある程度読んだら一気読みでした。 裏切って仇討ちがなかったことになるんじゃないかと最初はヒヤヒヤしたけど、結末は予想通り(一安心) 一見、みな楽しそうにしているけど、内々には様々な事情があって、自ら身を投じた人もいるけど、そこに行くしかなかったも...

 なかなか読み進められなかったが、ある程度読んだら一気読みでした。 裏切って仇討ちがなかったことになるんじゃないかと最初はヒヤヒヤしたけど、結末は予想通り(一安心) 一見、みな楽しそうにしているけど、内々には様々な事情があって、自ら身を投じた人もいるけど、そこに行くしかなかったものもいる。時代物だから人があっさり死ぬような環境だけど、それでも人が死ぬことはよくある事じゃなくて、哀しいこと。 武士だから殺して良いなんてことはない。 酷い目にあっていても、他人のことを心配したり悲しんだり、生きるだけで精一杯で辛いけど、助け合って生きるって素敵だなと思った。

Posted byブクログ

2024/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

仇討ちが徒討ち…なるほどそういうことか。 徒党を組んであだ討ちを成したということか。 後半に入ったくらいで予想はついたが、本当の悪を滅ぼし、大団円で終わったのはスッキリとし、読後が心地よかった。 でも後々になって考えると、そもそも菊之助が見目麗しくなかったら、声をかけて親切にしてもらうこともなかったのでは?と思ってしまった。 どんな身分であっても、どんな人生を過ごしていても、自分の芯の部分や人として大切にすべき倫理観は変えてはいけない。そのことを各登場人物の人生を通して学べたことがよかった。 当時の舞台、今でいう歌舞伎を観劇したくなった。伝統文化ってどこか難しいイメージがあるけど、心に真っ直ぐに響くものをわたしも受け取りたい。 p266 己の想いを貫くことの難しさも、道理のままに行かぬ割り切れなさも、この世の中には数多ある。それを嘲笑うのではなく、ただ愧じるのでもなく、しなやかに受け止め生きる人々がいる。

Posted byブクログ

2024/05/17

そうかミステリーなのか。時代物なのでミステリーと意識せず読んだ。 時代物はあまり読まないので、どう展開していくんだろう?てか、何の話?と思いながら読み進めた。 終章の前にひょっとしたら…?と思ったらビンゴ!たしかにミステリーだ。あざやかでした。 それまでの1章1章のお話もとても面...

そうかミステリーなのか。時代物なのでミステリーと意識せず読んだ。 時代物はあまり読まないので、どう展開していくんだろう?てか、何の話?と思いながら読み進めた。 終章の前にひょっとしたら…?と思ったらビンゴ!たしかにミステリーだ。あざやかでした。 それまでの1章1章のお話もとても面白かった。 著者はまたもや同年代、しかも女性。やはり同年代に通ずる、同じ時代を生きてきた価値観というようなものがあるのかなと思うようになってきた。とても受け入れやすい。 最後のページ、自分の正しさは世間知らずなだけかもしれない、思い通りにいかないこともある、世間には色んな人がいる、環境を受け止めて生きる人々がいる、というのは現代日本へのメッセージに感じた。 色んなハラスメントが増えてるという記事を読んだばかりで、もちろん暴力はダメなんだけど、スメハラ(臭い)など、少しでも気に入らないことや自分を不快にするものを許せない人が増えてるのかなと思って。 しかもそれとなく伝えるなどコミュニケーションで解決しようとせず、ハラスメントと断罪する。 正義をふりかざす人と同じ嫌さで、寛容さが全く感じられない。 お互いがお互いを断罪する社会が住みやすくなっていくことはないと思う。 寛容は自分のためにも必要だ。 なんてことを考えた。

Posted byブクログ

2024/05/17

非常に面白い。読者にも最後がどうなるか徐々にわかるようにしながら、退屈させない。人物の描写が良くそれぞれに感情移入してしまう。

Posted byブクログ

2024/05/17

木挽町であだ討ちを成就した菊之助。その一部始終を目撃した関係者達のインタビュー形式で話が進むのが読みやすく面白かった。角度を変えながら少しずつ真相に迫っていくミステリ的な側面もあり、ラストまで一気引き込まれた。

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2024/05/15

仇討ちの真相が次第に判明していくミステリ仕立てのお話が本筋で各章ごとに語り手が代わる。仇討ちの真相以上に、語り手たちが語る人生の物語がよかった。

Posted byブクログ

2024/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 必然性がよくわからない仇討ちに、個性ある芝居関係の周辺人物の人物を描きながら、最後のオチの伏線にしている。  まあまあよくできた構成です。

Posted byブクログ

2024/05/10

木挽き町のあだ討ち、なんて大げさな題名だと思いながら読み進めていた。それぞれの章には、一つずつの生き様があり、芝居の語りがあった。なかなか面白かった。

Posted byブクログ