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木挽町のあだ討ち の商品レビュー

4.4

355件のお客様レビュー

  1. 5つ

    171

  2. 4つ

    128

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2024/06/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

語り手のそれぞれの人生話で進み、序盤はその方向が分からず探り探りで読み進める。途中から「ん?」と何かが反転する予感を得てから、俄然面白くなる。 年齢と共に痛々しい小説が苦手になってきて、綺麗事と分かっていても幸せな結末を望んでしまう。本を閉じた時の「あぁ、よかったなぁ」が幸せな瞬間。

Posted byブクログ

2024/06/10

永井紗耶子さん著「木挽町のあだ討ち」初読みの作家さん。主に時代小説を執筆されているとの事。 2023年度の直木賞と山本周五郎賞のW受賞、とても楽しみにしていた。 時代小説は米澤さんの「黒牢城」からはまり、今村翔吾さんの作品も数作品読んだが基本的に戦国時代の物が多かった。 今回、...

永井紗耶子さん著「木挽町のあだ討ち」初読みの作家さん。主に時代小説を執筆されているとの事。 2023年度の直木賞と山本周五郎賞のW受賞、とても楽しみにしていた。 時代小説は米澤さんの「黒牢城」からはまり、今村翔吾さんの作品も数作品読んだが基本的に戦国時代の物が多かった。 今回、戦いのない江戸時代の時代小説を読むのは初めて。そういう意味では凄く新鮮だった。 物語は父親を殺された武家人の息子が江戸に仇討ちの為に上京し見事仇討ちを遂げたのだが、その2年後その真相がどういう物だったのかを当時江戸で縁のあった6人に聞いて回るという物語。 その6人は仇討ちのあった現場の側の芝居小屋に携わる人々。各々の別のエピソード等も聞きながら、見た事、知ってる事等を各々順々に聞いていく。 途中でおおよその見える結末があった。皆が芝居に携わっている為、仇討ち自体をフィクションにして演じているのでは? そういう思いで読み進めていたが、最後は完全に自分の想像の上をいく物語だった。 各章で小話的に語られていた各々の素性みたいな物が完全に伏線になっており、一体どこまで繋がっていくのか?凄すぎると感じ、終盤は圧巻だった。 なるほど「仇討ち」ではなく「あだ討ち」とはお見事。 情緒風情溢れる人情物の作品なのだが凄くミステリー要素のつまった凄い作品だった。 直木賞と山本周五郎賞のW受賞する訳だと納得。素晴らしかった。

Posted byブクログ

2024/06/09

さすがの 直木賞、山本周五郎賞 文章と展開が凄く綺麗で美しかった ※漢字とか調べながら読んでしまったが 色んなところに伏線あるのも良かった そして気付けない自分の鈍感さも実感しつつ まだまだ楽しめることもわかりました 菊之助の魅力は勿論のこと 一八の元幇間 与三郎の御徒士 ほた...

さすがの 直木賞、山本周五郎賞 文章と展開が凄く綺麗で美しかった ※漢字とか調べながら読んでしまったが 色んなところに伏線あるのも良かった そして気付けない自分の鈍感さも実感しつつ まだまだ楽しめることもわかりました 菊之助の魅力は勿論のこと 一八の元幇間 与三郎の御徒士 ほたるの隠亡 久蔵の職人 金治の元旗本 周りの人が主人公と言っていいぐらいの活躍ぶりは、時代劇でありながら、現代に通じる人間模様であり、現代で起こってる問題をそのまま考えさせられる、身近に感じられる描写が素晴らしかった。其々の場で泣きそうになりながら読んでだが ほたるのところが、個人的には一番好きかな。 涙なくては読めなかった。。。 時代は変わっても(何時代だろうと、現代でも) 信念を持って生きる大切さ、仲間にしてあげることの大切さ、「面白がる覚悟」 ※金治さんのところかな。めちゃくちゃいい言葉でした。 以外とできる人って少ないですよね 帯にスペシャルプレゼントの 関智一の朗読のリンクもあり 狡噛慎也も最高でしたw

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2024/06/03

よく練られたストーリーと展開、人物の描写が丁寧に描かれており、5章目くらいからはワクワクしながら読めた。

Posted byブクログ

2024/06/02

何もかも背負う覚悟は勇ましいが、それでは何一つ為せないのだと気付かされた。 だから私もこの人を信じて、話してみようと思った。

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2024/05/28

p12 木挽町/森田座 堺町/中村座 葺屋町/市村座 控え櫓 都座/中村座 桐座/市村座 河原崎座/森田座 p18 吉原 大店 総籬 中店 半籬 一番小さいのが総半籬

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2024/05/27

仇討ちが終わった2年後に、同郷の人が当時の仇討ちについて関係者にインタビュー?する構成。 江戸の話でこの形式は初めて読んだかも。 どの人の話も味わい深く、最後の章である仇討ち本人の話に繋がっていった。 血の繋がりだけが家族では無いと思えた良いおはなしでした。

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2024/05/26

2023年、『木挽町のあだ討ち』で第35回山本周五郎賞、第169回直木三十五賞をW受賞作品 とても面白く、切なく、心温まる何度も読み返したい作品でした 武士の心とは...人としてどう生きるか...心にジーンと、腹にグゥーっと何とも言えない魂が宿ります 「我こそは伊納清左衛門が...

2023年、『木挽町のあだ討ち』で第35回山本周五郎賞、第169回直木三十五賞をW受賞作品 とても面白く、切なく、心温まる何度も読み返したい作品でした 武士の心とは...人としてどう生きるか...心にジーンと、腹にグゥーっと何とも言えない魂が宿ります 「我こそは伊納清左衛門が一子、菊之助。その方、作兵衛こそ我が父の仇。いざ尋常に勝負」 と、ここから始まる。 「木挽町のあだ討ち」をその日目にした人たちが、1人づつ事件のことをお話しされていく どのような仇討ちだったのか... 最後に繋がった時には感無量。 登場人物は皆素敵な方ばかりで、その方たちの来し方もまた興味深く飽きさせない 時代小説をあまり知らない私ですが、落語のような語り口で話が進み、目の前に状況がありありと浮かび落語か劇を見ているような感じで、最初から最後までずっと楽しく読ませていただけました。そして幾度とほろりとしました。

Posted byブクログ

2024/05/23

面白かった。芝居小屋のある木挽町で起こった仇討ちについて当事者たちの話を聞きながら真相に迫ってくのがよかった。父親を殺めた下男の作兵衛を息子菊之助が仇討ちしたとされているが実際には芝居小屋で出会った人たちの助けで演技として行うことにしたというのが真実。 色々な身分の人たちが登場し...

面白かった。芝居小屋のある木挽町で起こった仇討ちについて当事者たちの話を聞きながら真相に迫ってくのがよかった。父親を殺めた下男の作兵衛を息子菊之助が仇討ちしたとされているが実際には芝居小屋で出会った人たちの助けで演技として行うことにしたというのが真実。 色々な身分の人たちが登場してその時代背景がわかりやすかった。芝居がテーマとなってるだけあって台詞とかテンポがとても読みやすかった。

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2024/05/21

芝居を見ているような読み心地。出演者(主役、脇役)、舞台背景、大道具、小道具、衣装、照明、舞台演出全てが揃っているような小説。 各チャプターがそれぞれ独立したストーリーとしても成立するような筋立てで、それが全部揃うと、全体として大掛かりな趣向を凝らした一つの物語になる。 内容も構...

芝居を見ているような読み心地。出演者(主役、脇役)、舞台背景、大道具、小道具、衣装、照明、舞台演出全てが揃っているような小説。 各チャプターがそれぞれ独立したストーリーとしても成立するような筋立てで、それが全部揃うと、全体として大掛かりな趣向を凝らした一つの物語になる。 内容も構成もストーリーも、読者を楽しませてお見事です。

Posted byブクログ