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駅の名は夜明 の商品レビュー

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54件のお客様レビュー

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2024/04/10

みおつくし料理帖もあきない世伝も読み終えてしまったので、高田郁さんの本を求めて手にした一冊。 死場所を求めて妻と旅に出る夫、蕎麦屋で働く久仁子。 列車の旅に出てみたくなった。

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2024/02/06

ふるさと銀河線を読んで、時代小説の名手高田郁の現代小説にも惹かれるようになった。 この本には、うまくいかない人生の中で、必死にもがき、前を向いて歩く人達の姿を見ることができた。 それは、この作者のこれまでの人生を投影したものなのだと思う。経験に裏打ちされた深みのある言葉が読む者に...

ふるさと銀河線を読んで、時代小説の名手高田郁の現代小説にも惹かれるようになった。 この本には、うまくいかない人生の中で、必死にもがき、前を向いて歩く人達の姿を見ることができた。 それは、この作者のこれまでの人生を投影したものなのだと思う。経験に裏打ちされた深みのある言葉が読む者に、前へ進む力を与えてくれる。

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2023/12/30

「トラムに乗って」「黄昏時のモカ」 どちらも奇跡の出会いの話。2編続けて気持ちが温かくなりました。 「駅の名は夜明」 ここで人生を終わらすと決めて降りた駅が「夜明」だったら。やっぱり導かれた気になりますね。次の「夜明の鐘」で、このご夫婦が死ななかったことが分かりましたが、介護は...

「トラムに乗って」「黄昏時のモカ」 どちらも奇跡の出会いの話。2編続けて気持ちが温かくなりました。 「駅の名は夜明」 ここで人生を終わらすと決めて降りた駅が「夜明」だったら。やっぱり導かれた気になりますね。次の「夜明の鐘」で、このご夫婦が死ななかったことが分かりましたが、介護は続くわけであの後どうなったかが心配。 「ミニシアター」 これもいい話でした。偶然居合わせた他人が協力し合うってほんわかします。 「約束」 残念ながらこれだけ好きじゃなかった。拓海って誠実さがないし、また売れたら絶対元通り調子に乗ると思う。

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2023/12/24

どこかに鉄道(トラムを含む)が織り込まれた作品集。 中には、姉妹編のように、同じ背景で描かれたお話もあり、通行人のはずの人にその人のドラマもあるという映像作品のような趣もよかった。 髙田作品らしいというか、寒い夜にじんわりとくる感じで、ゆっくり味わう。 線路というのは、どんな時...

どこかに鉄道(トラムを含む)が織り込まれた作品集。 中には、姉妹編のように、同じ背景で描かれたお話もあり、通行人のはずの人にその人のドラマもあるという映像作品のような趣もよかった。 髙田作品らしいというか、寒い夜にじんわりとくる感じで、ゆっくり味わう。 線路というのは、どんな時も、だれかをどこかに運んでいくものだと、思い返す。

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2023/11/29

読み進めて行くと、どんどん感動が押し寄せて来て… 九つの物語の最後、「背中を押すひと」は 髙田郁さんが初めて書いた小説だそうです。 この作品が特別賞を受賞したことがきっかけで 漫画原作、時代小説に転身、今の髙田さんへと繋がっています。 8年ほど前に読んだ髙田さんのエッセイ 『...

読み進めて行くと、どんどん感動が押し寄せて来て… 九つの物語の最後、「背中を押すひと」は 髙田郁さんが初めて書いた小説だそうです。 この作品が特別賞を受賞したことがきっかけで 漫画原作、時代小説に転身、今の髙田さんへと繋がっています。 8年ほど前に読んだ髙田さんのエッセイ 『晴れ時々涙雨 髙田郁のできるまで』 髙田郁さんが描く小説の原点を知ったような気がして ますます髙田さんのファンになりました。 髙田さんの時代小説はもちろん大好きですが 『軌道春秋』もやっぱりいいです! 作品の中には心に響く言葉がたくさんありますが あとがきの最後は優しさの風と共に心に届きました。  幸せを心から望めども、人生はそう容易くはない。 誰しも病や老いから逃れられず、思いがけない災禍に見舞われることもあります。 そんな時、声を限りにエールを送られると、却って辛さが増すこともあるでしょう。  NOT DOING,BUT BEINGー何もしない、でも、傍らに居る。  九つの物語が、あなたにとって、そんな存在になれれば、と願います。  あなたの明日に、優しい風が吹きますように。 九年ぶりの祈りと共に、この本をお届けします。 (引用元:『駅の名は夜明け 軌道春秋Ⅱ』あとがき) 『駅の名は夜明』、心に響く一冊でした。 『駅の名は夜明』は 2022年第10回「大阪ほんま本大賞」受賞作。 実は「大阪ほんま本大賞」の第1回受賞作は 髙田郁さんの『銀二貫』でした。

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2023/11/12

「トラムに乗って」と「黄昏時のモカ」、「途中下車」と「子どもの世界 大人の事情」、「駅の名は夜明」と「夜明の鐘」は、それぞれ共通の登場人物が出てきて、関連性を持たせる構成になっているのが面白い。 基本的にちょっと出来過ぎかなと感じるところもありましたが、本書のタイトルにもなってい...

「トラムに乗って」と「黄昏時のモカ」、「途中下車」と「子どもの世界 大人の事情」、「駅の名は夜明」と「夜明の鐘」は、それぞれ共通の登場人物が出てきて、関連性を持たせる構成になっているのが面白い。 基本的にちょっと出来過ぎかなと感じるところもありましたが、本書のタイトルにもなっている「駅の名は夜明」は、どんな結末になるのだろうかとちょっとドキドキしました。 「ミニシアター」は猫にまつわるほっこりとした笑える内容でした。 全編にわたり仄かな希望に満ちている短編集でした。

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2023/10/26

久美子の優しさだけ溢れる。色んな女と交わってどれも傲慢で、とか意味がないって、だって久美子にこんな貧乏臭い作品になったのはお前のせいだと言い放つとか何も学んでないじゃないってこと。2年後に再開して抱き合うが、んーでもこの中では1番残ったかな。あとはウィーンの2人がトラムで会えて抱...

久美子の優しさだけ溢れる。色んな女と交わってどれも傲慢で、とか意味がないって、だって久美子にこんな貧乏臭い作品になったのはお前のせいだと言い放つとか何も学んでないじゃないってこと。2年後に再開して抱き合うが、んーでもこの中では1番残ったかな。あとはウィーンの2人がトラムで会えて抱き合い、娘が周りを嬉しそうに走り回り、が泣ける。2話に続く書き方も大好きだ。

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2023/09/23

「鉄道が在る風景の中でのドラマ」という趣の「軌道春秋」というシリーズが在る。漫画原作として作者が綴った作品が起こりで、それを小説として仕立て直した作品が既に出ている。本書は、更に在る漫画原作を小説化したモノ、全く新しく小説として綴ったモノを合わせて9篇を収めた一冊ということになる...

「鉄道が在る風景の中でのドラマ」という趣の「軌道春秋」というシリーズが在る。漫画原作として作者が綴った作品が起こりで、それを小説として仕立て直した作品が既に出ている。本書は、更に在る漫画原作を小説化したモノ、全く新しく小説として綴ったモノを合わせて9篇を収めた一冊ということになる。 表題作が『駅の名は夜明』なのだが、「夜明」という駅は実在し、個人的にも駅名の看板を見た経過が在る。 本書には、この夜明駅を訪ねるという篇が2つ在る。「闇に包まれていた夜が明ける」という名前の駅というのは、何か凄く象徴的だ。 他に、ウィーンの路面電車が登場する篇が2つ在り、オホーツク海側の小さな駅が登場する篇が2つある。今般はこういう「連作のようで、必ずしも連作でもない」という、味わい深い篇が目立つと思った。 そして少し長い感じの『約束』が秀逸だった。何方かと言えば幸薄い女性と、女性の愛読書を綴っている作家との物語ということになるのだが、読後に何か深い余韻に浸った。 こういうような「人生の応援歌」というような短い物語も、時には好い感じだ。このシリーズが更に登場するのであれば、是非読んでみたいとも思った。味わい、加えて読後の余韻が深い短篇を集めた一冊

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2023/09/19

なにか(どこか)に向かって自分で駅に行く、途中で降りたり道を変えても、そこで出会う景色や人は、自分で引き寄せた奇跡。悲しくて苦しくて周り道や後戻りしても、一歩ふみだした勇気と、その選択をしたことにエールをおくりたくなるような。よくあるシチュエーションだったりするけど、やっぱりジー...

なにか(どこか)に向かって自分で駅に行く、途中で降りたり道を変えても、そこで出会う景色や人は、自分で引き寄せた奇跡。悲しくて苦しくて周り道や後戻りしても、一歩ふみだした勇気と、その選択をしたことにエールをおくりたくなるような。よくあるシチュエーションだったりするけど、やっぱりジーンときた。

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2023/09/15

時代小説以外の高田作品は初めて。どの短編もしんみり、ほのぼの、忍び笑いに忍び泣き。「何もしない。でも傍に居て」静かに優しい風を吹き込んでくれる応援歌。「長い人生、予期せぬ難事に見舞われることは必ずある。ひとりでは乗り越えられずとも、誰かの手を引き、誰かに手を引かれているうちに脱す...

時代小説以外の高田作品は初めて。どの短編もしんみり、ほのぼの、忍び笑いに忍び泣き。「何もしない。でも傍に居て」静かに優しい風を吹き込んでくれる応援歌。「長い人生、予期せぬ難事に見舞われることは必ずある。ひとりでは乗り越えられずとも、誰かの手を引き、誰かに手を引かれているうちに脱することができる」「目的地に行くために必要な途中下車もあるさ。疲れたら、降りていいんだよ。次の列車は、必ず来るからね」「諦めない限り、前に進む意思を捨てない限り、必ず次の列車はやってくる」「前途洋々を祈れども、人生はそう容易くはない。けれど、懸命に生きる者には、きっと拓ける道がある」短編集で、ここまで満足したのは初めてかも。

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