ライオンのおやつ の商品レビュー
物語は、余命宣告を受けた主人公が瀬戸内海の”レモン島”にあるホスピス「ライオンの家」へ向かうところから始まる。死がテーマの作品だが、残りの日々は穏やかに流れていく。「ライオンの家」で働く人々、同じ境遇にある「ライオンの家」の住人たちとの交流、美しい景色、美味しそうなおやつ。悲しい...
物語は、余命宣告を受けた主人公が瀬戸内海の”レモン島”にあるホスピス「ライオンの家」へ向かうところから始まる。死がテーマの作品だが、残りの日々は穏やかに流れていく。「ライオンの家」で働く人々、同じ境遇にある「ライオンの家」の住人たちとの交流、美しい景色、美味しそうなおやつ。悲しいシーンすらも穏やかに、淡々と、綴られる。 「人生はろうそくみたい」というマドンナの言葉が印象に残っている。一度火がついたら自分で消すことはできず、流れに身を任せる。「ライオンの家」で過ごす人たちは、思い思いの時間を過ごしながら、静かにその時を迎える。
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う〜ん…死というものについて考えさせられた。 忙しない毎日やと、死とはなにを意味するのかなんて考えることがない。 でも時間は有限である。 間違いなく近づいているのであり、いつそうなるか分からないのであって、見えないフリをしているのかもしれない。 逃げずに向き合って考えるもよいかも...
う〜ん…死というものについて考えさせられた。 忙しない毎日やと、死とはなにを意味するのかなんて考えることがない。 でも時間は有限である。 間違いなく近づいているのであり、いつそうなるか分からないのであって、見えないフリをしているのかもしれない。 逃げずに向き合って考えるもよいかもしれない。 自分に死生観がないことに気付いたし、ちょっと考えてみよう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても素敵な文章だった。 場所がホスピスで、主人公が末期がんの患者で、 テーマが重すぎるけど死に対する恐怖感とか不安をあまり感じない。 こういうテーマの場合は本当につらい描写とかが多かったりするけど、この作品はつらさや苦しさとかやり残したこととかそういうものじゃなくて、死を前にしているからこそ気づいた小さな幸せや、歩んできた人生の尊さをたくさん描いている。 自分の家族も、こんな場所で最後を迎えさせてあげたかったなと思う。
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泣きすぎて、もう。でも読み終えた後、涙を拭いた後、あたたかな気持ちというかさわやかな気持ちというか。もっと歳をとっておばあさんになったらもう一度読みたい作品。
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読みながら嗚咽しました。 ガンの余命宣告をされてから死に向かっていくために訪れたホスピスがこんなにあたたかな場所だなんて。 瀬戸内海にいってみたいなぁと思える描写も素敵です。 主人公が余命を知り、人生や仕事や持ち物や住まいや人間関係を清算して訪れたライオンの家。 いよいよ、とい...
読みながら嗚咽しました。 ガンの余命宣告をされてから死に向かっていくために訪れたホスピスがこんなにあたたかな場所だなんて。 瀬戸内海にいってみたいなぁと思える描写も素敵です。 主人公が余命を知り、人生や仕事や持ち物や住まいや人間関係を清算して訪れたライオンの家。 いよいよ、という時に実のお父様が会いに来るくだりは涙なしには読めませんでした。 どんなふうに最後を自分が迎えたいか考えました。 この本に出会わせてくれてありがとうございます。
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読んでいる間、とても死を身近に感じた。 登場人物達の温かさに胸が熱くなった。人生を大切に生きようと思った。
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みんな最期があるのに、日々の忙しさに駆られてそれは遥か遠くのことのように感じている。 瀬戸内海の美しい風景に、繰り広げられるホスピス"ライオンの家"の日常。 ライオンの家では日々誰かがお空へ旅立つ。 その最期の日までは自由に好きなことをできる。 死を待つよ...
みんな最期があるのに、日々の忙しさに駆られてそれは遥か遠くのことのように感じている。 瀬戸内海の美しい風景に、繰り広げられるホスピス"ライオンの家"の日常。 ライオンの家では日々誰かがお空へ旅立つ。 その最期の日までは自由に好きなことをできる。 死を待つようだけど、こんなに幸せな待ち方は無いなと思う。 病院のベッドで、得体の知れない死に恐怖や不安を抱え過ごす日々よりも、いつ死んでも良いと思えるくらい笑って、好きなものを食べて過ごしたい。 思い出のおやつを、私もひとつ持っておきたいと思う。
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ライオンの家という名のホスピスで過ごす雫。そのホスピスのスタッフ、他の患者さんが個性的で特にマドンナさんの優しさには胸が熱くなった。 皆がリクエストするおやつの思い出に涙したり、だんだん弱っていく雫にハラハラした。雫のおやつはなんなのかずっと気になっていたが、終盤の雫が生死を彷徨...
ライオンの家という名のホスピスで過ごす雫。そのホスピスのスタッフ、他の患者さんが個性的で特にマドンナさんの優しさには胸が熱くなった。 皆がリクエストするおやつの思い出に涙したり、だんだん弱っていく雫にハラハラした。雫のおやつはなんなのかずっと気になっていたが、終盤の雫が生死を彷徨う感じをあんなに夢見心地な描写で落ち込むことなく読めた。その雫リクエストのおやつの登場も素晴らしいタイミングでもう全て完璧な終わり方で読み終わってもずっと余韻に満たされました。
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とても読みやすくあっという間に読み終わった。 若くして余命宣告を受けた主人公の心の変遷がとてもリアルに描かれていて切ない気持ちになった。 誰もが経験する死だけれど、経験者は誰もいないのが死。死というものは漠然とした恐怖でしかなかったけれど、本当にライオンの家があって、マドンナのよ...
とても読みやすくあっという間に読み終わった。 若くして余命宣告を受けた主人公の心の変遷がとてもリアルに描かれていて切ない気持ちになった。 誰もが経験する死だけれど、経験者は誰もいないのが死。死というものは漠然とした恐怖でしかなかったけれど、本当にライオンの家があって、マドンナのような人がいて、そんな場所で終末期を過ごすことができたら、死ぬことが少し怖くなくなるのかな、と思えた。 マドンナの話すことが本当に温かくて素敵で、ライオンの家が温かくて、死というものを当たり前のものとして特別扱いしていない…こんなに温かい場所が本当にあって欲しいと思った。 個人的には主人公が余命宣告されて、ライオンの家に辿り着くまでのストーリーも読んでみたかった。
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緩和ケア病棟で働いているが、内容に矛盾がなく、主人公が客観的に見てどんな状況なのかわかるくらいリアルな描写だな、と思った。 終末期せん妄の時、当事者本人は主人公みたいな世界を見ているといいな、と願いたい。 ライオンの家みたいなホスピスで働いてみたい。
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