しろがねの葉 の商品レビュー
最初の数行で物語に引き込まれて、一気に最後まで読んでしまいました。数ヶ月前に石見銀山に観光へ行ったので,よりリアルに物語の世界を体感できました。 後半は主人公ウメの辛い人生の巡り合わせに、胸が締め付けられました。 辛い運命を受け入れて、逃げずに最後まで天命を全うしていく、ウメに心...
最初の数行で物語に引き込まれて、一気に最後まで読んでしまいました。数ヶ月前に石見銀山に観光へ行ったので,よりリアルに物語の世界を体感できました。 後半は主人公ウメの辛い人生の巡り合わせに、胸が締め付けられました。 辛い運命を受け入れて、逃げずに最後まで天命を全うしていく、ウメに心が打たれました。
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最初は文体のせいか、なかなか読み進めるのが難しかった。でも慣れてくると、本を手に取っていない時でも、ウメが自分の頭の中に宿っていて、生き生きとしている。苦しい場面だらけなのに、ウメの生き様に目を開かされる。 この物語自体が、間歩なのかもしれない。 最後の方、ウメは神様になったのだ...
最初は文体のせいか、なかなか読み進めるのが難しかった。でも慣れてくると、本を手に取っていない時でも、ウメが自分の頭の中に宿っていて、生き生きとしている。苦しい場面だらけなのに、ウメの生き様に目を開かされる。 この物語自体が、間歩なのかもしれない。 最後の方、ウメは神様になったのだと思った。 ずっと心に残る一作だった。
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戦国時代後期、石見銀山の天才山師の喜兵衛に拾われた、夜目の利くウメは女だてらに鉱山で働くが、時代ゆえ女ゆえに、逆らえない荒波にもまれていく物語。読み進めていくと、虚しく切なくもなるが、それでも強く前をむくウメの姿が愛おしく思う。
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訳もわからず、真夜中、両親に連れ出され、逃亡するところから話がスタートする。 生きるために銀を掘らなければならない、しかし、その代償として命が削られてしまう… 銀掘として生きる人々の壮絶な人生とその苦悩がヒシヒシと伝わってきます。
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辛い事があったり生きる意味を無くしたりしても、最後まで銀山で生きたウメ 銀がなくなっても、光るなにかを人は探すと思います。それで毒を蓄えても、輝きがなくては人は生きていけない。無為なことなどないんです 足掻きましょう、無為に思えても。どこにも逃げられはしないんです。
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歴史小説は普段あまり読まないのだけど、石見銀山で生きる女の人生に興味を持って、手に取った。 人を愛しても、愛した男たちは苦しんで死んでしまい、何度も何度も嫁いでたくさん子を産み、その子も早死する運命にあるとは、どんな人生か。 ありし日の石見銀山とその存在の哀しさ。 湿度が高く、色...
歴史小説は普段あまり読まないのだけど、石見銀山で生きる女の人生に興味を持って、手に取った。 人を愛しても、愛した男たちは苦しんで死んでしまい、何度も何度も嫁いでたくさん子を産み、その子も早死する運命にあるとは、どんな人生か。 ありし日の石見銀山とその存在の哀しさ。 湿度が高く、色気のある文章に冒頭から引き込まれた。仙人のような、あるいは山そのものになったかのような、人間を超越したようなウメの語り。 歴史小説でありながら、いわゆる教科書にいるような、名の知られる人物が出てくるわけではない。 歴史とは、多くの名もなき人たちによって作られているということを思わされる。 去年島根で見学に行ったときに実際に歩いた間歩は暗く、長く、ひんやりとしていた。 人間の業とプライド、愛と悲しみの場所。 「銀がなくなっても、光るなにかを人は探すと思います。それで毒を蓄えても、輝きがなくては人は生きていけない。無為なことなどないんです。ウメさんの歩んできた道に光るものはありませんでしたか」
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石見銀山の事も何も知らず、無知なまま読んだ自分に衝撃的な話でした。 何処か別の異世界の話では?と読み終わった後も何か心を掴まれてしまった。 生きるとは。少女ウメがどう生きていくのか目が離せず一気読みでした。
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第168回直木賞受賞作 戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。 天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。 しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。何度...
第168回直木賞受賞作 戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。 天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。 しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。何度も大切な人との別れがやってくるけれど、強く生き抜こうとするウメ。銀山に生きることの過酷さ。千早さんの文章に一気読みでした!
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ウメの石見銀山での壮絶な人生。 あの当時の貧しい農村に生まれた人々は常に死と隣り合わせだったのかと。時代劇や大河ドラマではここまでの凄惨な実情は描かれない辛い場面が多かった。でもグイグイ惹き込まれた。漢字が難しくてなかなかスムーズに読めなかったけど(笑) 印象深い一冊になった。
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