しろがねの葉 の商品レビュー
久々の時代小説。 江戸時代の石見銀山での銀堀の作業が、 とても丁寧に書いてあって、臨場感があった。 天才山師・喜兵衛は山も人も大事に働かせていたが、 時代が変わり、役人の管理下で昼夜を問わずに作業にあたり、山がどんどん昏い穴が次々でき、闇がどんどん増えるにつれ、過酷な作業の中、...
久々の時代小説。 江戸時代の石見銀山での銀堀の作業が、 とても丁寧に書いてあって、臨場感があった。 天才山師・喜兵衛は山も人も大事に働かせていたが、 時代が変わり、役人の管理下で昼夜を問わずに作業にあたり、山がどんどん昏い穴が次々でき、闇がどんどん増えるにつれ、過酷な作業の中、次々に病人が出てくる。 銀の輝きと対照的に、間歩の暗さが恐ろしく表現されている。 ウメという名の主人公が、数奇な運命に翻弄されて、 あがいている姿に感動。 山に入りたくても、女性ゆえ許されず、 家族になり子を持つか、女郎になるしか道はない。 隼人、龍、ヨキ、岩爺、など、 様々な登場人物たちがストーリーを更に深く描いている。 女性ゆえに理不尽な、女性だからこその、 ウメの生涯を読み切って、大満足の読了感!
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女だてらに山師として〜ていうような小説かと思いきや、もっとリアルな抗いようのないものと対峙しながら間歩の男たちと関わる話だった。 この本を読む前に澤田瞳子さんの輝山を読み終えていたので、銀山で働く男たちの命を削りながら働く様は理解していたけど、こちらもそんな苛烈な人生に悲しさを感...
女だてらに山師として〜ていうような小説かと思いきや、もっとリアルな抗いようのないものと対峙しながら間歩の男たちと関わる話だった。 この本を読む前に澤田瞳子さんの輝山を読み終えていたので、銀山で働く男たちの命を削りながら働く様は理解していたけど、こちらもそんな苛烈な人生に悲しさを感じるが、愛情の深さを感じ取れる一冊。バイオレンスな 描写もあるがそれも生を感じる。
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ずーんと来る物語だった。でも一気読み。 戦国末期から江戸初期の島根県石見銀山が舞台の物語。 時代小説かあ、くらいに思っていたのに、なんだかびしびしすごくて、「女が生きていくということは」と、「そもそも生きる理」とはという根源的なテーマがビシビシ描かれる。 実在の石見銀山という...
ずーんと来る物語だった。でも一気読み。 戦国末期から江戸初期の島根県石見銀山が舞台の物語。 時代小説かあ、くらいに思っていたのに、なんだかびしびしすごくて、「女が生きていくということは」と、「そもそも生きる理」とはという根源的なテーマがビシビシ描かれる。 実在の石見銀山という舞台で。 まだ幼少の童ウメが主人公。 親と生き別れ、石見銀山の天才山師、喜兵衛に拾われたウメ。 鬼娘と呼ばれながら、銀山で手子として働く。 いつか喜兵衛がいなくなっても一人で生きていけるようにと。 でも、だんだん「童」は成長し「年頃の娘」になってしまう。嫌が奥にもなってしまう。 おのことおなごは違う。 年頃のおなごが、一人で生きるのはやっぱり大変で、男に襲われないようにしなきゃならない。 自分では性欲を処理できない男のために、女が自衛しなくてはならない。 これは江戸時代も今も変わらない。 やんなるほど変わらない。 はじめ数ページは読みにくいか?と思ったけれど、石見銀山が舞台に移ってからはどんどん読めた。 ずーんとくる描写はあるけれど。 隼人、ヨキがよかった。 「何のために生きるのか」 銀山で働く長老の岩爺は、考え始めちゃいけないと言う。そんなことを考え始めたら暗闇に落っこちるから。と。 「何かを守るために生きる」 山を守るため、大切な人を守るため、大切だった人の教えを守るため、芸を守るため、子どもを守るため、 銀堀としての自分の生き方を守るため 自分の欲を守るため、となると、欲が増大して身を滅ぼす。 女がどう生きるか、子どもを育てる幸せと、自分で稼ぎたいと、稼げない、と、稼ぎ頭(夫が)がいなくなった時でも路頭に迷わないようにもせねばならない、などなど悩みはほぼ現代と変わらない。 この点ウメはちょっと特異だなとは思う。 そこが最後の困惑にも繋がるのかもしれない。 どう生きるか とにもかくにもすごい長編だった。 石見銀山に行ったことがあったので、もう観光化された間歩だけれど、そこを思い出しながら読んだ。 一気に読み過ぎて疲れた。 ウメのようにはなれん。
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安土桃山時代から江戸時代にかけて、石見銀山で生きた「うめ」という名の女性の人生を綴った物語。 調べると、島根県にある石見銀山は、今は、観光地として見ることができるのですね。行ってみたくなりました。 今、NHKの朝ドラで、日本人初の女性弁護士の話を放送していますが、女性として生...
安土桃山時代から江戸時代にかけて、石見銀山で生きた「うめ」という名の女性の人生を綴った物語。 調べると、島根県にある石見銀山は、今は、観光地として見ることができるのですね。行ってみたくなりました。 今、NHKの朝ドラで、日本人初の女性弁護士の話を放送していますが、女性として生きる辛さを伝えています。この物語も。 もちろん、男性にも男性の辛さはあります。 様々な制約があった戦国時代から江戸時代、そんな中でも、自分の生き方を迷い悩み、達観して生きてきた人々を少し垣間見ることが出来る物語でした。
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闇に生まれ闇に還る。 情景の描写が素晴らしく、家にいながらにして闇深い間歩や羊歯が生い茂る山、白い息や小屋の隙間から流れる風も感じられるようでした。
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◆きっかけ 表紙の絵がキレイで 誰かが★5つだったから ◆千早 茜さん 初見 読みやすい さくさくと 潔く 情景 描写が丁寧 草や花がよく描かれる ◆時代 徳川 関ヶ原の前後 島根県 仙の山 銀掘(かねほ)りの暮らし ウメの生き方 ◆...
◆きっかけ 表紙の絵がキレイで 誰かが★5つだったから ◆千早 茜さん 初見 読みやすい さくさくと 潔く 情景 描写が丁寧 草や花がよく描かれる ◆時代 徳川 関ヶ原の前後 島根県 仙の山 銀掘(かねほ)りの暮らし ウメの生き方 ◆難しい漢字が ちらほら ふりがながあって よかった 日本語ってキレイって改めて実感 銀・・・しろがね 石銀・・・いしがね 銀女・・・かなめ 側女・・・そばめ 肯う・・・うべなう 肯定する 螺灯・・・らとう サザエの灯り 四葩・・・よひら あじさいのこと 咳き・・・しわぶき など ◆印象的な科白 「大きうなっても、おまえは女じゃ。女はどうやっても力じゃ男に劣る。おとよのように柔く、弱く、なんも知らん顔をしておれ。油断させるんじゃ。それも女の生きる術ぞ」 喜兵衛 「喜兵衛さんが戻ってくるとでも思うとるんか。俺を捨てるんか。俺の母親と同じように」「お前の喜兵衛さんへの想いは底無しじゃ。あん男への想いをこの山の銀のように深く宿しておる。掘っても掘っても尽きることがない。いくら抱いても、消えん」 隼人 ◆しんどいところ 隼人の面影を写した息子も、龍の面影を写した息子も、間歩に入り、咳に苛まれ、死んでいった。娘たちばかりが生き延びた。 ◆◯◯賞 私には なんとか賞の本を読んでも そう評価されたことが よう わからんな という場合が ちょこちょこありますが 本書は すごいのよ まったく 裏切られず 納得の 直木賞なのね。 がっかりが どこにも ない。 ものがたりのフェードアウトまでも 完っ璧! たんたんと キレイに。 だから これは きっと いつか また 再読の 予感。
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かなり読み応えがあった。この作家さんには珍しく骨太な物語に驚いた。 石見銀山に迷い込んだウメは山師と呼ばれる頭領のような喜兵衛に拾われる。 最初はウメが女だてらに喜兵衛の右腕となり、銀掘の道を歩んでいく物語かと思ったら予想と全く違う方向へと進んでいき、でも不快ではなくページをめく...
かなり読み応えがあった。この作家さんには珍しく骨太な物語に驚いた。 石見銀山に迷い込んだウメは山師と呼ばれる頭領のような喜兵衛に拾われる。 最初はウメが女だてらに喜兵衛の右腕となり、銀掘の道を歩んでいく物語かと思ったら予想と全く違う方向へと進んでいき、でも不快ではなくページをめくる手が止まらなくなった。 思っていたのとは違っていたが、これも銀山で生きた女性の一つの生き方だったと思える。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ウメは生まれつき夜目がきく。貧しい家で生まれたウメ。村の米を盗んで夜逃げ。声を出すので赤子の弟は父が殺す。ウメは両親と逸れる。山奥で山師の喜兵衛に救われる。銀山の仕事は女はできない。初潮をむかえる。銀山の男達に強姦。男達に復讐。殺す。流産。幼馴染と結婚。龍を出産。 喜兵衛に銀の見つけ方を習う。 ヨキはウメの復讐で殺人しているので先に佐渡へ 銀山で働く男は早死に。喜兵衛に連れて行ってもらった場所から銀がとれる。 亭主は孤児から銀掘り。芸妓に惚れられ家にくる 芸妓は梅毒にかかる。亭主は梅毒にかからなかったので関係してなかった 亭主が死ぬ。子供達は銀山では働かない。外人が乗る舟に乗船し外国へ。 長生きしている岩爺。 吉兵衛が亡くなってもヨキが訪ねこない。 岩爺が生きてるので訪ねる。ヨキが岩爺のふりをしていた
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石見銀山で山師吉兵衛に拾われ銀掘となることを目指したウメだが女である事が障害となる。 女は男には勝てない。 男たちは山に魅力され病となり短い一生を終える。 銀山に取り憑かれたような男と女の悲しくも愛の溢れる話だと思いました。
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戦国末期の石見銀山で暮らす女性の生き様を描いた作品です。 とても感動的な物語でした。 面白かったです^_^
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