1,800円以上の注文で送料無料

かんむり の商品レビュー

3.6

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/08/30

タイトルの「かんむり」の意味を探しながら読んだ。懐古から始まり、70代までをゆるやかに描いていた。 何か起こるわけでもないけど、昔起こった小さな小さな出来事で「あれ実はショックだったんだよなあ」が散りばめられている。 私も夫とこんな生涯を送るのだろうか。ふざけ合って、喧嘩して、...

タイトルの「かんむり」の意味を探しながら読んだ。懐古から始まり、70代までをゆるやかに描いていた。 何か起こるわけでもないけど、昔起こった小さな小さな出来事で「あれ実はショックだったんだよなあ」が散りばめられている。 私も夫とこんな生涯を送るのだろうか。ふざけ合って、喧嘩して、どうしようもないことで虚脱感を持ったり、いくつになっても抱き合ったり。そんな人生ならいいなと思った。 「かんむり」の意味 誰だって人生を輝かしくしたいし、王冠を被せてほしいはず。私の人生は?誰にとってどう輝いている?誰が王冠を被せてくれる?そういった意味の「かんむり」だった。

Posted byブクログ

2024/08/16

「わたしのかんむり」か、、、。 夫婦って、楽しく過ごせる時もあれば、どうしようもなく違うなと思うこと、あるよねぇ。

Posted byブクログ

2024/08/11

1人の女性の愛の軌跡。 育児についての悩み、子供の巣立ちの寂しさ、夫との向き合い方、仕事に対する姿勢、、 自分の中で分かっていなかった事も、整理できていくような素敵な本でした。

Posted byブクログ

2024/07/07

中3から70歳くらいまでの人生を描いた作品。 時系列が前後するが、違和感なく読みやすかった。 どうしようもない現実に翻弄される主人公に、はらはらしながら、自分の今までの人生を重ね合わせて苦笑した。 光さんは真剣に選択しながら、日々すごして… 女性が仕事を極めるのは大変だと、改め...

中3から70歳くらいまでの人生を描いた作品。 時系列が前後するが、違和感なく読みやすかった。 どうしようもない現実に翻弄される主人公に、はらはらしながら、自分の今までの人生を重ね合わせて苦笑した。 光さんは真剣に選択しながら、日々すごして… 女性が仕事を極めるのは大変だと、改めて思った。

Posted byブクログ

2024/06/21

彩瀬まるさんは初読みの作家さんだった。 『かんむり』 とある女性の、中3から70過ぎまでの生き様を描いた作品。 主人公の高藤光は、消防士の父と塾講師の母のもとに生まれ、銭湯を営む祖父母に面倒をみてもらいながら育つ。 中3の時に、転校してきた加々見虎治と出会い、一時は虎治の転校で...

彩瀬まるさんは初読みの作家さんだった。 『かんむり』 とある女性の、中3から70過ぎまでの生き様を描いた作品。 主人公の高藤光は、消防士の父と塾講師の母のもとに生まれ、銭湯を営む祖父母に面倒をみてもらいながら育つ。 中3の時に、転校してきた加々見虎治と出会い、一時は虎治の転校で別れたものの、再会して生涯の伴侶を得る。2人の間には新という愛息子も授かり、家族3人それぞれの成長と共に、夫婦或いは親子の関係性も変化していく様子を、光の心理描写を中心に、リアルでストレートに描いている物語。 光の学生時代では、男女で異なる性の捉え方が鮮明に描かれていて、言葉に表現出来ないが故のもどかしさや、不安や憤りが生々しく伝わって来た。特に成人男性や、クラスの男子が時として暴力的で別人の様に感じてしまう場面には、過去の私自身のほろ苦い記憶も追体験してしまう程だった。 虎治と結婚してからは、男女間で異なる育て方論、夫婦だからこその遠慮や葛藤、時代やライフステージの影響を受けやすい女性の働き方に対する違和感など、光に去来する様々な心の内側が、混じり気なく等身大に表現されていて、同世代の私には真っ直ぐに響いてきた。 新の存在により、夫婦の関係性にも徐々に変化が現れて来るが、新と光、光と虎治という、母として、妻として、それぞれの役割を果たしながら懸命に生きる光に、同じ女性としてエールを送り続けながら、半面切なさも感じた。その意味がタイトル『かんむり』に繋がるところ・・・ ここはきっと作者が、直に感じ取って欲しい所だと思う。 物語の構成は、時系列でなく、光の回想により、色んな年代の色んな場面にワープする。主人公の光目線という軸がブレないからこそ出来る展開で、それもまた意外性があって楽しめた。 普段生活している中でも こんな事あったなぁ、 あれこの感覚何だっけなぁ、 と過去に思考を飛ばすことは誰しもあると思う。 朧げな記憶を手繰り寄せ、その輪郭がハッキリして行く展開が幾度となく繰り返される構成は、一人の女性の生涯に濃く深く引き寄せられるものだった。 夫婦だけにフォーカスした物語だと思っていたので、そこはいい意味で裏切られた。 希望を感じられるラストだったので、読後感も爽快で穏やかな余韻に浸ることができた。年齢をある程度重ねた方のほうが、より味わい深く楽しめる作品だと思う。

Posted byブクログ

2024/05/24

中学の同級生のふたり 大学生の時再会 愛し合い夫婦となり息子を持つ 愛し合いながらも違和感が生じ 生じながらも話し合い 別人格を認識しつつ 折り合えないところに 時には苛立ち 時には諦め 夫婦のまま人生を終えようとしている 一組の夫婦の会話等から 男女の役割や嗜好への偏見 会社...

中学の同級生のふたり 大学生の時再会 愛し合い夫婦となり息子を持つ 愛し合いながらも違和感が生じ 生じながらも話し合い 別人格を認識しつつ 折り合えないところに 時には苛立ち 時には諦め 夫婦のまま人生を終えようとしている 一組の夫婦の会話等から 男女の役割や嗜好への偏見 会社という組織での理不尽な扱い 体型への決めつけ などなど たぶん 彩瀬さんが嫌悪していると思われる現在社会の事象を散りばめている 言葉と体と時間を重ね 時にはぶつかりながら同じ方向を見ていくーそれが夫婦だと思っていた それが正しい夫婦像かもしれないけれど 違う方向を見ながら折り合っても良いんじゃないかと思う あまりぶつかるのは気が重い 現実的な夫婦として地に足がついた小説だと思う

Posted byブクログ

2024/05/11

戻ったり進んだりしながらだけど、中3から70過ぎるまでの一人の女性の『愛』の物語。いいことばかりじゃなく、どうしようもないことや我慢しないといけなかったことや、愛しい瞬間、叫び出したくなるほどの焦燥、とまぁ大河ドラマだったけど、いたるところで、分かる!と頷きながら読んでしまう本だ...

戻ったり進んだりしながらだけど、中3から70過ぎるまでの一人の女性の『愛』の物語。いいことばかりじゃなく、どうしようもないことや我慢しないといけなかったことや、愛しい瞬間、叫び出したくなるほどの焦燥、とまぁ大河ドラマだったけど、いたるところで、分かる!と頷きながら読んでしまう本だった。THE多様性をうたっている本だとは思うけど、不思議と押し付けがましくはなく感じた。

Posted byブクログ

2024/02/13

今の話をしていると思ったら、改行もなく、昔のことを振り返っていたりして、こんがらがった。 最後はテンポ良すぎるぐらいに、どんどん年月が経っていた。

Posted byブクログ

2023/12/02

水はただ滴るだけで、完璧な「かんむり」を作りあげるのに、自分はどんなに努力しつづけても、かんむりを頭上にかかげることができない。 夢中で愛した人と一緒にいつづけているのに、その傍にいる気がしなくなっていく。どんなに深くつながろうとも、別々の身体を生きていることを実感していく。 ...

水はただ滴るだけで、完璧な「かんむり」を作りあげるのに、自分はどんなに努力しつづけても、かんむりを頭上にかかげることができない。 夢中で愛した人と一緒にいつづけているのに、その傍にいる気がしなくなっていく。どんなに深くつながろうとも、別々の身体を生きていることを実感していく。 そんな、人生のどこかうまくいかない、なにかが足りないというような、もどかしい焦りの連鎖を夫婦の数十年の歩みとともに描き上げた物語。世代ごとに感性が揺らぐさまを、他愛ない会話やエピソードを連ねて綴り、彼らに寄り添うように読むことができました。 恋愛という共依存から、人生を歩むパートナーとして歩み出していくうちに、どうしても「他人」だから意思の疎通が取れなくなる瞬間はどうしてもあります。けれど、そこで諦めるのではなく、相手をもう一度よく観察することで、ただ突き放すべきか、それともまた傍で手を取るかを判断できます。 その慎重な歩み寄りの連なりが、いつしか人生を共に歩みきっていた、という結果を生むのでしょう。彼女はいつしか、パートナーとともに「かんむり」をささげあっていたと言えるのかもしれない、と感じました。

Posted byブクログ

2023/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

覚えておこう。忘れないようにしよう。光と虎治、そして新。【文句のつけようのない経歴や、誰にも頼らずにやっていける強い立ち位置よりも先に、喜びを祈ってもいいのかもしれない。どんな道筋であれ今の、そして大人になった新が、誰からも脅かされず、喜びを感じられる状態で生きていけますように。】【最善はわからない。三人とも宙ぶらりんだ。】【ああ、彼は二人でたくさん散らかした欠片をなるべくきれいにスーツケースにしまおうとしている。話し合って、なにかを変えようとする時間の終わりがとうとうきた。】【水のかんむりはどれも美しかった。私も新もきっと同じだ。握りしめて生まれた性質のまま完成していると思いたい。】飾らず隠さず生々しいほどに、夫婦と家族の物語だった。私はまだその中間地点。"なにかを変えようとする時間の終わり"がくるまで。

Posted byブクログ