かんむり の商品レビュー
私の子供より若い86年生まれの彩瀬さんが、この夫婦の中学から夫が亡くなった後のことまで日記のように書いてる。 私が夫に対しての不満、違和感、思いの違いは、夫にもあるんだな。もう今更、離婚はしないでこのまま生きていくと思う。
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ありふれた、特別じゃない毎日はでも、だからこそ大切で愛しい日々なのだと教えられるようだった。 「私のかんむりは」自問する光に指し示してあげたかった。ほらそこに。もうかぶっているでしょう。 何も成せない、何者にも成れない日々にもかんむりの輝きは確かにある。 すごく良かった。
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夫婦というのは、何とままならないものなのか。 夫婦だけではない、私たちは自分自身の心と身体のことだって 知らず知らずのうちに不自由を感じているではないか。 男とはこういうもの、女の身体はこういうものと、 誰が決めたのかわからないような既成観念にがんじがらめになっている。 私の心も...
夫婦というのは、何とままならないものなのか。 夫婦だけではない、私たちは自分自身の心と身体のことだって 知らず知らずのうちに不自由を感じているではないか。 男とはこういうもの、女の身体はこういうものと、 誰が決めたのかわからないような既成観念にがんじがらめになっている。 私の心も身体も、持ち主は私だ。 体型も考え方も一人ひとり違って当たり前。 そんな当たり前を、手の中に取り戻したくなる物語でした。
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「自分」を生きること、その答えを考える。 読者の年齢や立場によって、この物語の捉え方が変わるだろうお話は、私にとって苦しさから解放へ進むお話だった。
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中学生で出逢った虎治と光の物語。 育児や仕事などで、好きで結婚したはずの夫と考え方が違い、葛藤する光に共感しました。長い年月を一緒に過ごしても、すべてを分かり合えるのは難しいなぁと。それでも死がふたりを分つまで、添い遂げた虎治と光は美しいなと思いました。
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かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに今は、、 夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。 こんなはずじゃなかった、正解がわからない、何もわからない。 「私のかんむりはどこにあるのか」 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 中学の同級生だった虎治と光の...
かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに今は、、 夫が何を考え、どんな指をしているのかさえわからない。 こんなはずじゃなかった、正解がわからない、何もわからない。 「私のかんむりはどこにあるのか」 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 中学の同級生だった虎治と光の、出会いから別れまでを描いたお話。 とてもリアルな感じがしたな〜。 初めは同じ思いだったはずなのに、子育てや仕事をするなか、考え方の違いを感じ嫌悪感を抱いてしまう。 多かれ少なかれどんな夫婦にもあるんじゃないかな。 1番の理解者だと思ってた相手との、時を経て変わっていく関係性。 読んでいると少し寂しい気持ちになってしまった。 満たされていないと、選ばなかった別の人生がきらきら輝いて見えるってよく分かる。 自分のかんむりはどこにあるのかと思う気持ちも。 別の人間であると認めて、それでも一緒に生きていくのか。 そうだとしたら、それこそ愛なんだろうなと思う。 水が弾けるとかんむりが出来る。 あの人を連れて、のラスト、泣けてしまった〜。
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時代感としてはひとまわりくらい下の夫婦。 そんな風に社会に受け入れられてスムーズに働き続けられて羨ましい、と思う場面もあれば、それでもやはり女性として母として共感できる感情がたくさんあった。 時代は明らかに、少しずつだけど皆が望む方向へと向かっている。そして、皆の望みは常に変わっ...
時代感としてはひとまわりくらい下の夫婦。 そんな風に社会に受け入れられてスムーズに働き続けられて羨ましい、と思う場面もあれば、それでもやはり女性として母として共感できる感情がたくさんあった。 時代は明らかに、少しずつだけど皆が望む方向へと向かっている。そして、皆の望みは常に変わっていく。 それが、私が望むことでも、望まないことでもだ。 ただ、人と人が一緒に生活していくことの、どうしようもない必要性を再確認した本。
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長年連れ添った夫婦であっても分かり合えないことはある。それでも一緒に生きていく。 彩瀬さんの細かい心理描写と言葉選びのセンスが本当に好き。 「私たちはどうしようもなく、別々の体を生きている」
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一組の男女が出逢い、夫婦となり、人生を終える。 そのひとこまを掬い上げた作品。 始まりは中学3年生の春。 光は転校生としてやって来た虎治と出会う。 二人は互いに惹かれ合い交際。 その後の別れ、再会、結婚と、ありふれた展開ではあるものの彩瀬さんのふうわりとした空気感の中で描かれ...
一組の男女が出逢い、夫婦となり、人生を終える。 そのひとこまを掬い上げた作品。 始まりは中学3年生の春。 光は転校生としてやって来た虎治と出会う。 二人は互いに惹かれ合い交際。 その後の別れ、再会、結婚と、ありふれた展開ではあるものの彩瀬さんのふうわりとした空気感の中で描かれる繊細な心理描写に引き付けられる。 この夫婦の会話に過去の記憶が呼び戻され何度も既視感を覚えた。 どんなに好きで結婚した相手でも、気持ちはすれ違い、分かり合えない事に虚しさを感じる日々。 失望と許容を繰り返しながら毎日は流れていく。 胸を突く夫婦小説。
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主人公のように昭和世代は無意識の差別を改めないととは理解していても、どうしても男だから女だからとか頭に浮かんでしまう。 後半はなぜか涙が止まらず、主人公が愛おしくてたまらなかった。 愛を感じる本でした。読み手の環境によって受け取り方は大きく変わる気がする。
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