本を守ろうとする猫の話 の商品レビュー

夏川草介(著者)

2025/01/11

客観的にはよくできたストーリーだなと思うんだけど、ファンタジー要素が強めな感じがしてその部分についてはあまり好みではなかった。あと、きっと、もっと名著と呼ばれるような難解な本を読んでいる人なら、より楽しめる本なのかもしれない。迷宮の相手が思ったよりあっさりと負けてしまうので、え？これで解決済ってこと？みたいなところもあったり。

2025/01/09

とても読みやすいが、本への愛にあふれているので、私なんかはついていくのがやっと。いや、ついていけてない。所々に散りばめられた、名作だが時間に追われている人たちには手に取られにくくなってしまった作品たちを、おもんばかり憂いている。私は海外文学を見て見ぬふりをしてきたので、重い腰をあげようかという気に今はなっている。その作品たちを知ってから、またこの本を読んだら違う気持ちになるだろう。
クスっと思えるようになりたいものです。

2025/01/07

　ある読書家さんのオススメで、手にとりました。
タイトル的にも、ファンタジー要素の強い物語かと思っていました。良い意味で、かなり裏切られたというか、アツいものが込み上げてくる作品でした。
　私が読書を再開して、１年が経ちました。ブクログを始めてから数ヶ月、たくさんの本とブク友さんに出会いました。ブクログのおかげで、自分の好きな傾向がわかってきました。

作中、林太郎が沙夜に「読んで難しいと感じたなら、〜略〜難しい本に出会ったならそれはチャンスだよ」
「難しいってことは、新しいことが書いてあるって証拠だよ。」
難しい本に出会ったら、チャンス。

色々な本に出会っていきたいと思いました。

読書を始めたばかりの方や本好きな方へオススメします！

2025/01/05

子供の頃に読んだ、ミヒャエルエンデの「はてしない物語」を思い出した。
本を読む人が少なくなったということでもなく、本が好きな人が減ったという話ことでもない。
本を愛する人が減ったということをこの本は訴えているように思う。

本が好きな指標として、月に何冊の本を読むだとか、〇〇の作品は全て読んだだとか、そういったことに現代人はとらわれてしまっている。
事実、このアプリも月毎の読破数をグラフにしたり、これまで読んだ本を本棚に陳列して自己満足に浸らせたりしている。

大事なのは、読む本の数や得られる知識量ではなくて、その物語と心を通わせることだと思う。自分のことのように喜び、悲しみ、悔しい思いをする体験ができることが読書の醍醐味。それは本の要約や速読では決して不可能であり、そのためには時間が必要であり、一つ一つの言葉を反芻しながら読んでいく。そうした体験がやがて他者を思いやる心につながるのだと感じさせる物語だった。

2025/01/04

言葉を武器にして本を守るために動く高校生と猫のお話。
国内、海外ともに有名な文学作品はたしかに読者は減少傾向にあるかと思う。でもきっとこういう本を愛する人々によって守られているんだろうなと思った。

解説を読んで、様々な文学作品を知っているからこそわかるこの本の構成もあったことを知った。今まで読んでこなかった有名文学も読んでみようかなという気持ちになった。

2024/12/27

「夏木書店」の店主の祖父と高校生の林太郎は二人暮らし。その祖父が突然亡くなりった後、店の奥で不思議なトラネコと出会う。 トラネコは、人間の言葉を話し、本を愛することができない“敵"から、本を助けてくれと、林太郎に頼む。話す猫というファンタジー的な要素があったが、本の魅力を再発見できる物語であった。

『時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの物語を読めば、お前はたくさんの心強い友人を得ることになる』
『ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。どれほど多くの知識を詰め込んでも、お前が自分の頭で考え、自分の足で歩かなければ、すべては空虚な借り物でしかないのだよ』
『大切にされた本には心が宿り、そして心を持った本は、その持ち主に危機が訪れたとき必ず駆け付けて力になる』

本は、道標ともなり、私達を支えてくれ、ともに泣き、笑い、一生体験できないであろう事も疑似体験させてくれる。ただ、目だけ字をなぞるだけではなく、共感したり、教えを心に留め、素晴らしい読書時間をこれからも大切にしたい。

2024/12/26

素敵な言葉に出会えました。

"物事は心で見なくてはよく見えない1番大切なことは目には見えない"

"世の中には理屈の通らないことや、理不尽なことが山のようにある、そんな苦痛に満ちた世界を生きていく上での最良の武器は理屈でも腕力でもない、ユーモアだ"

"いつまでも下向いて引きこもっていたらだめよ。割に合わないことなんていっぱいあるだろうけど、自分の人生なんだから"

2024/12/26

ブクログを始めてから、初めて☆5をつける気がする。
これまでもいい本にたくさん出逢ってきたけど、こんなに手放しで「素晴らしい!!」と思える作品は初めてだと思う。

また夏川さんが好きなってしまった

2024/12/26

ストーリーから最後の作者さんの解説も含め、本との向き合い方を改めて考えることのできる一冊でした。
主人公の祖父のセリフにハッとさせられることも多かったです。
これから本を読んでみようと思う人、常習的に本を読む人、読書するすべての人に贈られた本だと思います。
もちろん、本だけでなく一人の学生が同級生や先輩、親族など人と人との向き合い方を考え成長していくストーリーも温かみがあってよかったです。

2024/12/19

読書が習慣になってきた頃に、おすすめの1冊だなと思った。
とにかく本を読む(一度読んだら終わり)、速読・要約するなど効率の良く読む…それら読み方が絶対に間違ってるとも言えないが、本を大切に読むという視点から見るとどうなのか。
本との付き合い方を考えさせられた。