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本を守ろうとする猫の話 の商品レビュー

3.9

222件のお客様レビュー

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2025/05/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「夏木書店」を営む祖父と二人で暮らしている高校生 夏木林太郎。祖父が唐突に亡くなり、引っ越しを迫られている中で店に突然しゃべるトラ猫が現れ、「本を救ってほしい」と頼まれる。そして店の奥からトラ猫と一緒に迷宮に入っていく。 迷宮の先では、「本を閉じ込める者」、「本を切り刻む者」、「本を売りさばく者」、そして本そのものと対峙することになる。 この物語は作者のメッセージに溢れていて、本を楽しむうえ、ひいては生きる上でも大事なことが書かれていたなと思う。 「ただがむしゃらに本を読めば、その分だけ見える世界が広がるわけではない。」 「むやみと急げば急いだ分だけ見識が増えると思うのは誤解である。」 「難しいってことは新しいことが書いてあるっていう証拠だよ。」 世の中には大量の本があって、各迷宮の主たちの言っていることもわかる。 1度読んだ本を読み返すことはほとんどないし、読書は時間がかかるし、友と呼べるような本を持つことも少ない。そんな気持ちを持っている人に刺さる本じゃないかなと思う。この本を読んで、名作と呼ばれるものにチャレンジしたくなった。

Posted byブクログ

2025/05/08

英語や他の言語でも読みたくなった 自分はまだまだ本好きとは言えないなぁと思わされた。もっと本読みたい。古典を。

Posted byブクログ

2025/05/01

本の量、知識で人の上に立つ為の本の利用。 あらすじや要約で内容を浅慮し本の心や本質と向き合わない忙しい現代人の本への冒涜。 いい本ではなく売れる本、人が求める本を作るという出版社の利益追求。 本についての様々な問題が取り上げられ、 試練の部屋という形で解決策というより筆者の想い...

本の量、知識で人の上に立つ為の本の利用。 あらすじや要約で内容を浅慮し本の心や本質と向き合わない忙しい現代人の本への冒涜。 いい本ではなく売れる本、人が求める本を作るという出版社の利益追求。 本についての様々な問題が取り上げられ、 試練の部屋という形で解決策というより筆者の想いを伝えるという形なのかなと感じました。楽しく読めました。

Posted byブクログ

2025/04/16

読みやすい文体の中にも知性を感じさせる語彙があり、文化を感じた。 内容に関しては、正直中学校で見せられる演劇のようなくすぐったさや道徳の授業で読む教科書のような綺麗すぎて逆に胡散臭く感じてしまうような、「人を思いやる心」を「本が醸成する」というメッセージに共感出来るかどうかが楽し...

読みやすい文体の中にも知性を感じさせる語彙があり、文化を感じた。 内容に関しては、正直中学校で見せられる演劇のようなくすぐったさや道徳の授業で読む教科書のような綺麗すぎて逆に胡散臭く感じてしまうような、「人を思いやる心」を「本が醸成する」というメッセージに共感出来るかどうかが楽しめるか否かに直結する印象。 年齢的にどうしても共感出来るほど純粋ではいられないが、読書の入り口にいる中高生への呼び水としてはきっと適しているのではないか。 どちらかというと作中に出てくる本が好きなのに捻くれてしまった大人たちの言うことの方がちょっとわかってしまうし、文明が進歩するだけ人が文字を読まなくなり本を手放していくことは自明なので、そこに反発することに共感は出来なかった。 本当にそんなにみんな「人を思いやる心」というやつを忘れているのか?本がどうとかではなく日本人はみんな善良じゃないか、と思って読み終えたところ解説にかえたあとがきで夏川先生が実際に医療の現場で人の心が荒れてきていると感じていて、本を読むことがその改善を助けるのではないかという思いを持っていることを理解した。 本の存在も助けるとは思うが、個人的にはSNSやスマートフォン、あとは高齢化社会など人類が初めて遭遇した文明の到達点、それに伴う技術の進歩や身体的な衰退に人の心が付いてきていないだけだと思っている。

Posted byブクログ

2025/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語の節々で私は何で本を読んでいるんだろうと考えるきっかけになったし、一冊一冊大事に向き合って読みたいと改めて思えました。

Posted byブクログ

2025/04/15

一気に読みました。 そしてグサグサ刺されました(笑) 中学生の時の私が今の私を見たら きっと主人公のように諭してくれるでしょう。 「あーはなりたくない」と思っていた大人に 自分がなっていたという事実が自分の身に降り注ぎました。 というわけで、読了後に自分の本棚を見返したくなりま...

一気に読みました。 そしてグサグサ刺されました(笑) 中学生の時の私が今の私を見たら きっと主人公のように諭してくれるでしょう。 「あーはなりたくない」と思っていた大人に 自分がなっていたという事実が自分の身に降り注ぎました。 というわけで、読了後に自分の本棚を見返したくなりました。 本の力が発揮できるように自分にできることから行動します。 そしてこの本、今回図書館で借りましたが購入本へ昇格です。 何度も読み返したい本です。

Posted byブクログ

2025/04/08

ブクログでなぜかオススメされて、なんとなくタイトルを覚えていた作品。偶然見つけて購入しました。すぐ読まないと長期積読になりそうなので即日読み始めて読了。200ページくらいなのでサクサク。 またしても、主人公がご両親がいなくて古書店を営む祖父と二人暮らしの設定。しかもそのおじいち...

ブクログでなぜかオススメされて、なんとなくタイトルを覚えていた作品。偶然見つけて購入しました。すぐ読まないと長期積読になりそうなので即日読み始めて読了。200ページくらいなのでサクサク。 またしても、主人公がご両親がいなくて古書店を営む祖父と二人暮らしの設定。しかもそのおじいちゃんが 冒頭からお亡くなりになり、古書店をたたむところからお話がはじまります。(昨日まで名探偵のままでいて を読んでいたもんで!) 当然、主人公林太郎(リンタロウ)は本が大好きというか、読書がすべて。しかも過去の名作、シェークスピアやデュマ、ヘミングウェイなど骨太作品しか置かない古書店で育ち、読破している強者。そして、よくある内気で運動苦手、引きこもり気味?な高校生。 そんなところにお話のできる不思議なトラ猫が、(たぶんおっさん)本を助けることを依頼して・・・異世界へ。 前半はファンタジーの世界観をイメージするので 精一杯!ただ3人のボスを論破して目覚めさせる過程で、異世界にいくイメージにも慣れて読みやすくなります。 ラスボスのあたりでは、新海誠や細田守がアニメにしたらと、勝手に妄想しながら読んでしまいました。 タイトルのネコに惹かれて読み始めましたが ネコでなくても、と思ったり、ネコの愛くるしさは皆無なので少し釣られた感はありますねぇ。

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2025/03/15

俺には苦手なファンタジー……………… でも、本の読み方も感じ方も人それぞれ……………… まあ、これからもチャレンジはしたい! デス。

Posted byブクログ

2025/03/09

古本屋を営んでいた祖父が死んだ。 ひとり残された男子高校生の前に喋るトラネコが現れる。 「本を救ってくれないか」という猫に着いていくと、そこは不思議な世界で……。 本を大切にする主人公だから、言葉もすごく大切に選んでいるような、噛み締めるようなセリフがたくさんあります。 色々...

古本屋を営んでいた祖父が死んだ。 ひとり残された男子高校生の前に喋るトラネコが現れる。 「本を救ってくれないか」という猫に着いていくと、そこは不思議な世界で……。 本を大切にする主人公だから、言葉もすごく大切に選んでいるような、噛み締めるようなセリフがたくさんあります。 色々な方法で情報を手に入れられる現代の、本について、読書について、考えさせられます。 読書好きには楽しめる仕掛けがたくさん施されているようですが、残念ながら私はわからず。不勉強。でも、わからなくても楽しめるのでご安心を。 印象に残ったのがこの部分。 「読んで難しいと感じたなら、それは柚木にとって新しいことが書いてあるから難しいんだ。難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」 普段は手に取らないようなタイプの本を読んでみたくなるセリフで、ハッとさせられました。

Posted byブクログ

2025/03/03

本好きにはたまらない一篇。不思議な猫と繰り広げる、一種ファンタジーな冒険は、本の素晴らしさ・素敵さを心から大切にしている作者夏川さんの思いが伝わってきます。本を読むのは、人の心を知ることという件(くだり)を自分も大事にしたい。 現実世界の林太郎と沙夜の繋がりも温かくて素敵です。

Posted byブクログ