本を守ろうとする猫の話 の商品レビュー
祖父を亡くした高校生、夏木林太郎が残された古書店「夏木書店」で立派なトラネコと出会い 刺客から本を守るお話。 題名から想像していたほのぼのとした話ではなく 読書家なら一度は問いかけられたことがあるような疑問と、投げ掛けたことのあるような言葉に心がギリっとする。 私にはファンタジ...
祖父を亡くした高校生、夏木林太郎が残された古書店「夏木書店」で立派なトラネコと出会い 刺客から本を守るお話。 題名から想像していたほのぼのとした話ではなく 読書家なら一度は問いかけられたことがあるような疑問と、投げ掛けたことのあるような言葉に心がギリっとする。 私にはファンタジー小説に思えたけど 作者が解説で述べられているように、ライトノベルであるのか、風刺か、社会派か、青春小説か、読者によって何でも良くて、考えるきっかけとなり本書に出てくる名作に手を伸ばすきっかけとなれば良いようだ。 昨今、歌では前奏が長いと曲を聞いてもらえないだとか、ドラマも展開が分かれば良いので倍速で視聴するという。 本もあらすじと結末だけ分かれば良いという話を聞いて、基準は「タイパと、これを知っているという事実」なのだなと私なりに理解していたつもりだったしどうこう言うつもりもなかったけど… この本に触れて「ああ、やっぱり本を読まないなんて勿体ないな」と読書を敬遠する人たちに押し付けがましい気持ちになった。
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「神様のカルテ」「スピノザの診察室」の著者の夏川草介さんの作品 世界40か国以上で翻訳出版!という帯につられて…購入 読み進めた。 同居していた祖父が急死し独りぼっちになってしまった本好きで引きこもりな高校生男子と一匹の猫の物語。 「行くぞ2代目」猫と林太郎が本を助け出す為に...
「神様のカルテ」「スピノザの診察室」の著者の夏川草介さんの作品 世界40か国以上で翻訳出版!という帯につられて…購入 読み進めた。 同居していた祖父が急死し独りぼっちになってしまった本好きで引きこもりな高校生男子と一匹の猫の物語。 「行くぞ2代目」猫と林太郎が本を助け出す為に迷宮に向かう 第1,第2,第3,そして第4の迷宮… そこでの出来事・出会いの中で 様々なことに気が付き 最後に林太郎は一つの選択をする。 あとがきには著者がこの物語に込めた想いと仕掛けが書かれている 本好きならわかるという仕掛け…残念ながら気が付かなかったが… やっぱり 読書は好きだなって思えた一冊
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最近、本や図書館、古書店ものの本を読んでいるので猫と迷宮によく出会う。 それぞれの違いを味わいながら読むのも 面白いかも、なんて思ってたら解説に何やら興味深いことが書いてあった。 本書の中に「多くの作家や作品へのオマージュやパロディを織り込んでいる」 しまった!解説を先に読めばよ...
最近、本や図書館、古書店ものの本を読んでいるので猫と迷宮によく出会う。 それぞれの違いを味わいながら読むのも 面白いかも、なんて思ってたら解説に何やら興味深いことが書いてあった。 本書の中に「多くの作家や作品へのオマージュやパロディを織り込んでいる」 しまった!解説を先に読めばよかった、と思ったが後の祭り。(いつも解説、あとがきは最後に読む派) 間違い探しや謎解きみたいで、どこに隠されているのか見付けたくて読書心に火が着いちゃいますよね。 面白そうだから、もう一回じっくり読んで後で探すとしよう。 あれ?繰り返しじっくり読む?! どこかに書いてあったぞ。 そうそう第一と第二の迷宮。 「一行一行吟味~頭を抱えながらゆっくり進めていく読書」ちょっと意味が違うかもしれないけどこういう読書も楽しいと思う。(二章113頁) 著者の仕掛け全部分かったら気持ち良さそうだ。たぶん無理だけど。 ちなみに主人公の林太郎は軍医と文壇で活躍した文豪の下の名前と同じですよね。 医者と文壇、あー夏川さんと一緒だ! トラネコはあの長生きしている猫がでてくる絵本だと思うんだけど。 第三の迷宮も教科書にも出てたあの文豪の作品に似ている気がする。 冒頭の文章もあの人ぽい。 帯にもヒントがあった。 まんまと著者の仕掛けに釣られてしまったけど楽しい。 本書のなかで特に刺さった言葉が二つある。 一つは「人を思う心それが本の力だ」 「本の力」あってほしいな。 元気を貰ったり、優しい気持ちにさせてくれたりと何か貰ってばかりだけど、蔵書君達ありがとう。 恩返しできるように「人を思う心」養えるような読書を心がけたい。 二つ目は 「難しい本にであったらチャンス」 「自分にとって新しいことが書いてあるから難しいんだ。」うーんなるほど、要はレベル上げのチャンスてことだ。 文豪とか名作といわれている本ってぶっちゃけ難しくて良く分からないから手を出しずらいんだよね。 でも、古い本や名作にはすごい本の力があるようなので読んでみたいと思った。(著者もたまには読んでくれと) 取り敢えず宮沢賢治や夏目漱石あたりにしようかな。
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なぜわたしは本を読むのだろう、とあらためて考えさせられた。ファンタジーな内容だけれども、以外と深い。古典小説や哲学書もいずれ読んでみたい3.6
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『本を守ろうとする猫の話』 #読了 夏川草介 小学館文庫 ーーあらすじーー 唯一の家族である祖父を亡くした高校生の林太郎。祖父が遺した古書店「夏木書店」でひとり過ごしていたとき、人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは本を守るために、林太郎の力を借りたいと言う。書棚の奥の壁に...
『本を守ろうとする猫の話』 #読了 夏川草介 小学館文庫 ーーあらすじーー 唯一の家族である祖父を亡くした高校生の林太郎。祖父が遺した古書店「夏木書店」でひとり過ごしていたとき、人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは本を守るために、林太郎の力を借りたいと言う。書棚の奥の壁にさらなる通路が現れ、四つの迷宮に入り込む。 ーーーーーーーー 一見、読みやすい冒険小説、ファンタジー小説。しかし、じっくり読んでみると、大きなテーマが物語全体を覆っていると気づく。 “人を思いやる心” ありますか?と聞かれたら、ドキりとしてしまう。余裕がないときは、自分本位になってしまうことも多い。 * 「最近、人の心がささくれだっている」 現役の医師である著者は、患者さんたちとの関わりを通じて、そう感じることが多いと言う。それが本書を執筆した理由につながっている。 >>p.278 かかる時代に何が必要か、と自己に問いかけたとき、わたしの胸の内に灯ったかすかな光が、「本」であった。 (「解説にかえて」より) * 四つの迷宮には、私たちも陥っているかもしれない罠が潜んでいる。「愛しているものを大切にする」って、どういうことだろう? 読了後、そんな問いが、わたしの心にちょこんと残った。 >>p.248 「、、、君の言ったとおり、私は真の意味で本を愛してなどいなかった。あれほどたくさんの本に囲まれていながら、たった一冊の本の中にさえ無限の世界が広がっているということに気づいていなかったのだから。だが最近の最大の発見は、実は本に関することではない」 男はゆったりとした動作で、手元の湯飲みを持ち上げた。 「妻の入れてくれる茶が、実にうまいということだ」 腹の底まで温かくなるような豊かな笑い声であった。 (第四章「最後の迷宮」より)
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とてもよかった。本への深い愛情を感じました。 忘れかけてた読書の愉しみを、本の力を、思い出させてくれてありがとう。
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『神様のカルテ』を始め、心温まる医療小説を世に出している著者の、思いもよらないファンタジー小説。 この小説に込める著者の思いが、著者自身が書いた「解説にかえて」に、表されている。 古書店を営む祖父との二人暮らしだった高校生の林太郎は、祖父が亡くなり引っ越しの準備をすることになる。...
『神様のカルテ』を始め、心温まる医療小説を世に出している著者の、思いもよらないファンタジー小説。 この小説に込める著者の思いが、著者自身が書いた「解説にかえて」に、表されている。 古書店を営む祖父との二人暮らしだった高校生の林太郎は、祖父が亡くなり引っ越しの準備をすることになる。そこへ言葉を話すトラネコが現れ、本を守るために林太郎に助けを求める。 トラネコとともに、林太郎は本を巡る迷宮に入り、不思議な体験をする。 本の大切さを訴えるこの小説は、アメリカ、イギリス、フランスをはじめ世界35カ国で翻訳出版されているそうで、本が売れなくなり町の書店が次々と姿を消している現代だからこそだろう。 林太郎の口を借りた著者の声。 「僕はただ単純に本が好きなんです」「本はもしかしたら、”人を思う心”を救えるんじゃないかって」「”人を思う心”、それを教えてくれる力が本の力だと思うんです」
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普段本を読まない人の入口になって欲しい一冊 すごくすごく好きでした 林太郎の気持ちも、迷宮で待つ人々の気持ちもすごくわかる… 本の力や自分の読書スタイルについて考えるきっかけになりました 名作もたくさん散りばめられていて、本を愛するみんなも楽しめます
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本にフォーカスをあてた物語? 冒険ファンタジー? 人間の心根の話? 著者の他の本とは、だいぶ雰囲気が異なる
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本には大きな力がある。本好きな私には主人公の気持ちになって、ウンウンと応援しながら読み進められました。
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