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レッドゾーン の商品レビュー

4

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

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    19

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2023/02/09
  • ネタバレ

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コロナ初期の病院、医者たちの対応を臨場感あふれる筆致で描く。 コロナ診療から逃げたい医師たちばかりの中で、専門医でもない医者たちが誠実さだけを武器に立ち向かう。逃げる医師たちを身勝手だと責められないが、それでも現場の人たちに配慮が欠けていることに唖然とした。フィクションではあるだろうが、かなりリアルだった。

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2023/02/07

やっぱり夏川さんの本は読みやすい。 神様のカルテから始まって夏川さんの本は全作品読んでいるけれど、医療系にしてもファンタジーにしても1番読みやすいと思います。 決して題材が読みやすい訳ではないのに何故か考えた時に、台詞がすっと入ってくるからだと思いました。 今作品にしても、...

やっぱり夏川さんの本は読みやすい。 神様のカルテから始まって夏川さんの本は全作品読んでいるけれど、医療系にしてもファンタジーにしても1番読みやすいと思います。 決して題材が読みやすい訳ではないのに何故か考えた時に、台詞がすっと入ってくるからだと思いました。 今作品にしても、コロナ禍の地方医療のリアルを臨場感溢れる語彙で書き連ねられており、 思わず眉を顰めながら息を潜めて読んでしまいました。 最後らへんまで他の病院がコロナ診療をしなかったのも現実だと思うし、コロナ治療関係者ということで張られるレッテルもリアルでした。 でも、すごく重たいけど読んだ後にほっこりとした安心感が得られるのが夏川作品のすごいところだと思います。 また神様のカルテを読み返してみようかな。

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2023/01/28
  • ネタバレ

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まだ何もわかっていなかった2020年春からのお話(多分実話に基づいているのだろう) 医療現場はここまで過酷だったのかと、呼吸器専門医が全く避けていたことに驚愕した(多分事実なんだろう) 今も引き続き従事している方々に感謝と賛辞を贈りたい。

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2023/01/28

コロナがまん延し始めた頃の医者たちの苦悩が描かれている。医療者の誠意と義務感に甘えていた行政の姿も考えさせられた。

Posted byブクログ

2023/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新型コロナウイルスに対する治療薬を何も持っていない。少なくても2020年3月の段階で、効果が証明されている薬物はなにもない。痰も咳も息苦しさもないのに肺は真っ白というみたこともない肺炎。酸素を流すしかない初期の段階の話。ゾフルーザ、レベトール、カレトラ、アビガン、オルベスコ、手探り状態で使うステロイド。秘匿主義のため連携も何もない沈黙の壁。コロナの人助けてあげなくていいの?病気で苦しむ人々がいたとき、手を差し伸べるのは医師だからではなく人間だからです。誠実さの問題です。治療にあたった医療者に感謝しかない。

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2022/12/29

「臨床の砦」の続編。コロナ禍初期の院内の鬼気迫る様子を描く。当時の世の中の不穏な空気を思い出し、何とも言えない気持ちになる。主な登場人物が変わらず、それぞれの背景も見えて親近感が湧き、物語に彩りを添える。

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2022/12/18

この本を読んでいた頃、私の住む地域では第8波で過去最多の感染者数を記録、病床使用率も5割を超えている。 「レッド・ゾーン」は「臨床の砦」の続編。前作のエピローグでわずかに見えたような希望はあっけなくかき消されて、現在もコロナ禍は継続中。作中の医療スタッフ同様、リアルの医療関係者は...

この本を読んでいた頃、私の住む地域では第8波で過去最多の感染者数を記録、病床使用率も5割を超えている。 「レッド・ゾーン」は「臨床の砦」の続編。前作のエピローグでわずかに見えたような希望はあっけなくかき消されて、現在もコロナ禍は継続中。作中の医療スタッフ同様、リアルの医療関係者は心身ともに疲れているだろうと想像する。 誰かがやらなければならないとても過酷なことがあった時、理由をつけて全力で回避しようとする人もいれば、勇気をもって立ち向かう人もいる。この差は何なのだろう。 人としてどうあるべきなのかを考えさせられる。しかしまだこのコロナ禍で『正解』が何なのかは見えてこない。

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2022/12/13

偏見に対し、使命感をもち献身的な姿勢でコロナに立ち向かう医師たちの物語。医療崩壊への危機感を覚えながらも総力戦で立ち向かう。正体不明のウイルスにおびえていた第一波の頃を思い出す。医師の務めでははなく人間の務めという言葉は重い。現実はきっとこの何倍も大変だったろうなあ。

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2022/12/12

前作「臨床の砦」の続編。2020年、日本で新型コロナ感染流行の端緒となるクルーズ船患者を受け入れた長野県の信濃山病院。呼吸器内科がなく、腎臓内科、消化器内科、肝臓内科の医師3人で対応するが、致死率の高い未知のウイルスに対し、手探りでの状況で身の危険も感じる中、家族を含め医師たちは...

前作「臨床の砦」の続編。2020年、日本で新型コロナ感染流行の端緒となるクルーズ船患者を受け入れた長野県の信濃山病院。呼吸器内科がなく、腎臓内科、消化器内科、肝臓内科の医師3人で対応するが、致死率の高い未知のウイルスに対し、手探りでの状況で身の危険も感じる中、家族を含め医師たちは苦悩する。受け入れ患者は増え、医療物資や人員が不足するなど事態はより深刻な状態に陥る。 前作同様、他の病院が受け入れないコロナ患者を守る砦で働く医師たちのヒューマンドラマだが、今回は、医師同士の葛藤が鮮明に描かれている。前作では消化器内科の敷島医師が主人公だったが今回は個性的なメンバーたちがチームプレーで苦境を乗り切るという印象が強い。 中でも、序盤、中心的に描かれている肝臓専門医・日進の存在感が面白い。太った体型で使命感や特別な技術もなく、皮肉屋でネガティブ、臆病だが、それが、熱すぎる医師の暴走にブレーキをかけるという設定。皮肉を言いながらもユーモアがあり、家庭では妻の冷たい仕打ちに苛まれながら、結局は危険な仕事を背負う。 状況が悪化しても、他の病院が受け入れを拒み続ける中、信濃山病院が一般病床を削り、受け入れを増やすのは、医者の使命感と責任感だけではなかった。 危険が増し、極限に達する医師たちの反発が爆発する状況で最後に彼らが納得して、それを受け入れるのは、敷島が語る「人間のつとめ」という一言。 ヒューマン医療ドラマだが、描写は今回も迫真に迫り、医師たちに頭が下がる思いがした。 秘匿性の高い現場であるゆえ、外からは院内の重大な事態がわからないという「沈黙の壁」がある、医療の指揮系統を一本化するような組織が不在であるといった指摘も、医療に携わる著者らしい論点だと感じた。

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2022/12/03

新型コロナウイルスが出現し、何が正しいか分からない中で、こんな風に戦っていた人たちがいた。 ただ怖がるだけでなく、人間として、医師として、未知のウイルスとの戦いに判断を下すことは、とても勇気がいることだったと思う。 「病気で苦しむ人々がいたとき、我々が手を差し伸べるのは、医師...

新型コロナウイルスが出現し、何が正しいか分からない中で、こんな風に戦っていた人たちがいた。 ただ怖がるだけでなく、人間として、医師として、未知のウイルスとの戦いに判断を下すことは、とても勇気がいることだったと思う。 「病気で苦しむ人々がいたとき、我々が手を差し伸べるのは、医師だからではありません。人間だからです。」 「これは誠実さの問題なのだ」 コロナ禍の医療現場に限らず、職場や、普段の生活で、ネット上で、最後に軸となるのは、この誠実さなのではないかと思った。 あの時期に、医療現場でコロナに対応していた人たちに敬意を表したい。

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