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レッドゾーン の商品レビュー

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84件のお客様レビュー

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2023/07/02

本にも「旬」ってあると思うのですが、私にとっての旬はまさに今、な本だったなあと。一、二年前なら渦中すぎてフィクションとして読みづらかったし、来年に読んだら確かに体験したはずの緊迫感も薄れてしまっていると思う。今このタイミングで読めてよかった。 というわけで、コロナ初期から患者に向...

本にも「旬」ってあると思うのですが、私にとっての旬はまさに今、な本だったなあと。一、二年前なら渦中すぎてフィクションとして読みづらかったし、来年に読んだら確かに体験したはずの緊迫感も薄れてしまっていると思う。今このタイミングで読めてよかった。 というわけで、コロナ初期から患者に向き合ってきた医師たちの話です。まだそんなにたくさんは感染者がいなかった頃から、現場の医療従事者が直面していた世界。 これは余談だけれど、神様のカルテの、「人間の話をしているのだ」の出典はここだったのねと今更知りました。

Posted byブクログ

2023/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

感謝と敬意を。 日進先生のお父さんとの会話と奥さんとの会話では泣いてしまった。日進先生の決心、覚悟といいますか、それを目の当たりにした瞬間涙が止まらなかった。 最初のコロナ診察メンバーに選ばれた人選で日進先生がいるのは適当であると思う。臆病者なのかもしれないが臆病なだけではないと思わせる言動がある。 正直その状況下で海外旅行へ行く意味がわからない。 自分が海外には絶対行きたくない人(ただの出不精と人見知りと言葉が通じない所に行く恐怖がある)だから行きたい人の気持ちは分からないけど、行くなと思う。 でも木島さんが千歳先生に言った言葉を聞くと自分が情けないと思う。責めるだけの言葉を言わない選択肢は出来てもそれ以外の言葉は出ないだろう。 富士先生の登場がかっこいい。 看護師さんはもちろんかっこいい。 徹底さといいますか。 一番患者さんと近くで接していて、ちゃんとした治療法などが無い状態で怖くないわけが無いのに。 だからといってお医者さんがかっこ悪い訳でも無く。

Posted byブクログ

2023/06/12

著者の二作品目の本、ペストとどことなく似た匂いを感じる、コロナに向き合う医師の心のあり様を示しているのかもしれない、コロナ患者に対応した医師もそうでない医師も読んでいるであろう、そういう人たちの素直な感想を聞きたい。

Posted byブクログ

2023/05/18

新型コロナウイルス初期の頃、クラスターとかの言葉が耳馴染みのない頃、呼吸器内科のない地方都市の病院の医師たちが、未知の感染症に向き合ったり戦慄したりする話。 小心者で皮肉屋でおそらく人一倍感受性の高い日進が、コロナ患者を診察するまでのくだりは、とても人間味を感じる箇所だった。

Posted byブクログ

2023/05/09

「臨床の砦」は新型コロナ感染第3波を描いているが、この作品で主に取り上げられているのは、新型コロナウィルスにり患した乗客を乗せたクルーズ船が横浜港に寄港した令和2年2月からの第1波の期間が取り上げられている。長野県にある公立の感染症指定病院、信濃山病院に勤務する医師(肝臓専門医日...

「臨床の砦」は新型コロナ感染第3波を描いているが、この作品で主に取り上げられているのは、新型コロナウィルスにり患した乗客を乗せたクルーズ船が横浜港に寄港した令和2年2月からの第1波の期間が取り上げられている。長野県にある公立の感染症指定病院、信濃山病院に勤務する医師(肝臓専門医日清、外科医千歳、消化器内科医敷島)の視点から、当時の切迫した状況が描かれている…。 まだ、ワクチンも治療法もなく何もかも手探り…新型コロナ感染症患者の受け入れに慎重となっている医療機関もあれば、信濃山病院のように「病む人がいるなら断るべきではない」と受け入れを行う医療機関もある…ただ一筋縄にはいかない、だって医師や看護師にだって自らも感染の危険に曝され、そこには守るべき家族もいる…。人的資源、物的支援の絶対的不足に陥りながらも新型コロナ感染症に立ち向かい、また一般診療も並行して行う…どれだけ大変だったか、本当に頭が下がります。肝臓外科医日清が父親のもとへ面会に行った場面と、消化器内科医の敷島と娘の桐子との会話する場面…涙が誘われました。 昨日新型コロナ感染症が5類になり、たまたま立ち寄った飲食店では体温検知器の電源が抜かれていたりテーブル上のパーテーションが撤去され、なんかいいのかなぁ…とモヤモヤする自分がいたりします。やっぱり、まだ気が抜けない…色々が変わっても、みんなが感染すればまた医療がひっ迫する…私ができること、感染しないように気を付けること!それに尽きますよね。今回、夏川草介さんの作品を続けて読みましたが、代表作の「神様のカルテ」は、相変わらず積まれたまま…読めるのはいつになるのやら(^-^;

Posted byブクログ

2023/05/07

前作では"臨床の砦"で主人公というかメインの視点だった敷島…の周りにいた"肝臓内科医の日進"と"外科医の千歳"目線の章がそれぞれ1章ずつ、最後はやはり敷島の目線の章。もしかしたらこの敷島先生は著者の夏川先生だったりするの...

前作では"臨床の砦"で主人公というかメインの視点だった敷島…の周りにいた"肝臓内科医の日進"と"外科医の千歳"目線の章がそれぞれ1章ずつ、最後はやはり敷島の目線の章。もしかしたらこの敷島先生は著者の夏川先生だったりするのかな?と思いつつ…同じ医療現場にいるからとみんなが同じ気持ち、思想を持っているわけではないよなと思うので、もし続編の続編があるのなら、院長の南郷や三笠先生、富士先生、2,30代の若手医師達である春日先生、音羽先生、龍田先生目線で見た景色も見てみたいなあと思う。

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2023/05/04

「レッドゾーン」 ラインを超えた先には。 患者を診るのが仕事ではあるが、共に暮らす家族のことを思うと簡単に頷くことは出来ないだろうな。 家庭内感染の危険性は勿論あるが、最前線で闘っているのに良く見られないのは悲しいことだよな。 「パンデミック」 平穏な日々は続かない。 時間をか...

「レッドゾーン」 ラインを超えた先には。 患者を診るのが仕事ではあるが、共に暮らす家族のことを思うと簡単に頷くことは出来ないだろうな。 家庭内感染の危険性は勿論あるが、最前線で闘っているのに良く見られないのは悲しいことだよな。 「パンデミック」 平穏な日々は続かない。 時間をかけて予定したからこそ決行したのだろうが、皆から言われている通り事態を軽視し過ぎだろ。 一般人なら兎も角、院内にいる医師たちに必要な物資すら無くなるなんて想像すらしなかっただろ。 「ロックダウン」 知られてはいけない事。 実際の現場を全く知らないとしても。日々ニュースで流れる内容を聞いて何も感じることはないのか。 手探り状態でしか治療出来ない状況は、苦しんでいる患者を目の前にすると無力に感じそうだよな。

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2023/05/03

この著者の作品らしく相変わらず読ませるが、コロナが終息しつつある今読むと、既にあの頃の切迫感が薄れてしまっていることに気がついた。

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2023/04/26

新型コロナ感染者が徐々に、しかし急激に増えていった頃。 一斉休校 緊急事態宣言 マスク、消毒薬、体温計の不足… 医師とはいえ、未知の病気に接するのはわからないことだらけ、でも、病気の人を前に、逃げ出すことはできない、という葛藤がとてもよくわかり、読んでよかったです。 その中...

新型コロナ感染者が徐々に、しかし急激に増えていった頃。 一斉休校 緊急事態宣言 マスク、消毒薬、体温計の不足… 医師とはいえ、未知の病気に接するのはわからないことだらけ、でも、病気の人を前に、逃げ出すことはできない、という葛藤がとてもよくわかり、読んでよかったです。 その中でも『沈黙の壁』という言葉が特に印象的でした。 あの頃、コロナ患者を受け入れていない病院はむしろ空いていて、いつもは半日覚悟の定期検診も30分ほどで終わったことを思い出しました。 行動制限なし、と言われても、やはりインフルエンザと同じとは思えないというのが実感。 これだけ月日が過ぎても、まだ、決定的な予防策も治療法もないのが残念。

Posted byブクログ

2023/04/16

「臨床の砦」は新型コロナ発生から1年以上がたち、「感染爆発」「医療崩壊」と言われていたころの物語。その続編となっているが、こちらは新型コロナ発生初期の話。まだ多くの医療機関が発熱患者を拒否し、ヨーロッパでは致死率10%を超え、未知のウイルスとの戦いを余儀なくされた専門外の医師たち...

「臨床の砦」は新型コロナ発生から1年以上がたち、「感染爆発」「医療崩壊」と言われていたころの物語。その続編となっているが、こちらは新型コロナ発生初期の話。まだ多くの医療機関が発熱患者を拒否し、ヨーロッパでは致死率10%を超え、未知のウイルスとの戦いを余儀なくされた専門外の医師たちの物語。 コロナに感染したと聞くだけで差別やバッシングがあり、医療関係者へのバッシングもあったことを思い出す。やはり医療関係者の方々には、感謝しかない。 コロナ前、病気をしても医療が受けられない、病院にかかれない、なんてことがあるなんて、想像もしていなかった。あと数十年後、こんな世の中だったんだ、という証言のような小説になるのかも。

Posted byブクログ