レッドゾーン の商品レビュー
横浜にクルーズ船が入港したのが令和2年の2月。そこから始まり、今もまだ完全に沈黙していないコロナ禍。 オリンピックが延期され、緊急事態宣言が繰り返され、多くの患者が自宅や病院で亡くなった。 グリーンゾーン→感染リスクのない領域。 イエローゾーン→ウイルスの付着した防護服などを脱い...
横浜にクルーズ船が入港したのが令和2年の2月。そこから始まり、今もまだ完全に沈黙していないコロナ禍。 オリンピックが延期され、緊急事態宣言が繰り返され、多くの患者が自宅や病院で亡くなった。 グリーンゾーン→感染リスクのない領域。 イエローゾーン→ウイルスの付着した防護服などを脱いで廃棄する場所など。 レッドゾーン→実際にコロナ患者が入院している領域。 敵はウィルスだけではなく、恐れを抱く周囲の誹謗中傷など精神的なものの影響も大きかった。 病気の症状以外の部分で悩み苦しんだ人達がたくさんいた。 あの2020年の春は、学校も休校になり日本全国が外出できなくなり、実際に自分も驚いたし、怖かった。 かつて経験したことのない恐ろしいパンデミックだった。 その第一線の医療現場の緊迫感がすごい。 診療を行なった医師は、遺書を書くほどの命懸けだったことがわかった。 迫力ある文章。 10年後、20年後、ずっと先の未来に、 こんなこともあったよねと振り返るかもしれない。 「ペスト」に並び、後世に残しておきたい小説になる。 学校図書館◎
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長野の病院でコロナと闘う医師達のお話。 『臨床の砦』の続編。と、言われているけれど続編というよりは、コロナの流行り始めた頃の病院としての対応のありかたを新たに色んな立場の医師達の視点で話が進められている。 改めて医療従事者や感染してしまった人達の苦悩を考えさせられる。 もし、こ...
長野の病院でコロナと闘う医師達のお話。 『臨床の砦』の続編。と、言われているけれど続編というよりは、コロナの流行り始めた頃の病院としての対応のありかたを新たに色んな立場の医師達の視点で話が進められている。 改めて医療従事者や感染してしまった人達の苦悩を考えさせられる。 もし、この立場だったら?あっちの立場だったら?と考えても正解はない。 実際にこの話の登場人物達のように治療薬もワクチンもない中で闘ってくれた方達に感謝します。
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帯には「臨床の砦」続編とあるが、第三波を描いた「臨床の砦」の前の長野県でクルーズ船の患者の受入、発熱外来やコロナ病床の設置をいち早く決めた、信濃山病院の葛藤を描く。 大変申し訳ないのだが、「臨床の砦」が文庫化され、そのあとがきを立ち読みで読んだ(購入せずにすいません)。 そこには...
帯には「臨床の砦」続編とあるが、第三波を描いた「臨床の砦」の前の長野県でクルーズ船の患者の受入、発熱外来やコロナ病床の設置をいち早く決めた、信濃山病院の葛藤を描く。 大変申し訳ないのだが、「臨床の砦」が文庫化され、そのあとがきを立ち読みで読んだ(購入せずにすいません)。 そこには、都内で呼吸器内科として働く作者の姉が、消化器内科の作者(本作では多分敷島のことだと思う)に対して、「専門医もおらず、未知のウイルスを受け入れるのは反対だ」のようなことが書かれていた。 どうやらお姉さんは呼吸器内科の専門医。その専門医でさえも、初期のコロナを受け入れようとする病院はなかった。 素人が見ても、そこまで専門医のいな公立病院ばかりが都道府県の要請を受け入れ、ある程度陰圧室などの設備がある大学病院が受けれいないことに不満を持っていた。 大概の人がクルーズ船内の患者だけで治まると言う、客観的な考えだったのだろう。 その中でコロナ陽性患者と向き合わなければいけなかった信濃山病院の内科の3人。弱い部分を皮肉屋の日進先生が一手に引き受けていたが、他の先生の恐怖もマックスだったと思う。 内科の3人以外、どこか他人事だった外科の千歳などの協力を得て、信濃山病院はコロナ病床を16床まで広げることが出来た。 でも、そこまでたどり着く、医師ではなく人間としての葛藤は2年以上たった今でも自分の心を揺り動かす。 「臨床の砦」以降、安曇野の救急はどうなったのか、気になっていたが、プロローグに書かれている2022年5月時点では、かなり診療にも慣れて落ち着いているように見える。 本の発売された8月下旬も、第7波が収束傾向。 しかし、本当に減ったのか、全数を止めたことによる現象なのかは分からない。 8月上旬には薬剤が足りないことも、問題になっていた。 作者は私たちにコロナの最前線を伝えながらも、今も医者として前線で闘っているのだろうか? 私たちの為に、身を削って働いてくれている作者に心より敬意を払いたい。
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現役医者でなければ描かれない小説。医療従事者の皆さんが居なければ今は無いと。老若男女問わず読んで欲しい本。
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