レッドゾーン の商品レビュー
続編なのかな?時系列的にはこっちのお話の方が先だけど。 娘さんの言葉に胸が熱くなる。大人はあれこれ考えちゃうけど、純粋で素直な気持ちの方がスッと心に入ってくるよね。
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神様のカルテから読ませていただいております。 コロナを題材にした第2弾。前回の臨床の砦もなかなかの衝撃であったが、今回も後世に残したい1冊となった。第5類感染症として変化した後であるが、当時の医療スタッフがどれだけ苦悩していたかということを風化させないためにも。命懸けの非日常があ...
神様のカルテから読ませていただいております。 コロナを題材にした第2弾。前回の臨床の砦もなかなかの衝撃であったが、今回も後世に残したい1冊となった。第5類感染症として変化した後であるが、当時の医療スタッフがどれだけ苦悩していたかということを風化させないためにも。命懸けの非日常があったことを忘れないように。
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「臨床の砦」の続編として、現役の医師が体験をもとに書いた本。 始まりはクルーズ船の乗客の発症だった。 どこの病院も受け入れない発熱患者たちを受け入れたのは、長野県にある病床200床の病院だった。 何も分からない状態で患者に向き合ってきた、医師たち。 一般病棟の患者や通院患者を診察...
「臨床の砦」の続編として、現役の医師が体験をもとに書いた本。 始まりはクルーズ船の乗客の発症だった。 どこの病院も受け入れない発熱患者たちを受け入れたのは、長野県にある病床200床の病院だった。 何も分からない状態で患者に向き合ってきた、医師たち。 一般病棟の患者や通院患者を診察し、さらには手術もこなし、その上に新型コロナの患者を診る。 その疲労と、更に感染するのではないかという恐れと戦う医師たち。 医師の一人は娘の言葉が支えになった。 「おとうちゃんはお医者さんなのに、コロナの人を助けてあげなくていいの?」
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『臨床の砦』の続編。 とは言っても、コロナ第3波後ではなく、コロナ感染がまさに始まった時の話しであった。 手探りで、未知の感染症と向き合わなくてはならない医師たち、それぞれの思いが描かれていた。 ″透明な壁″の、もどかしさが伝わってきた。
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「臨床の砦」で新型コロナ第3波を描いた同じ地方病院を舞台に、新型コロナ最初期を描くもの。 「臨床の砦」の方が絶望感が強くて良かったけど(良いのか?)、「レッドゾーン」も良かったよ。 今回は章ごとに視点キャラが日進、千歳、敷島と変わるのも良かった。 できれば三笠視点の話も読んでみ...
「臨床の砦」で新型コロナ第3波を描いた同じ地方病院を舞台に、新型コロナ最初期を描くもの。 「臨床の砦」の方が絶望感が強くて良かったけど(良いのか?)、「レッドゾーン」も良かったよ。 今回は章ごとに視点キャラが日進、千歳、敷島と変わるのも良かった。 できれば三笠視点の話も読んでみたかった。 コロナ疑いの患者が上部消化管出血らしく緊急内視鏡を実施すべきだが、内視鏡は大量の飛沫が飛び散る検査で感染の危険が高い、どうする、という場面で、外科医の千歳が、はやる消化器内科医の敷島をなだめつつ、「出血なんてものは、たとえ止まらなくても出た分だけ入れればいいんです。いざとなったら外科が胃ごと切って片付けてしまいますよ」と冗談を言うところに痺れたわん。 こういう乱暴な発言は(フィクションでは)好きだよ。 最後の方で千歳が、緊急の内視鏡的大腸ステント留置術を敷島に依頼しつつ「穴が空いても、急変しても、あとは外科で処置しますから、存分にお願いします」と言うのもニヤニヤした。 「神様のカルテ」はあまり好きになれず聞き流して、「スピノザの診察室」は面白かったけど主人公の設定盛り盛りで微妙だったけど、新型コロナ治療の実録みたいな「臨床の砦」と「レッドゾーン」はとても良かった。
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コロナ禍の最前線に立つ現役医師が自らの経験を元に綴った勇気の物語 1時間半もコロナ患者の隣に同乗するなんて無理ですよ。
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コロナ初期からの戦いを、信濃山病院の医師目線でかかれた本。 治療法の見えない、また死と隣り合わせの状況で、 医師や看護師も人間であることを再認識。
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ワクチンもない、治療薬もない、ないない尽くし。 未知の感染症の治療に携わった医師も看護婦も、 本当に怖かったと思う。 都市部と地方、地域性にもよるが、 「沈黙の壁」の強烈さは想像以上だ。 巻末、敷島が言い出したペストの話。 戦う唯一の方法は誠実さである・・・と。 医師であろうが...
ワクチンもない、治療薬もない、ないない尽くし。 未知の感染症の治療に携わった医師も看護婦も、 本当に怖かったと思う。 都市部と地方、地域性にもよるが、 「沈黙の壁」の強烈さは想像以上だ。 巻末、敷島が言い出したペストの話。 戦う唯一の方法は誠実さである・・・と。 医師であろうが、教師であろうか、 判事であろうが、会計士であろうが、 結局、人間の誠実さ。 つまり人は人に、 そして人と人は 助け合い、生かされているのだと改めて思う。 三笠内科部長の 「診療を受けるために何キロも離れた土地まで病院を訪ねていくしかなかった」のくだりで、 泣きそうになった。 そういう昔の風景を美しく思い出してしまうのは、 感傷にすぎないのだけど、 人のぬくもりのような温かさが、記憶に残っている。
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天気が悪い日には、笑顔でいるものだよ。 アランの幸福論の一節。 たとえぎこちなくても、懸命に二人で笑うことに意味があるのだと敷島は思う。笑ったからといって問題が解決するわけではない。しかし人生には無理に笑ってでも乗り越えてくしかない問題というものがある。アランは言う。もし喜びを...
天気が悪い日には、笑顔でいるものだよ。 アランの幸福論の一節。 たとえぎこちなくても、懸命に二人で笑うことに意味があるのだと敷島は思う。笑ったからといって問題が解決するわけではない。しかし人生には無理に笑ってでも乗り越えてくしかない問題というものがある。アランは言う。もし喜びを探しに行くなら、まず十分に喜ぶことである。 こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということなのです。 これがどの程度フィクションなのかリアルなのかわからんけど、本当にコロナの現場は地獄やったんやろうな。一人や二人位でも大きく現場では状況が変わっていたのを、数字からは想像もできんかった。こういう状況を、文学なり、ルポなり、映像なり、なんでも良いからきちんと夜に伝えて、今度なにかあったときに対応できるようにしておくべきやと思うけども、今の国力でそれが可能なのかが心配でならない。医療従事者筆頭にエッセンシャルワーカーや、その他の人たちにもなにも報いられなかったはずやし。台湾のSARSがあったから対応できた、みたいなきちんとした学びと対応はあるんかな、あるといいな。自分にできることはなにかな。
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信濃山病院でコロナ診療に携わる医師たちの話。 横浜のクルーズ船からの感染から端を発し、著名人も亡くなっていく未知の病には心底怖かったことをよく覚えている。 「パンデミック」という言葉がテレビで流れてきたことは、生きている間にないと思っていた。きっと忘れないだろう。 大学病院を...
信濃山病院でコロナ診療に携わる医師たちの話。 横浜のクルーズ船からの感染から端を発し、著名人も亡くなっていく未知の病には心底怖かったことをよく覚えている。 「パンデミック」という言葉がテレビで流れてきたことは、生きている間にないと思っていた。きっと忘れないだろう。 大学病院を始め、近隣の病院がコロナ診療を断る姿を非難するのではなく、医師本人、その家族も含めれば分からなくもない。三笠たちは他の病院を肯定するでも否定するでもない。その中で院長の勇断、専門外の医師達は逃げずに戦っていく姿が痛々しい。 敷島がリウーを語る場面や、三笠が語るペストが蔓延したときに町に残る理由を話すところは、読んでいて靄が晴れたような気持ちだった。 また、敷島の娘である桐子がお父ちゃんに話す場面もアクセントが利いていてとても良かった。
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