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ほんとうの定年後 の商品レビュー

3.7

65件のお客様レビュー

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2024/10/13

あと一年半ほどで所謂「定年」という年齢に達します。私が社会人になってから多くの退職された先輩を見てきました。社会人になって私が結婚するくらい(1994)までの退職者とのお別れは楽しいものでした。大きな花束をもらって一旦はやりたいことに没頭する様ですが、すぐに飽きてしまって元の職場...

あと一年半ほどで所謂「定年」という年齢に達します。私が社会人になってから多くの退職された先輩を見てきました。社会人になって私が結婚するくらい(1994)までの退職者とのお別れは楽しいものでした。大きな花束をもらって一旦はやりたいことに没頭する様ですが、すぐに飽きてしまって元の職場でアルバイトとして働いていた人も多かったです。 それから時代は経過して、今の会社に移りましたがしばらくは同様な状況が続いていたと思います。私も60歳になったらどうしようかなぁ、と考え始めた頃から何やら雲行きが怪しくなってきて「人生100年時代」とか「生涯現役」「再雇用」というフレーズが聞かれるようになってきました。 そして今年から正式に法律でも65歳まで働ける制度が義務化されました。私にとっては目まぐるしく変わった労働を取り巻く状況の中で、この本のタイトル「ほんとうの定年後」に惹かれるものがありました。この本には私の少し上の先輩たちの所謂定年後を迎えたのちの振る舞いが記されています。人それぞれ環境が異なるので、特定の人の生き方を真似するのは難しいとは思いますが、多くの方の事例を参考にして、私はどうすべきか考える良い材料となりました。 以下は気になったポイントです。 ・定年を境に、月57万円から43万円程度に支出額が減る、60代後半で32万円、70代前半で30万、後半で26万円で安定する様になる(p20) ・定年後の家計を展望してわかることは、結果的には人生の最終期に持ち家を所有していることは、概ね良い選択となる(p21)高齢期に資産性のある住宅を所有しておくことは、自宅を担保に老後にかかる資金の借入を行う「リバースモーゲージ」による活用もできる(p24) ・仕事から引退した世帯の65ー69歳までの収入額は合計で月25万円、そのうち公的年金は19万円程度(p31)定年後は年金に加えて月10万円ほどの労働収入があれば家計は回る(p32) ・平均的な60代の家計が有する資産は、中央値で考えると、1500万円程度である(p46) ・2021年4月に施行された高年齢者雇用安定法では、現状義務化されている65歳までの雇用確保に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するため企業の努力義務とされた(p55)現在の65歳までの雇用確保措置が義務化されたのは2013年であるが、65歳までの雇用が努力義務化されたのは、1990年であり完全義務化まで20年超要している(p56) ・厚生年金保険の支給開始年齢の引き上げは、定額では1994年、報酬比例は2000年であるが、実際に65歳の完全引き上げまで30年もの経過措置があった(p58) ・デスクワークに就く人は、1573万人と、全就業者のうちの4人に一人に過ぎない、デスクエワークとノンデスクワークが混在する中間職種は949万人いる(p103) ・定年後の仕事で大事なのは、1)さまざまな活動に関心が分散される、自分の人生の中でいくつかの居場所を持ち、そこでポートフォリオを組む、2)そのポートフォリオの中に仕事がしっかりと組み込まれていること(p121) ・仕事に何を求めるかという観点で見た時、50代は大きな転機になる年齢である、人が仕事に対して意義を感じることがどうかは、50代を底にしたU字カーブを描く。定年以降に見出される就労感は、高齢になる程高まる価値観として「他者への貢献」「体を動かすこと」になる(p127) ・失われた数十年間と言われることもあるが、コンビニなどの小売店が全国に配店されて質の高い商品がいつでもどこでも買える様になった、インターネット上でボタンひとつで日本のどこに暮らしていても商品を自宅へ届けてもらえる、介護保険法施行(2000)以降、介護サービスは確実に広まっている(p148) ・定年後の仕事として望ましいのは、利害関係のない人たち、と「緩やかに」つながる仕事である(p211)つまり、1)健康的な生活リズムに資する過度なストレスがないこと、2)利害関係のない人たち、3)緩やかにつながること(p212) ・本当の定年後は、誰もがその時々の状態に合った「小さな仕事」に従事しながら、無理のない仕事と豊かな消費生活を両立している姿にある(p259) 2022年8月24日読了 2022年9月19日作成

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2022/09/18

なるほど、いろいろなデータを用いて、定年後の収入だったり働き方だったりに、具体的な例を用いて示してくれている点は良かった。 そして、今後の日本人が、定年後、小さな仕事で働き続けていく上で、より適切な賃金を得られ、かつ、敬意を持って対してくれる社会を実現するためには、痛みも必要なの...

なるほど、いろいろなデータを用いて、定年後の収入だったり働き方だったりに、具体的な例を用いて示してくれている点は良かった。 そして、今後の日本人が、定年後、小さな仕事で働き続けていく上で、より適切な賃金を得られ、かつ、敬意を持って対してくれる社会を実現するためには、痛みも必要なのもその通りだろう。だから、著者にはそのためにはどういう施策が必要なのか、一つでも二つでも良いから示してほしかったかな。 自分ももういわゆる定年まではもう5年しかないから、当然、今の経済状況を考えれば、その年齢で働かないという選択肢は選べないだろう。 そして、この本のデータが、定年後はそれほど収入は必要ないという根拠が、貯蓄額や退職金にあるのなら、やはり全然安穏とはしていられないわけで、読む前よりむしろ不安感というか焦燥感は増してしまったようにも思えるが、一筋の光明はあるようにも思える。 今の自分を定年後の自分が振り返って、バカやろうという度合いを少なくするための方法を本当に、頭から煙が出るくらい、考えてそして一つでも多く実行して錯誤して、何かを見つけなければいけないなと、考えた三連休の中日の夕方…

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2022/09/12

サラリーマンにとって、定年後にどんな仕事をするかは切実な問題だと思う。慣れ親しんだ組織を離れ、紹介や斡旋の有無はともかく、現役時代と違う仕事に就くのだから、気持ちの切り替えも必要だし、収入面も気になる。 そんな不安に対し、統計データや定年退職後に働いている人との面談を基に、平均的...

サラリーマンにとって、定年後にどんな仕事をするかは切実な問題だと思う。慣れ親しんだ組織を離れ、紹介や斡旋の有無はともかく、現役時代と違う仕事に就くのだから、気持ちの切り替えも必要だし、収入面も気になる。 そんな不安に対し、統計データや定年退職後に働いている人との面談を基に、平均的あるいは多くの人が歩むであろう定年後の仕事をリアルに紹介している。そして、そこでは、競争して組織内で成り上がるという考え方をリセットして、負担やストレスを小さくして、社会や周りの人の役に立つよう無理のない範囲で「小さな仕事」をする人が、現役時代より幸せに働く姿が見えてくる。 もちろん、収入は減る。しかし、支出も減少し、ある時点からは年金収入もある中で、無理して多く稼ぐ必要がない。そんな先人の姿を見ているうちに、不安が安心に変わっていく。 労働人口が減少していく日本社会で、消費者優位の社会から、働き手に優しい社会へと変わっていく必要があると著者はいう。「働き手による無理のない仕事と豊かな消費生活をどう両立させるかを考えていかなければならない」という著者の指摘は重要である。

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2022/09/07

定年後、豊かで自由に生きるにはどうすれば良いのか。 データと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」でした。 必要な年収はいくらか、本当に稼ぐべきは月にいくらか。 70代男性の就業率は45%、80代就業者の...

定年後、豊かで自由に生きるにはどうすれば良いのか。 データと事例から見えてきたのは、「小さな仕事」に従事する人が増え、多くの人が仕事に満足しているという「幸せな定年後の生活」でした。 必要な年収はいくらか、本当に稼ぐべきは月にいくらか。 70代男性の就業率は45%、80代就業者の約9割が自宅近くで働いています。 知られざる定年後の仕事の実態、日本の経済の歪みを明らかにし、日本社会を救うのは、「小さな仕事」だと結論付けます。 実際に、定年前の仕事において、大きな仕事をうまく乗り越えたときの達成感を口にする声も多くあった。しかし、定年後の就業者の話を聞いていると、定年後においてはもはや人間関係に大きなストレスが伴う仕事の仕方を、人は望んでいないのではないかと感じるのである。  一方で、定年後に幸せに働き続けている人は、利害関係のない人たちとのつながりを持っていた。さらに、それはいつ解消しても構わないような緩やかなつながりであった。 ー 211ページ

Posted byブクログ

2022/08/30

定年後、多くの人(半数程度)の人が70近くまで働いていて、その多くが、収入は少ないものの、労働時間も短く、それに満足していることを示した本。また、高年齢になれば、誰でも働き方を変えざるを得ないわけだが、それに伴う精神的なショックは、定年時ではなく、その前の役職定年の時の方が大きい...

定年後、多くの人(半数程度)の人が70近くまで働いていて、その多くが、収入は少ないものの、労働時間も短く、それに満足していることを示した本。また、高年齢になれば、誰でも働き方を変えざるを得ないわけだが、それに伴う精神的なショックは、定年時ではなく、その前の役職定年の時の方が大きいことについても言及している。 精神面でも、肉体的な面からいっても、働き続けることが大事なのだなと思った。

Posted byブクログ