ほんとうの定年後 の商品レビュー
少子高齢化のため、老後に不安を抱く人は多い。 しかし著書では、老後は月々必要なお金が減るため経済負担は多くないこと、現役世代よりむしろ活き活きと暮らす人が多いことをデータや当事者者面談を通じた研究結果より指摘している。 幸せに暮らすには、健康、お金、繋がり、これらを保つことが大...
少子高齢化のため、老後に不安を抱く人は多い。 しかし著書では、老後は月々必要なお金が減るため経済負担は多くないこと、現役世代よりむしろ活き活きと暮らす人が多いことをデータや当事者者面談を通じた研究結果より指摘している。 幸せに暮らすには、健康、お金、繋がり、これらを保つことが大切と思います。老後にこれらを得る手段として、小さな仕事は確かに有効だな思いました。 ただし、現在定年後の世代と、これから定年を迎える世代ではその時々の年金財政は同じとは限らない。定年後に稼ぐべき金額が10万円か20万円かでは必要な対応も異なるため、定年後は生活に追われず比較的幸福、とした今回の分析が現在現役世代の人達にも適応できるかには議論の余地があると思います。 本書の後半では、日本のサービス業は、アメリカに比べて質が高い一方で、代金は安いことを言及しています。代金が質に見合う程度に高騰すれば、支出は増え、収入も増える。日本経済を足元の停滞状態から上向かせる方法論として1つの考え方だな、と思いました。 また、日本は世界に先駆けて高齢化が進む。これは経済的に決して有利なことではないが、結果的に高齢化への対処方法を一番に掴む可能性がある。他国は日本に遅れて高齢化するが、その時には日本の対処方法を後追いで導入する可能性がある。即ち、日本は世界各国が将来必要とする商品を世界で最初に商品化する国になり、これは国としてのチャンスなのかも、と思いました。
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そこそこまっとうな正社員として生きてきた人対象で有り、非正規雇用でずっと働いてきた人、もしくは今後正社員にもなれない薄給な人々にはまったくあてはまらない。 今も将来も小さな仕事にしかつけない人は老後どうなってしまうのか。怖
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年功序列、終身雇用という日本型雇用が限界を迎え、国民年金65歳支給と、それに合わせるように定年延長が一般に行われるようなご時世だ。自分など早くリタイヤしたいのに、経済的事情がそれを許してくれなさそう。そんな折に書店で見かけた本書。すると50代の就労者は、仕事に意義を感じなくなる世...
年功序列、終身雇用という日本型雇用が限界を迎え、国民年金65歳支給と、それに合わせるように定年延長が一般に行われるようなご時世だ。自分など早くリタイヤしたいのに、経済的事情がそれを許してくれなさそう。そんな折に書店で見かけた本書。すると50代の就労者は、仕事に意義を感じなくなる世代だとか。辛いな~。著者は、定年後に身近にある小さな仕事=生活に密着した仕事に価値観を感じる人が統計的に多くなると言う。定年後も働くというのがスタンダードになるのだなぁ。
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「小さな仕事」 意識の変化 成長することだけが重要である、という価値観からの脱却 働けるうちは働く、という幸福
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定年を意識することなく、日々、向上心を持ち続けることが、必要。やれること、やるべきことは、やり続ける。
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定年後の働き方について、各種データと就業者7人の事例から実態を明らかにし、少子高齢化が進む日本社会が目指すべきあり方にも言及する。 著者は、厚労省で社会保障制度の企画立案に携わったり、官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆を担当した経験がある。本書も多様なデータによる的確で...
定年後の働き方について、各種データと就業者7人の事例から実態を明らかにし、少子高齢化が進む日本社会が目指すべきあり方にも言及する。 著者は、厚労省で社会保障制度の企画立案に携わったり、官庁エコノミストとして「経済財政白書」の執筆を担当した経験がある。本書も多様なデータによる的確で安定感のある分析がなされ、説得力がある。 7人の人物に対しては、著者が実際にインタビューを行っており、等身大のリアルな姿が浮かび上がり興味深かった。 自分も60代後半なので、「小さな仕事」の意義、心地よい水準の仕事ができることなど頷ける内容が多かった。それを以下にメモしておく。 ・高齢になっても、低下する体力や気力と向き合いながら、対人能力、対自己能力は持続でき向上させられる。 ・定年後を境に「仕事満足度」が急上昇する。 ・生活に身近な仕事、基礎的な仕事に従事する人がいなくれば、地域は立ち行かなくなる。 地域に根差した「小さな仕事」で働き続け、老後の豊かな生活の実現と社会への貢献を無理なく両立する社会を目指すべき。 ・過度な宅配サービスを見直すなど、働き手にやさしい労働環境を整えて初めて、歳を取ってまで働きたくないと考えている人たちを労働市場に呼び戻すことができる。
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定年後(いわゆる正規雇用が終わる60歳以降)は地域に貢献するような小さな仕事を通じて、高齢者は小さな幸せを得ながら働いているという現実を数々のデータを示しながら説明している。 著者は経済活動における研究者的な属性が強いためか、個人的には興味、関心を抱きにくい日本社会への批判、提案...
定年後(いわゆる正規雇用が終わる60歳以降)は地域に貢献するような小さな仕事を通じて、高齢者は小さな幸せを得ながら働いているという現実を数々のデータを示しながら説明している。 著者は経済活動における研究者的な属性が強いためか、個人的には興味、関心を抱きにくい日本社会への批判、提案が随所に書かれており、筆者の政策的主張が強いなぁと感じる部分が多かったが、そのような部分を差し引言えても、高齢者の実態におけるデータが充実しており、10年後にその仲間入りをする今の自分にとってとても有意義な書籍であった。 ■特に印象強かった箇所 第一部 定年後の仕事「15の真実」 事実2 生活費は月30万円弱まで低下する 事実10 デスクワークから現場仕事へ 事実13 50代で就労感は一変する 早めから現場仕事にシフトするのが得策と感じた。幸いリモートワーク主体になった昨今において、本業のバランスを下げもう一つの仕事に着手し、現場の仕事をする必要性を強く感じた。 また、第二部の7名の事例はとてもリアルで参考になった。
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大変参考になった本だった。 定年後は小さい仕事で充分。 年金額からどれぐらいの稼ぎが必要か計算する。 社会に役に立っていると言う満足感も必要。 結局役職は持ち回りでしかなく、それを自分の能力だと考えるのであれば、現実とは異なる
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著者が「小さな仕事」の価値がもっと認められてもいいと主張しているが、その通りだと思う。年功序列・長期雇用という戦後の高度成長期時代に確立された日本社会の雇用慣行の恩恵を享受できた最後の世代であるバブル世代があと数年で還暦を迎えます。すべての人たちとは言えないが、平均的に財産の形成...
著者が「小さな仕事」の価値がもっと認められてもいいと主張しているが、その通りだと思う。年功序列・長期雇用という戦後の高度成長期時代に確立された日本社会の雇用慣行の恩恵を享受できた最後の世代であるバブル世代があと数年で還暦を迎えます。すべての人たちとは言えないが、平均的に財産の形成ができた最後の世代である彼らが、定年後の「小さな仕事」に過去の仕事観とは違った新しい価値を見出して生き生きと働くことは社会にとってももちろん有益なのは間違いありません。 就職氷河期世代の私から申し上げると「定年後」という言葉自体が夢のような響きを感じます。20代から30代、ついには40代においても「小さな仕事」でしか職業経験を積めなかった世代の人たちにとっては「定年後」などという発想自体持つことができないからです。本書はとても面白い内容ですが、あくまで今50代以上の大企業に正規雇用で働いている方たちの為に書かれた本だと思いました。
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40-50代の幸福感は低く、20代と60代以降は高くなる。体感的にわかっていることだけど、仕事やキャリアの角度からそれを検証できる。 近い将来、身近なサービス業で労働力不足からくる供給逼迫が起こる。東京だとコンビニ定員は大抵外国人留学生。日本人が受けたくない価格帯の仕事になって...
40-50代の幸福感は低く、20代と60代以降は高くなる。体感的にわかっていることだけど、仕事やキャリアの角度からそれを検証できる。 近い将来、身近なサービス業で労働力不足からくる供給逼迫が起こる。東京だとコンビニ定員は大抵外国人留学生。日本人が受けたくない価格帯の仕事になっている。無人レジの導入は進むだろう。 これまでの日本社会は、高齢期に働かないでも豊かに暮らせるための社会保障制度をいかに充実させるかといえことに、政府も個人も腐心しすぎていたかもしれない。残念ながら今後の時代においては、働かないで豊かに暮らしたいという人々の願いの中に、持続的な解は見いだせない。
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