われら闇より天を見る の商品レビュー
なーーーんとも言えない。言葉が出ない。星は4.5にしたい。分厚い小説だけど、一気に読んだ。鈴木恵さんの訳がよかった。作者の他の小説も読みたい。作者のことも知りたい!この話はどこから出来てどこへ行くのだろう。
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500頁に及ぶ大著。なんとも重いストーリーだった。登場人物に共感出来る人がほとんどいない。読んでいてただ苦しい。特に第一部はストーリーに動きがあまりなく、読むのがしんどかった。 でも、第二部からは、苦しいのだけれど、ぐんぐん引き込まれて読むのが止められなかった。結末はどんでん返...
500頁に及ぶ大著。なんとも重いストーリーだった。登場人物に共感出来る人がほとんどいない。読んでいてただ苦しい。特に第一部はストーリーに動きがあまりなく、読むのがしんどかった。 でも、第二部からは、苦しいのだけれど、ぐんぐん引き込まれて読むのが止められなかった。結末はどんでん返し。 「この主人公ふたりを始めとして登場人物のほぼ全員が、それぞれ深刻な問題を抱えているために、一つのことしか見えない状態になっている。辛い過去から逃れたい、幸せだったころに戻りたい。厳しい現実を打破したい、愛するものを救いたい。復讐を果たしたい、罪を償いたい。そんな信念に凝り固まってしまった結果、周りが見えなくなり、ついには良いと信じる目的のためならばこの程度の逸脱は対した問題じゃないと自分自身に言い訳をして、一瞬の激情に任せた愚かな行為に手を染めてしまうのだ。そしてその波紋は、次の悲劇を呼び起こす。」 とあとがきにあるとおりの展開。安易、無謀、自分勝手、やけくそ、思い込み等々そういったものが、悲劇に悲劇を重ねていく。 見上げる方向を間違えている。でも、誰もが陥ることでもある。 そこから脱出するにはどうすればいいのか。 この本の原書でのタイトルは「We Begin at the End」、終わりから始める。この「終わりから始める」は主人公の一人ダッチェスの祖父が語っている。 これも後書きにあるのだけど、「これまでの人生に区切りを付ける時が来たと判断したら、過去を清算し、先に進むべく新たな一歩を踏み出す」ということ。 人は何度も間違え、失敗し、愚かな行動をしてしまう。でも、そこから学び、考える。その時に、大切なものに別れを告げないといけないことがあるかもしれないけれども。そうしても、それがハッピーエンドに終わらないかもしれないけれども。生きると言うことは謎に満ちている。だから、日本語のタイトルにもあるように天を見て生きて行く。何かの時に人は多分そうういう生き方へと歩み出して行くことが出来る。
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米カリフォルニアの海沿いの小さな町、30年前の少女の死、姉と彼氏の仲良しグループ。時を経て、シングルマザーとのその娘・息子、受刑者、警察署長、弁護士となった今。 長編だけあって、登場人物それぞれに過去の経験や苦悩があり、今に至る人生が見えてくる。メインの語りは二人についてですが...
米カリフォルニアの海沿いの小さな町、30年前の少女の死、姉と彼氏の仲良しグループ。時を経て、シングルマザーとのその娘・息子、受刑者、警察署長、弁護士となった今。 長編だけあって、登場人物それぞれに過去の経験や苦悩があり、今に至る人生が見えてくる。メインの語りは二人についてですが、誰が主人公になっても語れるほどに。
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ましか、ましじゃないか。いいか、悪いか。 人間てのはどっちかひとつじゃないの。 自分がしてきた最良のこと最悪のことの寄せ集め。
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ダッチェスの気持ちが良くわかる。登場人物全員の気持ちもわかる。読み進めていくのがつらかった。 私の乏しい語彙力ではまとめることができないけど、放心状態の読了後笑。 愛?皆んなの愛が溢れてる!
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翻訳物は普段あまり読まないが、書店で見てタイトルが気になった本を図書館で借りて読んでみた。 初めは退屈するかな、最後まで読み通せるか自信がなかった。 13才の自称無法者の少女ダッチェス。幼い弟のロビン。 30年前に不幸な事故(?)で命を落とした女の子、シシーはダッチェスの母スタ...
翻訳物は普段あまり読まないが、書店で見てタイトルが気になった本を図書館で借りて読んでみた。 初めは退屈するかな、最後まで読み通せるか自信がなかった。 13才の自称無法者の少女ダッチェス。幼い弟のロビン。 30年前に不幸な事故(?)で命を落とした女の子、シシーはダッチェスの母スターの妹だった。 その出来事が、ダッチェスの周りの人々に影を落とし、不幸は連鎖し、ダッチェスは絶望の淵に追い込まれるかのように思えた。 それでも気高くタフに生き抜こうとするダッチェスは、たくましかった。 予想もしていない展開が待っていて、手放すことができず、読み通せた。
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クリス•ウィタカー著「われら闇より天を見る」 海外の栄誉たる賞の数々とその重みをあまり詳しく知らないが、英国推理作家協会ゴールドダガー賞等の名誉たる賞をはじめ幾つもの賞を受賞されているとの事。 日本でも昨年2023年本屋大賞翻訳小説部門大賞受賞。 今感想を書きながら思っているの...
クリス•ウィタカー著「われら闇より天を見る」 海外の栄誉たる賞の数々とその重みをあまり詳しく知らないが、英国推理作家協会ゴールドダガー賞等の名誉たる賞をはじめ幾つもの賞を受賞されているとの事。 日本でも昨年2023年本屋大賞翻訳小説部門大賞受賞。 今感想を書きながら思っているのだがこの作品は言葉に上手く表現する事が難しい。色んな感情が入り組む素晴らしい作品で書こうと思えば幾らでも書けてしまう、書いたところで表面ではない奥の方で2重3重にも重なり交差している登場人物達の感情と行動を言葉にする事は深さと複雑さが伴い困難。 一つの場面にその人の気持ちと周りの人達の気持ちが交差し多重に積み重なりあって色んな風に読み取れる、この作品の大きな魅力だと感じた。 主軸のダッチェスとウォークの二人のビルドゥングロマンス(自己形成成長小説)になるのだが二人の接点の設定が絶妙すぎる。 ダッチェス、ロビン、スター、シシー、ハルの親子間の相関とウォーク、ヴィンセント、スターの幼なじみである友人間の相関が見事に入り組み複雑な人間関係とミステリーが生まれている。 この複雑な人間関係が物語が進むにつれ更に複雑さを生み、憎しみ、憎悪、懐疑、狐疑、嫉妬、犠牲、失意、失望、後悔、希望、願望、同情、温情、慈悲、信頼、喪失、虚無… すべての感情を深く含みながらの物語になっている。 言葉にするとチープだが素晴らしい深みのある作品だった。 ダッチェスは自称無法者(アウトロー)と自分を奮い立たせているが彼女が積み重ねている内面はとても13歳の少女では抱えきれない複雑さに溢れている。 自己暗示の様に自らを無法者という仮の姿を造形している様にみえる。そう言い聞かせ自分を奮い立たせている。 また別視点で見てみれば無法者という逃げ場所にも見えた。 それを時と場合の人間関係の調和の中で敢えて器用にも不器用にも使い分けている。境遇がつらい中での立ち姿がとても魅力的な少女だった。 一つだけタイトルが気になった。 英題「We begin at the end」の方が「われら闇より天を見る」よりこの作品の内容的にも良いのではないか?と思えた。この邦題は何か違和感が残ってしまう、マイナスの意味合いの方を強く主張する様に見えてしまう。 自分はこの作品は再生の話が強く含まれると感じた。終わりとは何か?何が終わりなのか?そしてそこからの再スタートにどう気持ちを整理するのか?プラスのマインドの持ち方と継続していく方法とは? 登場人物の誰しもに当てはまる意思と希望を積み重ねた各々の再起、リスタートが終盤深く読みとれた。 終わりとはゴールではない、終わりがあるからまたスタートできる。 その意味を強く含む英題そのままの方がよりこの作品の本質を掴んでいる気がした。 この類いの物語は結構多くあるがこれほどまでの多くの感情を感じさせられるものは稀だし、ミステリーも物語のラストに凄い事実と連関を組み込んできている。 最後に真実が終わりを告げ現実がダッチェスを再起に向かわせている。それは大人になる、人として一段上のステップを歩みだすという成長にも見えた。終わりからの始まり、ダッチェスにとっては内面的な成長を伴わないと終われなかったし、始められなかっただろう。彼女の歩きだしたその一歩に全力で応援したいと思わされた。 そして物語としても最後に暴かれた真相、ダッチェスを再起させたその真実はこの作品のすべての相関を一直線にする衝撃があった、すごい作品だった。
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海外小説を訳した本は苦手に感じるものが多いが、2023年本屋大賞 翻訳部門受賞作ということで、長らく積読していましたがやっと読了。 同じく翻訳部門本屋大賞の「ザリガニの鳴くところ」が大好きな一冊なので、期待は大きい。 読後感は悪くなかった。でも個人的には登場人物に愛着をもつことにけっこう苦戦した。ハルと孫たちが生活の中で少しずつ心通わせていくパートが一番良かったかな。 スターとヴィンセントの面会は2人の結びつき、理性より本能が勝ってしまう情熱さに、ロマンを感じる反面、理性的な私なんかはその状況で子ども作ったの…?とどうしても思ってしまう。そんなふうに思ってしまうことが子どもたちへの偏見に繋がる考え方のように思ったり、、。始まりの事故は不幸としか言いようがないが、その後に続く悲劇はスターがもっとはやく始めていれば防ぎようがあった気がする。(ハルと和解して子育てを手伝ってもらうなど) We Begin at the End──人は終わりから始める。ヴィンセント、娘を犯罪者にしない為とはいえ、自ら終わらせてほしくなかった。と思ったが感想を書きながら、でも子どもたちの始まりの為には終わらせる必要があったのだな。と整理できた。 終わり(悪い方)に向かってるなと感じた時、始める方へはやく方向転換できるかが幸不幸を左右するなぁと改めて叩き込めた。
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翻訳かつ、アメリカの文化的/地理的な知識が全くないので、読み辛い箇所がとにかく多かった。そのため中盤までは中々手が進まなかったが、後半捲ってきた。 登場人物の行動が思わぬ余波を生み、様々な人/行動に波及していく。善と悪なんて一面的で、実際は表裏一体となっている。良かれと思った行動が裏目に。実際こんなんで溢れてるよなと。 救いが無いようだが、実際は自分で取った行動の責任を自分が負う形になっていたりと、ダッチェスやウォークがなんとか前進?していく様が痺れた。。
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うーん、あまり最初から最後まで入り込めなかった。 Netflixオリジナルで全6話くらいのドラマにありそうな感じ。主人公のダッチェスは不憫だけど、あんまり好きになれず‥‥。
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