嫌いなら呼ぶなよ の商品レビュー

綿矢りさ(著者)

2025/05/03

初めての綿矢りささん。
めちゃくちゃ面白かった！！
クセ強い人物達やぴえん砲などの表現が秀逸で好きな文章や表現でした。
笑えたりして明るすぎる闇が
まさにピッタリ。
綿矢りささんってこんなに面白かったのかとなりました。

2025/04/29

はじめての綿矢りささん。
パンチのあるタイトル、装丁に惹かれて手に取り、テンポよく展開されるストーリーが面白く一気読みした。

普段は、気持ちがザワザワする作品は避けているけど、この本は、強すぎず弱すぎず丁度よい刺激を求める人にはおすすめ。

・カワイイ命女子 VS 整形ポリス
・YouTuber VS 粘着ファン
・不倫男 VS 妻の女友だち
・綿矢 VS ライター VS 編集者
4つの心に潜む“明るすぎる闇”に迫る物語
　（帯より）

どれもがその後どうなったのか気になる終わり方だったけど、余韻も楽しめる？内容だった。

2025/04/19

いやーーーおもしろかった！！
すんごい読みやすいし、最後のお話が「老は害で若も輩」でよかった。

特に面白かったのは後半2つのお話。
なんていうか、イライラさせてくる人の解像度がえぐい高い。読んでる間、ずっとイライラする。
フラストレーションを溜めて溜めて、からの「嫌いなら呼ぶなよ」だし、「老は害で若は輩」の輩感が響きまくる。

普段人と関わる中でのストレスは直接相手に伝えることが一切できない性質なので、読書でそのあたりのストレスを発散してるんだなーということが改めてよくわかった。笑

↓以下、お話ごとの感想↓

「眼帯のミニーマウス」
割り切ってる感じが好き。
ゴスロリ趣味の人が身近にいなくて、どういう人たちなんだろうって思ってたけど、思い切りの方向性が違うだけでなんか同じ人間なんだ、って思った。
マスクとか、包帯とか、守られてる感じがするのはわかる。マスクっていいよね。

「神田タ」
なんて読むんだろう？って思ったけど、そういうことね。SNSとかで人を叩きまくってる性格悪いやつのリアルが垣間見えた。

「嫌いなら呼ぶなよ」
ほんとにな！！！！！！！
霜月もダメなやつだよ。相当ダメなやつだ。友達の旦那がこれだったら最悪だ。
だとしても！！！ハムハム夫婦めちゃうぜえええええええ！！！！なにこれ！！！ストレスたまった！！！！
あと霜月おもしろすぎ！！！！詰められてるときの脳内おもしろすぎ！！！！！
でもイライラとおもしろとで戦ったらちょっとだけイライラが勝つのがうざい！！！！

「老は害で若も輩」
これはすごい。うざい老害に板挟みになる若手の気持ちがめちゃわかる。メールのやり取りだからかな。こんなのに巻き込まれたら本当に最悪。
だから最後にメール返してくれてめちゃ良かった。そうじゃ！！！ぼけ！！！！どっちかが折れろ！！！お前らのプライドなんて知ったこっちゃないわ！！！！！という気持ちが発散されてすっきり。

2025/04/16

短編４つ、どれもするする読めてほぼ一気読み。おもしろかった。やっぱりユニークな文体というか言葉づかいとかが好き。
美容整形する女子の話、Youtuberファンの女子の話、不倫夫の話は、ストーリーとして読んでてすごくおもしろんだけど、個人的には、共感するところがあんまりないな、なんかぶっとんでる話だなーと思った。（作家とライターと編集者のメールやりとりは、けっこうわかる、と思ったけど。）
結局なにが書かれているのかな？とか思ってしまって（基本、そんなこと本読むときに考えなくていいと思っているんだけども）、ちょっとレビューとか検索したら、コミュニケーションの切断、徒党を組んで圧をかけられることへの反発、みたいな感じが書いてあったりして、なるほどと思った。望まないのに続けなきゃいけない他人とのコミュニケーションや、まわりの人々からのジャッジや圧力とかに耐えきれずに爆発するみたいなことかな、と。その爆発のしかたがぶっとんでいる、という。
コロナ禍のころが舞台なのでそのころの息苦しさのようなものとかも関係するのかも。

４つのなかでは、美容整形する「眼帯のミッキーマウス」がわたしはいちばん好きだった。主人公のことを思うとなんか胸が痛む。

2025/04/08

現代のトゲトゲしたコミュニケーションそのままを切り抜いてある　文学的でも感動でもないけど一気に読めて痛快ですらある

2025/03/31

若い感性がひしひしと伝わってくる。筆圧の濃さが、心をジリジリと痛め付けるように突き刺さり、根深いところで言葉にならない声として木霊する。

整形、アンチ、不倫。Xで毎日のように繰り広げられている、誰のための主張。そんな遠い存在が間近に感じられる怒涛の表現力。

心の闇をここまで明け透けと、愉快に物語に仕上げてくる綿矢りさの感性に、酔いが回る。心地が良いのだ。

蹴りたい背中、読み返そう。

2025/03/28

「老は害で若も輩」綿矢さんのおばさん構文に笑ってしまった。
老害老害って隙あらば言ってくる若者に読んでみてほしい。

『嫌いなら呼ぶなよ』というタイトルが最高。

2025/03/16

コロナ禍の中でがむしゃらに生きてる人達の短編集。嫌いなら呼ぶなよは、不倫男VS妻の友人たち、不倫男の感情の揺らぎや本音が書かれてる。
不倫男の本音ってこんなにイラつく内容なんやって思うけど、不倫てほんとに浅はかで色んなもどかしい感情が入り交じるもの。
にんげんが表現するものそれと本音の違いって大きい。本音の部分に共感できるところもありつつ、言動は共感できない。
4人の主人公は言動が尖ってる、それを言葉上手く表現する綿矢さんすごい。

2025/03/14

凄まじい棘！読み始めはなんとなく登場人物に同調しながら読むけど、読み進めるにつれて「あ、そういう感じ？？」と分かっていくのがたまらなくいい。
特にラストの「老は害でも若は輩」は痛快、というか、内田さんと一緒に思う存分ンギ〜〜！！！となった。

2025/03/08

全4作からなる短編集。表題の短編で身を乗り出してしまう仕掛けは読み手の下衆根性を露呈させる。人は他人が困る状況を楽しんでしまう野次馬へと容易く変貌する。そんな卑しい心に羞恥はないのか、いやある。あるけど否定できない。その開き直りが主人公とシンクロする。脳内誹謗中傷、言葉にしないけど心の中でゲバルトが反響する。その自虐に似た暴力を垣間見せる綿矢りさの筆致に興じる。結末もよろし。