嫌いなら呼ぶなよ の商品レビュー
よくもまあここまで人間を悪意に包んで書けるなと思う。最後の「老は害で若も輩」なんかラストで声出して笑ってしまった。本当にお見事。彼氏と喧嘩してめちゃくちゃやってる女の子の行動を「血湧き肉滾るメンヘラの祭典」と表現していたのには語彙があまりにも秀逸すぎて笑ってしまったし、マイワール...
よくもまあここまで人間を悪意に包んで書けるなと思う。最後の「老は害で若も輩」なんかラストで声出して笑ってしまった。本当にお見事。彼氏と喧嘩してめちゃくちゃやってる女の子の行動を「血湧き肉滾るメンヘラの祭典」と表現していたのには語彙があまりにも秀逸すぎて笑ってしまったし、マイワールドが凄すぎて暴走する女子を書くのが本当に上手すぎる。この文章は女目線じゃないと絶対に書けないと思う。ただ私は、綿矢りさの文章文体、語彙はとても好きだし繰り返し読みたいはずなのに、その思考とか人間関係(特に女同士のマウントの取り合い)とかに妙にリアリティがありすぎるせいで、内容がめちゃくちゃ高カロリーで胃もたれ起こしそうになっている。他の作品もっと読みたいのに消化しきるためにしばらく時間あけないとどうにも読めそうにない。それがちょっと悔しい。
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お、面白い〜!! とくに最後の、老は害で若も輩 が面白かった! ●眼帯のミニーマウス 主人公が小気味良い。 今、整形がカジュアルになった風潮にかこつけて、プライバシーにズケズケふみこんでくるってところの悪意の塩梅がリアル! 整形、自分はしないけど自分の自由にすれば良い。って思っ...
お、面白い〜!! とくに最後の、老は害で若も輩 が面白かった! ●眼帯のミニーマウス 主人公が小気味良い。 今、整形がカジュアルになった風潮にかこつけて、プライバシーにズケズケふみこんでくるってところの悪意の塩梅がリアル! 整形、自分はしないけど自分の自由にすれば良い。って思ってたけど、娘が違う顔になったらすごい悲しい。 包帯してただけでした、って結末にはホッとしちゃった。 ●神田タ 粘着ファンの視点から、ヒートアップしてく粘着の様子がリアルに描かれてておぉ…ほんとにこんな感じなのだろうな。って思った。 神田の蜘蛛の糸考え方、無敵だね。表に出る者は、彼くらいの図太さと大志がないときついよね。 ●嫌いなら呼ぶなよ 不倫夫視点で詰められる話で、彼の視点で読むからヒェーーこの状況勘弁してくれーーって思うけど、 よくあるサレ妻の体験マンガとかだったら最高にスカッとな結末だよな。 面白いなぁ。 ●老は害で若も輩 これ書けるのほんとすごい…。 代理店勤務の自分は、編集者の内田くんに感情移入しすぎて胃が痛くなりました。 2人のお姉様方が本当にいやぁーな感じで、ここまでリアルに書けるのすごすぎ! 敵対してた2人が内田を標的に結託し出してからの嫌な感じの再現率よ。 今後意見を仰るときは、主語は自分にしたほうが無難かと。 自分の意見を述べずにことの成り行きを傍観し、結局流されるままなんとなく勝ちそうな方になびく生き方では、〜〜 淘汰されますよっ。 あなたがちゃんと仕切るべきかと思います。 アドバイスにみせかけて、気持ちよくなって得意満面の2人の表情が目に浮かぶよう!! じぶん、これまであれこれされたことを思い出して27歳の内田くんに感情移入しちゃってたけど、もう30代で中堅、こういうことを調子に乗ってしちゃわないように気をつけなければ…
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嫌いなら呼ぶなよ! こんなこと、言われたらどう感じるのか。 ふと頭の中で、考えてしまいました。 言葉からすると高圧的だけど、どこか腑に落ちる ワードにも感じる。相手の事が嫌いなのに、あえて 呼んで、相手を自己嫌悪に陥らせる。究極的な嫌がらせだと私は感じました。本作の表題作「嫌い...
嫌いなら呼ぶなよ! こんなこと、言われたらどう感じるのか。 ふと頭の中で、考えてしまいました。 言葉からすると高圧的だけど、どこか腑に落ちる ワードにも感じる。相手の事が嫌いなのに、あえて 呼んで、相手を自己嫌悪に陥らせる。究極的な嫌がらせだと私は感じました。本作の表題作「嫌いなら呼ぶなよ」は、究極的な嫌がらせを受けてもなお 果敢に闘う姿勢をみせる不倫男と、不倫を受けた 妻と妻の強い友達たちの公開裁判を描いてます。 ちょっとスカッとしました。不倫男のナルシスっぷりが、たまらなかったですね。
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綿矢りささんのテンポの良い文章が好き。 高校生が好きそうな言葉。 4つの短編集。 どれも面白かったが、ラストのやつが好き。 出版社の内田が、ライターのシャトル蘭と最年少芥川賞作家綿矢にメールで無能を責められる感じが、もう、すごくかわいそうで面白かった。 それ、実話なのか? 面白か...
綿矢りささんのテンポの良い文章が好き。 高校生が好きそうな言葉。 4つの短編集。 どれも面白かったが、ラストのやつが好き。 出版社の内田が、ライターのシャトル蘭と最年少芥川賞作家綿矢にメールで無能を責められる感じが、もう、すごくかわいそうで面白かった。 それ、実話なのか? 面白かった。 全部読み終わった後に、中表紙裏に書いてある言葉が、とてもじんわりする。 「知らない人から嫌われるのは、あなたが素晴らしい証拠。」ーパリス・ヒルトン 励まされる感じ。好き。 「神田タ」って芥川龍之介の蜘蛛の糸のカンダタ!読後に笑う。ナイスタイトル。
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綿矢りさ作品を読むのは何年振りだろう。タイトルとどキツイ装丁からゾクゾクする。 どれもコロナ禍の話。 『眼帯のミニーマウス』 自分ウケのためにプチ整形を繰り返していたが、うっかり職場でカムアウトしたらイジっていることをいじられるようになる。あまりに鬱陶しく顔面大工事をしたと見せかけるために包帯ぐるぐる巻きでの生活を始めると、周囲がドン引きしてすぐに鎮静化。 でもなぜだろう、整形熱が冷めてしまった。包帯で隠れた自分の姿が一番似合っているのでは。 『神田タ』 素人系YouTuber神田にハマってしまった。彼が発信する動画やSNSに一早く反応してレスを返し、次第にエスカレートして粘着質なファンに変貌。 ある時バイト先の系列店に出没したと知って接近すると、自分が送った内容は何一つ彼に届いていないことが判明。こんなにあなたを思って言っているのに…!彼の荷物に放火する暴挙に出る。 『嫌いなら呼ぶなよ』 妻の親友宅でのホームパーティーに3家族が集まった。BBQが終わるとリビングに移動して、3夫婦の面前で僕の不倫裁判が開廷。 姑のような立ち位置で僕ら夫婦に接してくるハムハム。妻・楓の口パク人形よろしく、正義を振りかざして僕の悪行断罪に熱が入る彼女に内心辟易。 『老は害で若も輩』 作家・綿矢とフリーライター・シャトル蘭のバトルに巻き込まれる編集者・内田。早くどちらかが折れろ、締め切りはとうに過ぎてる、俺は滞りなく仕事が納められたらそれでいいのに。と傍観者でいたが、二人は次第に矛先を内田にも向けてきた…。 メール合戦での喧嘩、顔を見ていないからどんどんヒートアップする様とか面白かった。最後に投げっぱなしで終わるのもいい。 久しぶりの綿矢節「そうそう、これこれ!」と読んでて楽しかった。ぶっとんだキャラに思えるけど、誰の思考も「あ~、わかるなぁ」と共感することも多かった。
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「老は害でも若も輩」が良かった。 うわぁ~面倒くさいって感想しかないけれど、こう言う場面はわりとある! 繊細ヤクザもたくさんいる!
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綿矢りさの物語ってリアルとファンタジーと邪気と無邪気が合わさってすごい色のスムージーみたい!!! コロナ禍や令和時代のあれやこれやを綿矢さんの目線で見られて、最高だったなあー! 煩雑な文章もまたよかった。
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4つほど話が入っている。 どれもこれも、あまり触れられないようなそういうところにスポットが当たっている。 性格が悪いというか、でもみんなこういう感情あるよね、みたいな。 私はおもしろいと思った。
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