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Iの悲劇 の商品レビュー

3.8

130件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    48

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2025/01/12

一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。また...

一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。またミステリーの体をとっているが、本当にこういうトラブル。行政の実態や、過疎化問題が自然にも起きそうだなと思った。移住者の心理面、行動をうまく引き出した話しだった。 そして最後が強烈な終わり方でした。 米澤穂信さんの5冊目ですが、今までのベスト1です(他の作品もどれも良いです)。

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2024/12/30

初めて読んだ『満願』にピンと来て米澤穂信さんをコツコツ読み進めて5冊目。途中、『米澤屋書店』では、冒頭から著者の読書歴がわたし好みど真ん中だったことを発見!作品を好きな理由にも納得がいったところで、本作の登場人物の名前や立ち居振る舞いにくすりとさせられ、物語の展開にどきどきひやひ...

初めて読んだ『満願』にピンと来て米澤穂信さんをコツコツ読み進めて5冊目。途中、『米澤屋書店』では、冒頭から著者の読書歴がわたし好みど真ん中だったことを発見!作品を好きな理由にも納得がいったところで、本作の登場人物の名前や立ち居振る舞いにくすりとさせられ、物語の展開にどきどきひやひや。「甦り課」万願寺さんの健闘を祈る!

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2024/12/28

「おっとり刀」という表現をこのお話を読んで初めて知りました。言葉の響きからくるイメージとは真逆だったので、とても印象深かったです。

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2024/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この内容でこの結末…すっかりやられた感じです。読んでいて最終的に住民がいなくなるんだろうなとは予想できていたけど笑。 『Iの悲劇』のIとはIターンの事。甦り課という部署の万願寺は蓑石の復活に奔走する。旧住民はいなくなり、プロジェクトにより移住民を募り、徐々に住民は増えていくのだが癖のある住民やトラブルばかり。 仕事ぶり、頭を悩ます予算の問題などがとてもリアルで、そこに加えて心理描写・会話が巧みで存在している人物に思える。何気ない、無駄とも思える描写が立体感のある人物を作り出して表現も柔らかくて心地良い。 各章が短編として発表されていたもので、発表の時期もそれぞれが結構間隔が空いているのにまとまりがあるのがすごいと思う。 万願寺、2年目の新人・観山、課長の西野の3人がプロジェクトを成功させていくと思いきや…まさかまさか。 米澤穂信さん、違う作品もぜひ読んでみたいです。

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2024/12/07

世の中のものはすべて「不変」ではない。 「無常」であり、「無情」だ。 大好きな米澤穂信さんの作品。 主人公の出世を祈らずにはいられない。

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2024/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

無人となった簑石地区に新たな移住者を募り再生を図るというIターン支援推進プロジェクト。支援をするのは市役所の「甦り課」の三人。 やる気の見えない西野課長。学生気分が抜けない観山。そして、中心として動く万願寺。 プロジェクトは成功するのか? 定住希望者達は、それぞれがなかなかにクセがあり、万願寺たちがあれやこれやと振りまわされる姿に、人を相手にする役所の仕事の大変さを感じるのですが、「甦り課」も、真摯に問題に向き合うのですが、どうしようもなくて、とりあえずその場しのぎでなんとか乗り切ろうする姿もお役所仕事の滑稽さを感じて面白かった。 トラブルを解決していくという謎解きはわかりやすく楽しかった。ただトラブルを解決するほどに定住希望者は去っていく。上手くいかないもんだなぁと思っていたが。最後の最後に、、、。あぁ、これは悲劇か喜劇か。

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2024/11/20

一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。また...

一度死んだ村に人を呼び戻す。移住者を募り町を甦らせる町おこしの担当(その名も「甦(よみがえり)り課」という時点でふざけた名前!)となった市職員の万願寺氏、昼行燈課長と現代っ子部下と共に移住者の苦情処理にあたって、移住者達との悲劇いや喜劇を巻き起こします。そのやり取りが面白い。またミステリーの体をとっているが、本当にこういうトラブル。行政の実態や、過疎化問題が自然にも起きそうだなと思った。移住者の心理面、行動をうまく引き出した話しだった。 そして最後が強烈な終わり方でした。

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2024/11/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

IはIターンプロジェクト、過疎して住人のいなくなった蓑石というまちに移住してくる10組の家族と、その市役所、蘇り課の話。 一つ一つの話は日常の、というには少し物騒な街の住人たちのいざこざの嫌な話。 人が死にはしないが、一歩間違えば死ぬ可能性はある、放火に窃盗に毒キノコに、ドライアイスで気圧差を使い部屋に閉じ込める、というのは大掛かりですごかった。 そしてその裏で暗躍していたのは甦り課の課長と部下で。予算がないから住人を追い出し、市長も追認、というなんとも言えないイヤミス詰合せセット。

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2024/10/25

最後の住民が去って6年。山間部にある集落・簑石地区を再興させる市のプロジェクトが立ち上がった。南はかま市役所に勤務する万願寺邦和は、そのプロジェクトを担当する「甦り課」に異動になる。都会から様々な移住希望者たちが簑石へやってくる。万願寺ら甦り課が奮闘する中、次々とトラブルが発生し...

最後の住民が去って6年。山間部にある集落・簑石地区を再興させる市のプロジェクトが立ち上がった。南はかま市役所に勤務する万願寺邦和は、そのプロジェクトを担当する「甦り課」に異動になる。都会から様々な移住希望者たちが簑石へやってくる。万願寺ら甦り課が奮闘する中、次々とトラブルが発生して…。 果たして、新しい住民たちと共に簑石は再建されるのか? タイトル『Iの悲劇』のIは、IターンのI。 主人公が所属している「甦り課」には、何が起きても定時で帰る課長と、新卒2年目だがまだまだ学生気分が抜けない新人しかいないっていう設定がもう、田舎のお役所の窓際課っていう感じがして読み始めからグイグイ引き込まれました。さすが米澤穂信さん、めっちゃ面白い! でも、面白いだけで終わらないのが米澤さんのすごいところ。終章の「Iの喜劇」には、あっと驚くミステリーの着地点が。果たして、簑石のIターンプロジェクトは悲劇なのか、喜劇なのか。悩める地方公務員・万願寺くんの続きがあったら、ぜひ読みたいです。

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2024/10/09

引き込まれて一気読み。 解説にもあったが、社会、その場所(村)、登場人物に対する肌触りや匂いの描写にリアリティがあってしっかりその世界に浸り込めた。 加えて、いつもながら、「はあーなるほど。」と感嘆させられる米澤ワールドなミステリ、伏線回収に毎度驚かされる。 ああ、こういうのめ...

引き込まれて一気読み。 解説にもあったが、社会、その場所(村)、登場人物に対する肌触りや匂いの描写にリアリティがあってしっかりその世界に浸り込めた。 加えて、いつもながら、「はあーなるほど。」と感嘆させられる米澤ワールドなミステリ、伏線回収に毎度驚かされる。 ああ、こういうのめっちゃ好き!!

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