Iの悲劇 の商品レビュー
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IはIターンプロジェクト、過疎して住人のいなくなった蓑石というまちに移住してくる10組の家族と、その市役所、蘇り課の話。 一つ一つの話は日常の、というには少し物騒な街の住人たちのいざこざの嫌な話。 人が死にはしないが、一歩間違えば死ぬ可能性はある、放火に窃盗に毒キノコに、ドライアイスで気圧差を使い部屋に閉じ込める、というのは大掛かりですごかった。 そしてその裏で暗躍していたのは甦り課の課長と部下で。予算がないから住人を追い出し、市長も追認、というなんとも言えないイヤミス詰合せセット。
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最後の住民が去って6年。山間部にある集落・簑石地区を再興させる市のプロジェクトが立ち上がった。南はかま市役所に勤務する万願寺邦和は、そのプロジェクトを担当する「甦り課」に異動になる。都会から様々な移住希望者たちが簑石へやってくる。万願寺ら甦り課が奮闘する中、次々とトラブルが発生し...
最後の住民が去って6年。山間部にある集落・簑石地区を再興させる市のプロジェクトが立ち上がった。南はかま市役所に勤務する万願寺邦和は、そのプロジェクトを担当する「甦り課」に異動になる。都会から様々な移住希望者たちが簑石へやってくる。万願寺ら甦り課が奮闘する中、次々とトラブルが発生して…。 果たして、新しい住民たちと共に簑石は再建されるのか? タイトル『Iの悲劇』のIは、IターンのI。 主人公が所属している「甦り課」には、何が起きても定時で帰る課長と、新卒2年目だがまだまだ学生気分が抜けない新人しかいないっていう設定がもう、田舎のお役所の窓際課っていう感じがして読み始めからグイグイ引き込まれました。さすが米澤穂信さん、めっちゃ面白い! でも、面白いだけで終わらないのが米澤さんのすごいところ。終章の「Iの喜劇」には、あっと驚くミステリーの着地点が。果たして、簑石のIターンプロジェクトは悲劇なのか、喜劇なのか。悩める地方公務員・万願寺くんの続きがあったら、ぜひ読みたいです。
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引き込まれて一気読み。 解説にもあったが、社会、その場所(村)、登場人物に対する肌触りや匂いの描写にリアリティがあってしっかりその世界に浸り込めた。 加えて、いつもながら、「はあーなるほど。」と感嘆させられる米澤ワールドなミステリ、伏線回収に毎度驚かされる。 ああ、こういうのめ...
引き込まれて一気読み。 解説にもあったが、社会、その場所(村)、登場人物に対する肌触りや匂いの描写にリアリティがあってしっかりその世界に浸り込めた。 加えて、いつもながら、「はあーなるほど。」と感嘆させられる米澤ワールドなミステリ、伏線回収に毎度驚かされる。 ああ、こういうのめっちゃ好き!!
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蘇り課 過疎した地域を活性化する為に作られた課。 だけどそれは本当に良い事なのか? そんなお話。 私「Iの惨劇」って頭の中で変換してしまっていて 全然惨劇起きないな…?って途中まで思ってました笑 早とちりした私が悪いんだけど、途中で悲劇に気付いて あっコレ人死なないね??って...
蘇り課 過疎した地域を活性化する為に作られた課。 だけどそれは本当に良い事なのか? そんなお話。 私「Iの惨劇」って頭の中で変換してしまっていて 全然惨劇起きないな…?って途中まで思ってました笑 早とちりした私が悪いんだけど、途中で悲劇に気付いて あっコレ人死なないね??ってなりました(笑) 癖ある住民、癖ある職員 そして生粋の“公務員”万願寺 課長の行動に不可解さを感じていたけど それがそうなるかと、、 ラストに行くにつれ なんとなくだけど、もしや…と思うこともあった だけど、完全には分からなかったので、アッパレ。
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さすが米澤穂信、なんでそんな話?と思ったところが全部繋がってくるのが面白い。 課長は絶対仕事できる人だな〜と思っていたらやはり。しかしまさかの結末で、心から公務員らしい主人公に同情。これは流石に辛い。 もちろんミステリーではあるけど、それよりも地方行政の難しさみたいなものが描かれている気がする。
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オーディブルにて。 1つの大きなミステリーというよりは、蘇りを目指す村で起きる数々の事件集・そして最後にその繋がり…という連続短編集のような印象を受けた。 米澤穂信さんは短編集の雰囲気が多いのかな? どうしても1つの長編ミステリーの方が好きなのでまあまあという印象。
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読み始めはこれからどんな問題が起こってどう解決していくのだろうと期待していた部分が大きく、徐々に問題が大きく難解になって最後にそれぞれの話が繋がる、みたいなことを想像してたけどどれも物足りなく感じた。 ミステリー要素が弱く退屈に感じたりもするが、実際の地方都市というか復興のプロジ...
読み始めはこれからどんな問題が起こってどう解決していくのだろうと期待していた部分が大きく、徐々に問題が大きく難解になって最後にそれぞれの話が繋がる、みたいなことを想像してたけどどれも物足りなく感じた。 ミステリー要素が弱く退屈に感じたりもするが、実際の地方都市というか復興のプロジェクトとしてはありそうで現実的に考えられているのかなと思った。 期待していた分ちょっと物足りなかったけど、各章の話しもよくできていて読みやすく、まとまりのある内容だったと思う。
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正直、落ちは予想できた。けど妙にリアルで実際の町おこしや過疎地への移住プロジェクトにもこの小説のような事情や本音はあるのではないのか。「棄民」という主人公の言葉にちょっとゾッとした。
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無人の集落へに移住してきた住民たちが次々にトラブルに見舞われ、移住を助ける市職員の万願寺が解決に奔走する話だった。色々なタイプの移住者がいて、とても面白かった。また、万願寺の部下の観山や上司の西野もそれぞれ個性的でよかった。はたからは分からない公務員の大変さがよく伝わってきて勉強...
無人の集落へに移住してきた住民たちが次々にトラブルに見舞われ、移住を助ける市職員の万願寺が解決に奔走する話だった。色々なタイプの移住者がいて、とても面白かった。また、万願寺の部下の観山や上司の西野もそれぞれ個性的でよかった。はたからは分からない公務員の大変さがよく伝わってきて勉強にもなった。
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ふるさと里帰りプロジェクトで次々と起こる事件。住民に寄り添って奔走する万願寺。まさかの展開。地方再生には色々な問題があるってことかな。
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