スワン の商品レビュー

呉勝浩(著者)

2023/10/08

ショッピングモールを狙ったテロ事件。改造拳銃を使った犯人グループが無差別に人を撃ち殺し、最後には自殺して幕を閉じた。
事件に巻き込まれ生き残った人々が集められ、真相を解明するという理由で話が語られていく。

悲劇のその後、当事者とその外側の人間の理解し得ない溝、犯人死後に渦巻くやりきれなさをぶつける先を探す出口のない泥沼感。
葛藤の末、未来を諦めようとしなかったいずみの姿が印象的でした。

2023/09/12

大量殺人で生き残った被害者という設定、被害者の胸に残る罪悪感とどう向き合うかというテーマ、お茶会という名目で真実を語り合いハラハラする展開、全てが面白かった。

2023/08/13

集団殺人事件の裏で何が起こったのか、生存者たちが罪の意識から何かを隠蔽しようとする中で行われる腹の探り合いがとても面白かったです。

本作は、ショッピングモール内でテロリストが、集団殺人を実行するところからお話がスタートします。
あらすじも何も見ずに、本作が面白いとの前評判だけで手に取ったため、このテロ行為がどのように終着するのかが、本作のキモかと思ったら、まさかの本編がそのテロ後から始まるとは…

本作のテーマは「サバイバーズギルト」。私も本作を通して、この単語を初めて知りましたが、災害や事件の被害者が抱える罪悪感を指す単語で、端的に言えば「こうしていれば、こうしていなければ人が死ぬことはなかったのに」という感覚のことですね。

こうしたタラレバの話って日常的にも良くあると思うのですが、人の生死に関わってくるとここまで問題が大きくなるのだなと考えさせられるとともに、立場が違うだけで見方や考え方が大きく変わるセンシティブな問題であるように感じました。

2023/08/10

皆が暴かれたくない過ちを抱えて葛藤する物語。
非現実的なお茶会招集は古き良き推理小説風演出と思えばまあ乗り切れる。
事件時の描写やその後の展開は世相を反映した、かなり生々しく痛い描写もありつつそれぞれの行動にちゃんと裏付けされるストーリーがあり最後には登場人物たちに共感できて読了感は良き。

2023/08/02

殺人シーンはちょいエグでした。
皆はどう動いたのか、どうして彼女はそこで死んでいたのか、どんな真実を隠そうとしているのか。
一つひとつが明らかになっていく流れ。
白鳥の湖と黒鳥がシンボリック。

2023/07/31

生き残った人たちの　後悔と怒りと懺悔と悲しみ
色んな角度から色んな心情が重なって
切ないストーリーだった。非難するのは簡単だし、罵倒するのは無責任すぎる。
生き残った人たちが集まってのお茶会という名の
探り合いは　読んでいて苦しくなった

2023/07/26

犯行自体や動機、というより その時その場に居た人たちは何をしたのか。何が正しく、何をすればよかったのか。
反省や後悔にそれぞれが向き合っていく事に重きを置いてストーリーがすすんでいく。
その時あなたは何をしていたのか。

確かに、そのような状況に自分が鉢合わせたら…
私は漏れなく殺されちゃうんだろうな。
もしくは見逃されて、脱出できた大勢の中の1人。
ここには出てくる事もない人物。

騒動の渦中にいて、必死でとった行動を後から非難される、みたいな事って本当に対岸の火事。
その場に居なかったからこその非難。
逃げる事に必死になるのは間違いではない。
助かった事を責められるなんてあっては駄目だ。
責められるべきは犯人なのに。

彼女は強い。
早く穏やかな日が訪れる事を願う。

2023/07/23

スタートから凄い展開です。構成が素晴らしく良い作品だと思いました。
犯罪被害者に重きを置いた作品ですよね。　
ただ何故加害者はこう言う行動に出たのか疑問です。
この辺も盛り込んで欲しかっなかも。
現実にこんな事は起きないよう切に祈ります。

2023/07/10

「スワン」で起きた無差別殺人事件で生き残った人たちがそれぞれ抱える無念さが行き交っていた。結末を知った上でもう一度読んでみたい作品だった。

2023/07/02

嫌だった、この本は。
自分には合わなかった。冒頭からどんどん簡単に人を殺す話が是丁になってるなんて。

読むので無かった。