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スワン の商品レビュー

3.9

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

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2023/12/05

世の中、白黒はっきりしていることはほとんどなくて、大抵の場合はグラデーションになってると思うんだけど、最近は物事や人物のある一面だけを取り上げて白か黒か断じてしまう風潮があり、怖い。本作で描かれている状況を読んでそう感じた。

Posted byブクログ

2023/11/20

理不尽な殺人から理不尽な日常 それでも生きていく人たち 元は大きな悪意から、少しの善意と少しの悪意が絡みつつ話が展開していきます 最後はぐぬぬとなりました

Posted byブクログ

2023/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恩田陸さんのQ &A、ドミノ… あと思いつかないけど笑  これって舞台と登場人物、行動と時間、そういうの頭に叩き込みつつ読まなければ真の面白さ(笑)はわからなくて…でも正直、途中で叩き込めなくなってそのまま読み進めることになっちゃうんだけれど笑 これは大体把握しながら読めたぞ!笑 いずみの周辺の物語、菊乃さんの真相(なんでそんなところで?ってすぐ思ったぞ!ドヤァ)、少しずつ解けて埋まっていくのがとても面白かった。 いずみも何か隠してるだろうとはずっと思った。後ろめたいことをしたのか? 銃弾は全部使い切ったという一文を見てヒヤリとし、ただ生き残った小梢といずみのことを思った。どっちだ? いやー、でも閉ざされた空間で命の危険が迫っている時の「お決まりの」人間の醜さというか…初っ端から、あまりに簡単に命を奪われ続けて辛かったけれど、上の彼らに関しては「まぁ…」って気持ちになったな…100%犯人が悪いことに変わりはないけど。ああはなりたくないなーって感じ。 人がたくさん殺され、目を背けたい部分もいっぱいあった、でも決して救いようのない話ではなくて…むしろ捨てたもんじゃない、これこそが人間なんだよな(大袈裟)って思った。 あんなに疎ましがられていたのに、彼女を救おうと外へ出たこと。 どうしても恋人の様子を見に行って助けたかったこと。 嫌なことされたのに、命を救おうとしたこと。 その秘密を墓まで持っていくつもりだったこと。 依頼人の目的が、罰を与えるためではなかったこともよかった。彼女の振る舞いが誰かの命を奪ったわけではないと、ただそれだけを信じたかった。 極限状態で、判断を誤ることもある、でも打開しようと努力したり、後で罪悪感に苛まれたり… そんで、また戻ってくる。 犯人ほんとになんでこんなことしたん?って。

Posted byブクログ

2023/11/11

日曜のショッピングモール“スワン”で 無差別銃撃事件が発生する。 21名の死者。17名の重軽傷者。 犯人は、三名。二人は、自害。一人は、仲間に撃たれた。 プロローグで、事件は起こり、犯人は、自害し、被害者も確定している。 そして、全てが終わってしまったところから、被害者達の葛藤が...

日曜のショッピングモール“スワン”で 無差別銃撃事件が発生する。 21名の死者。17名の重軽傷者。 犯人は、三名。二人は、自害。一人は、仲間に撃たれた。 プロローグで、事件は起こり、犯人は、自害し、被害者も確定している。 そして、全てが終わってしまったところから、被害者達の葛藤が始まっている。 その殺戮から、生き延びた5人が、集められる。一人の亡くなった女性の死の状況を、各自の当時の行動から丁寧に検証していく。 5人は、何かを隠して、何かに怯えて、なぜ、後悔しているのか。偶然、事件に巻き込まれ、被害者となってしまった為に、その時の行動の是非を自ら問いてしまう。こういう、心理を探るミステリは好きです。

Posted byブクログ

2023/11/08

衝撃的な大量殺人事件から物語がはじまり、作品の主軸は、被害者それぞれが隠してきた被害者感情の闇を解き明かすという構成がとても斬新に思えました。 目を背けたくなる殺戮描写でも、登場人物が語る嘘を見抜くために、必死に熟読しました。 主人公の心の悲鳴を強く感じましたが、どんなに辛くとも...

衝撃的な大量殺人事件から物語がはじまり、作品の主軸は、被害者それぞれが隠してきた被害者感情の闇を解き明かすという構成がとても斬新に思えました。 目を背けたくなる殺戮描写でも、登場人物が語る嘘を見抜くために、必死に熟読しました。 主人公の心の悲鳴を強く感じましたが、どんなに辛くとも、最後は前を向いて生きていく覚悟を決めた場面に感動しました。 この作品を一言でいうなら、『希望』だと思います。

Posted byブクログ

2023/10/30

この作者の「爆弾」も良かったが、私はそれ以上にこの本がおすすめ。残虐な事件の裏側を描くという新しさも良かったし、人の深層心理が垣間見れる場面もあって読み応えのある一冊でした。

Posted byブクログ

2023/10/29

無差別銃撃事件、そして犯人の目線から撮影された動画のSNSへのアップロード。 ここまで残虐な事件はなかなかないと思う。 そこで起こった死線で行われていた人々の行動。 命を目の前にした人の行動は何をするか分からないなあ。 嘘を暴くのには、嘘が必要なのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/10/26

あとがきに寄れば著者は映画『静かなる叫び』と『マンチェスター・バイ・ザ・シー』から刺激を受けて本作品を執筆したとのこと。ネタバレなので詳細割愛するが『マンチェスター・イン・ザ・シー』内でラスト近くで主人公が発する「I can't beat it」というセリフがある。映画...

あとがきに寄れば著者は映画『静かなる叫び』と『マンチェスター・バイ・ザ・シー』から刺激を受けて本作品を執筆したとのこと。ネタバレなので詳細割愛するが『マンチェスター・イン・ザ・シー』内でラスト近くで主人公が発する「I can't beat it」というセリフがある。映画的カタルシスを期待する観客に対して生きることの複雑さやリアリティを痛感させる一言であった。 本作品の根底に流れるものは不条理な出来事に向き合う人間の有り様と本質である。時間の流れは不可逆であるのに対して思考の流れは可逆である。この矛盾ゆえに事実に対して「そのときの自分の行動」も事実であるにも関わらず、選択の良し悪しを後悔し悩んでしまう。そして精神を守るため嘘をつき正当化する。その行為は決して責められるものではない。小説ならではの独特で難しい感情表現を味わえる作品である。 全体としてはエンターテイメント性を重視するゆえに、次の展開や真相が気になる巧い構成である一方、深層心理や人物描写がやや手薄になっているのが残念な点か。とはいえ一流の娯楽作品であることには変わりない。

Posted byブクログ

2023/10/27

ショッピングモールで猟奇的な大量殺人が発生し、その場に居合わせた主人公の事件後が描かれるが、犯人といた時間に何かが起こったのを伏せながら話が進んでいく。 良い作品って、「これからどうなるんだろう」という期待感があり、読みながらワクワクものだと思う。 このスワンはまさにそうだった...

ショッピングモールで猟奇的な大量殺人が発生し、その場に居合わせた主人公の事件後が描かれるが、犯人といた時間に何かが起こったのを伏せながら話が進んでいく。 良い作品って、「これからどうなるんだろう」という期待感があり、読みながらワクワクものだと思う。 このスワンはまさにそうだった。 いずみは何を考えてるのか。いずみの身には何が起こったのか。この2つが気になりすぎて読むのが止まらない。 同時に理不尽なことが起きてしまった時の心の置き所を考えさせてくれる。 期待感が終着点で綺麗に収まれば最高の物語になるんやろうけど、最後のまとめる部分が、あまり響かなくてもうちょっとかなと思えてしまった。 ちょっと世間が冷たすぎるのは読んでて辛かったけど、無責任な言葉が飛び交ってる現実世界にも一石投じたい想いからかな。 学校の先生、波多野、殺人鬼達には共感できなかったかな。 考えや行動が気持ちが悪すぎる。

Posted byブクログ

2023/10/11

テロ事件に巻き込まれた被害者。結果だけでは本当に起こった出来事、その時の心情は分からない。 物語に引き込まれてどんどん続きが読みたくなりました。しかし、先生だけは共感出来なかったな。

Posted byブクログ