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家庭用安心坑夫 の商品レビュー

3

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    21

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    7

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2022/10/21

芥川賞候補という感じ。ずっとよく分からない。 理想通りにいかない現実からずっと逃げている小波と、そんな現実をありのまま受け入れたツトムが対比しているな、ということだけ読み取れた。

Posted byブクログ

2022/10/17

なんか気味悪い感じ。 日常っぽいのに、細部が気味悪い。 鉱山に飾ってあるマネキンを父と言われて、それをそのまま受け入れてるって、どういうことだ? 夫の発言は何? 誰がホントのこと言ってるの? そもそも何が現実で何が幻? 夫も幻? 小波の話と坑夫の話は、交わるの? 結局、...

なんか気味悪い感じ。 日常っぽいのに、細部が気味悪い。 鉱山に飾ってあるマネキンを父と言われて、それをそのまま受け入れてるって、どういうことだ? 夫の発言は何? 誰がホントのこと言ってるの? そもそも何が現実で何が幻? 夫も幻? 小波の話と坑夫の話は、交わるの? 結局、交わりそうで、交わらないよね? 何がなんだか分かんないんだけど… メチャクチャ煙に巻かれて終わった。

Posted byブクログ

2022/12/02

妄想と現実が入り乱れ、何だか分からなかった。 情景描写は丁寧に描かれて読み易かったが、私の能力不足なのか、芥川賞候補を読み解く事が出来なかった。 もう一度読んで図解でもしたら分かるのだろうか? もう一度読む気力は湧かなかった。

Posted byブクログ

2022/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

美しい狂気 なにしろ文章が美しい。味わい深い。 色彩が豊かで、だのに言い回しがねちっこくないし、ワードセンスがクール。 計算された研ぎ覚まされた一言一言。 驚いたものをピックアップしたけどまだいっぱいある。 これはなんのジャンル? サイコ&サイバー? サナミの生育環境、過去からとんでもない狂気が生まれている。 子が母親に似てくるという恐怖。 鮮やかに迫ってくる得体のしれない不気味な体験。 与えられた言葉で考察の余地のあるものは愉しい。 ツトムの過去の物語も並行して繰り広げられるが、理想の架空の父親と、なんら関わりはない 結局最後までオチは言い切らずに匂わすのもニクい。 ・夫は実在したのだろうか。ついに失顔症まで患っただけだろうか ・家に入れた老人は誰??実はホントの父親だったり? 確実に実在した人物 ・サナミ ・モブ:デパートの店員 ・防火設備検査員 いたであろう人物 ・廃鉱山の母子、スタッフ 幻 ・ワクチン接種会場や、団地の庭、に現れたマネキン ホームセンターのは多分普通にマネキン ・デパートのけろっぴシール ・ドッペルゲンガー 過去にいた人物 ・サナミの母 ・要介護のサナミの父 パラレルで進む架空の過去 ・尾去沢ツトムたち(鉱夫) わけがわからいのだけど、おもしろい。こういうの見ると読書会って参加してみたいなと思うけれど、私のようなバカが行っては話についていけない気がするので行かない。 独特の擬音のメモ ・肺が、セロセロと ・神経はヒリヒリと震え ・だんぎだんぎと一段とばしで ・ゆびをさらさらと擦り合わせ ・水をぐんぐん飲み下し ・ポトポトと帰って行った ・ミーミーという警告音 ・カサカサと小声で叫んだ ・バラ、バラと靴の放り出された ・チリチリと震えながら、定点に ・鉱物の粉がチラチラと雪のように光って ・じん、じん、じん、という足音 ・モロモロと崩れ 家庭用安心坑夫 秀逸ワード ・虹色のパルス波のような痛み ・肌は、病人のような黄緑色 ・非常口の誘導灯が緑色の恒星めいて ・肉厚で、クリスマスめいたあか色 ・赤い点になった小波がずん、ずんと線形に飛び退って ・鉱物が鉛筆のような幽かなきらめきを返し ・舌先の青い炎だけがチロチロと ・パイ状に重ねられ圧縮されたおびただしい時間の地層 ・肉ののりもの

Posted byブクログ

2022/10/02

勧められて読んでみたところ、なるほどねという得心はあるが、そのことと私が楽しく読んだかというのには混同できない違いがあって、「寝ても覚めても」も思ったんだけど、こういう主人公の歪な対象への切実さを、彼女らが切実で必死である、としつこく描写されることによってむしろ遠くから眺めてしま...

勧められて読んでみたところ、なるほどねという得心はあるが、そのことと私が楽しく読んだかというのには混同できない違いがあって、「寝ても覚めても」も思ったんだけど、こういう主人公の歪な対象への切実さを、彼女らが切実で必死である、としつこく描写されることによってむしろ遠くから眺めてしまうようなところが私の読書態度としてあるなぁと気づいた。

Posted byブクログ

2022/09/12

え、何これ、めちゃめちゃ怖いんだけど。。! って感想がいちばん最初に出てきて、妙に引き付けられる本であって、読みすすめたくなる本。 何にも分かんなかったし、何にも自分に落ちてこなかったけど、これはこれで読書の魅力がある。 どう捉えるかどう思うか、読んだ人によって変わる。 今まで読...

え、何これ、めちゃめちゃ怖いんだけど。。! って感想がいちばん最初に出てきて、妙に引き付けられる本であって、読みすすめたくなる本。 何にも分かんなかったし、何にも自分に落ちてこなかったけど、これはこれで読書の魅力がある。 どう捉えるかどう思うか、読んだ人によって変わる。 今まで読んだ本は落ちがあって、最終的にそうだったとか!って思うことが多かったけど、この本は違う。 何が実際に起きたのか、妄想なのか現実なのか、未だに謎。 だからみんなの感想や、捉え方を見て、なるほどと思えておもしろい。

Posted byブクログ

2024/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了直後は疑問がたくさん浮かんだので、自分なりに考察してみた。 まず、主人公・小波の話の合間合間に、とある坑夫の最期の日が差し込まれる意味は何なのか? 坑夫の最期の日ということは、パークが示す坑夫のうちの1人の、日常と死の両方、つまり人生が描かれているといってもいい。その内容を最後まで読んでも、小波と全く関係がない。つまり、「小波が想像していることや、母が彼女に説明した父像は、まったくの作り話である」ということを冷淡に示しているのではないだろうか。 そして、小波が現実を直視できないことを強調するため、対照的な存在として描かれているようにも見える。実在した坑夫は、悲惨ともいえる現実的な人生を最期まで生き抜いた。劇的な一生ではなかったが、いつ死ぬか分からない暗い仕事環境も、家族に何もできないまま死んでいく情けない自分も、まっすぐ見据えていた。つまり、辛い現実に正面から向き合っていたのだ。これがちょこちょこ差し込まれるのだからかなり小波に対して意地が悪い。 小波は、本人も自覚している通り、自分の感覚を後押しする証拠を探すように物事を見てしまっている。そして、見たくないものを見ないようにしているのではないだろうか。これは小波に限らず誰しもがそうしてしまうこと。 彼女を愛さずただ利用しようとした現実の父を記憶から消し、ツトムが父だと思うようにした。そもそもツトムが父というのは母の逃避と自己陶酔、および自己憐憫に巻き込まれてできた作り話であったが、それを大人になってからも半分現実と混同してしまうのは、もう1人の父=求める家族像が自分のもとにも存在すると思いこみたいから。 けろっぴのシールも、あちこちに現れるツトムも、消してしまいたい実家・父親・母親の記憶の断片だ。やっとの思いで逃れて、忘れて生きていきたいけど、自分を騙しきることができなくて、思い出し、追いかけられてしまう。 「本当は父に愛されたかった」という未練があるのも、つい思考が戻ってしまう理由だと思う。ツトムに怒りを覚えつつも、「もしかして父は家族関係を再構築したいのかも!」と、期待を捨てきれない。ツトムを盗み出したのは、みんなの坑夫人形ではなく自分だけのお父さんになってほしかったから、愛してくれる親と一緒に楽しく鍋を囲みたかったからではないだろうか。 でもそれはただの人形で、本当の父ではないともわかっているから、次の日には虚しくただ気持ち悪いだけの人形になってしまう。ツトムは小波にとって「存在するだけで家庭の欠損をぼやかし安心させてくれる人形」=「家庭用安心坑夫」だったのに、実家という現実世界に持ち込むことによってその効力を失ってしまったのだろう。とても悲しい。 父の介護の記憶を忘れることでなんとか生きている小波だが、次のターゲットとして彼女は夫の顔を忘れる。夫との生活を「夢のような生活」と言っているが、前半を読む限りそんな素敵なものではないだろう。金銭的に養ってくれてはいるが、小波の心に触れることなく「気持ち悪い」と突き放す夫。小波も別に夫を愛していない。幸せな暮らしであるはずがない。彼女の求める愛情はここにも無いし、彼女はやっぱりそれを直視できない。 とはいえ小波はいつでも必死で頑張っている。なのにその努力は報われず、どこまでいっても望む愛情は得られなくて、「どんなに頑張っても自分はだめだ」という徒労感ばかり募って、本当に切ない。この息苦しさに私は共感したし、寄り添いたいと思った。百貨店にコスメを買いに行くだけで、彼女から見た世界はこれほどまでに苦しい。ましてトムフォードなんて、めちゃくちゃ怖いよね。(※コスメ好きから見てトムフォードは、高価なデパートコスメの中でも上級のイメージ) 誰だって思い込みのフィルターを通して世界を見て暮らしていて、苦しいながらも一生懸命生きてるんじゃないかな。一見意味不明に見える彼女と、私たちは一緒だ。私たちだって、見たいものしか見ないせいで、たくさんのことを間違っている。同じように狂っている。 痛々しいけれど、それでももがいて生きているのはすごいことだ!って、小波も自分も周りの人も認めてあげられたらいいな。それに、少しだけだっていいから、望むものが返ってきたらいいなと思う。

Posted byブクログ

2022/09/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公は、何の病気(精神疾患)だろう?と思った。 短くていつの間に読んでしまうが、幻覚が見えたり、人形を盗んだり、そのあと後悔したり、生きづらすぎる。 週5フルタイムで働くことは、トライアスロンを完走するように壮大に思えるっていうのは共感した。

Posted byブクログ

2022/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芥川賞候補作。とても芥川賞候補っぽい〜と思ってしまった。とにかく主人公の酩酊感というか狂い方が絶妙だった。考えてることは本当におかしいんだけど、でも端から見たらきっと気づかれないんだろうなと思えてしまう。自分の体についての話をしていたところはちょっとわかるなと思ってしまった。

Posted byブクログ

2022/09/04

小波の狂い方がすごい。 旦那さんも、うーむだけど、 そう言うのもわかる。 うちの地元県内に、足尾銅山があり そこにも坑内観光施設がある。 行ったことがあるので、 お父さんのツトムを、なんとなく想像できた。 しかし、その人形を父と思い込む小波も母も やはり狂っていて、怖い。 芥川賞...

小波の狂い方がすごい。 旦那さんも、うーむだけど、 そう言うのもわかる。 うちの地元県内に、足尾銅山があり そこにも坑内観光施設がある。 行ったことがあるので、 お父さんのツトムを、なんとなく想像できた。 しかし、その人形を父と思い込む小波も母も やはり狂っていて、怖い。 芥川賞らしいストーリー。 (共感しにくい) 短くて読みやすい。

Posted byブクログ