読書会という幸福 の商品レビュー
この本のおかげで、「プルースト持ってるんだった!」や、「グレートギャツビーもあるよ〜持ってるよ〜!」や、「ほう…カズオイシグロねぇ…!」などと思えた。 誰かと共有したり語り合ったりする前に、わたしはまだ、一人で忙しいのかもしれない。
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感想 同じ体験を共有する。同じことを考える。違う意見を持つ。だけどそれが良い。そういう考えはなかった。ここだけは譲れない。一冊の広がり。
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読書会に関するhowto本として期待して買ったが、そうした内容は3割未満で、どちらかといえば多様な形で本に関わった翻訳者/司書による読書論エッセイ集という趣だった。『プリズンブッククラブ』の訳者と知って納得した。美文を味わうつもりで、もっと時間のある時に読み直したいと思う。
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作者の読書会へのスタンスは好感が持てる。 読書会に興味はあるが、人見知りもあり中々勇気が出せずにいる。 カジュアルな雰囲気の会を探して、参加したいと思わせてくれた。
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プリズン・ブック・クラブの翻訳もされている、向井和美さんのエッセイ。読書会に三十年以上参加されていて、読書会の魅力を語っている。うんうん、分かる分かる!という内容で、やっぱり読書会って良いなあと思える。「読書会を成功させるヒント」も参考になる。
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『読書会』 気になってはいるのだが、元来臆病な人間で人前で話したりも苦手だし、自分に合いそうな読書会コミュニティを見つけられないということもあって敬遠してきた。 だが読書会に関する本は好きで、いくつか読んでいる。 本書はその読書会のなかでも刑務所内の読書会を描いた傑作ノンフィクシ...
『読書会』 気になってはいるのだが、元来臆病な人間で人前で話したりも苦手だし、自分に合いそうな読書会コミュニティを見つけられないということもあって敬遠してきた。 だが読書会に関する本は好きで、いくつか読んでいる。 本書はその読書会のなかでも刑務所内の読書会を描いた傑作ノンフィクション『プリズン・ブッククラブ』を翻訳した向井和美さんの本ということで手に取った。 これは素晴らしかった。 本への愛も素晴らしいが、読んでいるだけで読書会に行きたくなるようなワクワクに満ちていた。 難しい本に挑戦するのにも一人だと挫折することもあるが、読書会で話すという課題があると頑張って読もうと思えるという部分。 そんなもんかな? なんて思っていたが、巻末の読書会で課題になって読破した図書リストを見ると自分も挫折したような本がズラズラと並んでいた。『失われた時を求めて』『戦争と平和』『チボー家の人々』などの大作も人と一緒なら挑戦しようって思うかもしれない。 そして一人でも面白いのだが、他者がいると視点が広がる面白さもある。自分が木にしなかった部分を、他人はとても気にしていたり、自分には答えが出せなかったものが、他人には見えていたり、と。 そういう視点の広がりという面白さもあるよなって思った。 著者が自慢する巻末のリストも素晴らしい。
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本書のレビューを書く前に、とても情けない身の上話をさせていただく。 私は2年前に社内読書会を立ち上げて、月に3回のペースでスケジュールを組んでいるが、参加者が集まらない。そしてメンバーが定着しない。ドタキャンする人もいる。いつも最低4人集めるようにしているが、予定通り開催できるの...
本書のレビューを書く前に、とても情けない身の上話をさせていただく。 私は2年前に社内読書会を立ち上げて、月に3回のペースでスケジュールを組んでいるが、参加者が集まらない。そしてメンバーが定着しない。ドタキャンする人もいる。いつも最低4人集めるようにしているが、予定通り開催できるのは2回に1回程度。いろいろな人に声をかけて、宣伝メールも送るのだが、無視されることも多い。自分よりずっと下の後輩社員にすら、無視される。職場の中で、わざと私に聞こえるように「読書会?そんなもの出て意味あるの?飲みに行かない?」「読書会って、意識高い系を狙ったねずみ講なんでしょ?」と大声で話す輩もいる。 もともと神経は図太いタイプなのだが、さすがにこのような日常が続くと、なんだか気が落ち込んでくるものである。そんな自分を何とか奮い立たせるために手に取った一冊。筆者は35年も続いている読書会に、29年間通われたそうだ。そしてご自身も司書として働きながら、若者たちの読書会を主宰されている。それだけ長ければメンバーの入れ替わりも激しいだろうと思いきや、固定メンバーが多いらしい。 てっきり読書会の運営ノウハウや新規メンバーの増やし方が書かれているのかと思ったが、普段参加されている読書会でのやり取りや、筆者ご自身の「人生の振り返り」を綴った内容であった。ただし、ページをめくるにつれて、静かに、そして丁寧に、年月をかけて積み重ねてきた筆者の人間的な魅力が、じわじわと伝わってきた。「本について語り合うことは、人生について語り合うこと」という筆者の決め台詞に、私は一気に引き込まれてしまった。個人的には、何十年も続けている茶道に続いて綴った『日々是好日』を読んだ時のような感覚である。 「去る者追わず」「誰彼むやみに誘わず」「大事な想いを人に話したいが、分かりあえる少人数だけでいい」という、筆者の読書会に対する距離感は一見中途半端に見えるが、程よく心地よいものでもある。筆者にとって読書会とは、大事な箱入り娘のような存在なのだろうか。 「急用ができた」「仕事が忙しくて読む暇がない」「1人で読むほうがいい」などなど、読書会に参加しない(本を読まない)言い訳は、いくらでも作ることができる。その小さな積み重ねによって、読書会から足が遠ざかる。そんな振る舞いが、不思議と他のメンバーにも伝播するので、会員が1人1人と減っていく。会費は無料だが、事前に時間をかけて本を読んでこないといけない読書会より、お金をかけてでも、同世代の若者と飲み会やデートに行く方が魅力的なのかも知れない。そんな風に感じるお年頃であってもしょうがないのだ。そして、一生読書会に来ないかもしれないし、数年経ってある時、ふと戻ってくることもありうる。 名著を読んで、自らの言葉で感想を述べるだけなのに、新たな発見と感動がある。そして家族のように人生かけて付き合う仲間がいて、本当にうらやましい。30年も継続するわけである。 それに比べて、毎回参加者の人数を見てクヨクヨしている自分なんて、吹けば飛ぶような、チョロい人間である。周りがどんな噂をしようと、奇異の目で私を見る奴がいるだろうと関係ない。これまで1回でも参加してくれた社員に感謝しつつ、私は読書会の看板を掲げ続けていく。 若手社員たちが、読書会に興味を持ってもらえず、リピート参加してもらえなくとも、長い人生のどこかで、ふと「読書会やっていたな。まだやっているのかな。」と思い出す瞬間があると信じて、細く長く、灯を消さずにいるつもりだ。読書会を辞めたくなったときには、この本を再読すれば良い。 そして私が老後になって、読書会を継続しようと躍起になっていた記憶を、酒の肴にできるくらいには、日々粘り強く開催していこう。
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この本を読んだら、読書会を体験してみたくなっちゃいますよね〜。 他の仲間と読むことで、自分1人では気づかなかった視点を得られたり、自分の中で必ずしも十分に形成されていない思いが、他の仲間の話を聞くうちに化学反応が起きて具体的に表現出来るようになるという体験について、著者が自らの...
この本を読んだら、読書会を体験してみたくなっちゃいますよね〜。 他の仲間と読むことで、自分1人では気づかなかった視点を得られたり、自分の中で必ずしも十分に形成されていない思いが、他の仲間の話を聞くうちに化学反応が起きて具体的に表現出来るようになるという体験について、著者が自らの経験を通して語ってくれる静かで熱い内容。 早速、会社近くの本屋さん主催の読書会に登録して先日第一回目がありました。ドキドキでしたが、1つの共通した課題本が皆の拠り処。
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946 向井和美 翻訳家。東京都内の私立中高一貫校の図書館司書。早稲田大学第一文学部卒業 大学生のころ、わたしは「禅寺の修行僧」や「教会の修道女」的なるものに強く憧れていた。 将来への希望がほとんど見いだせず、人と接するのが苦手で、自分の内側をさらけだすことが できないため友...
946 向井和美 翻訳家。東京都内の私立中高一貫校の図書館司書。早稲田大学第一文学部卒業 大学生のころ、わたしは「禅寺の修行僧」や「教会の修道女」的なるものに強く憧れていた。 将来への希望がほとんど見いだせず、人と接するのが苦手で、自分の内側をさらけだすことが できないため友人を作る気にもなれず、哲学や宗教にばかり関心を抱いていた。当時は新興宗 教がさかんで、大学構内でも宗教の勧誘をしている人たちがたくさんいた。一歩間違えば、わ たしもその種の宗教に入信していたかもしれない。周囲にはテニスに夢中になったりスポーツ カーを乗りまわしたりしている学生が多かったなか、宗教へと傾倒していった人たちは、むし 1ろ人生について真剣に考え、悩んでいる人たちだったに違いない。少なくとも、わたしはそう いう姿勢に共感を抱いていた。しかし、彼らが求めていたのは新興宗教だったのだろうか。は たして、彼らはほんとうに宗教を必要としていたのだろうか。もしかしたら、浮わついた時代 に逆らうように、深く話し合える場を求めていたのではないのか。今にして思えば、あのころ 身近に読書会のようなものがあればどれほど救われただろう。自分のなかに鬱屈する思いを言 語化し、吐きだす場が、わたしにも彼らにも必要だったのだ。 当時のわたしには「本を読むこと」と「人生について語り合うこと」が結 せなかった。小さいころから読書にのめりこんではいたものの、それはか がみへと内向していく読みかたでしかなかったからだ。いや、人とつながること自生 あのころのわたしには、もしかしたら読書会という語り合いの場は、まだも もしれない。人生の経験を重ね、数々の挫折も乗りこえ大人になった今 とうの意味で「本をとおして人とつながる」喜びを味わえているのかもしれない のうちに深く掘り進んでいたことは、そのあと横へとつながっていくために必要を だったのだと今は思える。 そしてもうひとつ。メンバー同士、互いの生活に立ち入りすぎないことも大事だ。本だけを 接点につながっている関係は実に心地がよいものだ。 本を読もうとしても、全体像が把握できないため、なかなか物語に入りこめずに苛立ったり、 登場人物たちの名前や人間関係が覚えられなくて挫折しかけたりした経験はだれしもあるだろ う。そんなとき、ひとりだったら放りだしてしまうかもしれない。しかし、なにがなんでも来 月までに読んでいかねばと思うと、不思議なことに、つらいページも乗りきれる。いつかは読 もうと積読にしていた長編小説も、読書会の課題にしてしまえば、もう読めたも同然である。みんなが伴走してくれるからだ。 二つ目の利点は、日常生活ではまず口にしない話題でも、文学をとおしてなら語り合えると いうことだ。とりわけ、生や死や心の問題についてだれかと話したいけれど、周囲にそんな場 所をみつけられないわたしにとって、読書会は魂の交流の場でもある。 四つ目の利点は、同じ本を読んできた参加者から、さまざまな意見を聞けること。自分では 思いもよらなかった視点を与えてもらえるのは、読書会の大きな魅力のひとつだ。 カミュは、どこまでも魅力的で 動くして父を戦争でなくし、極貧の少年時代を送る。家庭には本など一瞬 読めないし、家族の会話もない。小学校で出会った教師に才能を認められ、特 業をしてもらったおかげで進学に道が開かれる。ノーベル賞受賞時のスピーチでこの教師への 感謝を述べたのは感動的である。「受賞の知らせを聞いて私は母のこと、それから、ジェルマ ン先生のことを思いました。いまでも私は先生に感謝する小さな生徒です」。
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最後まで読み切れてはいないが、読書会という場を通じての人の交流、知らない本との出会いの素晴らしさは私も日々実感している。 今は幼子を抱えながら、同じ立場のママとのビジネス書を中心としたオンライン読書会ばかりだが、そのうち、ライフワークの1つとなるくらいいろいろ広めていきたい
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