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読書会という幸福 の商品レビュー

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39件のお客様レビュー

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2022/11/28

翻訳家、司書。参加した読書会で読んだ本は35年で180作品。読書会を通じて触れる古典文学そして読書そのものの魅力。 読者という極めて個人的な行為が読書会という集団行動を通じて変化する。何とも面白いことだ。取っ付き難い古典文学も毎月の課題として数年かけてみんなで読んでいく、しかも...

翻訳家、司書。参加した読書会で読んだ本は35年で180作品。読書会を通じて触れる古典文学そして読書そのものの魅力。 読者という極めて個人的な行為が読書会という集団行動を通じて変化する。何とも面白いことだ。取っ付き難い古典文学も毎月の課題として数年かけてみんなで読んでいく、しかも自分では気づかなかった解釈や魅力も堪能できる。 巻末に実際に読書会で題材とした作品のリスト付き。これだけの作品に触れた人が羨ましい。 読書会を探して参加してみたくなる間違いなしです。

Posted byブクログ

2022/11/13

後半は少し飛ばし読みあり。 思っていたような内容以外も入っていて、そこは飛ばさせてもらった。 読書会の行いかたや長続きするポイント。著者本人は司書もしているので、中高生の本との出会いを画策するところや中高生の読書会、ビブリオバトルなど興味のある内容も多く紹介されていて参考になった...

後半は少し飛ばし読みあり。 思っていたような内容以外も入っていて、そこは飛ばさせてもらった。 読書会の行いかたや長続きするポイント。著者本人は司書もしているので、中高生の本との出会いを画策するところや中高生の読書会、ビブリオバトルなど興味のある内容も多く紹介されていて参考になった。 読書会が江戸時代には存在したということや、読書会と称して政治について集まって語っていた時代などなど読書会について知れた。

Posted byブクログ

2022/10/27

読書会の楽しさを知らせてくれる面白い本だ.小生も某所の読書会のメンバーだが、運営のことなど参考になる点が多かったが、小学生で本を読まない、or 読めない人がいることには驚いた.大人で読書をしない人は多いが、子供の時は何かしら読むものと思っていたので意外だった.筆者の参加している読...

読書会の楽しさを知らせてくれる面白い本だ.小生も某所の読書会のメンバーだが、運営のことなど参考になる点が多かったが、小学生で本を読まない、or 読めない人がいることには驚いた.大人で読書をしない人は多いが、子供の時は何かしら読むものと思っていたので意外だった.筆者の参加している読書会では有名な古典作品に取り組んでいるようで、凄いなと感じたし、議論の内容も素晴らしいと感じた.

Posted byブクログ

2022/10/24

得るものがあったかといわれると、ほとんどなかった。文学の読書会のお話。 でも、一回一回の読書会を大事にしようという気持ちになれた。楽しくて始めたはずの読書会も知らず知らずのうちにインプットアウトプットの場として位置づけていた。しかし、実存をかけるに足るものだと再確認できた。

Posted byブクログ

2023/11/28

2022.9月末、JWAVEの早朝番組の最終回で紹介され、すぐ予約した本。 読書会に参加したいと思いながら、なかなかできないので、何か良い知恵がもらえたら…と読み始めました。 司書、翻訳家。私にはまぶしい肩書の著者が、30年参加している読書会に誘われたきっかけ、そこで読まれた作...

2022.9月末、JWAVEの早朝番組の最終回で紹介され、すぐ予約した本。 読書会に参加したいと思いながら、なかなかできないので、何か良い知恵がもらえたら…と読み始めました。 司書、翻訳家。私にはまぶしい肩書の著者が、30年参加している読書会に誘われたきっかけ、そこで読まれた作品リスト、著者の半生を時々のぞかせながら、読書会を成功させるヒントなどもコラム的に紹介。とても有益でした。 「本好きの生徒は往々にして内向的」 「(著者の師匠と著者が)ふたりとも内向的で話下手」 自分もやっぱり内向的と再認識… 読書会はある意味社交界…だから成功させるヒントも必要なのでしょう。 自分自身はパートナーと2人読書会もどきをしています。 それくらいでちょうどいいほど、内気なのです… それからこの場所に記録できているので、仮想読書会体験中、ですね。 本の紹介本としてもひきつけられました。 並行して読んでいる別の本と同時にヘミングウェイを紹介され、読まなくては。 アチュべ マンガレリ ガイイ フランス組曲 魔の山 ロリータ チボー家の人々 トルストイ チェーホフ プルースト… 果たして生きてる間に読めるのでしょうか!? 「Tさん」のエピソードも、心に残りました。 著者の師匠、東江一紀さんの翻訳にも、特に若い頃お世話になりました。 合掌。

Posted byブクログ

2022/12/19

コロナ禍の中で友人とzoomで一つの本を一緒に読む、という体験から読書会に興味を持ち、晶文社「読書会の教室」を読んで、ますます、もっとやってみたいモードが高まっているタイミングでの岩波新書。題名も「読書会の幸福」ってホンワカムード。でも中身は超ハード。のっけから子供時代が両親の不...

コロナ禍の中で友人とzoomで一つの本を一緒に読む、という体験から読書会に興味を持ち、晶文社「読書会の教室」を読んで、ますます、もっとやってみたいモードが高まっているタイミングでの岩波新書。題名も「読書会の幸福」ってホンワカムード。でも中身は超ハード。のっけから子供時代が両親の不仲で地獄だった話。文体も柔らかくて、しかも読書会の体験記や読書会の運営のノウハウや、読む前にこちらが期待していた構成もちゃんと盛り込まれているのですが、そういう気軽さを覆いつくす、本と人生の熱い物語。著者の人生。なにせ「もしかしたら、わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと言ってよいかもしれない」ですから。読書会の数少ない男性メンバーのTさんのエピソードは、まるで短編小説のようだし、現在のパートナーとの関係もそこまで書く?ということをスルッと紛れ込ませてくるし…恩師や父親の最期の話もグッときます。まさに生きることは文学を読むこと、読んだ文学について人と語らうことは生き延びること、という文学の力を感じました。まさに章のタイトルになっている「文学に生かされて」の迫力。著者にとっての「読書会の幸福」は「読書会に生かされて」という意味なのだと合点しました。この著者、やさしい文体でも結構、凶暴です。カズオ・イシグロ「日の名残り」で丸谷才一の誤読にも噛みついているし…それにしても巻末についている1987年からの読書リストの豊饒さよ。文中に出てくる「ぼくはこのほとんどを読まずに死ぬのか…」このつぶやきは自分のつぶやきでもあります。

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2022/10/08

長男と早朝ゴルフ。#赤羽ゴルフ倶楽部 朝方はメチャ寒くて、厚着して車の暖房をつけて出発。 数日前までは半袖短パンだったのに。 夕方は小石川植物園3周ラン。締めて14kmのラン&ウォーキング。9月はコロナになったり台風が来たりでインドア中心だったので、10月はそのぶん挽回しない...

長男と早朝ゴルフ。#赤羽ゴルフ倶楽部 朝方はメチャ寒くて、厚着して車の暖房をつけて出発。 数日前までは半袖短パンだったのに。 夕方は小石川植物園3周ラン。締めて14kmのラン&ウォーキング。9月はコロナになったり台風が来たりでインドア中心だったので、10月はそのぶん挽回しないと。 ***************************** インドア中は読書。新聞の書評で面白そうだなと思った新作本は図書館で予約しておく。中々借りられない本もあれば、すぐ借りられる本もある。 「読書会という幸福」という本は後者で、あっという間に借りることができた。ラッキーだ。 読書会って以前から興味はあったが、実際に参加したことはない。皆で集まって感想を話し合うって、自分では思いつかない意見が聞けるかもしれないし、楽しそうだなとは思っていた。 読書会なら、1人では読むのをためらう長編の名作を読む機会ができるとのこと。チボー家の人々、失われた時を求めて、レミゼラブル、源氏物語、などなど。 なるほどなるほど。でも私は面白そうか否かで本を選んでいるので、読書会でも興味が湧かなければ、やっぱり長編は挫折してしまうかもしれない。 もちろん、そんな人は読書会には向いてない、なんてことはこの本には一言も書いてない。 ただただ、読書や読書会を通して得られる幸福感がひしひしと伝わってくる良本だった。

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2022/10/05

読書会、いいなぁ。参加してみたくなりました。でも、著者が参加している会は、外国作品ばかりなので、私には敷居が高い。もう少しハードルの低い会に参加してみたい。

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2022/09/29

本は命だ。読もう。生きよう。 読書会、やりたい! 生きるために。楽しく、より人生を味わうために。 「読書会の利点はまずなんといっても、自分では手を出さないような本や挫折しそうな本でも、みなで読めばいつのまにか読めてしまうことだ」(ⅳ) その通り。 読書をワークにしてしまえばいいの...

本は命だ。読もう。生きよう。 読書会、やりたい! 生きるために。楽しく、より人生を味わうために。 「読書会の利点はまずなんといっても、自分では手を出さないような本や挫折しそうな本でも、みなで読めばいつのまにか読めてしまうことだ」(ⅳ) その通り。 読書をワークにしてしまえばいいのだ。さあやろう!

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2022/09/20

内容についてはまるで知らず、ブックオフで見つけた本。いい本に出会えました。「読書の神様」がいらっしゃるのなら、感謝します。 本書をざっくり紹介するなら、読書で得られる幸福感を教えてくれる本、文学、特に難解な長編が読みたくなる本、そしてすぐにでも読書会に出席したくなる本です。 著...

内容についてはまるで知らず、ブックオフで見つけた本。いい本に出会えました。「読書の神様」がいらっしゃるのなら、感謝します。 本書をざっくり紹介するなら、読書で得られる幸福感を教えてくれる本、文学、特に難解な長編が読みたくなる本、そしてすぐにでも読書会に出席したくなる本です。 著者の向井和美さんは翻訳家兼某中高一貫校の図書館司書。そして「全員が同じ作品を読んできて語り合う会に、30年近く途切れることなく参加してきた」実績を持ちます。 本書の構成は①読書会の醍醐味、作法と効用②読書会潜入記③図書館司書として学校で主催する読書会③読書会で取り上げてきた本とその読みどころ④翻訳家が中心となって参加する読書会の特徴⑤読書会記録の効用。ひとことで言えば読書会の魅力が凝縮された1冊になっています。 読書会の醍醐味は①どんな難解で長い作品であっても「みんなが判走してくれる」ので、「つらいページ」も乗り切れられる②文学を通してなら普段口にしない話題であっても語り合える。例えば「8月の光」を通して「差別とは何か」について議論できる③本の感想や意見を人前で話せるようになれる。人の意見を聞くうちに感想を言語化できるようになるため④同じ本を読んできた参加者の意見から、「思いもよらなかった視点を与えてもらえる⑤参加者の人間性を垣間見られること。本書はそんな読書会の醍醐味を課題本の紹介を通して記述します。 「POP1280」(ジム・トンプソン)は「登場人物のだれひとり好きになれないけれど、作品としてはきわめておもしろい」。「蜘蛛女のキス」(マヌエル・ブイグ)は「女だと思っていた人物が実はオネエ言葉のゲイだとわかってびっくりした」。「ハックルベリー・フィンの冒けん」(マーク・トウェイン)は「死と距離の近さ、黒人奴隷や貧乏白人の立ち位置、そして差別の多重構造」。「チボー家の人々」(ロジェ・デュ・ガール)は「本を読むとは、まさにこういうことだ。ページを開いて文字を追っているときはもちろん、横断歩道を渡っているときも、風呂に入っているときも、登場人物たちの姿がつねに頭のなかにある」。「崩れゆく絆」(チアヌ・アチェべ)は「わたしは今回、価値観とはなにかということをすごく考えさせられました。『野蛮な伝統』を文明化すればそれでいいのか、と。これはとても普遍的なテーマだと思います」。こんな具合に著者や読書会の参加者の言葉で、読むにはある程度エネルギーが要る作品が紹介されてゆきます。 本書は読書会を成功させるテクニカルな面も紹介しています。その中で「課題本をリスペクトする」というアドバイスは良いと思いました。「課題本の選び方」も参考になります。 また、本書はエッセイとしても面白い本です。著者の翻訳の師匠は東江一紀さん(故人。『犬の力』など)。「目にも耳にも美しい文章を書くべし」「代名詞はなるべく使わず訳すべし」というアドバイスは翻訳だけでなく、文章を書く上で役に立ちそうです。「泣ける本」という言い方が嫌いな著者が、生徒から「泣ける本ありますか?」と尋ねられれば「どんなふうに泣きたいの?」と相手の要望を聞き、4、5冊泣ける本を挙げて「良い司書」ぶりを発揮するというくだりは笑ってしまいました。 本書の帯には「わたしがこれまで人を殺さずにいられたのは、本があったから、そして読書会があったからだと言っても良いかもしれない」。バイアスがかけられてしまうような帯ですが、本書を読むと著者がリスペクトすべき読書家であり、司書であり、翻訳者であることが認識できます。「本について語りながら、実のところわたしたち自身の人生を語り合ってきたのではないかと思う」。本書を読み終えて、本当にそう思いました。 今、たまらなく読みたくなった本は「崩れゆく絆」「チボー家の人々」「レ・ミゼラブル」。明日、ブックオフに行こうかな。

Posted byブクログ