夢見る帝国図書館 の商品レビュー
「昔は、この辺りに傷痍軍人さんたちがいっぱいいて、物乞いをしてたんだよ」現在は、お花見の時にテレビで話題になる上野公園の中を通り抜けながら、母が言った言葉を思い出した。なんだか、幼い頃の動物園行きが悲しくなって、以降、行かないと意地を張ったことまで。いや、今は普通に科学博物館や...
「昔は、この辺りに傷痍軍人さんたちがいっぱいいて、物乞いをしてたんだよ」現在は、お花見の時にテレビで話題になる上野公園の中を通り抜けながら、母が言った言葉を思い出した。なんだか、幼い頃の動物園行きが悲しくなって、以降、行かないと意地を張ったことまで。いや、今は普通に科学博物館やら東博やら行きますが… 『稲城』という名前を知って、『図書館戦争』の稲城司令はここからかな、とか、国会図書館での複写依頼って面倒くさかった、とか、あちこち引っかかって、読むのに時間がかかった。 視点人物と自分の興味が二重写しのようで、少し違和感を感じた。
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ゆったりとした気分で読了。視点人物はもちろん、出てくる人々が皆「普通」の感覚を持ち合わせているので、読んでいて安心感があります。 途中途中に挿入される「帝国図書館史」的なエピソードは、フィクション部分も含めて、とても興味深く読みました。個人的には吉屋信子に纏わるエピソードが、この...
ゆったりとした気分で読了。視点人物はもちろん、出てくる人々が皆「普通」の感覚を持ち合わせているので、読んでいて安心感があります。 途中途中に挿入される「帝国図書館史」的なエピソードは、フィクション部分も含めて、とても興味深く読みました。個人的には吉屋信子に纏わるエピソードが、このような小説に描かれているのを初めて目にしたと思います。 "繰り返し再読しても新たな発見がありそうな小説"に久しぶりに出会えた感じがして、とても満足です。お薦めです。
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『夢見る帝国図書館』(中島京子)読了。 老女・喜和子さんと作家・わたしの交流と、表題作が交互に綴られる一冊。 喜和子さんの来し方と、帝国図書館が産声を上げてから眠るまでが交わらないようで混じったような、やわらかな読み心地。 いまは無いものを悼むのではなく、寿いでいるみたい。 作中...
『夢見る帝国図書館』(中島京子)読了。 老女・喜和子さんと作家・わたしの交流と、表題作が交互に綴られる一冊。 喜和子さんの来し方と、帝国図書館が産声を上げてから眠るまでが交わらないようで混じったような、やわらかな読み心地。 いまは無いものを悼むのではなく、寿いでいるみたい。 作中の謎というか…過去を追いかけた結果の、最後の3ページが本当に素敵だった。スッキリというより、フワッと導かれた。 「上野はいつだって、いろんな人を受け入れてきた」 上野の図書館に行きたくなる。
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キャラクターが良いし、優しい雰囲気なので休みの日に読むのに最適。たまにはフィクションも良いな、と思える。
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【図書館を愛した人々と、図書館に愛された人々の物語】偶然出会ったわたしに、喜和子さんは「上野の図書館が主人公の小説を書いて」と頼むのだが……。ユーモアと愛しさあふれる歴史物語。
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