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夢見る帝国図書館 の商品レビュー

3.8

52件のお客様レビュー

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2023/09/30

今年初めて国際子ども図書館(元帝国図書館)へ足を運び、その佇まいに触れ、心地良くずっと過ごしていたくなる図書館だった。たまたまその歴史を知る機会もあり、そのタイミングでこの本と出会た奇跡。上野周辺のこと、関東大震災戦ー戦中ー戦後の移りゆく時代を帝国図書館そして「喜和子」さんを通し...

今年初めて国際子ども図書館(元帝国図書館)へ足を運び、その佇まいに触れ、心地良くずっと過ごしていたくなる図書館だった。たまたまその歴史を知る機会もあり、そのタイミングでこの本と出会た奇跡。上野周辺のこと、関東大震災戦ー戦中ー戦後の移りゆく時代を帝国図書館そして「喜和子」さんを通してタイムスリップするような感覚で読んだ。喜和子さんはじめ登場人物が皆個性的で魅力的な人ばかり。題名も好き。

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2023/09/16

小説家の私に「樋口一葉に恋する図書館の話を書いて」と迫る喜和子さんとの出会いと交流が軸になっているが、上野の町の歴史や描写、近代国家に仲間入りしたい明治政府の思惑で図書館は出来たけれど戦争で幾度も方針が変更され、その度にかかわる人々が翻弄されてきたという話やら、帝国図書館に訪れる...

小説家の私に「樋口一葉に恋する図書館の話を書いて」と迫る喜和子さんとの出会いと交流が軸になっているが、上野の町の歴史や描写、近代国家に仲間入りしたい明治政府の思惑で図書館は出来たけれど戦争で幾度も方針が変更され、その度にかかわる人々が翻弄されてきたという話やら、帝国図書館に訪れる文豪たちの帝国図書館に関係する短編が紹介されたり、そして戦争に関わる話、動物園のこと、憲法草案のベアテシロタさんまで登場する。多くのエピソードが詰め込まれていて、ものすごく楽しみながら読むことができた。

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2023/07/02

勉強になるなぁ…と思いながら読んだ。 最終的に悪者になる登場人物はなく、優しい物語だった。 「夢見る帝国図書館」タイトルが素晴らしい。

Posted byブクログ

2023/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心温まる、やさしいお話。 ところどころ、劇中劇ならぬ、小説中小説が入る形式で物語が進んでいく。 自由に生きているように見えた喜和子さんには、実は不自由に縛られた過去があった、とか。まぁ時代的にあの時代の女性は多かれ少なかれそうだった、とは思うけど。そう思うと私は随分自由で恵まれた時代に生きているんだなぁ、と。 そういえば、私は樋口一葉とか吉屋信子とかあんまり読んでこなかったのよね。。。このあたりの読書経験がもっとあれば、また読後感も違ったかも?

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2023/06/10

すてきなミステリーだったぁ。戦後を生きた喜和子さん。上野はなんでも受け入れるってなんてあたたかいの。台東区は生活保護率が23区の中でも圧倒的に高くておおふ…ってなったのもいい思い出。むしろ、そんだけ懐広くっていいことじゃない。いい事してんじゃん、と思った。 それよりストーリーの...

すてきなミステリーだったぁ。戦後を生きた喜和子さん。上野はなんでも受け入れるってなんてあたたかいの。台東区は生活保護率が23区の中でも圧倒的に高くておおふ…ってなったのもいい思い出。むしろ、そんだけ懐広くっていいことじゃない。いい事してんじゃん、と思った。 それよりストーリーの中身。谷根千界隈が懐かしい。喜和子さん宛の暗号の手紙。喜和子さんが「私はここでいいの」と子ども図書館に入らなかったのはそういうことだったのね。

Posted byブクログ

2023/06/07

帝国図書館(国会図書館)がこうやって人と歩んできたんだなぁと感慨深い。 『重ね書き』の手法で歴史が豊かに描かれていた。 東京の地理に詳しいと更に面白かったかも。。 私も図書館大好きだから、喜和子さんや歴史上の人物のように図書館と歴史を紡いでいけたらいいな。

Posted byブクログ

2023/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルは「夢見る」と素敵なんだけど、実際は戦争と金欠に振り回される現実的な図書館だった。 昔の偉人とかがユニークに描かれていて読みやすい。 主人公の友だちの喜和子さんが亡くなったあとも、お話は続いていて、よくある死んで終わり、というタイプの小説ではなかったのが新鮮だった。 喜和子さんと主人公のであった時期が今ひとつ分からなかったので、そこをある程度書いてくれていたほうがもう少し想像しやすかったかな。 戦後の図書館でゴードン姉ちゃん出てきたけど、まさかあんなにいい人っぽく書くとは思わなかった。 時代的に左に偏っていくのでは?とハラハラしながら読んだけど、どちらにも偏らずになるだけ真ん中で踏みとどまって時代を表現してくれた小説だと思った。

Posted byブクログ

2023/05/02

図書館建設の話かなと思っていたが、少し違っていた。 帝国図書館自身が帝国図書館の歴史を語る物語と、図書館を主人公にした話を書いて欲しいと依頼する喜和子さんの物語が交互に描かれる。 戦争に大きな影響を受けた帝国図書館と喜和子さんの姿が重なる。

Posted byブクログ

2023/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上野の公園で出会った二人の話は、ただ図書館を愛する喜和子と作家となった主人公の不思議な関係と、ファンタジーのような本好きの世界だと思っていた。 それがだんだん、喜和子の過去を知っていくミステリーの側面が出てくる。個性的で強引でどこか夢見る少女みたいな喜和子さんだと思っていたのが、かつては真逆の抑圧された人生を送っていたのがショックだった。徐々に明らかになっていくので惹きつけられる。人一人の人生、そんな簡単なものじゃないのだと突きつけられた。 帝国図書館を巡る歴史の話も面白く、さまざまな作家がかつて通った、大事な図書館という場所に想いを馳せた。 「としょかんのこじ」の後記の詩に泣いてしまった。どんな思いで瓜生平吉が「としょかんのこじ」を書いたかが分かる。

Posted byブクログ

2023/02/22

帝国図書館、現在の国立図書館を題材に本を書いてほしいと主人公、語りべに依頼した喜和子さんを巡るストーリー。前半は喜和子さんのとの不思議な交友、後半は喜和子さんが生前に残したささやかな謎を追い求める。生前は、喜和子さんとのユーモアを交えた交流が楽しいが、後半は、生前の謎が細やかすぎ...

帝国図書館、現在の国立図書館を題材に本を書いてほしいと主人公、語りべに依頼した喜和子さんを巡るストーリー。前半は喜和子さんのとの不思議な交友、後半は喜和子さんが生前に残したささやかな謎を追い求める。生前は、喜和子さんとのユーモアを交えた交流が楽しいが、後半は、生前の謎が細やかすぎて興味を持てず飽きてしまった。追求していることが本を書く目的から逸脱してないかともやもやした。 むしろ、物語の主人公が喜和子さんから依頼された帝国図書館の歴史の作品を読んでみたくなる。明治や昭和の文豪達が多く登場し、図書館との関わりを記すところや、図書館員による苦闘や歴史との関わりの部分は興味深い。

Posted byブクログ