1,800円以上の注文で送料無料

夢見る帝国図書館 の商品レビュー

3.8

52件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2023/01/13

上野界隈の地理もよくわからないし、帝国図書館に通っていたとされる作家達にも詳しくないけれど、喜和子さんの生涯の謎の部分が解き明かされていく様はミステリー要素があったて楽しめた。知識があればもっと楽しめたと思う。 上野動物園の動物達の話は衝撃だった。戦争はあかん。

Posted byブクログ

2022/12/26

上野の帝国図書館? 樋口一葉とか、芥川龍之介が足しげく通っていたということは聞いたことがある。 単行本が出たころから、気になっていた一冊だ。 文庫になって、やっと読むことができた。 そう、たしかに樋口一葉や芥川も出てくる。 なんと、図書館が主人公となる物語の中で。 が、それは分...

上野の帝国図書館? 樋口一葉とか、芥川龍之介が足しげく通っていたということは聞いたことがある。 単行本が出たころから、気になっていた一冊だ。 文庫になって、やっと読むことができた。 そう、たしかに樋口一葉や芥川も出てくる。 なんと、図書館が主人公となる物語の中で。 が、それは分量的にはわずか。 たしかに、その物語を通じて、読者は明治から戦後の占領期まで存在した「帝国図書館」の歴史を追うことができる。 が、それは物語の一半である。 では、もう一つは? それは、図書館と喜和子さんの物語だ。 ライターから小説家に転身していく語り手が、喜和子さんとの会話や、残された文書から、彼女の生涯を推定し、上野の帝国図書館が彼女にとってどんな存在だったかを解き明かしていく。 その謎解きの過程で、喜和子さんの娘、孫、喜和子さんが部屋をまた貸ししていた学生さん、その友人の社会学者、古本やどんぐり堂主人夫妻、元恋人の古尾野先生など、多くの人物が関わってくる。 よく見ると、その多くが本を扱う人々だ。 これらの人物たちが輻輳して喜和子さんの人生を編み上げていく。 読んでいくうちに、人が本なのか、本が人なのか混然とした感覚になっていく。 それから、上野という町の独特な魅力も伝わってくる。 この小説より後の時代を扱う柳美里の『JR上野駅公園口』を思い出した。 葵部落があったり、戦後の混乱期にはたくさんの戦災孤児を抱えた町でもある。 そういう懐の深さが、厳しい人生を生き、人生の半ばを過ぎてとうとう出奔する喜和子さんを引き寄せた。 中島さんらしい、凝った仕掛けがあるため、ぼーっと読み流すことはできない。 でも、喜和子さんの人生を、語り手に助けられつつ孫娘が受け止めていく姿に、温かい気持ちにさせられる。

Posted byブクログ

2022/11/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私にとっては期待外れな作品でした。 帝国図書館、現在の国際子ども図書館の素敵な建物についてや、(夢見る図書館パートにたまにありますが)文豪たちについて等を楽しみにしていたので図書館の話と言われるとうーん、となってしまいます。 図書館パートを途中から流し読み、平成パートも駆け足で、と集中力を欠いた読書になってしまいました。ジェンダーや母娘の確執等盛込み過ぎて飽きてしまったのが正直なところ。 ー真理がわれらを自由にする、に繋げたかったのだろうけれど中途半端な締めに感じられ腑に落ちませんでした。

Posted byブクログ

2022/11/26

"読書好きで図書館好き"と思っている私ですが、 勘違いなのかなぁ・・・!? 読んでいても興味がわいてこなくて、 バラバラとめくって終わりになってしまいました。 自分にもっと知識があったり、 深く読めば面白いのかもしれないけれど、 どうも今回は自分にあいません...

"読書好きで図書館好き"と思っている私ですが、 勘違いなのかなぁ・・・!? 読んでいても興味がわいてこなくて、 バラバラとめくって終わりになってしまいました。 自分にもっと知識があったり、 深く読めば面白いのかもしれないけれど、 どうも今回は自分にあいませんでした。

Posted byブクログ

2022/11/20

とっつきにくい題材なのかな、、 現代と過去を行ったり来たりで読みにくいかな、、と思いながら読み始めたが、戦前戦後の様子をリアルに感じられて、興味深かった。 戦争そのものの悲惨な描写は少なく、コミカルでくすっと笑ってしまう文章も垣間見られてホッとした。 最後の最後、散骨のシーンは...

とっつきにくい題材なのかな、、 現代と過去を行ったり来たりで読みにくいかな、、と思いながら読み始めたが、戦前戦後の様子をリアルに感じられて、興味深かった。 戦争そのものの悲惨な描写は少なく、コミカルでくすっと笑ってしまう文章も垣間見られてホッとした。 最後の最後、散骨のシーンは非常に美しく、亡くなった自分の母を思い出し、完全に手が止まってしまった。。。他の方のレビューにもありましたが、読み応えのあるお話でした。

Posted byブクログ

2022/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

偶然出会った女性と仲良くなり、のちにその生い立ちをたどる形で話は進む。ある意味でミステリーの要素があるのだが、緊張するとか驚くというような謎ときではなく、ゆっくり階段を一段一段下りていくようなペースで進んでいく。 各登場人物の気持ちも近からず遠からず程よい距離感で語られていて余韻が残される。 最後の落ちともいえる部分は見事だが、驚かすような意図ではなく、落ち着くところにふんわり落ち着いたと感じられる結末と感じた。 全体に図書館という場所と、そこに通う人々の歴史が重厚に感じられる作品であった。

Posted byブクログ

2022/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帝国図書館の当時の建設に携わった人達。戦後の苦難を乗り越えて頑張ってきた人達。図書館を主人公に仕立て上げて、いろんな人達の人間模様を上手く引き出したストリーには感心しました。

Posted byブクログ

2022/11/02

子供のころの上野の記憶って、どこか独特の暗さというか、いかがわしさみたいなものがあったのだけど、図書館を巡る戦後のいきさつなんかを読んで、ああそういうことだったのかと合点がいった。 初めて知ることばかりなのに、どこか懐かしい気もするのは谷根千あたりに残る風情と重なるからなのかな。...

子供のころの上野の記憶って、どこか独特の暗さというか、いかがわしさみたいなものがあったのだけど、図書館を巡る戦後のいきさつなんかを読んで、ああそういうことだったのかと合点がいった。 初めて知ることばかりなのに、どこか懐かしい気もするのは谷根千あたりに残る風情と重なるからなのかな。 中島さんのこういう、しんみりとユーモアが入り混じったお話、すごく好き。

Posted byブクログ

2022/10/18

今まで読んだことがない小説と思った。 もっと文豪達の小説のオリジナルを知っていたら愉しさがもっと大きかったかも 最後まで色んな思いが交錯したまま読みました。 面白かった。

Posted byブクログ

2022/10/13

上野公園で知り合った個性的な喜和子さんとの交流と、「夢見る帝国図書館」の物語が並行してすすんでいく。喜和子さんの過去をたどっていくことと、帝国図書館の歴史をたどっていくことで知らなかった戦中戦後の大変さを知ることもできる。後半、読みすすめていくと、喜和子さんと交流のあった人たちが...

上野公園で知り合った個性的な喜和子さんとの交流と、「夢見る帝国図書館」の物語が並行してすすんでいく。喜和子さんの過去をたどっていくことと、帝国図書館の歴史をたどっていくことで知らなかった戦中戦後の大変さを知ることもできる。後半、読みすすめていくと、喜和子さんと交流のあった人たちが、皆なにかしら思いを抱えている人たちで、その寂しさみたいなものをうまく包んでくれていたのが喜和子さんだったんだと思った。

Posted byブクログ