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夢見る帝国図書館 の商品レビュー

3.8

52件のお客様レビュー

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    13

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2024/06/07

帝国図書館の歴史と、ひとりの女性(喜和子さん)の人生が交差しながら語られる。物語がいったりきたりするので少しずつ読み解くように読む必要があった。 国立国会図書館は知っていたけれど帝国図書館(後に国立図書館と改称)の存在を私は知らなかった。樋口一葉、菊池寛、宮沢賢治、夏目漱石など…...

帝国図書館の歴史と、ひとりの女性(喜和子さん)の人生が交差しながら語られる。物語がいったりきたりするので少しずつ読み解くように読む必要があった。 国立国会図書館は知っていたけれど帝国図書館(後に国立図書館と改称)の存在を私は知らなかった。樋口一葉、菊池寛、宮沢賢治、夏目漱石など…文豪が身近な存在として感じられる帝国図書館の歴史パートはなかなか興味深かった。 喜和子さんの人生パートでは戦後の女性の立場の変遷が描かれていた。 読み応えのある1冊だった。

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2024/04/15

喜和子さんと小説家の「わたし」が交流する現実パートと、帝国図書館を主人公とした夢見る帝国図書館パートが交互にやってくる不思議な本。 内容はそんなにハマらなかったけど、舞台となった国際子ども図書館にはいつか行ってみたい。

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2024/04/05

喜和子さんの人生と夢見る帝国図書館の2つの物語が進みゆく 物語の中で目にする名だたる文豪達の名前が登場 史実を元にしているのだとは思うが、その辺は私は無知なので物語の1つとして楽しんでいた なんというか普通に、あっ!知ってる名前発見!!的な感じで…笑 もしかしたら、文豪たちや帝...

喜和子さんの人生と夢見る帝国図書館の2つの物語が進みゆく 物語の中で目にする名だたる文豪達の名前が登場 史実を元にしているのだとは思うが、その辺は私は無知なので物語の1つとして楽しんでいた なんというか普通に、あっ!知ってる名前発見!!的な感じで…笑 もしかしたら、文豪たちや帝国図書館の歴史について詳しい人なら私とは違う楽しみ方をできるのかな?と思ったり 喜和子さんの人生は温かく寂しく悲しく楽しく1人の人生の歩みを覗き見る 彼女はどんな気持ちだったのだろう 彼女は幸せだったのだろうかと きっと語り部の「わたし」も色々な想いになったことだろう 喜和子さんと「わたし」の不思議な関係性を、私は羨ましいなと感じられる 物語で出会った喜和子さんに関わる人々を通し、彼女がどんな女性で彼らにとってどのような存在なのかを見ると、本当に感じ方は人それぞれ 実際の歴史を全くもって私は知らないので想像するしかないのだが、本が貴重な時代の中では学ぶために帝国図書館へ多くの者が足を運んだことだろう そして帝国図書館に彼らは愛されていたことだろう 喜和子さんも、帝国図書館に愛された1人なのかもしれない 京極夏彦先生の解説を読み、少し感じ方を変えるのもまた一興だなと

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2024/02/29

帝国図書館にまつわる話と主人公の半生を織り交ぜながら描いている。著名な文豪も数多く出てきて面白いのだが、私には理解できない内容も多かった。あー、無知な自分が恥ずかしい…。現代の小説に慣れすぎているせいか、本作品は読むのにはとても苦労した。

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2024/02/14

貴和子さん亡くなってから、半分もだけど、話だったって、もはや貴和子半生記だった。帝国図書館と交互に書かれていてそれが面白いし、でも思ったより頭の中に入ってこずですから。亡くなった時の暗号めいた手紙の解読する図書館で会いましょうの件は微笑ましい。そして最後の帝国図書館の貴和子さん出...

貴和子さん亡くなってから、半分もだけど、話だったって、もはや貴和子半生記だった。帝国図書館と交互に書かれていてそれが面白いし、でも思ったより頭の中に入ってこずですから。亡くなった時の暗号めいた手紙の解読する図書館で会いましょうの件は微笑ましい。そして最後の帝国図書館の貴和子さん出てくる件でじんわりきてしまう。これは感動した、とつとつと推理小説の感じで流れていくがやなせんが舞台のふんわり出会いふんわり遊ぶ2人の関係は良い。途中蔑ろにしてしまった所はダメだけど

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2024/01/21

タイトルと装丁に引かれて購入したが、内容は1人の謎めいた老人女性をめぐる温かで優しい話で、想像とは異なっていた。途中で挿入される図書館の話と本編の流れに心地よいスイングを感じることなく、途中から飽きてしまった

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2024/01/21

中島京子作品は好きで、ふふっとなったり読み終わりも気持ちの良い本が多い。 これは少し形式が変わっていて最初少し慣れなかったけど、やっぱり読みやすく優しい本でした。 正直、『夢見る帝国図書館』の物語パートはあんまり好きじゃなかったけど笑、中盤からはミステリーでもないのに続きが気にな...

中島京子作品は好きで、ふふっとなったり読み終わりも気持ちの良い本が多い。 これは少し形式が変わっていて最初少し慣れなかったけど、やっぱり読みやすく優しい本でした。 正直、『夢見る帝国図書館』の物語パートはあんまり好きじゃなかったけど笑、中盤からはミステリーでもないのに続きが気になりすいすい読み進めた。 もうちょっと日本の戦争の歴史や文豪のことなど、知っておけばな〜と思ったところがあって、うーむまだまだ勉強しなくては。もっと本を読みたい、色んな事を知りたいな。

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2023/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作家の「わたし」は、上野公園で知り合った喜和子さんに図書館が主人公の小説を書くように頼まれる。自由な雰囲気の喜和子さんだったが、実は幼少期から戦後の混乱や古いしきたりの家族に縛られており、そこから脱出したのは、娘が18歳になってからだった。 帝国図書館の歴史と喜和子さんを巡るストーリーが交差しながら描かれる、なんだか不思議な物語。戦争や男尊女卑がまかりとおる社会、その時代の人たちの幸せって何だろうなど、いろいろ考えさせられた。 喜和子さんの最期の希望どおり、東京湾に散骨してもらえてよかったと思わずにはいられない。

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2024/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国際子ども図書館はなじみの図書館なので今に至るまでの歴史を物語の中で感じることができ新鮮でした。 2重構造になっていることで時代を追う描写に奥行きが生まれ、ぐっと入り込む感覚、時代に翻弄されたのは人だけではなく本も同じであり、もし、彼らに命が吹き込まれていたならば私たち人間が語ることができないほど様々な情景を目にしてきたことであろうと思いました。 みなさんは国立国会図書館に行ったことはありますか。国会図書館は日本で出版されたあらゆる書物を閲覧することができる国家施設です。では、国会図書館はいつからあるのでしょうか。その創設の歴史を描いた物語が、中島京子さんの『夢見る帝国図書館』(913.6-ナ 文藝春秋)です。明治時代、日本は西洋諸国にならい、近代国家への道を歩み始めます。力を持つ国の多くは国内に大きな図書館を持ち、そこにその国のすべてが集まっていました。書物は国の宝。本作は国の宝を守るべき城・国会図書館を主人公とした小説を書きたいという夢を託される主人公の物語部に、主人公による国会図書館とそこに通う人びとの交流を描いた小説が入れ子型になった作品です。国会図書館が帝国図書館として上野にあった時代、足繁く通う樋口一葉に図書館があわい恋心を抱いていたとか、戦時中に、上野動物園の動物たちによる叫びを聞いていたとか、図書館が口を持っていれば私たちに何を語ってくれるのか想像しながら読むととても興味深かったです。

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2023/11/18

小柄でちょっと風変わりの、高齢だがどことなく少女チックな喜和子さん。ちょうど私の母と同じくらいなのか。駆け出しの小説家の私とある日めぐり逢い、帝国図書館のことを書いてくれという。戦後の混乱期、日々なんとか食いつないでいくしかなかった苦労人が山ほどいたことだろう。喜和子さんも義兄に...

小柄でちょっと風変わりの、高齢だがどことなく少女チックな喜和子さん。ちょうど私の母と同じくらいなのか。駆け出しの小説家の私とある日めぐり逢い、帝国図書館のことを書いてくれという。戦後の混乱期、日々なんとか食いつないでいくしかなかった苦労人が山ほどいたことだろう。喜和子さんも義兄に嫁いだ母に捨てられたような感じ、結婚後も夫や姑から虐げられて、そこから逃げ出してきた。安定などなかった。図書館も存亡の危機を繰り返していた。 タイトルにある、夢見る図書館。 私たちが夢に見る図書館なのか、図書館が夢を見るのか。そのどちらでもあり。 樋口一葉のことをきっと図書館は恋してしまう。 そんな素敵な擬人化が出てくる。 肩こりで近眼の一葉は、本にぐっと顔を近づけて読んだ。 帝国図書館と樋口一葉、相思相愛。 文豪たちが通いつめ、そして戦禍に呑み込まれた帝国図書館。現在の国立図書館となるまでの数々のエピソードが読める。それと交互して、喜和子さんというひとりの女性の来し方が、彼女の死後、それこそページを繰るように少しずつ詳らかになっていく。たしかに波乱万丈ではあれ、なんでもありの戦後においては珍しくはなかったであろう境遇、その中で誰をも拒まず受容する上野という土地、そして図書館は、ひとりの女性の心の拠り所だったし、きっと他の多くの人にとって安らぎの場であっただろう。 豊かで優しいお話。 私も国立図書館の椅子に座り、想像するしかない百年の過去に思いを馳せつつひとときを過ごしくたく思う。

Posted byブクログ