夢見る帝国図書館 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
はじめての著者 本屋で気になってジャケ買いした タイトルと表紙のデザインが良かったし、紫式部文学賞受賞作で、解説が京極夏彦なのが決め手かな 上野公園のベンチで出会った喜和子さんが、作家の私に「図書館が主人公の小説を書いて」と言ってくる。公園や喜和子さんの自宅で穏やかに交流する中で、喜和子さんの終戦直後の記憶や、日本初の国立図書館の物語が明かされていく 国立国会図書館はネット上で利用するが、訪問したことはない。日本のすべての出版物が納本制度で集められている膨大な蔵書を有する建物を、一度は訪問してみたいと思った
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何かで紹介されていた。 上野にある、以前の国会図書館、今の「国際子ども図書館」を巡る話。 「国際子ども図書館」は建物の雰囲気などが好きなので、近くを通ると寄ったりしている。 図書館の歴史と、戦前〜戦後の女性や子供の生きにくさなどが詳しく書かれていて、初めて知ることが多かった。...
何かで紹介されていた。 上野にある、以前の国会図書館、今の「国際子ども図書館」を巡る話。 「国際子ども図書館」は建物の雰囲気などが好きなので、近くを通ると寄ったりしている。 図書館の歴史と、戦前〜戦後の女性や子供の生きにくさなどが詳しく書かれていて、初めて知ることが多かった。小説なので、すべてが事実ではないのかも知れないが。自分の道を切り拓いて、死後も多くの人に慕われた喜和子さんは幸せな人生だったんだなぁと思った。
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喜和子さんの魅力に夢中になるうちに、「わたし」と、これまた魅力的な人々と、一緒に時間を遡る旅に。 2025年1冊目、よい読書ができました。 中島京子さんの作品を読むのは初めてで、これから読み進めようと思います。
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本を書こうとしていた喜和子さん。彼女と彼女が描こうとしていた図書館のお話が交互に書かれている。 喜和子さんは途中で物語から姿を消して、彼女の過去を突き止めようとする推理小説のような感じがした。 図書館の歴史は概論でさらっと流しただけなので、いろんな事があったのだなぁと感じたし...
本を書こうとしていた喜和子さん。彼女と彼女が描こうとしていた図書館のお話が交互に書かれている。 喜和子さんは途中で物語から姿を消して、彼女の過去を突き止めようとする推理小説のような感じがした。 図書館の歴史は概論でさらっと流しただけなので、いろんな事があったのだなぁと感じたし、司書資格を持つなら、もっと知っておくべきであったと思う。 時代の混乱とも相まって、図書館も書籍も語る。 史実と創作の境がよくわからない。あり得たかもしれないおはなし。 近くに図書館のあることの幸せ。 本を読みに行くことができることの幸せ。 デジタル送信もできるようになって、さらに図書館は広がる。
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壮大な歴史の物語と、喜和子さんとわたしの交流を織り交ぜたストーリー。 雄之助くんや織部さんなど、わたしが関わる人達が魅力的。
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241115*読了 1日をかけて読み切った本。 中島京子さんの著作を読むのは、こちらが初めて。 関西で生まれ育った身にとって、上野の国立国会図書館は身近な存在ではない。 本好きとして、国会図書館には行きたくてたまらないのに、京都の関西館にすら赴いたことがない。 その歴史も知ら...
241115*読了 1日をかけて読み切った本。 中島京子さんの著作を読むのは、こちらが初めて。 関西で生まれ育った身にとって、上野の国立国会図書館は身近な存在ではない。 本好きとして、国会図書館には行きたくてたまらないのに、京都の関西館にすら赴いたことがない。 その歴史も知らないままに本書を読んだ。 そして、来年、必ず上野の国会図書館(今は子ども図書館)に行こうと思った。 まず、福沢諭吉のひと声、そして戦争に予算を取られいつだって汲々としながらも、図書館をつくり、存続させなければと熱意を持ってくれた人たちに感謝したい。 当時を生きた文豪たちにとってもなくてはならない場所で、帝国図書館があったからこそ生まれた作品もある。 そして、現代において図書館は各地にあたりまえにあるもの。その広がりのはじまりが帝国図書館でもある。 近頃はあまりにもおしゃれな図書館ができる一方で、利用者が少なくなり存続の危機に陥りかねない図書館もある。 本好きとして、これには胸が痛い。なんとかせねばと焦る気持ちもある。 すべての人に開かれた存在。本があるから豊かになれる。本との出会いを作ってくれる場所。失われてはいけない。 さて、本編の話を。 喜和子さんと語り手の女性の出会い、交流、喜和子さんの周辺の人たちとの交流。 喜和子さんと出会った頃の語り手がちょうど今の自分と同じくらいの歳で、でも自分にはここに描かれているような出来事は起こり得なさそうで、それが小説のいいところだと思ったりもして。なんだかいいなぁと傍から見つめている心持ち。 喜和子さんというひとりの女性に秘められた過去が切なく濃密で、もっと知りたいとページをめくる手が止められなかった。 日本の戦争を経験した人はどんどんこの世から消えていって、それは戦争が起きていないということなので、この先もそうであってほしいのだけど、戦時中、戦後の想像もつかないような当時の様子を語る人がいなくなることは、あの恐ろしさを繰り返さないようにしようという意識が薄れてしまうんじゃないかと怖くなる。 だから、いかにも戦争を語っていますよ、というわけじゃない、このような小説で戦争を伝えてくれることは大切だし、意味がある。 帝国図書館の歴史を通して、戦争を見つめられる。そうやって、読者の心に戦争をとどめてほしい。その役割を担ってくれているこの小説の意義は大きい。 余談。 最近読んだ千早茜さんの「ガーデン」に植物園が登場し、その影響を受けて植物園に行きたくなり、それならと京都植物館に向かう電車の中でたまたま次に読んだこの本には、小石川植物園が登場。 出てくるなんてもちろん知らなかった。 これもなにかの因果だろうか。
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中島氏の文章の読みやすさとストーリーの進捗がしっくりくる一冊だと思います。当時の図書館がいかに「読みに行く場所」であったかを想像するのも楽しかったですし主人公喜和子さんの不思議さが謎解きのような存在になってくれて興味を持って読みました。
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読むのに苦労しても、なぜか最後まで読み通したくなる本ってあると思うのだけど、まさにそれ。 喜和子さんという不思議な女性を中心に据えた現実世界と、帝国図書館が関わる人々を見ているような視点で描かれる不思議な歴史小説という、2つの全く異なる物語が交互に展開する。 ようやく展開され...
読むのに苦労しても、なぜか最後まで読み通したくなる本ってあると思うのだけど、まさにそれ。 喜和子さんという不思議な女性を中心に据えた現実世界と、帝国図書館が関わる人々を見ているような視点で描かれる不思議な歴史小説という、2つの全く異なる物語が交互に展開する。 ようやく展開される状況に慣れてきたと思ったら、急にもう1つの物語に飛ばされる感覚は、せっかく遊び方に慣れてきたおもちゃを、わけもわからず、急に取り上げられる状況に似ている。 だけど、やめられない。 なんとなく意地になって、与えられた物語を新たな気持ちで読み進めて、気がつけば、またそちら側に夢中になってしまう。 物語の終盤。 今流行りの、大どんでん返しはない。 全てがはっきりと繋がったりもしない。 ただ、あるのは予兆だけ。 もしかして、こういうこと? なんとなく、こうかもしれない。 ・・・まいったな。 これ、あと何回読めばスッキリするの? 笑
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史実とストーリーが入り混じって、へーそうなんだ!ってこともあれば、ベースとなるストーリーにも惹きつけられ。。。なんか少し世界が広がった気がする本でした。図書館を中心に、著名な作家とその物語が繋がっていく構成もすごく素敵でした!
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上野で出会った喜和子さんと作家のわたしが交流する現代パートと夢見る帝国図書館パートが交互にやってくる作り。 この「夢見る帝国図書館パート」が誰かが書いた物語なのかうわ言なのかよくわからないまま読み進めていましたが、ラストですべてが丸く繋がります。 本名は貴和子だけど、ある時を...
上野で出会った喜和子さんと作家のわたしが交流する現代パートと夢見る帝国図書館パートが交互にやってくる作り。 この「夢見る帝国図書館パート」が誰かが書いた物語なのかうわ言なのかよくわからないまま読み進めていましたが、ラストですべてが丸く繋がります。 本名は貴和子だけど、ある時を境に喜和子を名乗り続けたという部分が、喜和子さんの笑顔や過去を経ての生き方を感じられてこの物語の中で一番好き。
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