ついでにジェントルメン の商品レビュー
このタイトル、中山七里さんの「さよならドビュッシー」シリーズと勘違いしていた。ひらがな+カタカナしか共通点ないのに…。作品は後半のほうが好み。「あしみじおじさん」は児童文学の受け止め方が面白かった。
Posted by
短編集。コロナ禍の話もいくつか。 読み始めて、作家さんのお話かぁと思ったら、いきなり菊池寛像が話し出したので驚いた。こういうの嫌いじゃないな。楽しかった。 お舅さんと暮らす話が好き。そのあとの展開も読んでみたい。 高級レストランの話も、おっさんたちの気まずい表情を思うと、痛快。
Posted by
自分を守りたいがために他人や世間を意識しすぎてしまう愛すべき人たちをユーモラスに描いた短編集。全7話。 * * * * * 柚木麻子さんと言えば女性目線で世間や固定観念のおかしな点をつついた作品が多く、読後は「うん、なるほどな」と呟いて終わ...
自分を守りたいがために他人や世間を意識しすぎてしまう愛すべき人たちをユーモラスに描いた短編集。全7話。 * * * * * 柚木麻子さんと言えば女性目線で世間や固定観念のおかしな点をつついた作品が多く、読後は「うん、なるほどな」と呟いて終わる印象でした。 けれど本作は、テーマとしてはそれまでと同じなのにテイストは違っていて、読後はカラッと笑えて実におもしろかった。 特に菊池寛を登場させた第1話と最終話は出色だと思いました。 その2話で描かれている菊池の横顔は異なるのですが、どちらもいかにも菊池寛といった感じがよく出ていて笑ってしまいました。 人の思惑など気にしなさんなとばかりに笑い飛ばしたりイタズラしたりする菊池の子供っぽさもよかったし、若い人たちの可能性に対し、出資はするが口は出さないという菊池の鷹揚さもよかった。 それに対して他の男どもの情けなさはどうだろう。 新人女性作家に対し上から目線と嫉妬心で意地の悪い対応をする1話目の女々しい編集者。 女性専用車両に居座り動かない3話目の屁理屈男たち。 高級ワイン鮨屋に若い女性を連れていきあわよくばとよからぬことを画策する4話目のヒヒ親父たち。 そして最終話に登場する、女性専用アパート1階のカフェに入り浸るモテない男どもやゴシップ記者たち。さらに、女性関係にだらしない谷崎潤一郎。ああ不快で身の毛もよだつ。 どの話も軽く読めるわりに箴言のように心に刺さる言葉も配されていて、とてもおもしろかった。個人的に好みにぴったりで印象深かったのは、1話目、4話目、6話目。映像化しないかなあと淡い期待を抱いたりしています。
Posted by
楽しく読んだ。この作者はこれぐらいの短編が一番活き活きしていて面白い気がする。男や権力者、頭の固い人たちの作った不自由なルールを破り捨てて軽やかにたくましく生きていく女子たちの話、スカッとするけど、フェミニズムという言葉に過剰に反応して論理もなく攻撃する哀れな人々には永遠に届かな...
楽しく読んだ。この作者はこれぐらいの短編が一番活き活きしていて面白い気がする。男や権力者、頭の固い人たちの作った不自由なルールを破り捨てて軽やかにたくましく生きていく女子たちの話、スカッとするけど、フェミニズムという言葉に過剰に反応して論理もなく攻撃する哀れな人々には永遠に届かないんだろうなと思うと絶望する。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集。 全部が全部爆発的に面白かった。どの作品も展開が想像の斜め上を飛び越えていた。まず、第一話の菊池寛話にしても、「上手くいかない若手女子の話かな」と思ったら、まさかの菊池寛の銅像がしゃべる展開。ファンタジーだったの?眼鏡も外せて、眼鏡をかけたら文章の直しができてしまう設定、なのに主人公はその力を使っていないし。作家らしい苦労をしていないと悩むわりに、祖母を含む家族とめっちゃ仲が良くて、陽気にすごしてしまう。そのちょっとした食卓の場面も丁寧で、にぎやかな雰囲気が伝わってくる。とにかく読んでいてわくわくした。「次、どうなるの?」の連続であった。 アマゾンのレビューを見てみると、作者の作風は「シスターフッド」と表現されている。そのため、好き嫌いがあるのかな。今回は短編集だからかもしれないが、シスターフッド?女性同士の結束力?みたいなのはそれほど強く感じなかった。それよりも、強い力で立て続けにやってくる斜め上からの展開をひたすら楽しんだ。 「Come come Kan!」文学賞を受賞してデビューした若い女性。しかし続編が作れなくて困っている。文藝春秋本社ロビーで突然菊池寛の銅像に話しかけられる。菊池寛はとてもユーモアのある人で、若手を育成するのが好きだったらしい。菊池寛に励まされて女性はだんだん自分を取り戻していく。 「渚ホテルで会いましょう」ベテランの作家。かつてそのホテルを舞台にした不倫小説を大ヒットさせたが、それは自身の不倫体験を元に描いたものだった。数年ぶりに行ってみるとやたらと家族連れが増えていた。当時その不倫小説を読んでいた人たちが祖父母になり、孫たちを連れてくるようになったのだ。作家はそこでかつての恋人の幻影を何回も見る。また父親と子どもの二人連れを見かけ、次の小説の題材にできるかと考える。ところが作家はホテルから苦情を言われる。女性に度々声をかけられクレームが来たのだ。さらに、父子連れは、母親に捨てられたのではなく、母親が仕事を終わるのを待っていたのだった。 「エルゴと不倫鮨」今日こそ部下と関係を持とうと考えている男性。そうした場にうってつけの隠れ家的レストランがある。おまかせで、お寿司のコースとワインをを出してくれるのだ。シェフ?と男性客たちは息がぴったりだ。一見さんお断りのはずなのに、乳飲み子を抱えたボロボロの女性がやってくる。彼女はこのビルのオーナーのお母様と知り合い。やっと子供が卒乳できたので、生もの・チーズ・大好きなワインを飲みに行ってきたのだ。お客さんたちの中で誰よりもワインと料理に詳しい彼女は、おまかせコースを無視して次々とシェフに注文を出していく。男たちは鼻白んでいたが、女性客たちは意気投合し彼女を応援しながら同じものを頂いたのだった。 「立っているものは舅でも使え」夫の不倫が発覚し、離婚調停のため実家に戻ってきた若い女性。夫はカフェチェーン会社役員の息子だった。突然舅がやってくる。彼も息子と一緒に暮らすのが嫌だという。母親は数年前に病死したが、主人公は舅と夫にこき使われたからではないかと考えている。主人公が自分で仕事をしている間、家事子供の世話を舅にやらせることにした。舅は全く家事ができなかったが、必死で食らいつこうとする。なんとなく協力関係が出てきた2人。最後に主人公は夫にほだされそうになるが自分が、かつて自分が働いていたコーヒーチェーンの一店に入り、気を取り直したのだった。 「あしみじおじさん」主人公の若い女性。治安の悪い団地暮らし、学歴もなし、パートで毎日ヘトヘト、見た目に欠点があると考えている。友人の勧めで格安美容整形外科に行こうとする。そこになぜかあった世界文学全集に目を留め、女子生き方について考え巡らせる。そして色々なツテを辿って東京の高級住宅地の家政婦として働いたり、その家の隣に助っ人として働いたりし、裕福な女子大生と知り合う。彼女の教授が世界文学全集を編集したのだった。貧困の連鎖から抜け出そうとする自立した女性の話。 「アパート一階はカフェー」関東大震災後の話。同潤会が建設した大塚女子アパートメントは働く女性たち専用のアパートだ。会社員、雑誌編集者、そして喫茶店経営の主人公。世間の男性からは好奇の目で見られることもあるが、のびのび暮らしている。そしてカフェの出資者は菊池寛だったのだった。
Posted by
7話からなる。 この5月に東京に行き、文藝春秋社の建物を横目で見て来た所であった。 この本の最初のページから、何か親しみやすそうと手にしたのだけど… 新人作家になっても、なかなか、次の作品が大変である。 菊池寛の幽霊?なるものと対話出来るのも面白い設定だけど、話が飛躍し過ぎて、大...
7話からなる。 この5月に東京に行き、文藝春秋社の建物を横目で見て来た所であった。 この本の最初のページから、何か親しみやすそうと手にしたのだけど… 新人作家になっても、なかなか、次の作品が大変である。 菊池寛の幽霊?なるものと対話出来るのも面白い設定だけど、話が飛躍し過ぎて、大丈夫かな?なんて思ってしまった。 今朝の新聞に、芥川賞受賞者の若竹千佐子氏の第二作目「かっかどるどるどう」が紹介されていたけど、この作品出来るのも案外期間がかかったのだろう、と想像される。 この本の中で、興味が持てたのは、エルゴと不倫鮨、立っている者は舅でも使え、である。 卒乳で自分のご褒美に豪快な飲みぷりに、応援したくなりそう。(笑) 立っているのは、親でも使え…… 私の友人は、この後、……ましては、赤の他人はこき使え!!!と言っていたのを思いだした!(笑) しかし、夫と縁が切れたら、義父母も縁が無くなるのだと、ハタッと気がついた。 ここでの話では、良い関係で、対話も性格も夫より良いのか素敵である。 あしみじおじさんの話も、あしながおじさんをこんな風に側面から、見る事はなかなか出来なかった。 小説も、色んな立場から、眺めると、こんな風に解釈出来るのだと気がついた。
Posted by
柚木麻子さんの他の本を読んで面白かったので、手に取ってみました! 短編集だから、自分が気になるストーリーだけを読みました! Come come Jan 渚ホテルで会いましょう 勇者タケル〜 立っている者は〜 あしみじおじさん 全体的に面白かったが、勇者タケル〜は設定がいまいち入...
柚木麻子さんの他の本を読んで面白かったので、手に取ってみました! 短編集だから、自分が気になるストーリーだけを読みました! Come come Jan 渚ホテルで会いましょう 勇者タケル〜 立っている者は〜 あしみじおじさん 全体的に面白かったが、勇者タケル〜は設定がいまいち入り込めず。 サクッと読みやすいので、長い物読めないなぁという時にオススメ。、
Posted by
自由に豪快に寿司を食べる人がとても素敵で、いつかこんなふうになりたいなーと思った。お酒は飲めないけれど。 自分の味方でいるために、何ができるのか。なんて考えるまでもない!無条件で、そうできるようになればいい。
Posted by
Amazonの紹介より 分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。 編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に...
Amazonの紹介より 分かるし、刺さるし、救われる――自由になれる7つの物語。 編集者にダメ出しをされ続ける新人作家、女性専用車両に乗り込んでしまったびっくりするほど老けた四十五歳男性、男たちの意地悪にさらされないために美容整形をしようとする十九歳女性……などなど、なぜか微妙に社会と歯車の噛み合わない人々のもどかしさを、しなやかな筆致とユーモアで軽やかに飛び越えていく短編集。 どこか異色のある人達の物語をコミカルに描いていて、時折クスッとさせられました。 特に最初の話では、ドリフのコントに出てくる荒井注さんのキャラクターに似ている設定が面白かったです。 それぞれの話に出てくる女性達の団結力は、凄まじかったです。反対に男性は…自分勝手な人達ばかりで、自分も含め、もう少し頭を柔らかく考えようと思ってしまいました。
Posted by
7編からなる短編集 Com Com Kan!! 文藝春秋社の一階サロンでの様子から始まる。 作家さん達は、こんな雰囲気の場所で打ち合わせするんだなぁ〜! そして、新人作家と編集者との関係とかを、少し 垣間見ることができて、楽しい。 菊池寛の像にはびっくり‼️ エルゴと不倫鮨 ...
7編からなる短編集 Com Com Kan!! 文藝春秋社の一階サロンでの様子から始まる。 作家さん達は、こんな雰囲気の場所で打ち合わせするんだなぁ〜! そして、新人作家と編集者との関係とかを、少し 垣間見ることができて、楽しい。 菊池寛の像にはびっくり‼️ エルゴと不倫鮨 子育て真っ最中の作者さんの、思い炸裂? 産前、産後、授乳中は、ナマモノやアルコールを口にできない辛さとか。 読後は、スカッとした。 アパート一階はカフェー 面白かった! 1931年の話し➖そう、菊池寛が活躍中の時代。 女性専用アパートメントでの話 菊池寛氏のひととなりが、とてもユニークで、 良い感じ❗️
Posted by