アルツ村 の商品レビュー
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ところどころ会話の違和感、謎だった部分も回収されてって納得の最後でした。認知症について勉強になるところもあれば、身内の介護やヤングケアラーだったり現代社会の問題も描写されており考えさせられました。
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「あなたのパパはとても優しい人で、いつもママのことを大切にしてくれたのよ。」 主人公明日香は、夫と娘リサと幸せな暮らしを送っていた。「ある日を境に」夫のDVが激しくなり、リサと家を逃げ出すことに。 辿り着いたのは通称アルツ村。アルツハイマー型認知症の高齢者が、サポートを受けな...
「あなたのパパはとても優しい人で、いつもママのことを大切にしてくれたのよ。」 主人公明日香は、夫と娘リサと幸せな暮らしを送っていた。「ある日を境に」夫のDVが激しくなり、リサと家を逃げ出すことに。 辿り着いたのは通称アルツ村。アルツハイマー型認知症の高齢者が、サポートを受けながら生活する、自立・解放型の住居が集まる村だ。しかし、その存在は秘匿されていた。 ここでは認知症でも適切なサポートを受け、その人らしい生活を送れているように見えた。この村での明日香の暮らしと、ジャーナリストの取材メモが入れ替わりに進んでいく。 認知症の家族の介護の壮絶さ。行きつく先はアルツ村のような“姥捨て山”しかないのか…。 ガンのように治療や予防が進まない、認知症の研究への壁。 明日香がこのアルツ村での生活を許されたのはなぜか? 夫のDVからのシェルターの役割と勝手に思い込んでいたけれど、最後に想定外の事実が描かれる。 思わず作品の最初に戻って、「ああ、そういうことだったのか!」と納得。 認知症について、しっかりと描かれている作品だ。
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あまりに暴力的なこと(夫や車)が続くので、読む気が無くなり、とりあえず結末を知って終わろうとしたら、、、 あぁ、そうことだったのか。なるほど。なるほど。と再チャレンジ。認知症だった母を思い出しながらあっという間に読み切りました。
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いったいこの主人公はどうなってしまうんだろう。このアルツ村でずっと娘と平和に暮らせたらいいのに。 と祈る気持ちで読んでいたら…最後は驚きと哀しみと色んな感情が湧いて、充実感ある内容でした。
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第9章で綴られる、認知症を介護する若者、いわゆるヤングケアラーの悲痛な心の叫びがとても印象的でした。 また、終盤の伏線回収後に再度通読すると、背筋に寒気が走りました。著者に一本取られましたね。 大変面白い作品でした。
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05月-12。3.5点。 夫のDVから逃れるため、小さい娘と家を飛び出した看護師の主人公、老人ばかりが暮らす集落に迷い込み。。。 結構コワいストーリー。ラストが少し尻すぼみ感があった。
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夫からのDVから逃げる途中、偶然立ち寄った集落、北海道のとある場所で、ひっそりと隔離されるようにある集落。 看護師である明日香は娘と共に、そこで受け入れてもらい、しばしの安息を手に入れるのだが。 そこには高齢者しかいない、何かみんなの様子がおかしい、普通に機能しているように見えて...
夫からのDVから逃げる途中、偶然立ち寄った集落、北海道のとある場所で、ひっそりと隔離されるようにある集落。 看護師である明日香は娘と共に、そこで受け入れてもらい、しばしの安息を手に入れるのだが。 そこには高齢者しかいない、何かみんなの様子がおかしい、普通に機能しているように見えてなにかがおかしい。 明日香は色々調べ始めると、想像もできない出来事が隠されていた! それは人道的にも許されないであろう恐ろしい事実。 怖い、怖い。 そして終盤に明かされる明日香についての事実、作者の南さんは医師でもありますが、実にストーリーテラーです。 踏み込んだ医学的な説明も大変勉強になります。
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『そこは楽園か、遺棄の地か』 かなり衝撃的な帯が目を引く本作。 本作はヨーロッパではすでに取り組みがある『Alzheimer's Village』をモチーフにした、認知症者同士が支え合う自立型住宅、生活ケア付きコミュニティが舞台。 しかし、その実態は認知症者の脳を不法...
『そこは楽園か、遺棄の地か』 かなり衝撃的な帯が目を引く本作。 本作はヨーロッパではすでに取り組みがある『Alzheimer's Village』をモチーフにした、認知症者同士が支え合う自立型住宅、生活ケア付きコミュニティが舞台。 しかし、その実態は認知症者の脳を不法に剖検し、脳バンクを作るための研究機関だった。 近年、約600万〜700万人。65歳以上の約5人に1人は認知症であると言われている、認知症大国・日本。しかし、認知症の診断精度自体は、まだまだ画像初見からの推察に頼らざるを得ない実情。 『剖検することで診断が確定できる』と本作でも述べられている通り、それくらいまだまだわからないことが多い病気である認知症。 それらをベースとして、昨今の北海道に進出する外国資本により土地買収や、ヤングケアラー、老老介護等、様々なエッセンスをテーマとして取り上げた内容でした。 ・ ・ ・ ・ ・ 『恍惚の人』から半世紀。現役医師作家による衝撃のメディカル・サスペンス! 高齢者だけが身を寄せ合って暮らす山間の村。そこは楽園か、遺棄の地か。 夫の暴力から逃れ、幼い娘を連れて家を出た主婦・明日香。 迷い込んだ山奥の村で暮らし始めた明日香は、一見平和な村に隠された大きな秘密に気付き始める。 住民はどこから? 村の目的は? 老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……世界一の認知症大国、日本。 人生を否定される患者。生活を破壊される家族。 認知症の「いま」に斬り込む衝撃作!
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夫のDVから娘を連れて逃げ出した明日香。たどり着いたのは朱鞠内湖近くの村だった。 その村に住むのは認知症を患った人ばかりだが、日常生活を支障なく送ることができるシステムで運営されていた。 誰が何のためにこの村を運営しているのか、明日香は疑問を抱く。
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