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香君(下) の商品レビュー

4.5

225件のお客様レビュー

  1. 5つ

    122

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

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2023/09/28

オリエが本当にいい人で、好きだったなぁ。 自分に全く責任のない不遇に立たされた人が、他の人にはそういう目にあって欲しくない!と考えて行動し続けるのは大変なことだと思う。 振り返ってみると、実はわたしの身の回りの少し歳が上の世代の女性にもそういう人が多くて、本当に助けられている...

オリエが本当にいい人で、好きだったなぁ。 自分に全く責任のない不遇に立たされた人が、他の人にはそういう目にあって欲しくない!と考えて行動し続けるのは大変なことだと思う。 振り返ってみると、実はわたしの身の回りの少し歳が上の世代の女性にもそういう人が多くて、本当に助けられている。 いじめられたり、理不尽な目に遭ったり、自分もそうだったからそれが当然、ではなくて、負の連鎖を裁ち切る強さ、見習いたいです。

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2023/09/23

通常の人には感じないわずかな匂いから、人の心の動きを感じとり、植物の声が聞ける主人公のアイシャ。その特殊能力ゆえに、時に苦しみながらも、自分の使命を真っ当し、人々の幸せを守ろうとする生き方は、健気でもあり魅力的だ。そのアイシャの暮らす帝国には、香君と呼ばれる神のような存在の女性が...

通常の人には感じないわずかな匂いから、人の心の動きを感じとり、植物の声が聞ける主人公のアイシャ。その特殊能力ゆえに、時に苦しみながらも、自分の使命を真っ当し、人々の幸せを守ろうとする生き方は、健気でもあり魅力的だ。そのアイシャの暮らす帝国には、香君と呼ばれる神のような存在の女性がいて、香使と呼ばれる役職者たちが、所属する藩国を管理している。そこに育つのは、オアレ稲という災害に強い穀物だ。が、この稲は、栽培地の土を変え、他の植物が育てないという面を持つ。そして、その種籾をとる技術を持つのは、支配者である帝国の皇帝たちのみ。香君の威厳とオアレ稲で、周辺国をコントロールして権力を維持する帝国、そこに帝国の支配を揺るがす、事象が発生する。権力者の思惑、飢饉、繁栄と没落、オアレ稲の秘密、香君の残した掟の意味、主人公の出自にまつわる謎、などなど、壮大な冒険ファンタジーなんだけど、謎が解き明かされたとしても、解決への道のりが曖昧模糊として、もう一つ、スカッとしたお話にはなっていない。匂いで植物たちの声を聴く、というのは、なかなか魅力的な発想で、興味深い。匂いでというわけではないが、アニマルコミュニケーターという職業もあるようだし、ありえるかもしれない。もし、実際聞けたとしたら、花のおしゃべりで賑やかすぎて、苦しそうだなと思う。いろんな願いを聞こえるけど、叶えてあげられないとしたら、とても辛いだろうとも思う。

Posted byブクログ

2023/09/15
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やっぱり上橋菜穂子さんの作品が本当に大好きだ… 守り人、鹿の王、獣の奏者と、シリーズもの全部読んだんですが、全部でその作品の「世界」があって、そこにちゃんと人が生きているんですよ、香君は映像化されていないのに、この世界に生きる人たちが私の頭の中で、話して、笑って、泣いてるんですよ 本当にこれすごいなと思って、最後の章で、救いの稲を全て焼いた後、新しい作物が育った時の農夫たちが喜ぶシーンですごく感動してしまったんだけど、こういう細やかな描写があるから、世界が生きているように感じられるんだろうなと思った 極上の読書体験をありがとうございます。そしていつも長編を書いてくださってありがとうございます。 長編であることによって、より長くこの世界に浸れるのが本当に幸せ

Posted byブクログ

2023/09/15
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まさに立ちこめる香りの様に、また強めの風に乗って流れ行く香りの様に、フワーッというかブワーッというか、どこか掴みどころのない、時に勢いのあるストーリーでした。 登場人物がスーパーマン過ぎず、案外等身大の人間らしさがあるからなのかな。 遠い世界のお話しのような、薄布一枚隔てた隣の出来事のような、ちょっと不思議な感じ。 謎だらけで始まったストーリーは、途中多くの気づきを得ながらも、全てが解き明かされることはなく下巻が完。 どこかスッキリしきらない感じはありますが、ミステリアスな世界観を保ち、そんなに全てを解き明かすことが今回の目的ではないんだ、とりあえずこれで良いんだ、と思える読後感です。 余す所なく謎が明らかに!というのはある意味ご都合展開とも言えるので、そうではないところが、これまでの全体の雰囲気にも合っているような気がしてなんだか納得できました。

Posted byブクログ

2023/09/15

上橋氏の物語は、食べ物の描写がいかにもおいしそうで読んでて心が踊ります。オアレ稲たべてみたいようなたべたくないような。香りの声、聞いてみたいな。

Posted byブクログ

2023/09/13
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中盤長いなぁ…と思いながら読んでいましたが後半、、さすが上橋先生!! 香りで万事を知るとされる香君 「香君」の世界では皇帝が内閣、香君が天皇のような存在 香君が政治の取り決めをすることは前代未聞の事であったが、食料危機から国を救い、香君としての使命を果たすため先香君(オリエ)は立ち上がる。 主人公アイシャの嗅覚は香君としての素質があり、本来の香君はアイシャであるはずだった。 オリエとアイシャの絆と勇気に胸を打たれる一冊だった。 追記 先香君(オリエ)は神の言葉に従わせるのではなく貴族、藩王達が等しく話し合いができるように「場をつくる」という道を選んだ。この場面がぐっときた✨

Posted byブクログ

2023/09/10

音も無く動くこともない植物たちや土の中の世界も色々騒がしく生きていて、それを香りで聴くアイシャ。下巻は次から次へと障壁が現れて想像したくない所も多々あったけど、結局また上橋ワールドにどっぷりでした。昔も飢饉は何度もあったろうけど、それを先人の人達の努力で改良されてきたお陰で今は安...

音も無く動くこともない植物たちや土の中の世界も色々騒がしく生きていて、それを香りで聴くアイシャ。下巻は次から次へと障壁が現れて想像したくない所も多々あったけど、結局また上橋ワールドにどっぷりでした。昔も飢饉は何度もあったろうけど、それを先人の人達の努力で改良されてきたお陰で今は安定してご飯食べられているけど、これは日本にいるからで。世界的にみれば食糧難はどんどん深刻で、これから日本だってどうなるかわからない。鹿の王では伝染病でまるでコロナを予見したかのような内容でしたが、まさか今回も…

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2023/08/28

上橋菜穂子さんはやはり学者さんだなと思って読んでおりましたが、あとがきを読んで、やはりと思いました。 様々な学問に触れ、生まれた物語のようです。読んでいても、ファンタジーだけど学問だなという気持ちになったので納得です。 ですが、この世にない土地、食べ物、植物、生き物が、素晴らしい...

上橋菜穂子さんはやはり学者さんだなと思って読んでおりましたが、あとがきを読んで、やはりと思いました。 様々な学問に触れ、生まれた物語のようです。読んでいても、ファンタジーだけど学問だなという気持ちになったので納得です。 ですが、この世にない土地、食べ物、植物、生き物が、素晴らしい命や物語になるのは、上橋菜穂子さん独自の創造する力によるものだと思います。 じゃなきゃ学問だけで、ここまで人を惹きつける小説にならないと思いました。 学問って、ファンタジーから遠いと思っていたので、ハッとする気持ちになり面白かったです。

Posted byブクログ

2023/08/26

一気読みしました。国を救うために選択を迫られる人々の姿が描かれ、それぞれの立場から国の未来を考えていく。でもそこはやはり人間なので、利益のために最善の道を選択することは難しい。 良くも悪くもファンタジー。夢物語といえばそうかもしれないけれど、それでもやはりこの没入感は癖になる。

Posted byブクログ

2023/08/25
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ファンタジーとして読まなかったなあ。ありそうな話だもの。 バッタみたいなものが出ていたら、前野ウルド浩太郎さんの名前が頭に出てきて、ファンタジーとして読めなくなった。 これが残念。

Posted byブクログ