香君(下) の商品レビュー
Amazonの紹介より 「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。 オアレ稲の呼び声、それに応えて飛...
Amazonの紹介より 「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。 オアレ稲の呼び声、それに応えて飛来するもの。異郷から風が吹くとき、アイシャたちの運命は大きく動きはじめる。 圧倒的な世界観と文章で我々に迫る物語は完結へ。 上巻では、ジワジワと嵐の前のような穏やかな展開でしたが、下巻では、波乱の展開が幕を開けます 「虫」の大量発生によって、危機に迫る「稲」。そして疑惑の「稲」。 度重なる災難にどう立ち向かうのか。人々を救うために奔走する主人公が逞しく視えて、上巻とは違った一面を垣間見ま した。 最初は穏やかだったアイシャでしたが、日に日に強い意志のある女へと成長していくので、その辺りは上橋さんの本領発揮だなと思いました。 物語の舞台は、架空の世界ですが、どことなく大昔の日本を彷彿している印象がありました。当時の作品に出てくるような恵みの稲や大量発生といった出来事があったかもしれません。 さすがに香りで調合したり、香りで対抗することはなかったと思いますが、自然の摂理があろうとも、努力の積み重ねで「今」があることを考えると、感謝しなければと思いました。 ただ、個人的にはアクション劇が見たかったなと思いました。上橋さんというと、強い女や剣捌きといった華麗なアクションが印象深かったので、ちょっと残念感もありました。
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不思議な力のあるオアレ稲を帝国の統治に使っていたが、その稲に虫がつき、枯れて行く、そこで品種改良された稲をつかって虫に食われても穂は実稲を植えていたがその虫を食べる蝗が大量発生し、虫どころか、稲も草木も食べてしまう。 ただ一度に移動する距離が少ないため、来る前に他を焼くことで防ぐ...
不思議な力のあるオアレ稲を帝国の統治に使っていたが、その稲に虫がつき、枯れて行く、そこで品種改良された稲をつかって虫に食われても穂は実稲を植えていたがその虫を食べる蝗が大量発生し、虫どころか、稲も草木も食べてしまう。 ただ一度に移動する距離が少ないため、来る前に他を焼くことで防ぐしか方法がないところで帝国の中で揉めに揉める。 最終的に香君であったオリエが帝国の皇帝始め臣下を呼び、話をし始めたところであったが、途中で倒れとうとうアイシャが代わりをつとめ、物語は終焉となる。 神の血はよくわからず終わるが、そこから出てきた皇祖や香君人々を豊かにしたくて、下界に出てオアレ稲を広めたが、やはり将来は不安であったので、制御方法を伝えたが、その理由までが伝わらず、今の危機を誘ってしまった。 今回の蝗害もある面、その様な事態となった際の為政者の決断が本当に将来を決めるという重要なことを示唆しているなあとつくづく思った本書であった。
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上橋先生の描く世界が大好き。オアレ稲という脅威の植物と人間達との共存のファンタジーだけど、どうしても実世界とリンクさせて読み進めてしまい時に恐ろしくなる。でもやっぱり今回も最高でした!
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※このレビューにはネタバレを含みます
下巻に纏めて記す。 香を人一倍感じることができる少女が主人公。 何メートルもの遠くから、人の匂いで誰が来るかが分かるだけでなく、その人の発する香で、緊張しているのか、害をなそうとしてるのかまで解る。 その少女は、反乱国の国王の孫娘だったため、捉えられて殺されようとしていた。が、殺そうとしている方の国の男に助けられる。 その男の国では、香君(こうくん)と呼ばれる、匂いで万象を知ることができる生き神がいる。香君は14歳(?)で連れてこられる。顔立ちの良い娘を連れてくるので、香なんて解らないが、初代はそうだったらしいし、人々は信じている。その当代香君と馴染だった男なので、本物の香君を見つけたとなり、殺されずにその男の国に行くことになった。 香君とも仲良くなり、大帝国を支配するオアレ稲という稲に関する知識をつける。この稲は、種は帝国から貰うもので作成することになるが、簡単に穂がなり、虫もつきづらく、美味しい。が、種が取れないので、種は帝国から貰うことになり、帝国支配のいしづえとなっていた。(オアレ稲を植えた土では他の作物が育たない。まあ他の作物を育てる必要はほぼないので、オアレ稲ばかり育てている) そんな中、オアレ稲に害虫であるオオマヨが付いたことがわかった。調べた結果、肥料を減らすことにより、オオマヨを駆除できることが分かったが、それは禁則事項とされていた。肥料を減らすと毒性が上がるから…と信じられていたがそんなこともなく、何故ダメなのかが不明であり、一旦その方法を用いてオオマヨを撲滅した。 が、数年経って、その稲に山向こうの異世界からバッタのような生物が大群を成して襲いかかった。バッタはオオマヨも食べるが稲も食べるし、どんどん食い尽くして広がっていった。 稲を焼くしか無いが、焼くと食べるものがなくなり餓える。帝国と周辺国の問答もある。 そんな中、当代香君が毒殺されかけ、主人公が香君としてなり、全ての稲を焼いて事なきを得る。 とまあそんな話。 小学生の頃から好きな、うえはしなおこさんの新作だが、歳をとったから、登場人物の名前が入ってこなくて結構しんどかった。ファンタジーは好きなはずなんだけどなぁ…
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お久しぶりの上橋さん新刊!! 上橋さんの話はどれもそうだけど、こう言うファンタジー物とかにありがちな序盤設定説明ダラダラ続いて全然話の本筋に辿り着かなくてしんどい… っていう事がない!! とにかく序盤から一気に読者を物語の中へ包み込んで匂いや音、風の音全てにおいてリアルなその場に...
お久しぶりの上橋さん新刊!! 上橋さんの話はどれもそうだけど、こう言うファンタジー物とかにありがちな序盤設定説明ダラダラ続いて全然話の本筋に辿り着かなくてしんどい… っていう事がない!! とにかく序盤から一気に読者を物語の中へ包み込んで匂いや音、風の音全てにおいてリアルなその場に連れ込んでくれる。最初からギア全開! オアレ稲と言うどんな痩せた土地でも沢山育つ特殊な稲によって経済を支える大国。でもそのオアレ稲には秘密があって…ある日事件が起きてしまう。 人一倍嗅覚が優れた少女アイシャとそのオアレ稲の秘密が絡み合って1つの流れとなり一気にクライマックスまでいく上橋ワールドには毎度の事ながら夢中で貪り読んだ。 上下巻で綺麗にこれだけのネタを収めたのも凄いけど、 でも正直これって、まだまだ続きがあるのでは?? と、思わせられる余力が有り余ってる気がしてならない… と言うか読みたいお願いします!! 植物達は何も話さないけど、実は独自のコミュニケーションを持っいると言うのもとても興味深かった。 人は自分達の手には負えない災害が起きた時、誰かのせいにして落ち着きたいと思ってしまう。 でも、誰かのせいにするだけで事前に防げなかったのか、自ら考え努力する事が大事なんだと教えられた気がした。人のせいにしてばかりで文句を言うのでは無く、 ちゃんと自分で最善の策を考えるのって、本当に大事。
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災厄の兆候はとどまる気配を見せずひろがり続ける。見つけたかにみえた希望になぜか恐れを抱くアイシャ。人々の思惑が絡まり合うなか、最悪の結末を阻止するために彼女とその仲間がとった行動とは 架空の世界の話ではあるが、現実にも同じようなことがあるのではないだろうかと考えさせられる。上橋...
災厄の兆候はとどまる気配を見せずひろがり続ける。見つけたかにみえた希望になぜか恐れを抱くアイシャ。人々の思惑が絡まり合うなか、最悪の結末を阻止するために彼女とその仲間がとった行動とは 架空の世界の話ではあるが、現実にも同じようなことがあるのではないだろうかと考えさせられる。上橋さんの描く女性はみなとても強い。
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社会が一つのものに依存していたとき、それが失われると地盤は大きく揺らぐ。それがわかっていながら、そのようなことは決して起こらないと過小評価して生きている。自然は不思議に満ち溢れていて、人間の手の及ばぬところに魅了される。それがときに、人の社会の基盤を揺るがすことになる。津波もウイ...
社会が一つのものに依存していたとき、それが失われると地盤は大きく揺らぐ。それがわかっていながら、そのようなことは決して起こらないと過小評価して生きている。自然は不思議に満ち溢れていて、人間の手の及ばぬところに魅了される。それがときに、人の社会の基盤を揺るがすことになる。津波もウイルスも戦争も出てこないけれど、今の時代に読むことに意味があるように思う。
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久しぶりに上橋先生の新刊が出ました!読むことをとっても楽しみにしていましたが、上橋さんらしい素晴らしい作品でした。読むことができて幸せです!!目に見えない香りの世界を文章で表現するおもしろさと表現できる書く力がすごいなぁと思います。特別な世界を感じることができる主人公ですが、誰と...
久しぶりに上橋先生の新刊が出ました!読むことをとっても楽しみにしていましたが、上橋さんらしい素晴らしい作品でした。読むことができて幸せです!!目に見えない香りの世界を文章で表現するおもしろさと表現できる書く力がすごいなぁと思います。特別な世界を感じることができる主人公ですが、誰とも自分の感じたことを共有できない孤独という視点にも心がじーんとしました。続編や番外編などが出たら嬉しいです!!
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どうなってしまうんだろうと 何度も 心配になった。 その稲がある意味 植物のもつ力 それにしてもすごい参考資料 論文を書くように調べて調べて、物語をつむぐ 上橋さんの素晴らしさ あとがきで書かれていた 上橋さんの大変さ 書いてくれてありがとうと言いたい
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※このレビューにはネタバレを含みます
さすがの世界観というか設定というか筆致というか。圧倒的なリアリティ。見慣れないカタカナ語が多いのに何もひっかからずにぐいぐい読めた。 ただ今回は世界そのものの描写よりも、あれよあれよと転がっていく展開、それがすごく速いので目が走っちゃうというか気づいたら終わりそうな場所まで読んでいて、なんかもっとゆっくり読みたかったな…と寂しくもなった。もちろんそれは私のせいだし、そんなの関係なく抜群に面白い。 上橋さんの作品はこれに限らず、読んでいると、なんだろう…なんかもう少しで世界の真理に、世界の形に手が届きそうな気になる。ぼんやり見えるけど、わからないみたいな。分かるけど言葉には出来ないみたいな。何言ってんのかよくわからなくなってきたけど、いつもそんな感覚になる。自分が生きている場所とは違う世界の物語を通して、自分の世界を見る。 あとこれ続編がいくらでも書けそうな感じがしたけど、あるのかな?ないかな?あると嬉しいな。
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