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香君(下)
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2022/03/24 |
| JAN | 9784163915166 |

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商品レビュー
4.5
292件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
上下巻ということでいつもより短い?もう少し掘り下げて欲しかった気もしますが、圧巻の菜穂子ワールドです。元々蝗害の話は好きだったのでより集中して読んでしまいました。上橋さんが参考にされた本を読んでさらに知りたいと思ったと同時にこれが事実ある現象に基づく話と思うとアイシャを取り巻いた壮絶な戦いは他人事ではないと怖くなりました。 神鄉についての続編(マシュウさんのお父さんが辿った人生)も気になって仕方ないです。なぜパリシャはいなくなってしまったのでしょう。これもきっと自然の摂理ですので理由などと言われれば、知れずにいるのも1個なのですが、いかんせん本では知りたくなってしまうのが...アイシャから学べていない気がしますね 兎にも角にも、アイシャという少女が悩みながらも幸せに生きて欲しいばかりです。
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「オアレ稲」に依存して立国するウマル帝国。 もみ殻を作る技術と秘伝の肥料を与えることで支配をしている。 オアレ稲にとっての唯一の害虫、オオヨマが周縁の藩国に発生し、拡がる。 一刻も早く田ごと焼却処分しなければならないが、税が収められないだけではなく、自分たちの食料もなくなる。 海...
「オアレ稲」に依存して立国するウマル帝国。 もみ殻を作る技術と秘伝の肥料を与えることで支配をしている。 オアレ稲にとっての唯一の害虫、オオヨマが周縁の藩国に発生し、拡がる。 一刻も早く田ごと焼却処分しなければならないが、税が収められないだけではなく、自分たちの食料もなくなる。 海洋民の国、オゴタ国に拉致されたアイシャと上級香使のオラムは、そこでオオヨマにも負けない「救いの稲」を知る。 帝国は香君、オリエに「救いの稲」への祝福を与えさせ、全土に広げていくのだが、アイシャが「救いの稲」に感じていた恐ろしさは、その後現実となる。 二人のヒロイン=香君の姿が心に残る。 一人は、初代の香君のような香りを聞くことができる力のあるアイシャ。 彼女は自分に与えられた力を生かし、持ち前の探究心と知恵、行動力で状況を打開しようとする。 上橋作品の『獣の奏者』のヒロイン、エリンに似ているかも。 もう一人の香君、オリエも魅力的な人物だった。 自分には香君としての力がないと知っており、それでも人々の前に「生き神」としてふるまわなければならないことを辛く思っている。 しかし、過酷な境遇なのに、人柄は暖かく、思いやりに満ちている。 驚いたのは、この「お飾りの神」が、人々の危機に際して、驚くべき力を発揮する。 現状維持を望み、周縁の藩国を犠牲にしてもかまわないと思っている中央の貴族たち。 特に、富ノ大臣たるイール・カシュガは、香君の力を利用しようともくろんでいる。 一方、現にオオヨマやそのあとにくるヒシャの被害に苦しんでいる藩国王たち。 利害が異なる人々が同じテーブルで話し合うというのは非常に難しいことだが、オリエは毒を盛られた身を顧みず、これをやってのける。 話し合う場を作るといえば、たとえばメルケル元首相や、エリザベス女王を想起する。 現実のいろんな国(香君が稲を守護する現人神とすれば、やはりどこかの国の君主を思わせる)のことを考えながら読んでしまった。
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素晴らしかった。面白くてあっという間に読了。架空の帝国の、架空の穀物の、架空の害虫の、豊かで厳しい物語だった。植物は香りで互いに影響し合っている、というのはどうやら本当らしい。関連書籍も読んでみたい。 周囲の人が持っていない能力(主人公にとっては香を嗅ぎ分ける能力)があるとしたら、なんて孤独だろうと思った事から小説が始まったらしい。能力があるなんて羨ましいけど、当の本人は神ではなく人間なのに、と矛盾した気持ちを抱えている。最後に、神に考えを委ねるのではなく、自分の頭で考えて行動できるようにしたい、と香君の仕事を全うしようとする主人公が健気すぎる。だけど、戦後の日本の方向性を決めようとする時、きっとこういう考えがあったんだろうな。人が勉強して、過去の過ちを知り、自分でどうするべきか考えられるように。多分、実際はそうならなかったけど。 一つの穀物にその全てを委ねる事は、どんなにその穀物が豊かさをもたらそうとも、それが孕む危険性、恐ろしさをも伝えてくれる。なんだかこの世界のようだ。油田、神殿、マネーに依存する世界。そこで望むべきは、香君のような絶対神を待ち望む事ではなく、各々が各々の場所で考えて小さな革命を起こす事なんだろうな。
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