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オオルリ流星群 の商品レビュー

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114件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2022/05/25

面白かった。 天文台を作りたい、という一本のストーリーが真ん中にあり、ぶれがないことに安心感があった。 個人の問題が解決していないのも、いい。 日常は、そうそう劇的に変化するものではない。 ただ、ほんの少しだけ上向きになっていると、その積み重ねは大きい。最後、そのほんの少しの...

面白かった。 天文台を作りたい、という一本のストーリーが真ん中にあり、ぶれがないことに安心感があった。 個人の問題が解決していないのも、いい。 日常は、そうそう劇的に変化するものではない。 ただ、ほんの少しだけ上向きになっていると、その積み重ねは大きい。最後、そのほんの少しの上向き加減が感じられるのも、またいい。

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2022/05/22

今でも感じることや考えさせられる言葉などはあったが、もっと年月を重ねて読むとさらに深く、些細な感情の機敏のことまで自分にしみこんでくるような話になるだろうと思った。

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2022/05/21

誰でも「こんなはずではなかった。なんでこうなってしまったのか」という思いを少なからず抱きながら今を生きている。 でも、手の届くところから始めないと、手と足を動かしてみないと。

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2022/05/19

秦野市、文化祭で協力した高校の同級生の28年後。親の跡を継いで薬局経営する久志は幸福な気分になれない。中学教師は千佳、仕事の情熱が湧いてこない。修は仕事を辞めて、司法試験にチャレンジ。和也は引きこもり。恵介は死んだ。国立天文台に努めていた彗子が地元に戻ってきた。天文台を作りたいと...

秦野市、文化祭で協力した高校の同級生の28年後。親の跡を継いで薬局経営する久志は幸福な気分になれない。中学教師は千佳、仕事の情熱が湧いてこない。修は仕事を辞めて、司法試験にチャレンジ。和也は引きこもり。恵介は死んだ。国立天文台に努めていた彗子が地元に戻ってきた。天文台を作りたいと言う・・・ 良かった。天文のことはさっぱり分からないけど問題なし。 それぞれの登場人物の鬱屈とした内面に共感してしまう。いわゆるミッドライフ・クライシスを迎えた者たちが、彗子の夢に乗っかる。そのスムーズな流れやラストも良かった。

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2022/05/17

40~50代を生きている人には特に染みる内容。多くの中年は高校で何か一つ彼らのように熱くなって取り組んだこともなければ、友人の手伝いで天文台を作り上げることもない。ただ、淡々と生きている。だからこそ、この話のような小説などで達成感を分けて貰うのだ。 読み始めは共感しかない中年停滞...

40~50代を生きている人には特に染みる内容。多くの中年は高校で何か一つ彼らのように熱くなって取り組んだこともなければ、友人の手伝いで天文台を作り上げることもない。ただ、淡々と生きている。だからこそ、この話のような小説などで達成感を分けて貰うのだ。 読み始めは共感しかない中年停滞感を感じてつまらなかったが、彗子のプレゼンにやられ、科学部なのに好きな天文がなくてつまらなく感じていた高校生渡辺君の、星に興味ないのに皆さんがこんなこと手伝っているのが謎発言に「四十五歳になったらわかるよ」に深くうなずき、さいごに思わず落涙して終わる本です。

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2022/05/13

伊与原さんは、松任谷由実「ジャコビニ彗星の日」からインスピレーションを受けて、この小説を書いたのでは? この曲のことは知らなかったが、小説の中に出てきたので、Youtubeで聴いてみたら、歌詞にこの小説を思わせる部分が。小説の舞台は、神奈川県秦野市。高3の文化祭で、空き缶を使った...

伊与原さんは、松任谷由実「ジャコビニ彗星の日」からインスピレーションを受けて、この小説を書いたのでは? この曲のことは知らなかったが、小説の中に出てきたので、Youtubeで聴いてみたら、歌詞にこの小説を思わせる部分が。小説の舞台は、神奈川県秦野市。高3の文化祭で、空き缶を使った巨大なタペストリーを作った級友たちの26年後。秦野にずっと住んでいた者、久し振りに帰ってきた者が、久し振りに集まって、天文台作りに力を合わせる。不惑、惑わないはずの40代が、惑ってばかり。そんな彼らの天文台開きの夜がとても感動的。

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2022/05/12

作者が得意?とする科学のエッセンスを絡めた小説。 京大などが小型望遠鏡を使ってエッジワース・カイパーベルトぼ極小な天体を発見したというエピソードに触発されたらしい。 高三の文化祭で共同制作した仲間たちが、中年の危機を迎える年代となり、友人のための天文台造りを通じて友情と人生を...

作者が得意?とする科学のエッセンスを絡めた小説。 京大などが小型望遠鏡を使ってエッジワース・カイパーベルトぼ極小な天体を発見したというエピソードに触発されたらしい。 高三の文化祭で共同制作した仲間たちが、中年の危機を迎える年代となり、友人のための天文台造りを通じて友情と人生を取り戻す。

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2022/05/09

高校時代に青春を過ごした面々が手作りで天文台を作る、という感じのあらすじを聞いたのでちょっとした青春小説っぽいなと思って読んでみました。 なんというか。その面々が40代を迎えていろいろ問題を迎えてる描写がリアルで暗い気持ちに。 最後はなんとなくさわやかに終わってるけど、各々の家庭...

高校時代に青春を過ごした面々が手作りで天文台を作る、という感じのあらすじを聞いたのでちょっとした青春小説っぽいなと思って読んでみました。 なんというか。その面々が40代を迎えていろいろ問題を迎えてる描写がリアルで暗い気持ちに。 最後はなんとなくさわやかに終わってるけど、各々の家庭の問題は・・・主人公の一人である久志の家庭の話はなんかよくわからなく解決してるし。なんで急に奥さんの態度が軟化したのか。家の問題放って天文台に注力するの苦々しく思ってたじゃん。むしろあの段階で家のことから逃げる久志のほうにこそ問題があるようにも思えたし。 なんかちょっと無理やりな大団円にも感じてしまった。さわやかな終わりではあったんですけどね。

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2022/05/03

著者お馴染みの科学が背景にある物語だが、今作は重松清のテーストを感じた。 青春のほろ苦い思い出、壮年になってもまだまだ未来はある。そんな応援歌に近い、同年代の読者であれば勇気づけられただろう。 同年代でなくても、ミニFMから流れる曲はどれも懐かしく青春と呼べる音楽なんだな。

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2022/04/26

科学に関する小説で人情に訴えてくるというなかなか珍しい方向性で話題の作家さんですが、まだそっち方面で攻めてくるので感心しました。そろそろ方向性変えてくるんじゃないかと踏んでいたので。 今回は長編で青春群像劇。僕と非常に年が近い設定なので自然と文章が入ってきます。人生の射程が見えて...

科学に関する小説で人情に訴えてくるというなかなか珍しい方向性で話題の作家さんですが、まだそっち方面で攻めてくるので感心しました。そろそろ方向性変えてくるんじゃないかと踏んでいたので。 今回は長編で青春群像劇。僕と非常に年が近い設定なので自然と文章が入ってきます。人生の射程が見えてきて、でもまだ何か出来るんじゃないか。やるべきなんじゃないか。そして何かやろうとしている人に憧憬と嫉妬が沸いてしまう事。わかるなあ。 そして過去が思うほど過去になっていなくて、触ればすぐ血を流すくらい鮮明に思い出せること。そういう事を内包しながら友情を紡いでいる彼らに僕が嫉妬します。とてもいい仲間です。 とても暖かで痛い本でした。

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