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オオルリ流星群 の商品レビュー

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114件のお客様レビュー

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    29

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

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2022/04/24

「月まで3キロ」「8月の銀の雪」などの作品 で知られる、伊与原新氏の最新作です。 高校卒業後28年ぶりに故郷に戻り、自身の夢で ある天文台を作ろうとする女性がいました。 それは高校時代の文化祭で作り上げた、空き缶 でできたオオルリのタペストリー製作を思い起 こさせ、当時の仲間...

「月まで3キロ」「8月の銀の雪」などの作品 で知られる、伊与原新氏の最新作です。 高校卒業後28年ぶりに故郷に戻り、自身の夢で ある天文台を作ろうとする女性がいました。 それは高校時代の文化祭で作り上げた、空き缶 でできたオオルリのタペストリー製作を思い起 こさせ、当時の仲間が集まってきます。 その天文台作りの過程で、高校時代の真実が徐 々に明らかにされていき、復活した友情にも微 妙な影を落としていきます。 しかし天文台の完成とそこから見える夜空は、 そんな思いも洗い流してくれるのです。 理系専攻の著者が流星群という何ともロマンチ ックキーワードを駆使して、人と人との繋がり を、何とも言えない語り口で紡いでいく、心洗 われる一冊です。

Posted byブクログ

2022/04/12

期待した割に面白くなかったのは、この作品が久志と千佳の目線だけで描かれているからだと思う。 まず、久志がいけない。 スイ子への劣等感?で素直に喜んで協力できない割に抜けることもしないでズルズルと手伝い続ける、そのグジグジとした胸中を延々と読まされるこちらは堪らない。それでいて、...

期待した割に面白くなかったのは、この作品が久志と千佳の目線だけで描かれているからだと思う。 まず、久志がいけない。 スイ子への劣等感?で素直に喜んで協力できない割に抜けることもしないでズルズルと手伝い続ける、そのグジグジとした胸中を延々と読まされるこちらは堪らない。それでいて、スイ子の過去を知ると対等な立ち位置に立てたからと急にわだかまりをなくす男の小ささ。嫌だわ。 千佳は特に現状に不満は抱えていないものの、スイ子が恵介の過去を知ったらショックを受けてスイ子を責めるとか、なんなのって感じ。 だいたい高校時代に好きだった男のことを未だに忘れられないでいて、実は友達と付き合ってたと知ったからって裏切られたと思うかな〜。 登場人物が誰も皆幼く思えるのは自分が彼らより年上だからか?今の45歳ってこんなもの? むしろ、和也や恵介の方が魅力的だから彼ら目線の章も入れ込んで欲しかった。 それでも、引きこもりの和也がミニFMで電気を消してと呼びかけるあたりから泣かせどころは押さえているのでそこそこの読後感でしたが。 でも、私は伊与原作品は短編の方が好きです。

Posted byブクログ

2022/04/12

高校3年の文化祭、空き缶1万個で創ったオオルリのタペストリー。美しい映像が心に残る。そして28年後、その時の6人のメンバーの人生が天文台を作るという彗子の望みで再び結束する。45歳での人生再出発と主張して弁護士を目指す修、経営難の薬局の久志、引きこもりの和也などの問題や、28年前...

高校3年の文化祭、空き缶1万個で創ったオオルリのタペストリー。美しい映像が心に残る。そして28年後、その時の6人のメンバーの人生が天文台を作るという彗子の望みで再び結束する。45歳での人生再出発と主張して弁護士を目指す修、経営難の薬局の久志、引きこもりの和也などの問題や、28年前の恵介の死の謎などもはらみながら物語は進む。全てが上手くいってハッピーという単純な話ではないが、手作りの天文台の達成感は共感できるし、一歩一歩みんなで協力しあって前に進んでいくことが信じられる物語だった。 天文台にたくさんのオオルリが現れ巣を作りますように。

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2022/04/10

やはり伊与原新さんの本は良かった! 45歳の登場人物たちの、現状思うようになっていない状況や悩んでいる様子が、星食と重ねられている。 p224が心に残った。 理系に疎い私でも読みやすかった。 前向きな力をもらえる作品だった。

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2022/04/10

高校時代に巨大なタペストリー作成に関係した仲間達が中年になって今度は丹沢の山中に私設の天体観察の天文台の作成に...なかなか読み応えのある感動の物語だった。

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2022/04/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

とてもよかった…。 伊予原作品、やっぱり大好きです。 明日忙しいのにやめられなくて一気読みしてしまったよ…。 自分が主人公たちの年齢に近いこともあって、すごく胸に来るものがあった。 「青い鳥は幸せなんて運んでこないよ。でもさ、それさえわかっていれば、青い鳥を探すこと自体に幸せを感じられるかもしれないでしょ」

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2022/04/03

この作家さん、やっぱり好きだ。少しサイエンス要素が薄くなったが、相変わらず生きることが不器用な人が前向きに進む様が心温まる。

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2022/03/30

緻密な科学的裏付けが感じられる丁寧な作品であるというのが第一印象。 甘酸っぱい昔が思い出されるが、ありそうなこと、ありえなさそうなこと、あってほしいと思うことが混在している様な。最近は他人との濃密な繋がりは避けられるとも言われるが、実際はそんなことはないのかも知れない。 現実の話...

緻密な科学的裏付けが感じられる丁寧な作品であるというのが第一印象。 甘酸っぱい昔が思い出されるが、ありそうなこと、ありえなさそうなこと、あってほしいと思うことが混在している様な。最近は他人との濃密な繋がりは避けられるとも言われるが、実際はそんなことはないのかも知れない。 現実の話ではないけれど、羨ましいと思う。みんながそう思うのかどうかはわからないが。

Posted byブクログ

2022/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こちら清々しくて、切なくて、感動しました。 「28年ぶりに元同級生が集まって山の上に天文台を作る」 もうその設定だけでワクワクが止まらない。 大人になってからの「青春」をもう一度体験出来る1冊。 45歳になった同級生たちと再会し今の自分を見つめ、高校時代のひと夏に思いを馳せるーー。 『みんな、同じだ。こんなはずではなかった。なんでこうなってしまったのか。ときにそんなため息をつきながら、四十五歳を懸命に生きている。十八歳のときに思い描いていた人生とは、まるで違う日々を』 私も高校生の頃は、今の自分なんて想像すらできなかった。登場人物たちと自分とを重ねながら読んで、こんなふうに集まれる彗子たちが羨ましくなった。 再会後、そこからまた1つの目的に向かってみんなで力を合わせられるのが本当にすごい。 思い出がつなぐ絆は時間を飛び越える。 天文台開きの夜は感動で胸がいっぱいになりました♪ 行き詰まった日常から一歩を踏み出す大人たち。 温かな希望を感じられる素敵な作品でした。

Posted byブクログ

2022/03/27

 高校の文化祭で巨大タペストリー製作に携わったメンバーが、45歳になって一人の夢を後押しし、天体観測所を造るため奔走します。  若かった当時の鬱屈した心情や達成感の描写以上に、今抱えている職業・社会的な立場からくる悩みや困難に共感を覚えます。若かりし時の友人とは、時の流れと共に疎...

 高校の文化祭で巨大タペストリー製作に携わったメンバーが、45歳になって一人の夢を後押しし、天体観測所を造るため奔走します。  若かった当時の鬱屈した心情や達成感の描写以上に、今抱えている職業・社会的な立場からくる悩みや困難に共感を覚えます。若かりし時の友人とは、時の流れと共に疎遠になるのが普通な気がしますが、登場するメンバーは、泣いたり悩んだりを超越した絆で繋がっており、うらやましく思いました。流星とオオルリが人をつなぎ、幸せな気持ちにさせてくれる小説です。

Posted byブクログ