ミシンと金魚 の商品レビュー
すごくすごくよかった!おもしろいというより大事にしたい、忘れたくない本。ひとりの人生を見せてもらった。 いつか大切な人や自分に死が近づいたとき、また読みたいと思った。
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語り口調でいきなり語り始める ん?待って、みっちゃん? 行きつつ戻りつ、記憶がはっきりしたり、とんだり、あぁ認知があるのだ、人生は若い時くらずっと続いているのだ、 老いてもそれは自分の人生の終わりに近いだけで、まだ続いているのだ 読みにくいけど、読み進めると切ない みっちゃん、あ...
語り口調でいきなり語り始める ん?待って、みっちゃん? 行きつつ戻りつ、記憶がはっきりしたり、とんだり、あぁ認知があるのだ、人生は若い時くらずっと続いているのだ、 老いてもそれは自分の人生の終わりに近いだけで、まだ続いているのだ 読みにくいけど、読み進めると切ない みっちゃん、あーそういうことか 、ミシンと金魚
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短いが濃い、小説であった。 ひらがなの多い、おばあちゃんの語りで描かれる文章。 子供とか、ネコとか、が語る小説は、そんなのあるよねって感じだが、痴呆症のデイサービスに通うおばあちゃんの語り、は結構斬新であった。 小学校もろくに通わせてもらえず、ママ母には、しょっちゅう殴られ、そ...
短いが濃い、小説であった。 ひらがなの多い、おばあちゃんの語りで描かれる文章。 子供とか、ネコとか、が語る小説は、そんなのあるよねって感じだが、痴呆症のデイサービスに通うおばあちゃんの語り、は結構斬新であった。 小学校もろくに通わせてもらえず、ママ母には、しょっちゅう殴られ、そんなふうに育ったカケイさんの話。 カケイさんが実在する人だったら申し訳ないが、カケイさんの語り話は、全体的にアホっぽい。 しかし、虐待され、満足な教育を受けられなかった人間は、こうなってしまうのだな、と妙に説得させられた。痛いも、辛いも、諦めるのが常で、考えることも放棄してしまうのだな、と。 そして歳をとり、体は思うように動かず、それでも、毎日を生きなければならない。老人食は美味しくないし、デイサービスの娯楽は馬鹿にされてるようだし、いろんなことをすぐに忘れてしまう。 そうして生きていることに、救いはあるのだろうかと、思わざるを得ない文章だ。 ただ、筆者は、老人ホームで働く側の人で、カケイさんの語りで書かれてはいるのだか、どうしても、働く側の目線が入り込んでいて、気持ちが悪い。 老人食は美味しくないかもしれないが、デイサービスの娯楽も子供だましで、面白くないのだろうが、カケイさん本人はそれでも楽しいのではないだろうか?文章の中には、デイサービスにもっと行きたがっているという、嫁の言葉が出てくる。 歳をとって、体が動かなくなるのは確かに辛いが、福祉サービスを受けれる、この世の中は、本当にありがたい、そう思っている人の方が多いのじゃないだろうか。 本当に辛いのは、福祉の現場で働く人じゃないのか? 老人たちのわがままに常に付き合わされ、食事が美味しくないだの、娯楽がつまらないだの、言われてる、職員の愚痴、あんなんで生きてて、楽しいんだろうか?と思っている、職員の上から目線の話の心の声を聞かされているような、そんな気がしてしまった。
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認知症のおばあちゃんが介護され死んでいくまでの話。認知症当事者の脳内を垣間見た。決して何もかも忘れたわけではなく、人生における場面場面を思い出し、整理していた。現在の日本も高齢者が急増しているが、この物語を読む前と後では抱く印象や想いの寄せ方が大きく変わる。 最後にカケイさん(お...
認知症のおばあちゃんが介護され死んでいくまでの話。認知症当事者の脳内を垣間見た。決して何もかも忘れたわけではなく、人生における場面場面を思い出し、整理していた。現在の日本も高齢者が急増しているが、この物語を読む前と後では抱く印象や想いの寄せ方が大きく変わる。 最後にカケイさん(おばあちゃん)が思い浮かべる 「花はきれいで、今日は、死ぬ日だ」という一文には何にも形容し難い納得感があり、死に対して美しいとさえ錯覚させてしまう説得力があった。
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カケイさんの語りで始まり、カケイさんの語りで終わる。 デイサービスのみっちゃんに、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?と問われる。 そこからカケイさんの過去が語られる。 どんなに酷く、辛いことがあってもミシンを踏んで頑張ってきた。 それなのに歳をとり、認知症になったカケイ...
カケイさんの語りで始まり、カケイさんの語りで終わる。 デイサービスのみっちゃんに、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?と問われる。 そこからカケイさんの過去が語られる。 どんなに酷く、辛いことがあってもミシンを踏んで頑張ってきた。 それなのに歳をとり、認知症になったカケイさんの現状は酷い。やるせない気持ちになった。 ただ、わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある。おなし分量、かならずある。そうだと良いな。 だいちゃんとチャンスがひっぱってるリヤカ。 兄貴とみっちゃんに会えるといいね。 終わりってあっけないものなのかな。
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リアルな人の一生を読んだ感じ。 読み始めは文章が読みにくいなと感じたが、読み進めていくと話にのみこまれていくそんな感覚。
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身につまされる思い。 身近にいる母と重なる情景があり、読み進めるのが辛くなる。伝えたくても伝えられない、動きたくても動けない、思い出したくても思い出せない。過去は鮮明に思い出してしまう。 自分もそうなるのか、どんな死を迎えるのか。他人ごとではない、自分ごと。 お年寄り代弁者が語り...
身につまされる思い。 身近にいる母と重なる情景があり、読み進めるのが辛くなる。伝えたくても伝えられない、動きたくても動けない、思い出したくても思い出せない。過去は鮮明に思い出してしまう。 自分もそうなるのか、どんな死を迎えるのか。他人ごとではない、自分ごと。 お年寄り代弁者が語りかけてくる。
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高齢で認知症のカケイさんは、立ち上がるのもやっとで、聞いたこともすぐ忘れてしまう。毎日、家族やヘルパーさんなどいろんな人の介護や支援を受けている。 そんなカケイさんが突然?自分語りを始める。 記憶はとても鮮明で、彼女の一生は壮絶だった。 男たちはみんなもう退場しちゃっている。 ...
高齢で認知症のカケイさんは、立ち上がるのもやっとで、聞いたこともすぐ忘れてしまう。毎日、家族やヘルパーさんなどいろんな人の介護や支援を受けている。 そんなカケイさんが突然?自分語りを始める。 記憶はとても鮮明で、彼女の一生は壮絶だった。 男たちはみんなもう退場しちゃっている。 昔も今も、その時その時を一生懸命生きてきて、いろんな忘れられない出来事を背負ってみんな老いていく。 体も頭も老いていく。つらいけどそれが当然のこととして受け入れられる社会になるといいな。 「しゃじ」ってピンとこなくてググったらちゃんと出てきた…。
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読んでよかった本! 認知症の高齢女性が主人公で、過去も現在も直視できないものだったけど常に当人の語り口調で書かれてるのでスラスラ読めた。 幸せな時期は確かにあった、だから幸せだった?と聞かれたらつべこべ言わずに幸せだったと言ってやろう、こんな素敵な考えがあるのか! 私もこの考え方...
読んでよかった本! 認知症の高齢女性が主人公で、過去も現在も直視できないものだったけど常に当人の語り口調で書かれてるのでスラスラ読めた。 幸せな時期は確かにあった、だから幸せだった?と聞かれたらつべこべ言わずに幸せだったと言ってやろう、こんな素敵な考えがあるのか! 私もこの考え方で死んでいきたい。 そして死に際、手に花を見て、昔一緒に育った犬たちがリアカーを引いてくれて客観的に見たら孤独死でも、本人はすごく幸せな感情で死んでいったと私たちに伝えてくれるすごく優しい本でした!
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短いので数時間で読み終えた。が、なんだかものすごく胸いっぱいになった。 壮絶な人生を歩んだ認知症の女性の話。苦労ばかりの人生だが、幸せな時間が確かにあった。大事に思ってくれている家族も確かにいたのだ。 認知症の女性視点で描かれているので、子供のような幼稚さを感じるような語り口調だ...
短いので数時間で読み終えた。が、なんだかものすごく胸いっぱいになった。 壮絶な人生を歩んだ認知症の女性の話。苦労ばかりの人生だが、幸せな時間が確かにあった。大事に思ってくれている家族も確かにいたのだ。 認知症の女性視点で描かれているので、子供のような幼稚さを感じるような語り口調だが、こうまで心揺さぶられるとは。 帯にデビュー作と書いてあってびっくり。圧倒的な才能で描き切る、と書いてあったが本当にその通り。ケアマネジャーとして働きながら執筆とあり、またまた驚いた。 他の作品も読んでみたい。他の作品もあるのだろうか?
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