改良 の商品レビュー
死にたい時ってこう言う思考回路が形成されていると思う。自分のルールにそぐわないから端的に言って嫌になる。そしてある時は強制を受け入れようと努める。そこにあるのは感情ではなくこの状況を自分が受け入れるためだけの理由。また、それだけという訳ではなくて固定観念に縛られた偏った認識のため...
死にたい時ってこう言う思考回路が形成されていると思う。自分のルールにそぐわないから端的に言って嫌になる。そしてある時は強制を受け入れようと努める。そこにあるのは感情ではなくこの状況を自分が受け入れるためだけの理由。また、それだけという訳ではなくて固定観念に縛られた偏った認識のために起こりうる判断による納得。 難しい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
美しさに絶対の価値を見出し、女装して美しくなろうとする主人公。今日は完璧に美しいと自信を持って呼んだデリヘル嬢にもナンパしてきた男にも、本人の認識とは全く違う正反対の反応をされる様が皮肉。でも結局主人公が一緒にいて安心できて求めているのは、繰り返し「美しくない」と強調される女友達のつくねのような気もする。主人公は女装して美を追求するけれど、それは性的嗜好とはまた別で、単に美しくなりたいという欲求なのだろうか。
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遠野遥さんの本は初めて読みます。 「解説」にて主人公の「納得」であったり「秩序観」などについては語られていますので、その辺りは割愛するとして。 個人的に感じ取ったテーマは以下の4点です。 ・思春期 ・ルッキズム ・ジェンダー ・性的消費 背表紙のあらすじに「ゆるやかな絶望を生...
遠野遥さんの本は初めて読みます。 「解説」にて主人公の「納得」であったり「秩序観」などについては語られていますので、その辺りは割愛するとして。 個人的に感じ取ったテーマは以下の4点です。 ・思春期 ・ルッキズム ・ジェンダー ・性的消費 背表紙のあらすじに「ゆるやかな絶望を生きる大学生の「私」は~」とありますが、ゆるやかな絶望というよりは性的トラウマのある人、という感じがしました。 幼いころに受けた傷がじわじわと化膿した結果、必然的に手を出したとある趣味。そしてその趣味から導き出される「理不尽な暴力」というものまでが、一本道でひと続きになっているように思えます。 そこに織り込まれているのは、主人公の秩序観であったり、ジェンダーの問題だったりします。作中で述べられているように、何故女性と男性では求められる理想像が異なるのか。女性として過ごすうえで、男性と違って不便なことは何なのか。 ジェンダー問題というのは、往々にして男女の違いにばかりフォーカスされてしまうものですが、そこには「違い」だけではなく、「道徳観・倫理観」「性的役割」「性産業での立ち位置」などが深く根をおろしています。 男性が「女性はいいよな、いざとなったら身体を売れば金になるし」と言うとき、発話者は「自分」を棚上げしています。 そういう当事者ではない者が後ろ指を指す現象について、この作品はそれと明言しないまでも、鮮やかに浮き上がらせているのです。 美しさを求めた少年の純真な追及は、そうした社会の荒波に、無惨にも飲みこまれてしまいます。 美しさを手に入れることは文字通り「社会の一部分から付け狙われ、汚い手によってあっけなく消費される恐れのあること」をも意味するのです。 その点で美しくない「つくね」に対する「私」の言動は、時には残酷なくらい冷淡に見えます。それは「私」が美への努力を怠らないが故に、努力をしているようには見えないつくねが軽薄に思えるからなのでしょうか。 しかし、物語終盤で再びつくねの存在が浮き上がってくるのを見るに、やはり美へのアンチテーゼ的な作品であるということは、恐らく間違いないのでしょう。 美醜が支配する社会は、どこかいびつで間違っている。けれども我々はどうしたってそこに一部分は迎合してしまうし、どうしても完全に足を洗ってさっぱりすることができないでいるのです。 パートナーは美しい方が良いし、美人とブスではブスの方が圧倒的に不利な社会に我々は生きている。 読んでいて決して面白くて仕方がない本ではない。 寧ろ、同質の苦しい経験がある人にとって、この本は辛いばかりかもしれない。読むのもおすすめはできない。 それでも、この本は存在しなければならないし、大勢の目に留まることで何かがほんの少しでも変わるかもしれない。 そんな可能性を感じた一冊でした。
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トランスジェンダーという訳でもなく ただ美しくなりたかった男性を取り巻く 当たり前であるはずなのに、あまりにも険しすぎる日常がしれっとそこにあった。 女性の格好をしている今の自分に腕の毛は不要だが、 週末を終え、仕事のある日々に戻るとそれは必要なものな訳で なるほど、そうし...
トランスジェンダーという訳でもなく ただ美しくなりたかった男性を取り巻く 当たり前であるはずなのに、あまりにも険しすぎる日常がしれっとそこにあった。 女性の格好をしている今の自分に腕の毛は不要だが、 週末を終え、仕事のある日々に戻るとそれは必要なものな訳で なるほど、そうした些細なとこにも葛藤し、自分の内側から出る表現を諦めてしまう事もあるのかと、ハッとさせられた。 そして前提として ここに登場する人物は皆「美人」か「ブス」かの極二択で言えば「ブス」にあたり もし万が一、主人公が美人であったならばこの話は成立しない。この話は、特別でも何でもないよくある人の話だと思う。 そしてその主人公の受ける扱いは、社会的マジョリティ(ブス)のはずの私たちにもあり得なくはない話なのではと思った。
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最初の方はどのような展開になるのかワクワクしながら読んだが、そのハードルを上回らなかった。 ただ美しくなりたいのと男に異性として好かれたいは似ているようで違うニュアンスなのは確かになと思った。 似た様なものを同じようなサークルに入れて理解してしまうものだけど、細かい心情をテーマに...
最初の方はどのような展開になるのかワクワクしながら読んだが、そのハードルを上回らなかった。 ただ美しくなりたいのと男に異性として好かれたいは似ているようで違うニュアンスなのは確かになと思った。 似た様なものを同じようなサークルに入れて理解してしまうものだけど、細かい心情をテーマにしていた様で面白かった。
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怒ってほしい。 あなたの思うままに怒ってほしい。 あなたの感情はあなただけのものなんて、安っぽく聞こえるのかもしれないけど、それでも、と思わずにはいられない。 遠野さんの他の作品も読もうと思います。
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衝撃的な内容。でも、想像は超えない。 この先が読みたい。というか、これからって感じがするのに、終わってしまって中途半端。
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なんか気持ち悪い話だった。 芥川賞受賞作家さんらしい。作風もそんな感じ(思い込みかも??) 内容は結構過激なのに、盛り上がりがないというか淡々とした文体。そして、それで?って感じの終わり方。純文学なのか~やっぱ苦手だな。
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この物語は現代を生きていく中で一人一人が葛藤、悩みがあり壁にぶち当たり問題を抱えることで成長していく様を書いたものだと思った。 主人公は自分を理解したい、でも出来ない、して欲しい、でも怖いという矛盾の中で生き、小学生から大人にかけの成長を書いたのかなと思った。 最後の最後で大きな...
この物語は現代を生きていく中で一人一人が葛藤、悩みがあり壁にぶち当たり問題を抱えることで成長していく様を書いたものだと思った。 主人公は自分を理解したい、でも出来ない、して欲しい、でも怖いという矛盾の中で生き、小学生から大人にかけの成長を書いたのかなと思った。 最後の最後で大きな出来事がおき、彼なりに自分をはっきり認識したのではないかと私は思う。 人と比べず、人の目を気にせず生きていけたらどれほど人生は楽しく、また生きやすくなるものなのだろうか。
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共感する部分が多く、好きな作品だった。 なのに自分の頭ではこの作品を完全に理解し切っていないのが悔しい。 読み返して理解出来たらもっと好きになるかもしれない。 性的な描写が多く、生々しくて、唯一この部分だけは好きになれなかった。
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