改良 の商品レビュー
naonaonao16gさんのレビューを見て ソッコーでAmazonで購入して、すぐ読み始めました! たしかに、冒頭クソエロい!! というか、クソエグい展開でビックリしました。 レビューを見てないで読んでいたらもっと衝撃だったかも… 全部で125pと短く、淡々と話は進んでいく...
naonaonao16gさんのレビューを見て ソッコーでAmazonで購入して、すぐ読み始めました! たしかに、冒頭クソエロい!! というか、クソエグい展開でビックリしました。 レビューを見てないで読んでいたらもっと衝撃だったかも… 全部で125pと短く、淡々と話は進んでいく感じなのだが、それぞれのエピソードが結構な強烈さがあって 自然と引き込まれて、どんどん先が読みたくなっていきました。 許容(強制的に)しながら、拒絶しているというような構成のエピソードになっているのかなぁ… 冒頭のトラウマ的なエピソードによって主人公の性癖のトリガーが押されてしまったのだとすると、 幼少期の体験が自身の性癖に深く関与しているのだなぁと考えさせられました… 小学生の頃、裏のアパートに落ちていたエロ本の内容が今の自分の性癖(おしえませんが…笑笑) に影響を与えているのかもしれないと、この小説を読んで思ってしまいました。 あの頃の衝撃的な性的興奮は超えることはできないかもしれないです… 初めて読んだ作家さんでしたが、他の作品も是非読んでみたいと思いました。 GW暇な方は1日で読めちゃうと思うんでおススメです! naoさん ありやとう!!
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うららかな春の日。 今日は入学式。 そんな日に読み始めた『改良』 びっくりした。 最初からめっちゃエロい。 朝の通勤電車内。 どうしようかと思っちゃった。 しかしである。 その描写を「エロ」と捉えた自分の想像力に、なんとも苦々しいものを覚えて、最後まで心の器からドロドロとあっつ...
うららかな春の日。 今日は入学式。 そんな日に読み始めた『改良』 びっくりした。 最初からめっちゃエロい。 朝の通勤電車内。 どうしようかと思っちゃった。 しかしである。 その描写を「エロ」と捉えた自分の想像力に、なんとも苦々しいものを覚えて、最後まで心の器からドロドロとあっつい何かが溢れるのを止められなかったし、それを見逃すことができなかった。 P29「どうして女性と男性とで、かくあるべきという姿が違うのだろう?女性は毛を剃るべきで、男性はそのままにしておくべきだと、そんなことをいったいどこの誰が決めたのだろう?」 例えば、エコバックを持ち歩くこと、お弁当を持っていくこと。 それらを「女子力」と括る人がいる。 別にいい、分かりやすいし。 だけどそれって女性だけがすることなんだろうか。 男性がエコバックを持ち歩いてもお弁当を作ってもいいではないか。それは「女子力」なんだろうか。それは生活そのものなのではないか。男性だって女性だって生活をしているはずだ。しかし、未だに生活を匂わせる部分においては「女子力」と括りがちである。 男は男らしく、女は女らしく? 美しくある男は女々しい? 美しいことは男らしくない? 男が美しくありたいと思うことは、ダメなことなの? 遠野遥さんの『改良』。こちらがデビュー作だ。 芥川賞を受賞した『破局』ではあまり理解できなかったこの虚無感というか、頭の中の言葉が全部溢れて文字にされてる感じがちょっとだけ疲れた脳みそには心地よい。 いつの間にか癖になっている自分がいる。 淡々と、主観的でありつつ客観的でもあるような彼の目線と口調で進む物語と、時折挟まれる主人公の口調の不一致に戸惑う。 中性的な性別の語りから、急に男が顔をのぞかせるような。 それはまるで、彼が美しくあるためにメイクや服で隠しても、どこかで「男」が顔を出しているような状況と似ている。 隠しきれない性別。それに付随する偏見、らしさの押しつけ。 だけど、彼は美しくありたいだけで、娼婦になりたいわけでも、男とセックスがしたいわけでもない。 ただ美しくありたくて、女の子とセックスがしたいのだ。 「男らしさ」「女らしさ」という鉄槌で、彼を傷つける人たち。 極端な描き方をしているけれど、わたしたち、ふだんからやってませんか? 平野さんの小難しい解説もよかった。 従属することや規範意識、『破局』との共通点もかなりあったし、これから先の作品にも「便座の蓋が上がっていることに嫌悪感を示す」描写は続いていくのか、それが楽しみになってくる。 最新作『教育』も漢字二文字で構成されているし、このままでずっといくのだろうか。便座の蓋の話は出てくるのだろうか。 ああ、やっぱり。なんだか癖になっている。
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「私」がルッキズムである故に、自分自身が美しくない事実を受け入れられない。メイクをして、美しくなったから他者に見てもらいたいと思っていたので、他者に変な嗜好だと言われたことを受け入れられない、というのは読んでいて苦しかった。 また、幼少期の経験がまた違った形で繰り返されてしまって...
「私」がルッキズムである故に、自分自身が美しくない事実を受け入れられない。メイクをして、美しくなったから他者に見てもらいたいと思っていたので、他者に変な嗜好だと言われたことを受け入れられない、というのは読んでいて苦しかった。 また、幼少期の経験がまた違った形で繰り返されてしまってエグい。
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非常に読みやすく、また内容的にも興味が持て、スラスラ読めた。昔、ビジュアル系バンドに影響を受け、自分も化粧をし、最初は自分でするだけだったが、その内、外に行く時するようになり、次第に他人の評価が気になりだした。美しいものへの、憧れと嫉妬、多かれ少なかれ、抱えながら生きてます。容姿...
非常に読みやすく、また内容的にも興味が持て、スラスラ読めた。昔、ビジュアル系バンドに影響を受け、自分も化粧をし、最初は自分でするだけだったが、その内、外に行く時するようになり、次第に他人の評価が気になりだした。美しいものへの、憧れと嫉妬、多かれ少なかれ、抱えながら生きてます。容姿によって人生って、全く違うものになって行くんでしょうね。
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化粧は、ファッションは、モテたいためにしてるわけじゃない。自分の満足できる?妥協できる美しさに近づくためのもの。なかば趣味的なところもある。あと好きな髪型して好きな格好してたら3歳位の子におとこ?おんな?てきかれた経験ある。(笑) 性別ってなんなんだろうね。 誰しもが思い込みの...
化粧は、ファッションは、モテたいためにしてるわけじゃない。自分の満足できる?妥協できる美しさに近づくためのもの。なかば趣味的なところもある。あと好きな髪型して好きな格好してたら3歳位の子におとこ?おんな?てきかれた経験ある。(笑) 性別ってなんなんだろうね。 誰しもが思い込みの上で行動した結果図らずして人を傷つけている可能性があるということを再確認させてくれた。この短い作品で。強烈なパンチ力。ちょっぴり尾崎世界観さんの祐介にでてくる出っ歯の女性だとかピンサロ嬢を思い起こされた。
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浅はかだと思われるだろうか、私自身もルッキズムが持つ正義性からどうしても逃れられない。美しさの前では知識も強さも正しさも脆くなり、美しさが正しい。 主人公が自分の容姿に少しずつ自信を持ち始め、自分自身を美しい女として扱っていくのに、周囲からの目はそれとは大きく乖離している。カオ...
浅はかだと思われるだろうか、私自身もルッキズムが持つ正義性からどうしても逃れられない。美しさの前では知識も強さも正しさも脆くなり、美しさが正しい。 主人公が自分の容姿に少しずつ自信を持ち始め、自分自身を美しい女として扱っていくのに、周囲からの目はそれとは大きく乖離している。カオリに対する「なんで可愛いと言わないのか」(的な)セリフが苦しかった。 自分が完璧に作り上げた(と思った)可愛い自分が、他者から見てそうでなかった時の虚しさは、感じたことがある。 そこまで深い読みはできていないし、主人公のような人間はよくいるよねー!ってわけではない、けど、通ずるものは誰にでもある
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正しさや模範を頭では理解していても、人は独自の価値観に基づき社会を見渡している以上、他者を理解できない、受け入れられない瞬間がある。 これは非常に不思議なことで、そもそも善悪の基準とは?模範とは?ルールとは?どこから来るのか。 自分で勝手にそうであると当たり前のように感じているが...
正しさや模範を頭では理解していても、人は独自の価値観に基づき社会を見渡している以上、他者を理解できない、受け入れられない瞬間がある。 これは非常に不思議なことで、そもそも善悪の基準とは?模範とは?ルールとは?どこから来るのか。 自分で勝手にそうであると当たり前のように感じているが、よく良く考えればその時代の権力者が押し付けたエゴではないか。 大多数の利益、大多数の意見が優先され少数派は見捨てられる。 何が正しいだとかいうわけでもないのに、少数派は道外れの者と見なされ軽蔑される。 これはあってはならないことである。 本作の主人公はそうした倫理観を抱きながらも、それが社会に受け入れられないことを納得してしまう。 人間の性について問題視している。 私自身も電車の飛び込み事故は飛び込んだ側は悪いのか、悪くないのか。そもそも悪いとは何を持って言うのか、以前考えていたことを思い出した。 何が悪いのか。というのは状況、局面によって変わる不安定なものである。 それに縋って生きる私たちは、ある意味社会に洗脳されているといえる。 故に、物事を判断すること自体、何かを悪だと思うこと自体、別の局面からすると悪である。 それを自覚した上で生きる必要があると感じた。 つまり、偏見に囚われてはいけないと口ではいうが。 この意味を今一度、真の意味で捉え直す必要があると思うのだ。
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遠野遥2冊目!破局を読んだ時は本当に意味わからんおええってなったけど、それからいろいろな本に触れてきたからだろうか、今回の改良は、性的暴行シーンはしんどかったけど、全体的に興味深い、の視点で読み終えることができた。 どこかAI的な思考を感じさせる、若干「普通」とずれている主人公の...
遠野遥2冊目!破局を読んだ時は本当に意味わからんおええってなったけど、それからいろいろな本に触れてきたからだろうか、今回の改良は、性的暴行シーンはしんどかったけど、全体的に興味深い、の視点で読み終えることができた。 どこかAI的な思考を感じさせる、若干「普通」とずれている主人公の語りが怖かった、言葉にできない違和感を覚える。解説読んだのでかなりそれに引っ張られているけど、「規範」に執着して、自分の状況を変な方向で納得しようとする主人公。情緒不安定で、自分を大事にしたいのか、傷つけられて当たり前だと卑下しているのか、よく分からない。納得しようとしてても突然感情的にキレるところとか、結局つくねに対して好意というか性的な感情を持ち続けているのも謎だった。 解説はめっちゃ深く掘ってたけど、私はそこまで読み込むのはまだ無理だな〜と思った。やっぱり主人公に共感とかはできないし。でも、この主人公への違和感とか、感じる「ズレ」の部分が面白いと思えてしまう。最後ボロボロの格好でつくねに会いにいく主人公の未来は、明るいのか暗いのか。
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「私だって自分の鼻のかたちが好きだったわけではないけれど、それでもこれはほかの誰でもない私の鼻であって、私以外の人間にそれをどうこうしていい権利などなかった。」p122
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解説が平野啓一郎さんだったので迷わず購入。 内容は重たく、誰しもが少なからず身に覚えのある感情を簡潔でとてもわかりやすく、けれど感情がライドしすぎずにいい意味で他人事としてスラスラと読み進められる文体と構成だった。 頁数も125とあまり多くなくて内容の重さや主人公の感情に引っ張ら...
解説が平野啓一郎さんだったので迷わず購入。 内容は重たく、誰しもが少なからず身に覚えのある感情を簡潔でとてもわかりやすく、けれど感情がライドしすぎずにいい意味で他人事としてスラスラと読み進められる文体と構成だった。 頁数も125とあまり多くなくて内容の重さや主人公の感情に引っ張られる前にスッと終わってくれるのもよかった。 この手のお話は終わり方によっては後味の悪さがじんわりと残り続けて、あえてそうすることによって作品の議題について読者に考えさせる構造になっていることが多いけれど、本作はそのしつこさがなくて良かった。
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