赤と青とエスキース の商品レビュー
とても心が温かくなる素敵な作品に出会えました。一つの絵を巡って繰り広げられる物語たちが全て繋がった時は、そう繋がるのか!とそれまで読んできた物語が走馬灯のように映像として浮かんできました。いろんな「愛」の物語を楽しめました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1枚の絵画に纏わる連作短編集なのですが、まずはそれぞれのエピソードがとても優しく美しいことに心を奪われました。ブーやレイをはじめとする登場人物の想いや心情がとても伝わってきました。 そして読み進めていき、その繋がりがわかった時は…驚きと同時にとても清々しい爽やかな気持ちに。なんとも言えない読後感でした。 エピローグでジャック・ジャクソンの視点で冷静に語られるところにこれまでの物語が一気にフラッシュバックしてきました。たしかにこれは二度読みしたくなります。 本当に素晴らしい作品でした。 今年の本屋大賞は難しいですね。
Posted by
これまで読んだ青山美智子さん作品とは違い、でも、短編連作で、どんどん繋がっていく感じがとても良かった!赤、青、エスキース、最後まで読むと、また最初から読み返したくなる作品。うーん、好きな作品!とても良かったー。
Posted by
「どこにいても何をしていても、いつの世でも、人のやることは同じよ。食べて眠って起きて、好きになったり嫌いになったりするのよ」(p40) エピローグを読むまでは、ありふれた物語だと思った。 しかし、エピローグを読み進めると「そうきたか」と声に出してしまうほど、衝撃的な展開が続いて...
「どこにいても何をしていても、いつの世でも、人のやることは同じよ。食べて眠って起きて、好きになったり嫌いになったりするのよ」(p40) エピローグを読むまでは、ありふれた物語だと思った。 しかし、エピローグを読み進めると「そうきたか」と声に出してしまうほど、衝撃的な展開が続いて面白かった。 長い人生、1つの職業で終わるとは限らない。 ご縁があって、いろんな職業を体験した後に、本当にやりたかったことが見えてくることもある。 私もいつか、そんな時がやってくるかな。 帯に記載された「この本を読み終わったとき最初に思い浮かんだ人を、どうか大切にしてください」という一文。 読み終えた時、私は誰も思い浮かんでこなかった。 この本が伝えたいことを、私はまだ汲み取れていないのかもしれないな。
Posted by
まんまとやられました。 そんな仕掛けがあるとはびっくりしました。 一つの絵画から始まるストーリーで、30年にわたる 純粋に絵画を愛する人たちのドラマがここにあると 感じてます。タイトルの「赤と青とエスキース」の 「赤と青と」の意味が分かったとき心がホッとするような、胸が撫で下ろさ...
まんまとやられました。 そんな仕掛けがあるとはびっくりしました。 一つの絵画から始まるストーリーで、30年にわたる 純粋に絵画を愛する人たちのドラマがここにあると 感じてます。タイトルの「赤と青とエスキース」の 「赤と青と」の意味が分かったとき心がホッとするような、胸が撫で下ろされたような気持ちになりました。
Posted by
こんな愛を体験したい。 タイトルとそれ秘められたカラクリと、時間軸が交差する中での物語展開。 一つの絵を巡る、人間臭くて、儚くて、だけどとても美しい物語。 夢は夢で終わらないと勇気をくれる、出会って良かったと思える本でした。
Posted by
青山さんらしい、優しい物語。 ワーキングホリデーを経験したことのある私には、共感できる部分もあり、ちょっと羨ましくなる部分もありました。 偶数何度も訪れてはくれない非日常の出会いも、ただの「いい経験」で終わらせずにその後の人生に繋げていけたら素敵だなと改めて思う。 年を取るこ...
青山さんらしい、優しい物語。 ワーキングホリデーを経験したことのある私には、共感できる部分もあり、ちょっと羨ましくなる部分もありました。 偶数何度も訪れてはくれない非日常の出会いも、ただの「いい経験」で終わらせずにその後の人生に繋げていけたら素敵だなと改めて思う。 年を取ることに対するユリさんの言葉がとても好きだった。
Posted by
本屋大賞 2022年ノミネート作ぜんぶ読むチャレンジ③ 後に有名になる画家の卵が描いた、ある女性の水彩画。「エスキース」(下絵)と名付けられたその絵をめぐって、「誰かが誰かを大切に思う」5つの物語が語られてゆく。 さらりと読める連作短編集…と思いきや、エピローグで「ああっ、そうい...
本屋大賞 2022年ノミネート作ぜんぶ読むチャレンジ③ 後に有名になる画家の卵が描いた、ある女性の水彩画。「エスキース」(下絵)と名付けられたその絵をめぐって、「誰かが誰かを大切に思う」5つの物語が語られてゆく。 さらりと読める連作短編集…と思いきや、エピローグで「ああっ、そういうことだったんだ!」と思わず声を上げてしまう仕掛けが(ネタバレになるのでこれ以上は書けません)。後味がとても良いので癒されたい時におすすめ。サブタイトルや人名などあちこちに「赤」と「青」の対比がちりばめられているのも楽しい。
Posted by
まだ色のない透明なところから 短編の1話ごとに 少しずつ少しづつ色付けされて 最後には ハッキリとした 意志のある色に染まり上がる 濃く、力強く 話の 全てが大切で 全てが必要で 全てがカチッとはまったら それがもうこの本なのである
Posted by
「エスキース」と名付けられた絵に纏わる五つの物語、物語は30年の歳月を経て更に続いていくのだろうと想像させられてしまう。最近のセンセーショナルな小説に比べ、何か久しぶりに心地よい物語を読んだ気がする。こういうの女性書店員が好きそうだなあ、去年も本屋大賞2位だったんだろう、「同志少...
「エスキース」と名付けられた絵に纏わる五つの物語、物語は30年の歳月を経て更に続いていくのだろうと想像させられてしまう。最近のセンセーショナルな小説に比べ、何か久しぶりに心地よい物語を読んだ気がする。こういうの女性書店員が好きそうだなあ、去年も本屋大賞2位だったんだろう、「同志少女よ、敵を撃て」を推したいところだが女性向きとは言えないのでこれは強敵だなあ。本屋大賞もまるで面白くないものを選ぶことがあるが、半数以上は納得がいくものであり、日本は本当に文化水準が高いなあと感心してしまう。
Posted by