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星を掬う の商品レビュー

4.2

670件のお客様レビュー

  1. 5つ

    258

  2. 4つ

    256

  3. 3つ

    101

  4. 2つ

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  5. 1つ

    2

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2024/03/06

序盤が胸糞悪すぎて胸が痛くなった。 千鶴の視点から描かれていくので当然母親がなんで逃げたのかわからなかったけど母親もその母親からの独裁的な教育のおかげで母親2号となっていったのでなんだか仕方のないことのようではある。 最後は認知症になりながらも千鶴を庇ったのは感動。無事でよかった...

序盤が胸糞悪すぎて胸が痛くなった。 千鶴の視点から描かれていくので当然母親がなんで逃げたのかわからなかったけど母親もその母親からの独裁的な教育のおかげで母親2号となっていったのでなんだか仕方のないことのようではある。 最後は認知症になりながらも千鶴を庇ったのは感動。無事でよかったし余生は星を掬って欲しい えまと結城先生がくっついたのはよかった 美保が来た時は心底腹が立ったしそれに甘すぎる綾子さんもうざかった。 美保がインスタに載せたせいで弥一が来たしえまも襲われて可哀想 最終的に丸く収まったから良いけど美保が暴れすぎ どの登場人物が魅力的なのでその後のアフターストーリー的なのも気になる

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2024/03/05

私の苦しみは私のもの。 誰かのせいにしてその痛みから逃げてはいけない。 お互いに傷つけあう距離にいるあなたと、どう接すればいいのだろう。近づけば近づくほどに痛みを与えあう。 そっと落ち着いて、自分たちの星を掬えるタイミングが来ることを信じて待つことが大切なのかな。

Posted byブクログ

2024/03/03

題名の意味が分かった時にこのお話が大切にしていることが伝わって本当に感動しました。 あまり元気がない時には読めないかもしれません。衝撃的なシーンがあまりにも多いので。 辛い事が起こると誰かの、何かのせいにしてやり過ごせれば一時は楽になるけれど、それで終わり。前に進めず、ずっと留...

題名の意味が分かった時にこのお話が大切にしていることが伝わって本当に感動しました。 あまり元気がない時には読めないかもしれません。衝撃的なシーンがあまりにも多いので。 辛い事が起こると誰かの、何かのせいにしてやり過ごせれば一時は楽になるけれど、それで終わり。前に進めず、ずっと留まって結局は苦しむ。 加害者もとことん悪者にならなくては。謝って許されて楽になるのは本人だけ。された側の苦しみは癒されない。 読んでみて思ったのは、句読点の使い方が秀逸だなと。 登場人物の戸惑いや苦しみなどの感情がとても伝わってきました。

Posted byブクログ

2024/03/03

母と娘の関係って、本当に特殊な気がする。私はうまく母との関係が築けなかった。千鶴とは状況が全く違うのに、最後はグサグサと胸に刺さりまくって、私のことを言われている様でボロボロ泣いていた。心が痛かった。 小学校1年生のある日、突然母は千鶴を連れて旅に出た。父と祖母に見つかって家に...

母と娘の関係って、本当に特殊な気がする。私はうまく母との関係が築けなかった。千鶴とは状況が全く違うのに、最後はグサグサと胸に刺さりまくって、私のことを言われている様でボロボロ泣いていた。心が痛かった。 小学校1年生のある日、突然母は千鶴を連れて旅に出た。父と祖母に見つかって家に帰ることになったのだけれど、一緒に家に帰っていると思っていた母は帰ってこなかった。「私は母に捨てられた。」 そして千鶴は今まで母を恨んで恨んで生きてきた。自分の人生、母のせいで不幸なのだと。そして実際に目を背けたくなるほどの辛い現実をただただ耐えて耐えて生きている。あるきっかけによって、母と再会することになり、複雑な思いを抱きながら母とそして自分と向き合っていく。 ―私の望む世界では母が生きず、母の望む世界では、わたしが生きられなかった。― 母なら自分を犠牲にしてでも愛してくれるはずだという自分勝手な幼い幻想を今もなお持っているのは、紛れもない私なんだと思ってしまった。自分を生きずに「生きる」ことが、私が本当に望んでいる「生き方」なんだろうかとも。一方で、やはり母が子どもに与える影響力は強すぎるとも思う。 すぐには割り切れない、未熟者です。 沈んでいた記憶が意識の海から不意にポコっと浮き上がってきた時。 星を掬う、とてもとても優しく素敵な表現だな。

Posted byブクログ

2024/08/06

 婚家に馴染めずに娘と別れざるを得なかった母。母に捨てられたという思いから抜け出せないでいる娘。そんな母と娘がある日、思わぬ形で再会し生活をともにするようになる。  同性として、そして母娘として、互いに理解しあえる日は訪れるのか。  人生を見つめ絆を再構築しようともがく母娘を描...

 婚家に馴染めずに娘と別れざるを得なかった母。母に捨てられたという思いから抜け出せないでいる娘。そんな母と娘がある日、思わぬ形で再会し生活をともにするようになる。  同性として、そして母娘として、互いに理解しあえる日は訪れるのか。  人生を見つめ絆を再構築しようともがく母娘を描くヒューマンドラマ。本屋大賞受賞後第1作。  物語は基本的に主人公の千鶴の視点で語られていくが、後半からは千鶴の母の聖子の追憶が適宜挟まれるようになる。             ◇  幼い頃に母親が家を出ていき父親と祖母に育てられた千鶴は、母に捨てられたという思いからくるわだかまりを払拭できずに生きてきた。  そんな千鶴にも母との大切な思い出がある。  それは小学1年の夏休み。母がひと月にわたる旅行に連れて行ってくれたことだ。母の赤い愛車に乗りこみ、海水浴場から温泉へと足を伸ばした楽しい旅だった。  けれど祖母と父が宿に踏み込んできたことで、突如その旅は終わりを告げる。  祖母は棘のあることばで母を責め立て、そのまま千鶴を父の車に乗せるや帰路についた。母の赤い車は後を追っては来ず、母が家に帰って来ることもなかった。  車に乗せられる千鶴をじっと見ていた母が、千鶴にとって最後の母の思い出となった。  それから22年が過ぎたある日のこと。  たまたま聴いていたラジオ番組の思い出企画「夏休み」に千鶴が母との最後の思い出を綴って送ったところ、それが準優勝作に選ばれたとディレクターの野瀬から連絡が来た。  さらに翌週、放送を聴いていたリスナーから千鶴について問い合わせが来ていると野瀬から電話があった。そして、野瀬は千鶴にある提案をしたのだった。( 第1章「廃棄パンの絶望」) 全6章。         * * * * *  本作には主人公を含め、いろいろな女性が登場します。中でも母親に対する屈折した思いを抱く女性が物語の中核を担っていました。  彼女たち、特に恵真と聖子、それに彩子が送ってきた過去は同情してもしきれないですし、千鶴と美保は幼かったこともあって、かわいそうだとは思います。  さらに彼女たちの現状にもかなり危ういものがあります。  聖子と彩子は幼い娘を置き去りにしてしまったという負い目を拭い去ることができずにいますし、千鶴はクズ男の本性を見抜けずに結婚してしまい離婚してからも暴力と借金に苦しめられています。  恵真はその美貌が仇となって男性不信に陥っており、17歳で妊娠中の美保は男に逃げられヒステリー状態です。  よくぞここまでと感じてしまうほどの不幸を抱えた5人がシェアハウスで同居することになるのですが、話はこれだけで終わりません。  聖子は若年性アルツハイマーを患っていて、千鶴は元夫の執拗な追跡に怯え引きこもりになっています。  こんな状況で、聖子と千鶴、彩子と美保による母娘関係の修復をしようというのです。  ずっとハラハラしどおしの、実にしんどい展開でもあります。読んでいて疲れました。  「母娘の関係は難しい」とよく言われます。母親が娘に対して常に公正でブレなければいいと聞きますが、そういうわけにはいかないのが親子というものでしょう。  だから千鶴や美保がそれぞれの母親に対し八つ当たりのような理不尽な態度をとるのは、どうしても許容できませんでした。   母親の事情を斟酌せず、家を出ていったというその1点だけで声高に責め立てる。駄々っ子と同じです。  千鶴も美保も現在の不遇は自分の不明が原因であり、母のせいではありません。もはや同情に値しないでしょう。  対照的に、恵真には全面的にエールを贈りたいと思いました。  1歳で両親を亡くした恵真は聖子に母親を求め、懸命に孝養を尽くそうとします。その健気さは胸を打ちました。  また、千鶴に酷いことを言われても、恵真はひとまず受け止めてあげようともします。恵真が育ってきた環境は千鶴たちとは比較にならないほど悲惨だったのにです。  だから、幸せな将来像が恵真にだけ具体的なシルエットでもって提示されていた最終章には救われた気がしました。  さて、聖子の薄れゆく記憶の中には幼い千鶴との思い出がいくつか残っています。それは、夜空のあちこちで小さな星が放つ光のようです。時おり正気を取り戻す聖子は、そのささやかな光を掬っては千鶴に見せてくれるのでした。  そうするうちに、ささくれていた千鶴の心はいつしか癒やされていくのですが、こんなラストも ( こちらが話の本筋なのでしょうが ) 、実に感動的でした。このあたりは町田さんの巧みなところだと感じ入りました。 ( ところで、野瀬匡緒ディレクターの存在が思ったより大きくなかったのは意外でした。)

Posted byブクログ

2024/02/29

自分に自信がなかったり、どうしたらいいのか未来が見えない辛い状況におかれたときに、自分の人生を都合よく振り返り、他人のせいにしたくなり、家族を責めてしまったことは私にもあった。だけど結局は過去よりも今、ほかの人がどうしたかよりも自分がどうするかを考えて行動していかなければ、進んで...

自分に自信がなかったり、どうしたらいいのか未来が見えない辛い状況におかれたときに、自分の人生を都合よく振り返り、他人のせいにしたくなり、家族を責めてしまったことは私にもあった。だけど結局は過去よりも今、ほかの人がどうしたかよりも自分がどうするかを考えて行動していかなければ、進んでいくことはできない。美保や恵真、そして主人公の千鶴がたくましくなって自分の人生の舵をきるようすを見て晴々とした。 そして、人の中に潜む数々の思い出から良い出来事を思い出す行為を星を掬うという表現で表すのは美しいなと思った。

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2024/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の千鶴はラジオへの投稿をきっかけに、かつて自分を捨てた母親と再会を果たす。 再会した母・聖子は若年性認知症を発症していた。 さざめきハイツでの共同生活、恵真や綾子、結城の存在に救われる部分はあるけど内容は重く苦しい。 他人の悪意に負けて自分の生き方を狭めるなんて許さない、まさにその通りだと思った。

Posted byブクログ

2024/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最初の2、3ページ読んだ時点で、俺が苦手のDVを主題に置いている小説なのかなと覚悟した。それでも文章の読み安すさにひかれ読み進んでいくと、これはDVが主題の小説ではなく、単に母と娘の感情のもつれを描いている小説なのだと思った。ただ、この感情のもつれが問題なのだ。特に幼い時期に母と引き離された子供の感情は、男の子、女の子に関わらず何かしらの影響を大人になってからも与えて続けているかもしれない。ただ多くの人は、大人の事情と割り切って自分なりの人生を歩んでいくだろうと思う。しかし、自分の人生に何かしらの躓きがあった場合、そしてその躓きが特に娘の場合、やはり子供時代の母親の不在が、大人になっても影響していると感じるのではないのだろうか。そしてその結果、子供の頃の母親を追い求めた気持ちが思い起こされ、結局捨てられた事実だけが重くのしかかっていったのではないだろうか。また一方で母親のほうも、色々事情はあるにせよ「最終的は娘を見捨てた」格好となり、結局は娘に対する負い目を生涯に渡って背負っていくこととなる。勿論、無責任な夫や姑が一番悪いのだが。しかし娘の感情は父親や祖母には向かわず母親へと向かう。その結果、母と娘は修復不能な状態となっていったのではないだろうか。 この物語は、元夫からDVを受けている主人公千鶴が、ラジオ番組“あなたの思い出買います”というキャンペーンで準優勝に当選したところから始まる。が、それは単に主人公千鶴と母、聖子とが再会するための取っ掛かりに過ぎない。元夫から逃げるために取った行動が、意に染まらないけど母、聖子との同居だったと言うことだ。但し、同居するのは母、聖子だけでなく、その聖子を「ママ」と慕う芹沢恵真、同じように娘を置いてきた経験を持つ九十九彩子の4人。 この4人と後に加わる彩子の娘、持田美保との5人で生活していくうちに、それぞれの人生の問題点が炙り出され、それぞれが自分なり対処し、ある時は助け合い、ある時は話し合って解決し、最後は認知症を患い、訳が分からなくなってきている母、聖子を庇いながら、元夫のDVや岡崎のストーカー行為に5人で立ち向かっていく姿が描かれている。読んでいて非常に面白かった。 ただこの小説、結城や野瀬のような良い男性もいることはいるが、どちらかと言うと陸でもない男のほうが多いのじゃあないだろうか。千鶴の職場の人だって、もう少し親身になってもいいと思うけど。

Posted byブクログ

2024/02/21

それぞれが辛い過去を抱えていて、重たい話ではありましたがすごく心に残る物語でした。 誰かのせいにして生きるのは楽だけど、結局自分の人生は自分しか責任を負えないんだなと思いました。 とても素敵な作品に出会えて良かったです·͜·

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2024/02/17

どこか無意識に目を背けているようなことに痛々しくぶつかっている作品だった。 家族だから、親子だから縋りついたり、縛りつけたり守ってくれるものではなく、血が繋がっていようがいまいが、1人の人生に向き合って生きていかなければならない。でもそのきっかけを、背中を押してくれるのは、最後は...

どこか無意識に目を背けているようなことに痛々しくぶつかっている作品だった。 家族だから、親子だから縋りついたり、縛りつけたり守ってくれるものではなく、血が繋がっていようがいまいが、1人の人生に向き合って生きていかなければならない。でもそのきっかけを、背中を押してくれるのは、最後は血のつながりなのかもしれない。町田そのこさんの作品にはクジラに続き、共感できて泣いてしまう。家族や人との距離感の障害やもどかしさ、痛みをこんなにうまく表現できる方はいないんじゃないだろうか。後半泣いてしまいました。最後の数ページでも泣いてしまった。

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