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ミカエルの鼓動 の商品レビュー

3.6

185件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    72

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

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2023/09/10

柚月さんの医療系の長編。ミカエルという天使の名前を持つ心臓の手術をサポートするロボットの第一人者である西條と、ドイツの循環器系の最先端の場所で実績を持つ真木。 二人の医療方針が食い違うところもありながら、共通するところもある。 既得権益の渦巻く世間だけではなく、最後には人間ドラマ...

柚月さんの医療系の長編。ミカエルという天使の名前を持つ心臓の手術をサポートするロボットの第一人者である西條と、ドイツの循環器系の最先端の場所で実績を持つ真木。 二人の医療方針が食い違うところもありながら、共通するところもある。 既得権益の渦巻く世間だけではなく、最後には人間ドラマも見せてくれ、医療のあり方を世間に強く問う物語であった。

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2023/09/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みした。最初はお約束のプライドや派閥争いでげんなりしたもののトップを走る外科医二人とも悲惨な生い立ちで信念を持ってるのはドラマティックで熱さを感じた。 妻は詳細な描写はないし主人公側からの目線で描かれているからというのもあるけど精神的な未熟さとヒステリックな感じが読んでいてキツかった。 特に大事な人生の分岐点で他人に判断を委ねるのは主人公の言う通りダサい。こうならないようにしようと心に強く誓った。 小さいながらに意思を持って物事を決める患者との対比で更にみっともなく感じる。妻はその事何も知らないだろうけどこうやって情がなくなっていくんだなと理解できた。 エピローグは個人的にイマイチに感じた。

Posted byブクログ

2023/08/31

盛り上がりに欠ける小説だった。 想像した通りの展開で意外性がほとんどなかったように思う。 ミカエルに、瑕疵があったのであれば、改良するべく、まずは上長すなわち病院長に報告し、メーカーに対してフィードバックするべき。そうする事によって、医療全体が改善していく。それによって、ロボッ...

盛り上がりに欠ける小説だった。 想像した通りの展開で意外性がほとんどなかったように思う。 ミカエルに、瑕疵があったのであれば、改良するべく、まずは上長すなわち病院長に報告し、メーカーに対してフィードバックするべき。そうする事によって、医療全体が改善していく。それによって、ロボットによる手術が停滞するとしても、より良い発展のためには、しかたあるまい。 こうする事は、誰が考えても当然の対応だと思う。 このことで、悩んでいる主人公がちょっと理解できなかった。 また、自分や真木の生い立ちなどが長々と描いてあるが、ミカエルの問題とは、あまり関係ないような…。 また、主人公は少年患者には、あれほど親身に対応するのに、なぜ妻にあれほど冷酷なのか? 妻には妻なりの深い悩み、苦しみがあったのでは? 西条は、その事に全く気づこうともせず、心の扉をぴしゃりと閉じてしまったのではないだろうか? 主人公に、感情移入が出来なかった。 最後、読み終わったあとも、なぜか空虚患を感じた。 もっと、緊迫感、驚き、臨場感、感動を得られる物語であったら良かった。

Posted byブクログ

2023/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりの柚月作品(長編)。手術支援ロボット(ミカエル)の第一人者・西條と従来通りの手術を実施する・真木。ミカエルの欠陥が明らかになり、苦悩する西條。過去に父親を手術中死去させてしまった真木。この2人の対立を通して、医師が患者に対して向き合う姿、誠実さが伝わった。一方、大学は経営という観点も必要で、病院長・曾我部とミカエルを大学のウリにしたい雨宮、医師VS経営者という構図があるから故に、医師2人の苦悩が顕著になった。ラストの西條の吹雪の場面は唐突過ぎ?多分、真木のように真摯に医療と向き合うに違いない。⑤

Posted byブクログ

2024/02/04

作中にある「医者は神」という言葉、病気の不安を一度感じれば意味がよくわかってしまう。医者に全てすがってしまうことが確実にある。 本当の意味での信仰とは言えないのだろうけど、そのまま自分で選ばず、人に任したまま生を終える人は山のようにいる。この本は医療を入口にした、生き方とか意思の...

作中にある「医者は神」という言葉、病気の不安を一度感じれば意味がよくわかってしまう。医者に全てすがってしまうことが確実にある。 本当の意味での信仰とは言えないのだろうけど、そのまま自分で選ばず、人に任したまま生を終える人は山のようにいる。この本は医療を入口にした、生き方とか意思の話かもしれないなと思った。 正義は一つではなく、それぞれの正義が存在するという現実が書かれているにもかかわらず、神秘的ないい終わり方だった。

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2023/08/16

医療とは何か、命とは何かを問う作品だった。 しかし、個人によってその価値観は違うのだなと感じた。医療の未来を考えて行動する者、未来より目の前の命を救おうとする者。それぞれの立場の人間たちが対立し、それでも自分の信念を貫こうとする。そのような想いがひしひしと伝わってきた。結局のとこ...

医療とは何か、命とは何かを問う作品だった。 しかし、個人によってその価値観は違うのだなと感じた。医療の未来を考えて行動する者、未来より目の前の命を救おうとする者。それぞれの立場の人間たちが対立し、それでも自分の信念を貫こうとする。そのような想いがひしひしと伝わってきた。結局のところ何が正しいのかはわからない。

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2023/08/12

長編医療小説でした。 冒頭は入り込めず脱落しそうになりましたが、中盤からは惹き込まれました。 西條、真木の医師二人は立派な医師で、読後感はさわやかでした。西條の生への思いもいい感じにまとめられていたと。 真木の心情の本音が他人の視点でしか見えなかったところ、雨宮な立ち位置が...

長編医療小説でした。 冒頭は入り込めず脱落しそうになりましたが、中盤からは惹き込まれました。 西條、真木の医師二人は立派な医師で、読後感はさわやかでした。西條の生への思いもいい感じにまとめられていたと。 真木の心情の本音が他人の視点でしか見えなかったところ、雨宮な立ち位置がえ?って感じだったところ、それで結局どうなったんだろう…その辺りがあったので⭐︎3つです。

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2023/08/02

手術支援ロボット「ミカエル」を巧みに操り手術をする西條と、従来の手術の凄腕である真木。 共に有能な医師であるが故に心臓疾患を抱える少年の治療方針を巡って対立する。 ミカエルに関わるとある疑惑により医師としての人生に転機が訪れた西條の今後が気になる。 続編があれば嬉しい。

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2023/06/22

どうやら今まで、柚月裕子さんの作品をキチンと読んだことが無かったようです。結果から言うと、 「また好きな小説家が増えてしまった。」 手術用ロボット「ミカエル」を軸に展開する医療ミステリーです。  よくある派閥と利益・利権を貪る「白い巨塔」的な話かと思ってましたが、医療に携わる...

どうやら今まで、柚月裕子さんの作品をキチンと読んだことが無かったようです。結果から言うと、 「また好きな小説家が増えてしまった。」 手術用ロボット「ミカエル」を軸に展開する医療ミステリーです。  よくある派閥と利益・利権を貪る「白い巨塔」的な話かと思ってましたが、医療に携わる者の使命と言うか、倫理感を大事にした物語で、読了感も良い余韻です。 あらすじとか、内容とか私なんかが書かなくても たくさんの方が書かれているようなので、省略。 日曜9時のドラマのような、スッキリとした終わりで心地よいですよ。

Posted byブクログ

2023/06/22

最先端医療の普及を目指す医師の患者と技術に対する向き合い方、同僚との葛藤と信頼、苦悩が良く描かれている。生命の平等の実現、緊迫した展開、医師の倫理、そもそも生物は生きようとする存在、生命力の前で医師はその従僕なのである

Posted byブクログ