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水中の哲学者たち の商品レビュー

4.1

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/11/16

自分の中で凝り固まっていたものが少しだけ解けていくような感覚を味わえて、心が軽くなった。時折、文章の中にでてくる例えに共感できるものがあり、おこがましいが世の中には自分と似た出来事を感じた人がいるんだと思った。明日から少しだけ生きやすくなった。

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2024/02/22

著者が各地で催している哲学対話をフックに話は進められる。ソフトタッチで哲学に触れられる。若い人に薦めたい。 「哲学対話では、誰かが考えを話すとき、まるでそのひとが、自分自身の一部をわたしに手渡してきたかのように思えるときがある。その考えは、そのひとなのである。」(p88) とあ...

著者が各地で催している哲学対話をフックに話は進められる。ソフトタッチで哲学に触れられる。若い人に薦めたい。 「哲学対話では、誰かが考えを話すとき、まるでそのひとが、自分自身の一部をわたしに手渡してきたかのように思えるときがある。その考えは、そのひとなのである。」(p88) とあるが、本の読者であるわたしもこの世界に巻き込まれる感覚だった。 以下、感じたこと。よいと思ったこと。 ・答えを求めない、問いを立て続ける ・考える、ともに考える、私たちが考える ・哲学は自分の意思で始めるよりも、始め「させられる」ことのほうが多いかもしれない ・死ぬため生きている

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2023/11/06

哲学と聞くと、なぜ生きるのか、なぜ死ぬのか、とか壮大なテーマばかりで、考える担当の人がいて、自分に近いものを受け入れるものなのかなぁと、勝手に思っていました。が、哲学の概念が変わりました。というか、ここ数年の考えが変わってふっと馴染む感覚は哲学だったのだと気づきました。 永井さ...

哲学と聞くと、なぜ生きるのか、なぜ死ぬのか、とか壮大なテーマばかりで、考える担当の人がいて、自分に近いものを受け入れるものなのかなぁと、勝手に思っていました。が、哲学の概念が変わりました。というか、ここ数年の考えが変わってふっと馴染む感覚は哲学だったのだと気づきました。 永井さんが提唱してる「手のひらサイズの哲学」は、日常のちょっとした哲学の種を見つけるので、いろんな話題がテーマとなる。とっつきやすいし、答えを出すことが目的じゃなくて、考えることが目的なのもいい。というか手のひらサイズの哲学というワードがひどく愛おしい。 我考える、故に我あり。 というのは有名なデカルトの言葉ですが、 考えはその人自身を表す。 のは、合ってると思っていて、 その人の考えが、その人を形成して、この先も形作っていく訳だから、やはり我考える、故に我ありなんだ。 ただその考えは別に変わっていい。 むしろ考えが変わっていく過程を楽しんで欲しい。とさえ書かれているのがとても印象的で、1つのことを貫き通すのが美学、という風態があるけど、もっとこの考えが広まれば、生きやすくなる人多いんじゃないのかなぁ。 あのサルトルが、死の間際今までの考えを180度変えてたのは知らなかったし、そんな哲学だけをやってた人がそうなんだから、我々は考えをどんどん変えていいはずだ。 世界は哲学で縁取られている。 人間は哲学という膜で形を保っている。 哲学、哲学、と聞くと高尚なもののように思っていたけれど、永井さんの提唱する「手のひらサイズの哲学」という考えがとてもしっくりきた。

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2023/10/31

哲学対話における永井さんの記録が書かれている。自分が心惹かれる部分は「社会で認識されている前提を問い直すもの」であったり、「日常的すぎて、気にしないようなこと」を拾い上げているようなそういう場面のようだ。 永井さんは、そういった場面を掬い取るセンサーとそれを楽しむユーモアも持って...

哲学対話における永井さんの記録が書かれている。自分が心惹かれる部分は「社会で認識されている前提を問い直すもの」であったり、「日常的すぎて、気にしないようなこと」を拾い上げているようなそういう場面のようだ。 永井さんは、そういった場面を掬い取るセンサーとそれを楽しむユーモアも持っているのだろう。

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2023/10/28

恥ずかしながら、今まで哲学ってどんな学問かわからないし、何だか難しそうだって敬遠してきたけど、人に勧められて読むことに。 哲学とは色々な問題になぜ?どうして?と疑問を持って、人と話し合うことなんだ。ついつい日々の中で白か黒かどちらかを選択しないといけないと思い込んでいたけど、それ...

恥ずかしながら、今まで哲学ってどんな学問かわからないし、何だか難しそうだって敬遠してきたけど、人に勧められて読むことに。 哲学とは色々な問題になぜ?どうして?と疑問を持って、人と話し合うことなんだ。ついつい日々の中で白か黒かどちらかを選択しないといけないと思い込んでいたけど、それすらも何でなんだろう? 少し立ち止まって考えたい時にまた読み返したい。そして、変わることを恐れないでというメッセージが心に残った。

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2023/10/25

著者が紹介するエピソードから著者の疎外感が伝わってくる気がするけど(著者は普段笑って過ごしているらしいけど)そのエピソードから感じた感覚に共感しづらい でも、著者は「あるある」なエピソードを紹介しているのではなく、考えるきっかけを提供してくれているのだと思って読み進める 何で共...

著者が紹介するエピソードから著者の疎外感が伝わってくる気がするけど(著者は普段笑って過ごしているらしいけど)そのエピソードから感じた感覚に共感しづらい でも、著者は「あるある」なエピソードを紹介しているのではなく、考えるきっかけを提供してくれているのだと思って読み進める 何で共感できない?を考えてみる 多分、著者の問いかけに自然科学的な、あるいは、法律論的な正解を考えてしまうからなような気がする 考えるきっかけはいろんなところにある 自分はあまり疑問感じないで(感じた疑問を無視して)毎日を過ごしていたってことだった

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2023/10/21

言葉になっていない言葉、つっかえながら話している人の話は、よくわからない世界をそのままうつしている感じがして好き。というようなことが書かれていた。私は話すのは好きだけど、うまく自分の伝えたいことが伝えられず、話している自分でさえ何を伝えたいかわからなくなってしまって、後に心の中で...

言葉になっていない言葉、つっかえながら話している人の話は、よくわからない世界をそのままうつしている感じがして好き。というようなことが書かれていた。私は話すのは好きだけど、うまく自分の伝えたいことが伝えられず、話している自分でさえ何を伝えたいかわからなくなってしまって、後に心の中で「あっさっきこういえばよかったのに…」と気づきつつも、もやもやしてしまうサイクルに悩まされていた。どうやったらみんなみたいに簡潔に話せるのか等、自分を直すことばかり考えていた…がこの1文でどれだけ私が救われたことか、、、、この文章を読んで満足してしまってあとの話の内容は全く頭に入らなかった。

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2023/10/18

夏にする昼寝みたいな読了感。永井さんの実体験をもとに描かれているけどどこかフィクションのような感じ。でも人生ってフィクションばりのありえんことばっかだからな。

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2023/10/16

 映画『ぼくたちの哲学教室』(2021アイルランド他)を観て、『これからの仕事になぜ哲学が必要なのか』(岡本裕一郎著)を読んで、哲学の基本は「問い」にあり、そして、この混沌とした時代に(本書の著者もVUCAの時代という表現を使っていた)、哲学は、より身近なものとして、実践すべきも...

 映画『ぼくたちの哲学教室』(2021アイルランド他)を観て、『これからの仕事になぜ哲学が必要なのか』(岡本裕一郎著)を読んで、哲学の基本は「問い」にあり、そして、この混沌とした時代に(本書の著者もVUCAの時代という表現を使っていた)、哲学は、より身近なものとして、実践すべきものと感じていたところに、本書に出会った。  対話を通じ、人々と問いに取り組み、考える。哲学が自分の生と共にあり続けてきたと著者は説く。身近なところでは、他者との距離感、理解、人間関係の築き方、それらがそもそも哲学に根ざしている、というか、そうした日常生活の基本的な行動そのものが哲学なんだと気付かせてくれる。哲学は、なにも肩肘張った学問でもなんでもない。 「完全に通じあわなくてもいい。わかりあうことはゴールではない。わかりあうのではない、わかりあおうとしあうこと。互いに空を飛ぶことを夢見ること、それだけでいい。」  そして、なにより、より自分を理解しようと努めること。それも哲学だ。 「ひとはは自分のことをあまりよく知らない。他者よりも他者なのが自分である。」  そのために、問い続けよう。大上段に構えずに、気軽に、日常的に。 「哲学は意外とわたしを助けてくれる。「なんで」と問うことは、その問題から、わたしを引き剥がす試みだ。」  この考え方は素敵だな。そうして、問題を、悩みの種を客観視するのだ。 「「なんで」と問うことによって、苦しみを、とりあえず目の前に座らせることはできる。そうすれば、苦しみがどんな顔かたちをしているかがわかる。確認できる。まじまじと観察して、お茶でも出してあげよう。早く帰ってと説得してもいいし、そのまま一緒に暮らしてみても案外面白いかもしれない。」  こういうのを達観、なんなら「悟り」というのかもしれないが、そんな過去の賢人が到達した境地でもなく、日常的に我々にも、そんな気持ちにのなれるのかもしれない。  哲学を、より身近に感じさせてくれる、哲学エッセイだ。

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2023/10/14

『#水中の哲学者たち』 ほぼ日書評 Day722 哲学エッセイ。著者は、1991年生まれの若手哲学研究者。 エッセイと言いながら、しっかり文中では哲学している。しかもめちゃくちゃ分かりやすいのが凄い。 "哲学とは「なんで?」と問うことだ。 ある哲学者は、哲学する...

『#水中の哲学者たち』 ほぼ日書評 Day722 哲学エッセイ。著者は、1991年生まれの若手哲学研究者。 エッセイと言いながら、しっかり文中では哲学している。しかもめちゃくちゃ分かりやすいのが凄い。 "哲学とは「なんで?」と問うことだ。 ある哲学者は、哲学することの根源は「驚異と懐疑と喪失の意識」であると言った。 要するに「は?(驚異)、マジで?(懐疑)、つら(喪失)」から哲学は始まるのだ。" どうだろう? 哲学対話の会で持論を展開した後に、中学生くらいの女の子に「なぜそう考えるの?」と問われ、固まってしまう中年男性。 福岡の美味しいもの等の会話をひとしきりした後に「九州って四国?」とごく自然に尋ねる人。 神は存在するか?を真剣に考えた、その答えが「神様って酸素なのでは」という女子学生。 小学校の答えのない問題を皆で考えようというクラスの何回目かで「ほんとは先生、答え知ってるんでしょ」と言われ、泣きそうになる。 そんなエピソードが散りばめられ、より深く考えるための動機づけが強くなされる一冊である。 https://amzn.to/46t1Qj6

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