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水中の哲学者たち の商品レビュー

4.1

136件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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2023/10/11

問う。こうかなぁと思って、そこからさらに問う まとまりきらない、というかわからない でもまだ問うことをやめなければ、いつか アッ!と思える瞬間が訪れるかもしれない 問わないとそれはわからない

Posted byブクログ

2023/10/07

哲学対話のファシリテーターをしている哲学者のエッセイ集です。哲学と名がついていますが、まったく難しくもかたくもなく、著者が身近な日常の出来事について水中に潜るように考えを深めていく内容です。思わず笑ってしまうエピソードもいくつかあり、純粋に面白いエッセイでした。 各章のタイトル...

哲学対話のファシリテーターをしている哲学者のエッセイ集です。哲学と名がついていますが、まったく難しくもかたくもなく、著者が身近な日常の出来事について水中に潜るように考えを深めていく内容です。思わず笑ってしまうエピソードもいくつかあり、純粋に面白いエッセイでした。 各章のタイトルを見るとおり、ほっこりするキラーワードに溢れています。個人的には著者が「哲学さま」と呼ばれた話が好きです。そういう小さいけどはっとする言葉たちを敏感にキャッチする感性がうらやましいです。美容室を非日常と捉えたりと、あたりまえの日常のものごとに対する解像度がすごく高いです。これが哲学者というものかと。 本書を読んで実践したいと思うこともいくつか。たとえば「ただ存在する」こと。何かをしている人でも、ボーとしている人でもダメで、とにかく存在だけする。なかなかチャレンジングな遊びです。それと、世界にツッコミを入れること。世界の不条理をお笑い芸人のボケと捉えるこの視点は、生きるのをすごく楽にしてくれそうです。 著者は哲学対話で参加者の捉えどころのない発言と向き合うように、矛盾だらけで非合理な人間というものに対して肯定してくれます。人間同士が分かり合えないことにむしろ前向きで、だからこそ対話するんだという姿勢がなんか良いな、と思いました。

Posted byブクログ

2023/09/29

こんなこと考えてる人わたし以外にいるのかな、 こんなことまで考えの海が広がることあるのかな、 と思ってたことがたくさん書かれてて、わたしの考えてる事はむだじゃなくて哲学だったんだ!と思えた1冊。 特に「こわい」の章の感覚がいつも考えてることに近かった。 世界を知りたい、世界を人間...

こんなこと考えてる人わたし以外にいるのかな、 こんなことまで考えの海が広がることあるのかな、 と思ってたことがたくさん書かれてて、わたしの考えてる事はむだじゃなくて哲学だったんだ!と思えた1冊。 特に「こわい」の章の感覚がいつも考えてることに近かった。 世界を知りたい、世界を人間をいきものを考えたい、考えることをやめたくない。人を愛することも生まれてきたことも、わからないからこわい。そもそも地球と世の中はなんでやねんなことばっかり。 考えることは日々の生きづれえを少しだけ救ってくれる気がします。

Posted byブクログ

2023/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウッと刺さる文がある。責められているわけではなく同じように隣で歩いてくれているような本に感じた。 生きていることに価値を求めたくはない。けど、何か役に立たないとと色んなものに急かされる。名も知らぬ他者だったり、友人だったり知り合いだったり、血縁者だったり、悲しいことに私自身だったり。そういう時、呼吸に注意を向ける。そうすると少し立ち止まることができる気がする。 役に立つことはいいことだと思う。私も役に立つと嬉しい。けれどそれに固執し過ぎないようにたまにブレーキをかけて息をしたい。

Posted byブクログ

2023/09/17

最近悩んでいた、いろいろなことを知れば知るほど、思考がこんがらがって、うまく喋れなくなる問題について、著者も同じように悩んでいて、すごく嬉しかった。 世界の正解を知りたくて、哲学を少しだけ齧り始めた結果、どうやら哲学者も正解には辿り着いていないらしいことがわかってきて、じゃあもう...

最近悩んでいた、いろいろなことを知れば知るほど、思考がこんがらがって、うまく喋れなくなる問題について、著者も同じように悩んでいて、すごく嬉しかった。 世界の正解を知りたくて、哲学を少しだけ齧り始めた結果、どうやら哲学者も正解には辿り着いていないらしいことがわかってきて、じゃあもう、正解が無いってことなのか…そんななかで何を目指してどうやって生きていいかが全然わからん…何考えても無駄…と落ち込んでいたけど、この本は、正解のない問について、考え続けることは決して無駄ではない、と伝えてくれてるように思えた。 色々な本を読めば、たくさんの人の気持ちがわかって、話題も豊富になって、文章も上手くなって、人と話すのが上手くなるかもと思っていたが、むしろ読めば読むほど、他者の気持ちはわからないということがわかり、会話相手が放った一つの言葉に対して、いくつもの意見が頭の中で響き合い、言葉も文章もまとまりを失って、結果的に自分の内側のたくさんの言葉を外に出せないまま、押し黙ってしまうことが増えた。 相手が待ってくれる姿勢を見せてくれる人であれば、一つ一つ言葉を探り出しながら話せるのだが、すごく長い時間がかかるし、結局結論がまとまらなかったりするので、ごく限られた人の前でしか、そうした会話はできない。 一方で振り返ってみると、自分はこれまで、その場のノリでだけ会話してばかりいたな、とも思う。 早いテンポで自分の意見をうまくまとめて放てる才能がある人もいるが、多数の中で話す時、私の場合、本当に言いたいことを脳内のたくさんの響きの中から拾い集めて、こねて、成形して…とやっていては、まとまった頃には、日が暮れてしまう。 実際に私は何週間も前に話した話題について、ふとした瞬間にこう言ったらよかったと気づくことが何度もあり、私に向いてるのは会話よりも文通かもな…と思ったりする。 なので、多数で話してる時は、とにかく、その場の中で、本当にノリだけで意味のない言葉を発している。 大体の会話はそもそもそういう、意味のない、音楽の合奏みたいな、良いタイミングでボタンを押す、みたいな会話なのかなとも思う。 でも、そうした会話しかできないとなると、だんだんと息苦しくなってくる。 本当に言いたいことがたくさんの他の言葉の中に埋もれてしまい、自分でもわからなくなって、一体自分はなんなのかすらよくわからなくなる。 この本の中の哲学対話の実例では、言葉を探しながら話す人のたどたどしい声がそのまま記載されている。 考えながら話した結果、やっぱり違うかも、ごめんなさい、で終わることもある。 今まで、澱みなくテンポよくオチのある話をするのが会話の完成系のような気がしていた。 でもそれは、漫才の見過ぎだったのかも知れない。 自分が上手く喋れないことに、苛立つこともあったが、この本の中に出てくる、考えながら話す上手く話せない人々のことはとても愛おしく感じる。 私たちの世代は、一本筋の通った、ぶれない人生を生きるのが難しい世代だと思う。 世界はいろんな方向からの声に溢れていて、何か一つのものを信じることは危ないとされる世界で、自分のなかで世界に対応するための確固たる理論のようなものを育てていくのがとても難しい。 理論の萌芽を感じても、ぐにゃぐにゃと形を変える世界と、ありとあらゆる人たちの声に常に通じる理論を作るには、世界から自分を断絶させるしかないようにも思ってしまう。 それでも世界と関わりながら生きつつ、自分が生きる指針となる理論を育てたいと思いながら生きている。 私の指針となる理論は、その都度、自分の目の前の人と作り上げていくもの、という枠組みそのものになるのかも知れない。 哲学について、難しい理論を理解し、世界に認められた権威の話を読んで、究極の真理に近づくこと、と思っていたが、むしろ、ふとした日常の瞬間に、なんでもない人たちの口から不意に溢れた言葉に、自分の意識していなかった問が開かれる瞬間こそが、哲学をすることなのかも知れないと思った。

Posted byブクログ

2024/08/15

・今年2回目の再読。この本を読んでから、他者に自分をひらく、ということについてずっと考えている。 ・ふだんのあれも、これも、ぜんぶ哲学じゃん、と思う。日常が問いに溢れている。問うことは、他者との違いを知り、世界と、自分の解像度を上げていく行為だ、と。 ・幼い頃、なんで?と問わ...

・今年2回目の再読。この本を読んでから、他者に自分をひらく、ということについてずっと考えている。 ・ふだんのあれも、これも、ぜんぶ哲学じゃん、と思う。日常が問いに溢れている。問うことは、他者との違いを知り、世界と、自分の解像度を上げていく行為だ、と。 ・幼い頃、なんで?と問われ、うまく答えることができず、しばらくの間ほったらかしにされた経験がある。それがおそらくトラウマになっていて、「なんで?」「どうしてそう思うの?」類の質問から避け続けてきたように思う。それは単純な問いで、ただ、わたしのことを知るためのものであって、決して責めているわけではない。それに気づいたのは、随分と時間が経ってからだった。なんで?に対する答えをじっくりと待って、一緒に考えてくれるひとたちが、私の周りには多いからだろう。 ・p51の「ぜんぜんわからない」を読んで泣いた。 -「わたしだけ」がこの世には無数にあって、それぞれさみしくて、バラバラで、めちゃめちゃで、そういう意味でわたしたちは、平等である。 わたしはあなたの苦しみを理解しない。あなたのかなしみを永遠に理解しない。だから、共に考えることができる。 あたりまえすぎて気付けない。私と、あなたは他者であり、それが希望になりうるということに。

Posted byブクログ

2023/09/03

哲学って言葉だけでもう難しい気がするし、哲学で有名な人たちがのこした言葉も何回聞いても、読んでもよくわからない でも、それでいいんだと思える 考えることが大切であって、更にいえばなんでこうやって考えるんだろうって思って そういうことが、たぶん哲学 人それぞれに考えがあって、...

哲学って言葉だけでもう難しい気がするし、哲学で有名な人たちがのこした言葉も何回聞いても、読んでもよくわからない でも、それでいいんだと思える 考えることが大切であって、更にいえばなんでこうやって考えるんだろうって思って そういうことが、たぶん哲学 人それぞれに考えがあって、それぞれの答えがあるっていうのが私はけっこう好きです

Posted byブクログ

2023/09/03

 とあるSNSのとあるアカウントが口汚く著者を罵っているのを見てしまい、逆に興味をひかれて読んでみた。正直なところ自分も、この方が書く文章の所々に引っかかりをおぼえるし、鼻持ちならないなあ、ともかなり感じる。ただ、少なくとも引っかかりについては、とあるSNSのとあるアカウントに対...

 とあるSNSのとあるアカウントが口汚く著者を罵っているのを見てしまい、逆に興味をひかれて読んでみた。正直なところ自分も、この方が書く文章の所々に引っかかりをおぼえるし、鼻持ちならないなあ、ともかなり感じる。ただ、少なくとも引っかかりについては、とあるSNSのとあるアカウントに対しても感じることだ。自分の考えを口にするということ、文章にして公開するということは、ほかの誰かを傷つける可能性をはらむ行為であり、著者はそれを十分すぎるほどに自覚している。私も自覚しているし、たぶん著者を批判していたアカウント主も自覚している(はずだ)。この本が売れている理由の一つは、多くの人にとって、それでも自らの考えを自らの外に出していくきっかけとして作用するからではないだろうか。

Posted byブクログ

2023/08/30

哲学とは「なんで?と問うこと」らしい。なら、「なんで?と問うのはなんで?」という問いが「人はなぜ哲学するのか?」という問いになるということだろうか?

Posted byブクログ

2023/08/20

哲学ってなんだろうという疑問は誰しも持っているけれど、多分普段もみんな哲学しながら生きているんじゃないかな。そんな風に思わされる本でした。

Posted byブクログ