水中の哲学者たち の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ゲラゲラ笑える話・つらくなる話・考えさせられる話などバラエティに富んでいて、オチがちゃんとつくし、とにかくエッセイとしてクオリティが高い。 哲学対話や日々の生活で著者が得た問いが整理されずに展開していく。自分の考えたことを自分の言葉で表現して、まとまらず行ったり来たりしながら、一生懸命潜っていくような感じで書かれている。それがまさに哲学対話的な議論なんだと思う。 大上段から批判するのではなく、むしろ自分の弱みを晒しながら手探りで進めていく感じが良かった。 わたしの中の凝り固まった先入観や前提が、本書で提示される問いによって解きほぐされていく。わからない・自由・他者・問い・対話・変化——これらのテーマが絶望と希望の中に混在しながら、有機的に繋がっているのだと思った。これらのテーマおよび本書の議論全体に対して、自分自身まだまだ考えが浅いし整理がついていないので、まずは再読したい。 ちなみに私に1番刺さったのは以下の記述。学生がやってきて、「これってどういう意味ですか」と聞いてくる。わからない、と思いながら、説明をする。学生が「なるほど、わかりました」と言う。わかるのか、すごいな、と思う。——まさにわたし自身が同じことをやっていてあせった。
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この人面白い。 哲学が軽やかに感じられた。 日常にある哲学。共感の嵐 私が大人になって本を読み出したのは 日常に問いをするようになったからなのかも 答えが欲しくて本を読む 本を読むと新たな問いが出てきて また新しい本を読む
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とても感動しました。 私が求めていた哲学はまさにこれだと思いました。 永井さんの考えはすてきで、これから大切にしていきたいことが散りばめられているし、笑っちゃう箇所もあってとても読みやすかったです。図書館で借りたけど買います!自分の好きな本トップになるほどすばらしい本でした。哲学...
とても感動しました。 私が求めていた哲学はまさにこれだと思いました。 永井さんの考えはすてきで、これから大切にしていきたいことが散りばめられているし、笑っちゃう箇所もあってとても読みやすかったです。図書館で借りたけど買います!自分の好きな本トップになるほどすばらしい本でした。哲学対話も参加してみたいです。
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哲学対話、やってみたい! 哲学というものがグンと身近になる本。 哲学書ってなんであんなに読みにくいんだろうと思ってだけど、哲学者である筆者も同じこと言ってて親近感しかない。
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知れば知るほど分からなくなって、上手く話せなくなる感覚、分かるなぁ。 掴みどころなくふわっと終わる 結論を求めて読む本というよりも思考の伴走をしてくれる本として、とても良かった。
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この人が感じている、弱さ、戸惑い、混乱にとてつもない魅力を感じているのは私だけでしょうか。まずもって、同じような魂を持った方だなと思い、興味深く読ませて頂きました。 私の中ではここ半年の中で一番面白かったなと思っており、著者が抱えている弱さも、世の中に対する些細な反抗も、すべて...
この人が感じている、弱さ、戸惑い、混乱にとてつもない魅力を感じているのは私だけでしょうか。まずもって、同じような魂を持った方だなと思い、興味深く読ませて頂きました。 私の中ではここ半年の中で一番面白かったなと思っており、著者が抱えている弱さも、世の中に対する些細な反抗も、すべてを投げ出してSeptemberを踊ろうとする著者も可愛らしいと思いながらも、この複雑怪奇な現代を生きていく同志として心強く思えました。それにしても、東進で授業する姿と比べてすごいギャップです…
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永井さんの言葉は他の哲学を扱う人と違って、飾らずに等身大だからするすると言葉が染み込んできた。 『どうか変わることをおそれないでください。』 哲学対話の中でのエピソードや、毎日の生活の中にゴロゴロと転がる物事の本質を言葉にして拾い上げている内容が身近でとても印象に残った。
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ネットメディアCLPで著者を初めて見た時から、柔らかい物腰とスマートな司会ぶりに一目惚れ。本書のことは新聞や雑誌の書評でも度々高評価を目にしていたけれど、擬音の使い方や面白がるポイントがちょっと変わってるところ、「哲学」がわからないから今もずっと考え続けている姿勢などなど、想像以...
ネットメディアCLPで著者を初めて見た時から、柔らかい物腰とスマートな司会ぶりに一目惚れ。本書のことは新聞や雑誌の書評でも度々高評価を目にしていたけれど、擬音の使い方や面白がるポイントがちょっと変わってるところ、「哲学」がわからないから今もずっと考え続けている姿勢などなど、想像以上に著者の“素”が伝わってきて益々ファンになりました。東畑開人さんの『ふつうの相談』出版イベントでのおふたりの対話‥聞きたかった。本にならないかなぁ。
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私は、哲学が、とてもとても苦手です。 そもそも抽象的に考えるということができない。それにプラスαで、そんなこと考えて何になるの?考えなくても生きていけてるじゃん、って思うタイプ。 そんな私がたったの2日で哲学に関する本(エッセイですが、、)を読み終えられたというのだから、これは本...
私は、哲学が、とてもとても苦手です。 そもそも抽象的に考えるということができない。それにプラスαで、そんなこと考えて何になるの?考えなくても生きていけてるじゃん、って思うタイプ。 そんな私がたったの2日で哲学に関する本(エッセイですが、、)を読み終えられたというのだから、これは本当にすごいこと。 タイトルの通り、読んでる間は思考という水の中に潜っているような感覚でした。潜って潜って、息苦しくなって、ときどき思い出したかのように陸に上がって呼吸をする。そんな風に読み続けました。 読み終えて、哲学は難しいって思いは変わりませんでした。(変わるのって難しい。そもそも哲学って分かるようになった方がいいのかな、私は分かるようになりたいって思っているのかな、そんなこともわからない。) だからこそ、考えられる人のことはすごく尊敬するし、そんな人のことが好きだなって思いが強くなりました。
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哲学という取っ付きにくいテーマを、軽やかに、時に詩的に感傷的に語られるエッセイ集で、哲学に近づくにはとてもよい本でした。 特に作家さんのユーモラスな側面がたびたび出てきて、とてもよいアクセントになっていました。
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