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批評の教室 の商品レビュー

3.9

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

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2021/12/14

ちゃんとした本の読み方を学びたく読んだ。分かりやすく、これならできるかもと思わせてくれる。最後に挙げられてる例は少し鼻に付くというか、目線落としてくれても良かったかと。

Posted byブクログ

2021/12/05

作品(文学、演劇、映画、など)の批評の仕方を、初心者向けに解説している本。著者の専門は演劇のフェミニスト批評とのことだが、汎用性の高い内容でとても学びがある。自分が、読書によって感情を確かめたり自分の中で反芻したり抽象的なエッセンスを抽出したりすることが好きなこともあり、読書術と...

作品(文学、演劇、映画、など)の批評の仕方を、初心者向けに解説している本。著者の専門は演劇のフェミニスト批評とのことだが、汎用性の高い内容でとても学びがある。自分が、読書によって感情を確かめたり自分の中で反芻したり抽象的なエッセンスを抽出したりすることが好きなこともあり、読書術という観点で参考になった。批評は、読書術とは異なり、自分なりのオリジナリティを見つける作業でもあるということに気づいた。

Posted byブクログ

2021/12/03

自分が想像していた内容と違った。日本では批判的に読むことを教わらないのでその辺りを知りたかった。あとは、映画や物語のネタバレが結構あるので注意が必要。

Posted byブクログ

2021/11/30

各章冒頭の挿絵や小見出しがどのように回収されるのかが気になってフィクション(とりわけミステリー)を読んでいるときのように、どんどん先が読みたくなるし、本文で紹介したポイントを本文で実際に使ってみせながら次のポイントを紹介していくという、非常にテクニカルかつ教育的な文章構成。巧いな...

各章冒頭の挿絵や小見出しがどのように回収されるのかが気になってフィクション(とりわけミステリー)を読んでいるときのように、どんどん先が読みたくなるし、本文で紹介したポイントを本文で実際に使ってみせながら次のポイントを紹介していくという、非常にテクニカルかつ教育的な文章構成。巧いなぁと何度も思わせられる本でした。 読んでよかった。どのページも線引きだらけになるほど学ぶことが多かった。しかしそれ以上にあと1週間早く読んでいれば…という後悔が強い。 チューターをしている高校の現代文の先生が、『批評の教室』に乗った授業をしていて芥川『羅生門』の批評という課題が出ていた。 先生のすすめに応じて月曜日、1年生の男の子が相談に来てくれた。彼は A. 下人が抱いてる恐怖心 B. 下人と老婆の年齢差 に注目して批評を書こうとしていた。話を聴きながら年齢差よりもむしろ恐怖心の方により注目しているように感じたのでそちらに時間を割いて相談した。 恐怖心と年齢差についてはある程度文章になっていたのだが、その下にゴーリキー『どん底』の中心人物ペーペルと下人の比較を試みたメモがあった。相談に来てくれた生徒はロシアで14年間過ごしていたので、おそらく自分の経験を活かした着眼点だったはず。 批評について何もわかっていなかった私は a. 恐怖心、年齢差、ゴーリキー『どん底』との比較の3つ全てをA4で2枚の批評に盛り込むのは難しい b. 3つのうち、恐怖心に最も注目している ということを話しながら恐怖心に焦点を当てる方向に話を誘導指定ました。でも実際には『羅生門』の批評なのに『どん底』という別作品を持ち出してしまったら『羅生門』:『どん底』=1:1の文学/作品比較になってしまうのではないかと思ってしまったのが一番の理由でした。 切り口を1つに絞るという点ではまるっきり誤りではなかったかもしれないけど、セッションの前に私が『批評の教室』を読んで臨んでいれば、ゴーリキーの『どん底』と比較するというアイディアも肯定的に受け止めながら、ニュートラルなチュートリアルができたのではないかとすごく反省しました。 次回以降は同じ課題について相談してくる生徒に対して同じ過ちを犯すまいと、急いで『批評の教室』を一読したのですが、課題締切までにその機会はありませんでした。悔しいし申し訳ない。

Posted byブクログ

2021/11/23

著者は洋楽をジャンルを問わず聴く洋楽マニアである。フェミ批評を得意とするが理不尽な言いがかりで炎上するなど風変わりな経歴を持つ女性批評家だ。その著者が批評のいろはを1から丁寧に解説し、最後に自身の学生とディスカッションするという一冊である。 この作品の特徴は引用の多彩さにある。小...

著者は洋楽をジャンルを問わず聴く洋楽マニアである。フェミ批評を得意とするが理不尽な言いがかりで炎上するなど風変わりな経歴を持つ女性批評家だ。その著者が批評のいろはを1から丁寧に解説し、最後に自身の学生とディスカッションするという一冊である。 この作品の特徴は引用の多彩さにある。小説からの引用だけでなく、ロックバンドの歌詞、批評家の著作、映画やドラマなど多岐に渡る。中でもシェイクスピアからの引用が多く、著者のシェイクスピア愛が嫌というほど伝わってくる。また、ドクターフーのファンである評者にとって、同作屈指の名作である「暖炉の少女」が解説されたことに著者のセンスを感じた(かなり上から目線である)。 私のような評者入門者にとって非常に取り組みやすい内容で、いざこの場にそれを実践しようと試みたわけだが、果たして著者に褒められるような批評になっただろうか。この著書にあるコミュニティの形成とはまさしくこの場であり、この評を読んだ者に少しでも感銘を与えることができれば私の最大の喜びである。

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2021/11/18

本や映画、舞台などを見るにあたり、効果的に読む方法はきっとそれをどうインプットするか、アウトプットするかを知るのが必要だなと思って買った本。 批評の初学者向けと書いてあったとおり、批評の手順について丁寧に書いてありました。 とはいえ、当たり前の話ですが、批評についてきちんと論...

本や映画、舞台などを見るにあたり、効果的に読む方法はきっとそれをどうインプットするか、アウトプットするかを知るのが必要だなと思って買った本。 批評の初学者向けと書いてあったとおり、批評の手順について丁寧に書いてありました。 とはいえ、当たり前の話ですが、批評についてきちんと論じてある内容なので、 大学の講義を聞いてるかのような、少し懐かしい気持ちになりました。 新書を読むのはあまり得意ではなく、作者の専門性と知識量にとにかくついていけなくて置いてきぼりになりがちで、 この本においても読んでいない本や観ていない映画が題字に出てきて少し気後れしましたが、 何故かその後の内容がよく分かって、どんどん読み進めることが出来ました。 これからに生かせることはそう多くないかもしれませんが、 とてもいい本だと思いました。

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2021/11/17

著者のツイートをよく見かけて、相手が理解し、または理解を放棄するまで議論を尽くす姿勢がすごいと思ってた そんな時に本書が評判になり、実は「批評」が何かを理解せずに、「議論をうまくできるようになるかもしれない」という動機で読み始めた 批評は映画、演劇、小説などの作品を解釈し、価値...

著者のツイートをよく見かけて、相手が理解し、または理解を放棄するまで議論を尽くす姿勢がすごいと思ってた そんな時に本書が評判になり、実は「批評」が何かを理解せずに、「議論をうまくできるようになるかもしれない」という動機で読み始めた 批評は映画、演劇、小説などの作品を解釈し、価値づけすることで、本書ではその「批評」の方法論が丁寧に説明されている さらにその批評の書き方も解説があり、作成された批評を素にしたコミュニケーションがシュミレートされている 今まで読んだ読書法の本と比べてアウトプットをより意識した方法になるので、今までとは違う視点で本が読めるようになるかもしれない 「議論がうまくできるようになれるかもれない」という本書の趣旨から外れた目的を達成することは出来なかっけど、得られたものはあった 映画や演劇に疎いので、本書で一番面白いはずの批評を素材としたコミュニケーションのシュミレーションがピンと来なかったのが残念だった

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2021/11/16

初心者向けに、批評の基本的なことを整理してわかりやすく書いてあり、読みやすく、親切。時系列を書いてみるとか、図解してみるとか、人物表とか、ネットワーキングとか、「分析って何?」という初心者にも取り掛かりやすいのではないだろうか。逆に少し勉強したことのある人にとっては、既に知ってる...

初心者向けに、批評の基本的なことを整理してわかりやすく書いてあり、読みやすく、親切。時系列を書いてみるとか、図解してみるとか、人物表とか、ネットワーキングとか、「分析って何?」という初心者にも取り掛かりやすいのではないだろうか。逆に少し勉強したことのある人にとっては、既に知ってるよってことが多いかも。プロップなんて懐かしい名前も出てきた。後半は実際に書いてみるためのヒント、参考になることも多い。しかし全体に課題や引用が(ご本人も書いているし、意図的と思われるが)確かに偏ってるね。

Posted byブクログ

2021/11/14

非常にこなれた文学批評の入門書。 とても読みやすくて、びっくりした。 ついでに言うと、私は本書で分析例として挙げられている映画やポップソングをほとんど知らないが、それでも内容はわかりやすい。 手順は3ステップ。 精読→分析→文章化。 それぞれのステップでの注意点が開陳される。 ...

非常にこなれた文学批評の入門書。 とても読みやすくて、びっくりした。 ついでに言うと、私は本書で分析例として挙げられている映画やポップソングをほとんど知らないが、それでも内容はわかりやすい。 手順は3ステップ。 精読→分析→文章化。 それぞれのステップでの注意点が開陳される。 精読はこんな感じ。 作品内の事実を認定し、しかし語り手を含めた人物を100パーセント信用しないこと。 作者には死んでもらうが、歴史的背景は殺さないこと。 その上での分析。 具体的な方法論を示し、実際に分析例もつけられているので、とても分かりやすい。 自分の観点を持つために、「巨人の肩の上に立つ」=批評理論の助けを借りる。 タイムライン、人物相関図に書き起こす。 物語を要素に分解する(構造分析)。 「仲間」の作品を見つけ、ネットワーキングする(インターテクスト化)。 このあたりの作業、楽しそうでわくわくする。 そう思わせるように書いているところがすごい。 書く作業は、少し抽象度が上がる。 分析の切り口を決め、読者対象を想定する。 書く時には、内容が正確に伝わるように。 ここら辺、いわゆる文章読本にも重なる内容。 ただ、「誰からも好かれようと思うな」という注意を与えるあたりは、この本ならではか? 個別の文学批評理論は本書で扱われない。 もちろん、本書のあちこちに、批評理論を前提とした部分がある。 もしかしたら、批評理論を全く知らない読者には、やや受け入れにくいところがあるかもしれない。 実は批評理論の解説書かと思って読み始めたので、最初少し肩透かしを食らった感があった。 が、読み終わってみると、別建てで正解と思える。 まずはここから。 ここに書かれていることがしっかりできていれば、それなりの批評になると思われる。 では、この文章は批評か? いいや、とんでもない。 単なる感想であることを急いで書き添えておく。

Posted byブクログ

2021/11/11

それを専門としていない読者を対象に「批評」をレクチャーする入門書。 ①精読し、②分析し、③書き、④他者と意見を交わしブラッシュアップ それぞれのステップで具体的な作品やセンテンスを用いて説明してくれるので非常に親切でわかりやすい。 精読においてはまず「間違っていない」レベルを...

それを専門としていない読者を対象に「批評」をレクチャーする入門書。 ①精読し、②分析し、③書き、④他者と意見を交わしブラッシュアップ それぞれのステップで具体的な作品やセンテンスを用いて説明してくれるので非常に親切でわかりやすい。 精読においてはまず「間違っていない」レベルを目指すこと。繰り返し/長い時間をかけて/自然では無い形で描写されるものには意図があると考えること。文脈やコンテキストを踏まえて(作者ではなく)作品を語ること。 分析においては批評理論を基にするのも良い。そのほか、図に起こす/タイムチャートを作る/他作品との比較のためのネットワーク図を利用する/早見表で作家性を見つける等で深掘る。作品が何を達成したか、何に自分は心を動かされたか、言語化する。 書く際には必ず対象を想定する。批評は一種のコミュニケーションである。切り口を決め、それをタイトルで示せれば初心者でもぶれにくい。

Posted byブクログ